マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ゼロ・グラビティ

2013-12-18 19:03:31 | 映画ー劇場鑑賞

ーゼロ・グラビティーGRAVITY

2013年 アメリカ 91

アルフォンソ・キュアロン監督 サンドラ・ブロック(ライアン・ストーン)ジョージ・クルーニー(マット・コワルスキー)エド・ハリス

 

【解説】

『しあわせの隠れ場所』などのサンドラ・ブロックと『ファミリー・ツリー』などのジョージ・クルーニーという、オスカー俳優が共演を果たしたSFサスペンス。事故によって宇宙空間に放り出され、スペースシャトルも大破してしまった宇宙飛行士と科学者が決死のサバイバルを繰り広げる。監督を務めるのは、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『トゥモロー・ワールド』などの鬼才アルフォンソ・キュアロン。極限状況下に置かれた者たちのドラマはもとより、リアルな宇宙空間や事故描写を創造したVFXも必見。

 

【あらすじ】

地表から600キロメートルも離れた宇宙で、ミッションを遂行していたメディカルエンジニアのライアン・ストーン博士(サンドラ・ブロック)とベテラン宇宙飛行士マット・コワルスキー(ジョージ・クルーニー)。すると、スペースシャトルが大破するという想定外の事故が発生し、二人は一本のロープでつながれたまま漆黒の無重力空間へと放り出される。地球に戻る交通手段であったスペースシャトルを失い、残された酸素も2時間分しかない絶望的な状況で、彼らは懸命に生還する方法を探っていく。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

評判通り、面白い映画ですよ。

これは3Dでどうぞ。

 

地表から60万メートル上空。

重力も酸素もない静寂の世界、宇宙。

人は生身では生きられない。

 

スペースシャトル「エクスプローラー」で船外作業中のライアン・ストーン博士(サンドラ・ブロック)とそれを見守るコマンダー、マット・コワルスキー(ジョージ・クルーニー)。

そこへ、ヒューストンから緊急避難のアナウンスが入った。

ロシアが衛星を爆破し、その破片がさまざま衛星に当たりながらエクスプローラーにもぶつかる危険があるというのだ。

 

逃げる暇も無く、ライアンはアームとともに宇宙空間に投げ出されてしまった。

ぐるぐる回ってパニックに陥るライアン。

そこにマットの冷静な声が聞こえて来た。

 

☆ネタバレ

このように、この作品の舞台は漆黒の宇宙の闇の中。

人間はいかに非力で弱々しい存在かということを思い知らされる。

 

次々とライアンを襲う悲劇と災難。

その試練をけなげに身を投げ出して奮闘するサンドラ・ブロックの表情が素敵です。

後半はサンドラの独壇場。

一人芝居状態です。

 

一人娘を無くし、感情に蓋をして生きてきたライアン。

でも、極限世界で、地球の声や亡き娘の面影や幻覚の中のマットに励まされながら、ライアンは必死に生きる。

ただ生きるということが美しく、素晴らしいということが、ラストの笑顔に言い尽くされていると思いました。

 

画面の向こうから次々と飛んでくる無数の衛星の破片や、ライアンの目からこぼれる涙の粒、ぴちゃっと飛び跳ねる水など、3Dだからこそ体感できる楽しさもいっぱい。

 

登場する国際宇宙ステーションやロシアの宇宙船の話、ライアンが帰還を試みる中国の宇宙船。

タイムリーな宇宙の話題でもありますが、政治的なことはわからないなあ。

 

難しいことはともかく、必見です!!

