ーファーゴーFARGO
1996年 アメリカ
ジョエル・コーエン監督 イーサン・コーエン 、ジョエル・コーエン脚本 フランシス・マクドーマンド(マージ・ガンダーソン)スティーヴ・ブシェミ(カール)ウィリアム・H・メイシー(ジェリー・ランディガード)ピーター・ストーメア(グリムスラッド)ハーヴ・プレスネル(ウェイド)ジョン・キャロル・リンチ(ノーム・ガンダーソン)
【解説】
カー・ディーラーのランディガードは借金返済のために自分の妻ジーンを誘拐し、会社のオーナーでもある義父から身代金をいただこうと考えた。誘拐を実行するのは、妙な二人組、カールとグリムスラッド。だがジーンを自宅から誘拐した二人は、隣町ブレイナードまで逃げたところで、停車を命じた警官と目撃者を射殺してしまう。ブレイナードの女性警察署長マージは事件を追ってミネアポリスに赴くが、その間にも狂い始めた誘拐計画は次々と犠牲者を産んでいく……。(allcinema ONLINE)
【感想】
前にも見たことがありますが、友達ご夫婦と一緒に鑑賞しました。
この作品、タイトルにはスリラーと書いてあって、日本ではサスペンスにジャンル分けされていることが多いようです。
アメリカでは、コメディーにジャンル分けされているんですって。
1997年、アカデミー賞脚本賞と女優賞を獲得しています。
どんな、映画?
私はコーエン兄弟らしい、皮肉の利いた醒めたスリラーだと思います。
妻のジーンの父が経営する会社で部長をしているランディガード(ウィリアム・H・メイシー)は、借金で首が回らなくなり、妻を誘拐して義父から身代金を取るという計画を立てる。
誘拐の実行を頼んだのはカール(スティーヴ・ブシェミ)とグリムスラッド(ピーター・ストーメア)の二人組。
この二人組が問題。
カールは神経質でおしゃべり、小柄で変な顔。
グリムスラッドは無口で短気で残忍。
二人とも倫理観、道徳観はゼロ。
自宅からジーンを誘拐した二人組は、隣町のブレナードの境まで逃げてきたところで、パトカーに呼び止められ、グリムスラッドが警官を撃ち殺してしまう。
それを目撃した対向車を追いかけて、乗っていた二人も撃ち殺してしまった。
殺人事件が起こったと知らせを受けて動き出したブレナードの女性警察署長マージ(フランシス・マクドーマンド)。
マージは妊婦。
か弱い人間が粘り強く犯人を追いつめて行くという女性版のコロンボみたいで、そのギャツプを楽しむ趣向です。
マージは優しいご主人と一緒に暮らしていて、もうすぐ産まれて来る赤ちゃんを待っている幸せな女性。
それと対照的に、ただお金のためだけに最愛の妻を誘拐しようとする人間と、関わった人々を虫けらのように殺してしまう冷酷無慈悲な人間たち。
殺人なんてランディガードの思惑の中には入っていませんが、事態は悪くなる一方。
結果の重大さを思い知っておろおろするランディガードは道化師です。
もちろん、仕事も家庭もすべてを失うという形で、結果責任は彼が負うのです。
そして、暴力からほど遠いマージか犯人を逮捕にこぎ着けるところが痛快でした。
最初に事実を元にした物語と言うテロップが出ますが、この作品はフィクションのようです。
これも、コーエン兄弟のユーモアかな?