新型コロナウイルスで見えたもの 7  心の貧しさと正義とは何か

新型コロナウイルスで見えたもの 7  心の貧しさと正義とは何か

 

新型コロナウイルスで、皆さん外出が思うように行かない。

 

結果として他の人の外出や移動、店の営業などに神経をとがらせる人が出る。自粛警察などと呼ばれ、店の営業などにも張り紙などで口を出す。一方、店の営業を続けるために、対策をしているステッカーを張る店も現れる。

 

行為の善悪も問題になるが、この様な状態に陥る人の特性も理解しておかなければならない。かなり価値観が狭く、様々な価値観や思考を深めることが難しい人であろう。この様な状態に陥るのは、心の貧しい人が多い。

 

最近の子どもたちの成育環境も見ておく必要がある。以前の日本社会では、どこの家にも暗い場所があった。しかし最近の家は、暗い場所がほとんどない。特に核家族になって新しい住宅は、ほとんど暗がり環境が無い。叱られたりしても、明るい中では自分の内面を顧みるようなことはなかなか難しい。明るい中では自分の正当性と他の理不尽さに意識が向かう。なかなか自己の内面へは、意識が向かわない。

自分の内面を見たことが無い人は、自分の正当性を主張するために他の人の欠点に目が向くことが多い。その結果、価値の判断が西洋的に部分的な正しさに支配される。これは一種の心の貧しさで、自分を正しく判断することが難しくなる。

 

虐待の親やいじめの子どもなどにも共通点があり、自分の内面に向かうことはない。自分の内面に気がつけば、次第に相手の内面にも気が付くようになる。虐待の多くの親は、自分は子どものために正しいことをしていると考えている。

 

正義とは、善悪の概念に沿っている。善悪は何であろうか。進化史的にみれば動物が生まれてきたときには、皆単独で生活していて、善悪は存在しない。生きるも死ぬもすべて個体の責任で、善悪の概念は存在しない。ところが交尾のための雌雄の集合、或いは親子の集団から発達した社会が出来上がると、社会の秩序を乱すものが悪になり、社会を守る行動が善となる。自分が生きることを主張すると、社会的集団を乱すことがあり、これが悪になる。エサや異性をめぐって悪が生じる。ヒューマニズムなどはずっと後から生まれた概念で、善悪の基本から言えば枝葉の様なものである。ヒトの命は尊いと言うが、もっよ基本的なところから見つめないと判断を誤る。

 

新型コロナウイルスで見えてきた正義を振りかざす自粛警察などは、本来の善悪を理解していない人が行っているとみられる。心の貧しい人は、何かに頼らないと自分の存在価値を見出すことが出来ない。自分は正しいことをしていると言うこだわりに依存して、部分的正しさを振り回して、それに依存して生きている。

 

問題提議したいのは善悪の問題ではなく、心の貧しさの問題である。これは各人の

人生の豊かさに直接関係する。最近の社会の風潮はマスコミに影響されて、見た目が主体になっている。見た目とヒトの豊かさは、根本的に異なる。自分の人生を豊かにするのは、自分自身である。そのためには、自分の心を見つめて、豊かにしなければならない。

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