 


拝啓、愛しています

2013-12-18 10:35:24 | 映画ーDVD

ー拝啓、愛していますーLATE BLOSSOM

2011年 韓国 118

チュ・チャンミン監督 イ・スンジェ(キム・マンソク)ユン・ソジョン(ソン・イップン)キム・スミ(グンボンの妻)ソン・ジェホ(チャン・グンボン)ソン・ジヒョ(キム・ヨナ)オ・ダルス(ダルス)

 

【解説】

『王になった男』のチュ・チャンミンが監督を務め、カン・プル原作の韓国の人気漫画を映画化した感動作。ソウルの住宅地を舞台に、老境を迎えながらも懸命に生きようとする4人の男女の悪戦苦闘の日々を映し出す。『グッドモーニング・プレジデント』のイ・スンジェや『エンジェル・スノー』のユン・ソジョンらベテラン勢が共演。掛け替えのない相手を思い合う主人公たちの姿勢に心打たれる。

 

【あらすじ】

寒い冬の早朝、定年後に牛乳配達のアルバイトを始めたマンソク(イ・スンジェ)は、いつものようにオンボロバイクを走らせていた。彼はリヤカーを引きながら古紙回収をしている年配の女性(ユン・ソジョン)と坂道で擦れ違い、ふとした偶然で転んだ彼女を助ける。その日以来、マンソクは毎朝そわそわしながら彼女の姿を捜し始め……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

老いらくの恋などみたくもない、という感じですが、この作品は違いました。

恋というにはあまりに深い心情。

取り返せない過去を噛み締めて、二人が選んだ道が切なかったです。

 

早朝の町の坂道で、毎朝すれ違うマンソクじいさん(イ・スンジェ)とソンばあさん(ユン・ソジョン)。

マンソクのおんぼろバイクがはじいた小石が、ソンに当たり、ソンは転んでしまった。

マンソクは、自分のしたことがわからない。

助けに駆け寄るが、優しい言葉をかけたのではない。

 

でも、これで二人に関係性が生まれた。

雪の日には、マンソクはソンのリヤカーを引いて降りてやり、二人はその時間に出会うことを心待ちにするようになった。

 

ある時、ソンのリヤカーがおいてある駐車場の管理人グンボン(ソン・ジェホ)が寝坊して、あわてて鍵をかけ忘れて家を飛び出してしまった。

残された認知症の妻は、ふらふらと寝間着のまま家を出てしまった。

公園でブランコに乗っている薄着のグンボンの妻(キム・スミ)を見つけたのはマンソク。

上着を貸してやり、靴もはかせるが、家が分からない。

 

そのころ、必死に妻を捜して町中を探しまわっていたグンボンとソン。

ようやく4人は出会って、グンボンはマンソクに感謝した。

 

そこから、マンソクとソンは急速に近づいて行くが、ソンは字が読めず、マンソクとの待ち合わせに大幅に遅れてしまった。

そのことから、ソンの辛い過去が語られる。

 

マンソクは、役所に勤める孫娘キム・ヨナ(ソン・ジヒョ)にソンの生活保護を頼むが、ソンには名前も無く、社会保障番号も無かった。

世の中から忘れ去られたような存在のソン。

マンソクは、ソンをイップンという名で呼び、愛するようになっていく。

 

☆ネタバレ

そんなときに悲劇が起きた。

グンソクの妻が不治の病とわかり、グンソクは妻と心中をしてしまう。

そして、その後始末をマンソクに頼んだのだ。

 

ソンは、この出来事にショックを受け、マンソクと離れて故郷に帰ると言う。

それを聞いて怒るマンソクだが、やがてソンの心情を察知し、グンソクの残したおんぼろタクシーでソンを送って行くのだった。

マンソクにも、亡き妻への悔恨の情とか、家族への思いとか、ソンだけに捧げられない過去があったから。

 

マンソクの死ぬ間際、本当にきれいなシーンが展開されます。

ETへのオマージュもあるかも。

ファンタジーの中で結ばれたふたり。

 

このシーンで、二人が理解し合った思いが観客にも届いたような気がしました。

なぜ、ソンはマンソクの元を離れたか。

それは、やはり二人には時間がないからです。

老い先が短いから。

もう、間違いたくないし、やり直せないもの。

 

私も老境に一歩踏み出して、その気持ちが痛いくらいわかります。

この文章を書いていても、二人の心情に涙がこぼれました。

 

いい作品です。

60歳以上は、ぜひご覧下さい。