マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

男と女の不都合な真実

2009-10-05 16:56:02 | 映画ー劇場鑑賞
ー男と女の不都合な真実ーTHE UGLY TRUTH
2009年 アメリカ
ロバート・ルケティック監督 キャサリン・ハイグル(アビー)ジェラルド・バトラー(マイク)エリック・ウィンター(コリン)ジョン・マイケル・ヒギンズ(ラリー)ニック・サーシー(スチュアート)ケヴィン・コナリー(ジム)シェリル・ハインズ(ジョージア)ブリー・ターナー(ジョーイ)

【解説】
『ラスベガスをぶっつぶせ』のロバート・ルケティック監督が手掛ける、不器用な大人の男女の恋愛指南ラブストーリー。頭でっかちなキャリアウーマンと、口だけは達者だが恋に憶病な男性の困難な恋愛模様をコミカルにつづる。主演は『幸せになるための27のドレス』のキャサリン・ハイグルと、『幸せの1ページ』のジェラルド・バトラー。美男美女が口走る過激なセリフの数々や、ブレーキ不能の恋の行方にハラハラドキドキ!

【あらすじ】
美人で優秀なテレビプロデューサーのアビー(キャサリン・ハイグル)だが、その仕切り屋の性格が災いしてなかなかいい相手に巡り合えずにいた。そんな折、彼女は番組の視聴率アップのため、下世話な恋愛相談が売りのマイク(ジェラルド・バトラー)と嫌々チームを組まされる。まるで水と油のような二人は、最初からぶつかり合うが……。

【感想】
かなりガラガラな映画館だったのに、隣に太った男性が。
こんなテーマの映画って、隣に知らない男性がいてほしくないわー。

でも、純粋に映画を楽しまれているようで、かなり「わはは」と声を出して笑っていらっしゃるので、私も思い切り笑って見ましたよ。

そんなに過激な内容でもありませんでした。
ストーリーは結構普通のラブコメでした。
セリフが過激、あ、一カ所、笑っていいかどうか、迷うシーンもありましたが、思いっきり笑いました。
だって、おかしいんだもん。

ジェラルド・バトラーは「幸せの1ページ」でも、「PSアイラブユー」でも、こういうキャラだなあ。
今一番男らしくて包容力のある俳優さんかもしれませんね。

あの日、欲望の大地で

2009-10-05 16:46:11 | 映画ー劇場鑑賞
ーあの日、欲望の大地でーTHE BURNING PLAIN
2008年 アメリカ
ギジェルモ・アリアガ監督 シャーリーズ・セロン(シルヴィア)キム・ベイシンガー(ジーナ)ジェニファー・ローレンス(マリアーナ)ホセ・マリア・ヤスピク(カルロス)ヨアキム・デ・アルメイダ(ニック)ジョン・コーベット(ジョン)ダニー・ピノ(サンティアゴ)J・D・パルド(サンティアゴ(少年時代))ブレット・カレン(ロバート)テッサ・イア(マリア)

【解説】
『21グラム』や『バベル』などの脚本家として知られるギジェルモ・アリアガが、監督として長編デビューを飾った壮大な愛の物語。愛を渇望する悲しい宿命を背負いながらも、一筋の光に導かれる3世代の女性たちの生き様を真摯(しんし)に描く。ミステリアスな主人公とその母親を演じるのは、シャーリーズ・セロンとキム・ベイシンガー。このオスカー女優二人が肉体をさらけ出し、ひたむきに熱演する女性たちの魂の叫びやその悲しみに圧倒される。

【あらすじ】
シルヴィア(シャーリーズ・セロン)は、ポートランドの海辺にたたずむ高級レストランのマネージャーとして働いている。仕事場では有能な彼女だが、プライベートでは行きずりの相手との情事を繰り返していた。そんなある日、彼女の前にカルロス(ホセ・マリア・ヤスピク)というメキシコ人男性と、12歳の少女マリア(テッサ・イア)が現れ……。

【感想】
女性のドラマですが、賛否両論ある映画でしょうね。
私は、かなり気に入りました。

前半は時系列も、場所も、かなり入れ替わって、なかなか本筋が見えてきません。
でも、シャーリーズ・セロンとキム・ベイシンガー二人の演技力に見とれて、ぐんぐん引き込まれます。

