kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

楽しくないことを楽しくやる

2015-07-01 | 陸上競技
先週から「新しい取り組み」について考えています。正確にはもっともと前から考えていたのですが「タイミング」がないので思い切った切り替えができませんでした。今回あれこれ考えることがあり、思い切ることにしました。

4年位前から少しずつ練習スタイルが大きく変わってきています。きっかけはある選手が入部してきたことでした。一番最初に話をしたときに「嫌いなことは努力です(笑)」と言われました。もう天才です(笑)。その前の段階であれば「どんなことを練習をする」という指導スタイルでした。指導の感覚的に「白か黒」というくらいの極端な話の指導。当時はそれでも選手がついてきてくれていました。この手の練習をほかの指導者が見たら「こいつ何だ」という感覚を持たれるでしょう。実際、その頃は周りから思われていたと思います。「あの学校に行ったら練習がきついから止めた方がよい」と言われていたと聞きました(笑)。まー「覚悟」という部分ではそれでもよかったのですが。

多くの選手は「きついことが嫌い」です。当然ですね。でも、「きつくてもやり抜く」という事をずっと求めていました。それくらいやらないと勝負することができないと考えていました。が、この選手と出会って「今までのスタイルでは無理だな」と考えるようになりました(笑)。「何が何でも強くなるんだ」と思って練習ができるまでには時間がかかるのです。それを最初の段階から求めていました。無理な話です(笑)。そのころから地味な練習をひたすらやる度合いがずいぶん減ってきました。「飽きる」から(笑)。

トレーニングに関しても同様でした。きついことをやるのが苦手な選手が多い。繰り返しになりますが基本的にみんな嫌なのです。それを「やらないのはありえない」という感覚でやっていましたが「無理なものは無理」なんです。それを求めすぎるとお互いにストレスを感じます。底の部分を踏まえて「指導スタイルの転機」を迎えました。飽きさせずに練習をさせること。ここを考えるようになりました。厳しく練習をしていたころの選手からすれば「先生、優しくなりましたね(笑)」と何度も言われました。そうかもしれません。それでも選手に合わせた練習をしていくことも必要なのかなと。150mさえも走らなくなりました。これもどうかと思いますが(笑)。

こちらが選手に合わせるだけではダメだと思っています。でも最終的にその選手が「結局、先生にうまく乗せられてやりきった感じがある」と保護者に言っていたようです。途中で「このままではインターハイには行けないよね。諦めようか。」と何度も言っていました。表現的にどうなのかと言われるかもしれません。が、ある程度の意識レベルまで上がっていましたから「悔しいから絶対に行ってやる」という気持ちになったそうです。タイミング的な部分もあったと思いますが。その時に「ごまかしながらでもやる」という感じを持っていました。かなりの練習量をやっているので多少雑になっても良いんじゃないかと。本当はダメです。でも「完璧」を求めていたら先には進めないのです。

そしてこの選手、前にも何度も書いていましたが考え方がシンプル。「きついことはやりたくない」のです(笑)。人間の本能ですよね。それが練習の中に出てきます。他の選手がシャフト補強をやっているのを見て「なんであんなにゆっくりやるんですかね?速く動いた方が楽じゃないですか」と言っていました。やっている時間を短くするために接地時間を短くして移動距離を大きくする。それにより早く終わるのです。人間基本的に「楽」をしたい。そのことを度外視して「追い込むことで人は強くなる」という感覚が強くなっていました。目から鱗です(笑)。まー普通の選手はそんなに接地時間を短くできませんし、大きく動けません。それでもそこに大きなヒントがあるのだと思います。

「飽きないようにする」ことと「追い込むことがメインではない」と考えています。楽しくない練習をできるだけ楽しくやる工夫をこちらがいないといけません。テスト修了後はこの部分を意識したいと思っています。これからの練習の中に取り入れていく。特にトレーニングは工夫が必要になると思います。その中に「走るために必要な要素」も取り入れていく。こうやって考えるのが今最高に楽しいのです(笑)。

これに関してはまた別に書きます。なかなか面白いです。
コメント
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