マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

私の中のあなた

2009-10-30 11:09:36 | 映画ー劇場鑑賞
ー私の中のあなたーMY SISTER'S KEEPER
2009年 アメリカ
ニック・カサヴェテス監督 キャメロン・ディアス(サラ・フィッツジェラルド)アビゲイル・ブレスリン(アナ・フィッツジェラルド)アレック・ボールドウィン(キャンベル・アレグザンダー)ジェイソン・パトリック(ブライアン・フィッツジェラルド)ソフィア・ヴァジリーヴァ(ケイト・フィッツジェラルド)ジョーン・キューザック(デ・サルヴォ判事)トーマス・デッカー(テイラー・アンブローズ)ヘザー・ウォールクィスト(ケリーおばさん)エヴァン・エリングソン(ジェシー・フィッツジェラルド)デヴィッド・ソーントン(ドクター・チャンス)

【解説】
アメリカの人気作家ジョディ・ピコーのベストセラー小説を、『きみに読む物語』のニック・カサヴェテス監督が映画化。白血病の姉のドナーとなるべく遺伝子操作によって生まれた妹が、姉への臓器提供を拒んで両親を提訴する姿を通し、家族のありかたや命の尊厳を問いかける。主演のキャメロン・ディアスが初の母親役に挑み、両親を訴える次女役を『リトル・ミス・サンシャイン』のアビゲイル・ブレスリンが熱演。シリアスなテーマながら、主人公一家の強い家族愛が胸を打つ。

【あらすじ】
白血病の姉ケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)に臓器を提供するドナーとして、遺伝子操作によって生まれた11歳のアナ(アビゲイル・ブレスリン)。彼女はこれまで何度も姉の治療のために犠牲を強いられてきたが、母サラ(キャメロン・ディアス)は愛する家族のためなら当然と信じてきた。そんなある日、アナは姉への腎臓提供を拒否し、両親を相手に訴訟を起こす。

【感想】
私には3人の子供がいますが、誰かが不治の病になったとして、他の誰かをドナーにできるでしょうか。
生まれた時からずっと、健康な子供に注射針や麻酔の伴う処置ができるか。
まして、腎臓提供をと思うだろうか?

この作品のアナ(アビゲイル・ブレスリン)は、白血病の姉(ソフィア・ヴァジリーヴァ)を助けるために、両親であるサラ(キャメロン・ディアス)とブライアン(ジェイソン・パトリック)が遺伝子操作で作った子供。
倫理的にはどうなの?という、ぎりぎりの子供です。

そうであっても、アナは日々人間として成長し、自我にも芽生え、自分の体を守るため、弁護士(アレック・ボールドウィン)を雇って姉への臓器提供を拒否するお話です。

すごくセンセーショナルな、ショッキングなテーマですが、本編はまったくそうではなく、穏やかな家族のお話でした。
日本では殺伐になりがちな法廷シーンも、難病を抱えて、介護犬と活動するアレック・ボールドウィンや、愛娘を亡くした判事(ジョーン・キューザック)を配置して、ともすれば孤立しそうな母サラの心情も酌んだ形でストーリーは進められて行きました。

法廷のシーン。左がサラ、真ん中が判事、右がアナの弁護士

ポイントはケイトの恋のお話です。

 ケイトとテイラー

病気そのものや、クスリの副作用で苦しみながらも、同じ患者であるテイラー(トーマス・デッカー)と知り合い、恋をして、生きる力や、別れの悲しみを経験するケイト。
それを戸惑いながらも温かく見守る家族。
本当にいいなあと思いました。

そして、最後の真相が明らかになったとき、家族は成長して、ケイトの死ときちんと向き合える人々になっていました。

私はまったく、サラと同じ立場で見てしまいました。
サラは弁護士というキャリアを投げ打って、ケイトの救命にあたっていて、それ以外は何も考えられない状況にいます。
アナが犠牲になるのは、申し訳ないと思うけど、でも、ケイトを死なせるわけにはいかない。
自分の目の前で、ケイトを死なせるわけにはいかないと、思い込んでいる母親なのです。
その思いは最後までぶれることはありませんでした。
でも、サラ自身の内面ではすごい葛藤があったと思うし、辛い決断を何度も自分に強いてきたのだと思います。
だから、家族もサラを理解し、彼女の愛情を疑ったり失ったりすることはなかったんだと思いました。

本当に、いい映画でした。
みなさんにも、ぜひ見ていただきたいと思いました。