☆ネタバレ
シルヴィア(シャーリーズ・セロン)は、ポートランドの海辺の高級レストランのマネージャーをしている。
店のコックと不倫関係にあり、行きずりのお客ともベッドをともにする。
自傷行為を続け、自殺願望もあるようだ。

唐突に挿入されるシーン。
荒野の真ん中で、トレーラーが爆発炎上した現場。
男の兄弟がやって来て、友達に言う。
「父親が死んだ現場。愛人と二人重なって」

もう一つの話は、四人の子供がいる幸せそうな家庭。
長女は高校生で、二人の弟と、幼い妹。
父親は、家族思いで、母は優しい。
しかし、母ジーナ(キム・ベイシンガー)には秘密があった。

乳がんで乳房を失った。
ジーナは傷つき、夫もそんなジーナを抱けなくなっていた。

ジーナは愛人を作り、トレーラーで密会を重ねていた。
最初は廃屋のようなトレーラーが美しく飾られ、二人の愛の巣へと変わって行く。
「水が冷たいわ」とジーナが言い、男はプロパンガスを運んで来た。

この男にも家庭があった。
冒頭の兄弟の父親である。

そして、事故は起きた。
両方の家族は、傷つき嘆く。

そんな中、死んだ男の長男のサンティアゴ(J・D・パルド)はジーナの長女マリアーナ(ジェニファー・ローレンス)に近づき、二人は引かれ合う。
やがて、サンティアゴの母にも、マリアーナの父に知られるところとなり、嘆かれ、激怒され、二人は町を出る。
マリアーナのお腹にはサンティアゴの赤ちゃんが宿っていた。

マリアーナには大きな秘密があった。
誰にも言えない秘密。
愛するサンティアゴにも言えない。
そして、赤ちゃんを産んで2日後、マリアーナは姿を消した。


成長したマリアーナがシルヴィアなのですが、ここからは、あまり書きたくないなあ。
みんなに見てもらいたい。

正しいとか、そういうことではなく、過ちを犯した人間でも、生きる道はあるんだってこと。
命は成長し、やがて傷も罪も癒される時がくるんだろうということ。
希望的観測でもいい、自分は生きていていいんだと、思う時もきっと来るということ。

いつか、母の罪を許し、若さ故の悔やんでも悔やみきれない過ちも、癒され、前を向ける日が来るということ。

この映画を見て、そんなことを感じました。

みんなはどう思うのかなあ?


ウルヴァリン:X-MEN ZERO

2009-10-05 15:38:53 | 映画ー劇場鑑賞
ーウルヴァリン:X-MEN ZEROーX-MEN ORIGINS: WOLVERINE
2009年 アメリカ
ギャヴィン・フッド監督 ヒュー・ジャックマン(ローガン(ウルヴァリン))リーヴ・シュレイバー(ビクター(セイバートゥース))リン・コリンズ(ケイラ)ダニー・ヒューストン(ストライカー)テイラー・キッチュ(レミー・ルボー(ガンビット))ライアン・レイノルズ(ウェイド・ウィルソン(デッドプール))ウィル・アイ・アム(ライス)ダニエル・ヘニー(エージェント・ゼロ)ドミニク・モナハン(ブラッドリー)ケヴィン・デュランド(フレッド・デュークス)

【解説】
全世界でヒットした、『X-MEN』シリーズ最新作。ヒュー・ジャックマン演じる特殊な能力を持つウルヴァリン誕生の秘密を描く。監督には『ツォツィ』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞した南アフリカ出身のギャヴィン・フッドを抜てき。キャストには、『オーメン』のリーヴ・シュレイバーや『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』のライアン・レイノルズら多彩なキャストが名を連ねる。シリーズ史上、類を見ない激しいアクションに注目。

【あらすじ】
特殊な能力を持つ、ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)。かつてカナダの森で目覚めたとき、ローガンという名の兵士だったというほかに、彼は過去を記憶していなかった。そして、そこには“ウルヴァリン”と刻まれた軍の認識票が残っていたが……。

