kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

経済は回復に向かう?

2019-11-22 07:42:04 | 日記
21日の東京市場は一時400円を越える下げる場面もありました。寄り
付き前の予想では2万3000円を割り込むことはないという予想もあり
ましたが、寄り付き後下げが止まらず簡単に2万3000円を割り込んだ
ことから下げに拍車がかかりました。

これも先物主導で値幅が増幅される東京市場の特徴だとして対処する
しかありません。日足チャートでは大きな下髭を引いて大引けでは2万
3000円を回復し25日移動平均を上回ったことから一旦は下げ止まる
可能性は大なのかもしれません。

先週には日米通商協議合意間近という楽観ムードが支配していた市場
でしたが、今週には一転難航観測が流れ市場の強気姿勢は俄かに変調
をきたしてきました。最新の報道では合意は年明けにずれ込むとの見
方が出ています。米中通商協議を巡っては楽観論と悲観論が交互に出
てくるというこれまでの流れは今回も変わらなかったようです。

合意目前から決裂に転じた5月のように今回もどんでん返しがあるの
でしょうか。世界的な景気の底打ち観測や米中通商協議が何らかの合
意で決着するという期待感もあり世界景気は今後回復にむかうという
のが10月以降の株高の支えでした。

もしシナリオ通りに事が運べば世界の景気敏感株という位置付けの日
本株には大きな追い風が吹き2013年や2017年のように大きな上昇が
期待できるとい見方をする市場関係者もいます。こんなシナリオに
沿っていち早く日本株を積極的に買い始めたのがマクロ分析に基づい
て投資をするヘッジファンド勢です。

上昇相場の初期段階で度々みられるのが先物取引を使ったヘッジファ
ンド勢の買いです。当初は様子見姿勢だった長期投資家が景気回復の
兆しを感じ取った段階で買い始め相場は大きく上昇するケースが多い
ようです。

日本の主な輸出品目は自動車や自動車部品それに機械類です。今期の
これら業種の業績は大きく落ち込むことが予想されています。日本の
輸出が回復に向かうという前提なら来期業績もV字回復という現時点
では俄かに信じがたい嬉しい出来事です。

世界最大の中国市場や新興国市場は着実な成長が期待されましたが現
実には昨年あたりからマイナス成長に陥っています。多少回復したと
しても世界の自動車販売は当面低調だという見方もあります。そうな
ると円相場にもよりますが、自動車関連企業の業績は回復したとして
も勢いは弱いかもしれません。

機械株も自動車業界への依存が高くそうなると来年本格回復は復帰で
きるかは心もとない状況です。主要な輸出品目の大きな増加が期待で
きないのであれば輸出主導で日本経済が回復に向かうというシナリオ
は描きづらいようです。強気派の見立て通り経済が回復しブル相場が
来年到来するのでしょうか。現時点では期待半分、不安半分です。

23、24日の更新はお休みします。
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イベント通過に注意

2019-11-21 07:34:41 | 日記
高値目前で膠着状態を強めている東京市場で思惑株の派手な値動きが
目立つ一方多くの銘柄が冴えないのも手詰まり感の表れでしょうか。
アプライドマテリアルの最高値更新で改めて注目を集めた東京エレク
トロンなどが一日上昇しただけで3日続落したのも既に半導体市場の
回復はある程度織り込み済みで材料出尽くしという市場の反応だった
のでしょうか。

一方田辺三菱製薬人気は20日も続き大幅高でした。株価はTOB価格
(2010円)に近づいたことから今後の上値は限定的です。田辺三菱製
薬人気が波及する形で19日に引き続き20日も大幅高だったのが大日本
住友製薬でした。TOBへの連想に加え買収予定の英国製薬企業が前立
腺がん新薬のフェーズ3の試験に成功したという発表が追い風になり
ました。

米国株安で軟調だった東京市場では外食企業の株価は堅調でした。
うどんチェーンを展開するトリドールは年初来高値を更新しました。
すかいらーくもスシローHGも今週高値を更新しました。牛丼チェーンの
吉野家HGもゼンショーHGも今年の高値圏で推移しています。

外食企業は10月の消費税引き上げの影響で軽減税率が適用される中食
分野に流れるという警戒心もあり先月は目立った動きはありませんで
したが影響は軽微という見方なのでしょうか、今月の上昇は際立ちます。

消費税引き上げで業績不透明感が強かった外食各社の株価の堅調さと
既に業績回復期待で高値圏まで上昇した半導体産業各社の最近の上値
の重さはどんな好材料も織り込んでしまえば株価の上値余地も少なく
なり逆に悲観論が広がり株価調整が進んだ銘柄には僅かな材料でも見
直し買いが期待できるという市場心理があるようです。

尚も東京市場は年末高の期待が強いようですが、例え来月に米中通商
協議が何らかの合意が出来たとしても好材料出尽くしで下げる展開も
考えておくべきです。状況によっては株価が対中関税第4弾の引き上げ
期限の15日までに高値を形成する場面もあるかもしれません。

市場は何時でも材料を先取りして動くものです。米中通商協議の部分
合意が近いとなれば既に前倒しで関連銘柄に買いが向かいます。です
から予想がその通りになってもサプライズはなく市場は一旦材料出尽
くしという反応を示すケースが多いようです。

やはり季節柄注目のイベント通過でクリスマス休暇前に利益確定を急
ぐという外国の投資家の行動も頭に入れておくべきです。そしてもし
上昇相場が続いてもリード役は既に高値圏まで上昇している半導体関
連や中国関連銘柄ではなく手垢が付いていない出遅れ銘柄なる可能性も
考えておくべきです。
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希望は親子上場解消だけ?

