合宿終了後、案の定私が体調不良に。風邪を引きました。雨の中で身体を動かさずに指導だけしていたので・・・。そのため水曜日は夏季厚生休暇を取って身体を休めました。バタバタで思うように休めていないのもあったので。
木曜日、朝から健康診断の不足分を補うために近隣の学校へ。胃検診をしました。毎回ですがなかなか・・・。
7時30分くらいから実施してもらったので練習時間には間に合いました。この日は予告していたとおりにミーティング。指示を出して少し離れましたがあまり進んでいないようでした。こういう部分で自主的に動けるようになるかは大きいのですが。まだまだリーダーが存在しない感じがあります。私が主導権を握ってやっていくのは簡単です。しかし、競技場面ではそうはいきません。自分たちで行動を起こす必要がある。ここができるかどうか。甘いですがグループに分かれてやるように伝えました。
その様子を見ていると書いてきた日誌をひたすら読むだけ。意見をまとめるという感じにはなりません。書いていることを読むだけでは本当に意見の積み重ねをすることはできない。ほとんどの者が「受け身」になっている感じがありました。この部分をどう変えていくか。3つのグループに分かれて話し合いをさせて代表者が前で話をするようにしました。ここも自信を持って前を向いて話をすることができない。とにかく色々なことをやりながら成長を促す必要があるなと感じました。
3つのグループとも同じような話。「前に出て引っ張れなかった」「声が出なかった」という感じでした。女子は「準部などを率先してできた」「他校の選手に教えることができた」と言っていますが男子は「できなかった」という部分が多い。こういう部分の振り返りも自分たちのこととして捉えられるかどうかだと思います。
あまりにも同じ話ばかりだったのでToに代表して「それ以外の話をするように」と伝えました。すると「去年合宿が終わってミーティングをしたときに今回と同じ反省が出ていた。また同じことを言っているというのは2年生がきちんとやっていないからではないか」と。自分自身も含めて「できていない」ということだと思います。昨年と同じ反省を言っていると成長がないということ。それがどれだけ分かっているのか。変わるチャンスは何度もあった。それが変わりきれない。
まさにその部分だと思ってそこからは私が話をすることに。前に出て気づいたことが。女子は全員筆記用具を持っていますが、男子は1人だけ。ここに差が出ているというのが明らかです。ミーティングの場に「座っておくだけ」で何か身につくのか。ミーティングで各自が話した内容をまとめようと思えばノートに書き留める必要が出てきます。また、私が話をする内容を記録しておこうと思えばそれなりに「書く」という行為が生まれるはずです。この時点での「差」が分かってくれるかどうか。「一生懸命やっています」と言われてもこういう部分で「差」を感じてしまう。明確な「差」だと思います。
感じたことを話しました。「技術」と「取り組み」について。結局は「技術」が身につくかどうかは「取り組みの姿勢」と「考え方」に左右される。受け身の姿勢で何をしてもやはり技術は身につかない。そこに加えて練習の「量」と「質」に関する話を。うちは「量」はそれほど多くないと思っています。ある学校では200mを10本走るというようなメニューがあると聞きました。走ることに意味がないとは言いませんがもっと効率の良い練習があるのではないか。走り込みだけで走りを作るというのは私はしていません。
「量」をこなす練習をする。その選手がこういう機会に「技術」的な要素を学ぶ。それによりあっという間に力が上がります。これまで何度か様々な合宿をしてきましたがそんな選手が何人もいました。500m+300mを走るようなチームもある。その選手が「走りのポイント」を知って意識して練習をすることで学校での練習が劇的に変わる。
200mを10本走るという例をもう少し説明しました。10本走れるような練習をしているのです。力をセーブしていかなければ10本は走れないと思います。そうであれば100の力を10本に均等に分けることになるのか、最後の数本だけ力を出すのか。どちらにしても10本走らないと追い込めないという感覚になります。社会人選手やトップ選手は少ない本数で追い込むことができます。1本の質が高いからです。しっかりと「やるべきこと」をやるので10本も必要ないのです。
高校生は出力が上がりません。やるべき動きができなかったり走りの中で力を出し切れないからです。接地の瞬間に力を入れる、最大スピードを出し続けることができればそれほどの本数は走れないと思います。本当は本数を多く走って追い込むというのは必要ないのではないかと思っています。結局「練習での強さ」というのは練習で何本も走れるという強さでしかない。実際のレースは「1本」です。その「1本」でどれだけ出力を高めて走れるかどうか。そこが分かるかどうかです。
高校生はある程度の本数が走れる必要があると思っています。400m選手は1日に3本400を走ります。さらにリレーもあるので5本は走る。100m選手であっても4継の決勝があってそこから100mの予選が始まります。決勝で力を発揮しようと思えば4本目の100mでベストパフォーマンスを発揮する必要がある。ある程度の「体力」が必要になる。体力というよりは「正確な動きの継続」かもしれません。
今回の合宿、走り込みはそれほど多くありませんでした。定期的に「精神的な限界を超える」という意味で走り込みは必要だと思います。しかし、日常的に本数を多く走る練習は今の私は考えていません。練習の意味を理解して1本1本の質を高めていければ速くなれると思っているからです。が、練習の内容をきちんと理解せずにやっていたらどうか。質も低ければ量もない。この状況で結果が出るほど甘くないと思います。そうであれば質を低くしてひたすら走る方が良い。
実際問題、試合でも合同練習でもうちの男子は「弱さ」が目立ちます。走力がないというだけではない。質も量もない練習をしている間は絶対に強くならないと思います。それが「筆記用具がない」という部分に現れる。その場面で何wかを学ぼうと思えば行動自体が変わります。話をした内容がどれだけ残るのか。後日日誌を見ると一人だけメモした内容を他の者が書き写していました。そこに意味があるか。
与えることはできます。それが自分の身になるかどうかは別問題だなと感じています。出力を高めて1回でしっかりと力を出せるというのがこれからの課題だと思います。このような話をしても伝わるかどうかは別です。何度もこの手の話はしてきました。繰り返すというのは「取り組み」の部分に課題があるのかなと思います。
意欲が高い者に合わせて進めていこうと思っています。批判されるかもしれませんがそれが「本当の意味での平等」だと思います。合宿中、女子は何度か直接私のところに動きについて聞きに来ました。「今のどうでしたか?」「膝の引き出しできていましたか?」と。こうやって言われればこちらも意識して見ます。90人近くいる場合は特にこういう部分が必要になると思います。今後は合宿等で他の指導者にも見てもらってアドバイスを受けるように話をしています。それが自分にとってプラスになるのだから。
長くなりました。きちんと振り返りはしています。それがどれだけ残っていくか。そこに尽きます。