【感想】
ウルヴァリン誕生秘話。
話は150年も前に遡る。

☆ネタバレ
微熱を出してベッドに伏せているジェームズのそばで、乱暴そうな感じの年上の少年ビクターがいる。
ジェームズの父親が現れ、ビクターに帰るように促す。

そのとき、階下で争う音、どうやらビクターの父親が来たらしい。
ジェームズの母親は、ビクターの父親の元の奥さんだった様子。
ジェームズの父親は部屋を飛び出し、そこに銃声、ジェームズの父親はビクターの父親に撃たれてしまった。

ジェームズの体に怒りが満ちると、握った拳から、3本の爪が飛び出し、ビクターの父親を襲った。
ビクターの父親は「お前は俺の息子だ」と言う。

家を飛び出したジェームズを追いかけてビクターがやってきた。
「おまえは、俺の弟だ。おまえは俺が守る」

そして、後年、この兄弟はいつの世にも戦場にいた。
「南北戦争」「ノルマンジー上陸作戦」「ベトナム戦争」
「背中を合わせろ」窮地に陥った時の二人の合い言葉だ。
ジェームズはローガンと名乗っている。

やがて二人は、ストライカーと言う軍人に集められ、特殊能力を持った戦士のチームとして、特別な任務に就くが、ローガンは人殺しに嫌気がさし、チームを抜けた。

彼は、今恋人ケイラ(リン・コリンズ)、と暮らし、鉱山で働いていた。
幸せな毎日。
ケイラは月に恋した妖精の話をし、その名はウルヴァリンだと教える。

しかし、ビクターはかつての仲間を襲い、殺し、ストライカーはローガンにビクターを抑えるように命令した。
ビクターは、さらにケイラを殺してしまう。
怒ったローガンはストライカーの口車に乗り、「ウェポンX」の実験台となるー

面白かったです。
わかりやすいし。

Xメンシリーズのウルヴァリンの生い立ちですが、彼自身は本シリーズでは、記憶喪失になっている設定でした。
謎だらけの彼の過去。
すっかり、解き明かされましたね。

美しいとは言えないけど、意外な兄弟愛にもほろりと来ました。
本シリーズのキャラクターもちらちら出て来て、とても楽しめます。

またまた、ヒュー・ジャックマンの肉体美。
全裸で駆け回るシーンもあり、たまりませんよ。
バイクシーンもかっこいいし、アクションも素敵…。
ファン必見ですね。

個人的には、レミー・ルボー(ガンビット)を演じたテイラー・キッチュがよかったなあ。
ちょっとヒース・レジャーに似てると思いませんか?




オーストラリア

2009-10-05 14:34:46 | 映画ーDVD
ーオーストラリアーAUSTRALIA
2008年 オーストラリア
バズ・ラーマン監督 ニコール・キッドマン(レディ・サラ・アシュレイ)ヒュー・ジャックマン(ドローヴァー)デヴィッド・ウェンハム(ニール・フレッチャー)ブライアン・ブラウン(キング・カーニー)ジャック・トンプソン(キプリング・フリン)デヴィッド・ガルピリル(キング・ジョージ)ブランドン・ウォルターズ(ナラ)

【解説】
映画『ロミオ&ジュリエット』『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマン監督が、壮大なオーストラリアの自然を舞台に描く運命的な愛の物語。主演は『ムーラン・ルージュ』に引き続きバズ監督作品参加となるニコール・キッドマンと映画『X-MEN:ファイナル ディシジョン』のヒュー・ジャックマン。広大なオーストラリア大陸のロケーションや、主要キャストをオーストラリア出身者で固めるなど、バズ監督のこだわりが随所に見ることができる。


【あらすじ】
第二次世界大戦を目前に控えたオーストラリアを訪れた 英国貴族レディ・サラ・アシュレイ(ニコール・キッドマン)。サラは死んだ夫が残した広大な土地と1,500頭の牛を相続し、土地を守るために粗暴な現地のカウボーイ(ヒュー・ジャックマン)と手を組み、遠く離れたダーウィンまで牛を引き連れて行かなければならなかった。反目しあう二人だったが、長旅やアボリジニの孤児の少年との出会いを通し、徐々に惹(ひ)かれあっていく。

【感想】
公開時、ちょっと評判を見たらすごく悪かったんです。
見た友達は、よかったよと言っていましたが、なんか、興味が失せてしまい、劇場には行きませんでした。

主演はオーストラリア出身のニコール・キッドマンとヒュー・ジャックマン。
オーストラリア版「風と共に去りぬ」といううたい文句でしたね。

時代は1940年くらい。
第二次世界大戦の戦火が、オーストラリアにも迫って来た頃です。

アボリジニの女性と白人男性の間に生まれ、クリームと呼ばれるナラ(ブランドン・ウォルターズ)の言葉で語られる物語です。
ナラは、祖父のキング・ジョージ(デヴィッド・ガルピリル)からアボリジニの不思議な力を教えられ、ひとりで旅に出るアボリジニの成年儀式「ウォークアバウト」に出かける年齢を迎えようとしていた。

オーストラリアの歴史が深く影を落としているのですが、イギリスの植民地化によって、アボリジニ人口が90パーセント減少したと言われています。
免疫のない病気や、飲酒習慣のなかったところにもたらされた文化の違い、あるいは、流浪地として使われていたことによって、モラルの高くない白人たちがハンティングの対象としたなど、残酷な理由が挙げられていました。

そういえば、世界史で「白豪主義」という言葉を聞いたような気が…。

アボリジニの子供や混血の子供は、親元から引き離され、教会や白人家庭で育てるという政策がとられた時期もあるそうです。
しかし、実際に彼らの送られた場所は強制施設や孤児院で、虐待を受けたり、遺棄された子供も少なくなかったそうです。
彼らはアボリジニとしてのアイデンティティを失い、「盗まれた世代」と呼ばれています。
この作品にも、そういう子供たちが登場します。

アボリジニは、文字を持たないことから、証拠も残さず消滅した部族も多いということです。

そういえば、私がアボリジニの存在を知ったのも、大人になってからのような気がします。
痕跡もなくこの世界から消滅した人たちー怖いですね。

2008年にオーストラリア政府は、アボリジニに対して正式に謝罪したそうです。
でも、賠償はなしだということで、ただ謝っただけのようです。

2008年というのも驚きだし、もう取り返しがつかなくなってからの謝罪に意味があるのでしょうか?

さて、そういうことを念頭において、この作品を振り返りたいと思います。
イングランド出身で、オーストラリアに牧場を持ち、長年その牧場にかかり切りの夫を追ってオーストラリアにやって来たレディ・サラ・シュレイ(ニコール・キッドマン)と、夫に雇われているカウボーイのドローヴァー(ヒュー・ジャックマン)のロマンスを、目一杯楽しみたい作品です。

☆ネタバレ
サラがオーストラリアにやってきたその日、夫は何者かに殺されてしまいます。
大地主キング・カーニー(ブライアン・ブラウン)は、サラの土地を狙っていました。
1500頭の牛を港へ運び、それが売れたら、土地を守れるというので、サラはドローヴァーやその従者たち、ナラやナラのおばあちゃんなどを道連れに、牛を追って旅に出ました。

その旅の途中で、ナラを愛しく思う心が芽生え、ドローヴァーとも愛し合うようになります。

牛を運び終え、牧場を守り、3人の家族のような生活が始まりましたが、ドローヴァーは牛を追って旅をする生活、ナラは「ウォーキングアバウト」に旅立ってしまいました。
しかし、警察に見つかり、離れ小島の強制施設に入れられることになってしまいました。

傷心のサラは、なんとかナラを解放してもらおうと、ダーウィンで働き始めますが、そこに日本軍が空爆を開始して…

日本軍がオーストラリアを空爆しているのですね。
この歴史も知りませんでした。

ただ、ここが、この映画が日本で評判の悪い理由なのですが、強制施設のある島へ日本軍が上陸して、子供たちを助けに来たアボリジニを銃殺するのです。

私もここが疑問です。
なぜ、日本人にアボリジニを殺させなくてはならなかったか?
微妙な問題のすり替えがある感じがしてなりません。

子供たちは救われ、ナラとサラとドローヴァーは再会を喜びます。

ナラの父親も明かされ、サラの夫殺しの謎も解け、悪人は滅びます。

ナラはアボリジニの子供として「ウォークアバウト」に旅立ちますが、サラとドローヴァーはそれを見送るというハッピーエンドです。

だからよけいに、日本人だけが悪者にされたようで、不快感の残るのが残念な作品でした。

ブッシュ

2009-10-05 13:36:06 | 映画ーDVD
ーブッシューW.
2008年 アメリカ
オリヴァー・ストーン監督 ジョシュ・ブローリン(ジョージ・W・ブッシュ(大統領))エリザベス・バンクス(ローラ・ブッシュ)ジェームズ・クロムウェル(ジョージ・H・W・ブッシュ)エレン・バースティン(バーバラ・ブッシュ)リチャード・ドレイファス(ディック・チェイニー(副大統領))スコット・グレン(ドナルド・ラムズフェルド(国防長官))ヨアン・グリフィズ(トニー・ブレア(イギリス首相))タンディ・ニュートン(コンドリーザ・ライス(大統領補佐官))ジェフリー・ライト(コリン・パウエル(国務長官))トビー・ジョーンズ(カール・ローブ(次席補佐官))ステイシー・キーチ(アール・ハッド師)ブルース・マッギル(ジョージ・テネット(CIA長官))デニス・ボウトシカリス(ポール・ウォルフォウィッツ(国防副長官))コリン・ハンクス(デヴィッド・フラム(大統領補佐官))

【解説】
アメリカ元大統領、ジョージ・W・ブッシュの半生を描く伝記映画。名門一家に生まれた問題児がいかにして大統領になったのかを『JFK』『ニクソン』と大統領映画を手掛けてきたオリヴァー・ストーン監督が描く。ブッシュを演じるのは、『ノーカントリー』のジョシュ・ブローリン。チェイニー副大統領をリチャード・ドレファスが演じ、ライス大統領補佐官をタンディ・ニュートンが演じるなど、ブッシュの側近たちの配役にも注目。父親との確執や逮捕歴など、人間味あふれる姿が興味深い。

【あらすじ】
大学時代には逮捕歴があり、卒業後は職を次々と変え、ついにアルコール依存症になってしまったWことジョージ・W・ブッシュ(ジョシュ・ブローリン)。父のジョージ・H・W・ブッシュ(ジェームズ・クロムウェル)がアメリカ大統領になると、輝かしい父や出来のいい弟と自分を比較しては愚痴っていた。そんなダメ男のWが、「お前が大統領になるのだ」という神のお告げを聞き……。

【感想】
アメリカも日本も、政権が交代したけど、将来は見通せず、前政権の残した問題が山積みで、オバマさんも鳩山さんも苦労が多そうです。

アメリカの退陣したばかりのブッシュ政権が、こんなに早く映画のネタになるなんて、アメリカって、やっぱりすごいですね。

でももっと、ブッシュを小バカにしたような内容かと思っていました。
軽く笑ってすませるような作品ではないところも、オリヴァー・ストーン監督、さすがです。

W.と呼ばれるジョージ・W・ブッシュ(ジョシュ・ブローリン)は、偉大な父、第41代アメリカ合衆国大統領ジョージ・H・W・ブッシュ(ジェームズ・クロムウェル)長男として成長するが、父親に対しても、できのいい弟に対しても劣等感でいっぱいの青春時代を送る。
逮捕歴もあり、女性との問題、アルコール依存症など、問題が多い。

その彼が神の啓示を受けて、大統領を目指し、当選する。
そして、彼の政権は悩みながらも、イラクへの派兵を決める。
父の決断した湾岸戦争を強く意識しながら。

確かに、アメリカの大統領のことを、自国の人間が笑ってすますわけにもいかないでしょう。
運命共同体。
そんなこといえば、アメリカの命運は、日本の、いえ、世界の運命を決めるとっても過言ではありませんよね。

そして、人間ブッシュについて描かれたこの作品。
アメリカ政治に明るくない私にも、いろいろ考えさせられる内容でした。

テレビニュースでおなじみとも言える、ブッシュ大統領の側近の人たち。
特に、ライス大統領補佐官役のタンディ・ニュートンの仕草には、はまってしまいました。
すごく、似ています!!

とにかく、大きな存在のアメリカ大統領ではありますが、そこは人間のやること。
一人で政治はできないし、時勢や流れもあるでしょうし。
でも、人々の暮らしが少しでもよくなるように、政治の力でよりよい方向へ導いてもらいたいものです。