2019-11-20 06:59:44 | 日記
大きなニュースになったヤフーの親会社のZホールディングス(ZHG)
とLINEの大型合併のニュースでしたが、両社の合併ニュースを受け
て急騰したには14日だけでした。LINEは公開買い付け価格の5200円
にサヤ寄せされるように株価は高い水準を保ちましたが一方のZHGは
希薄化懸念や経営統合に伴う無形固定資産の償却などで短期的な利益
圧迫の可能性も指摘され19日の株価は発表前の水準ま戻ってしまい
ました。

米国のIT大手のGAFAやアリババなどとの時価総額、収益力、研究開
発費との差が歴然としている状況では合併に向かうのは自然の流れな
のかもしれませんが、統合企業がシナジー効果を発揮して成長軌道を
取り戻せるかどうかは評価するのは先の話になりそうです。この業界
は動きが早く優勝劣敗も激しいので統合会社が存在感を示し続けるの
は経営陣の舵取り次第です。

先週は東芝が上場子会社の完全子会社化を発表し各社の株価は公開
買い付け価格にサヤ寄せされるように上場しました。19日には三菱
ケミカルHG傘下の製薬企業の田辺三菱を完全子会社化するという報
道を受けて買い物が殺到しました。TOB価格は18日に終値を53%の
プレミアムで買い付けます。

TOB価格が割高だという見方もあり親会社の三菱ケミカルは下落し
ました。親子上場はかねてから海外投資家から批判が強く日本特有
の仕組みだと問題視されていましたから今後も後追いはありそうで
す。同じ化学大手の住友化学の上場子会社大日本住友製薬が7%弱
上昇したのも買い注文を入れてもストップ高比例配分で成立するこ
とが予想された田辺三菱の連想買いが多分要因です。

もっとも東芝が3日続落しているように投資家から親会社の持続的
な収益強化に繋がらない場合は失望売りも出そうです。東芝や三菱
ケミカルの両社以外にも上場子会社を抱えている企業はまだたくさ
んあります。投資家目線で投資先を選ぶのであればTOB期待で親会
社よりも上場子会社が有望かもしれません。

日立金属が最終赤字に転落というニュースで売り込まれた後はずっ
と上昇が続いているのは親会社の日立が日立金属の自力再建を諦め
て外部に売却するのではないのかという期待からでしょうか。日立
は御三家と言われた日立電線を日立金属に吸収合併させ春には日立
化成の入札を打ち出しグループから切り離す方針です。残る上場子
会社4社の中で日立化成を除く3社で次に売却候補になるのは日立金
属かもしれません。

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成功体験

2019-11-19 07:09:57 | 日記
NY市場が2日連続で高値を更新しました。割高感も指摘されながら
やはり成長期待の高い米国株の強さが強まるのでしょうか。例えば
いち早く回復軌道に乗ると人気が再び高まってきた半導体株も製造
装置のアプライドマテリアル、ラムリサーチに加えデータセンター
のCPUの需要を取り込めるインテル、スマホの手掛けるクアルコム
は5G時代の本命との見方もあります。

グラフィックチップのエヌビディア他にもブロードコムやザイリン
クスに加えメモリー大手のマイクロンなど半導体企業も多士済々で
す。ソフト分野ではマイクロソフトやGAFAと言われる巨大企業の
存在は世界のIT分野をリードしています。

一方日本では東京エレクトロンなどの半導体製造装置は強い分野で
すが企業数は多くありません。また半導体シリコン最大手の信越化
学も専業ではなく半導体事業の成長も多少割り引く必要があります。
ソニーの画像センサーは世界市場の半分を占めていますが、コング
ロマリット企業なだけに米国企業と同様のバリエーションは期待で
きません。それでもまだ半導体関連銘柄は東京市場では有望分野で
す。

成功体験と凋落は裏表の関係のようです。今期決算で製造業の中で
も好調を持続する企業と市場予想以上に業績不振が深刻な企業と大
きく明暗が分かれました。製造業と非製造業の決算を比べると製造
業の落ち込みの大きさが際立ちます。

大きな原因の一つは米中の関税引き上げ合戦で特に輸出依存度の高
い中国経済の失速がアジア経済の下押し圧力が加わり日本企業の輸
出が不振に陥ったからです。しかしそれだけが原因ではありません。
多くの製品には寿命があります。

例えばデジカメが市場席巻したことでフイルムカメラや消耗品であ
るフィルムや印画紙の需要が激減しました。そのデジカメの天下も
永くは続かずスマホのカメラ機能の進化であっという間に市場は縮
小しました。

過去を振り返っても音楽や映像の記録媒体もアナログレコードやテ
ープからCDやDVDへそして半導体に取って代わられました。そして
クラウドを介したネット配信で所有からストリーミングで期間限定
で楽しむ形態が多くなりました。

市場が消滅することで当該企業は稼ぐ事業を失います。常に時代に
合わせた事業構造に変えなければ存続も危うくなります。日本がか
つて世界を席巻したデジカメも複写機も製品寿命が残り少なくなり
新事業を育成できなかった企業の衰退の道を辿るしかありません。

企業経営者もその点は十分理解しているでしょうが、過去の成功体
験それに急激な時代の変化が経営者の予想を超えて進んでいること
も経営不振が一気に表面化する原因です。デジカメ事業で培った画
像センサーを主力事業に育てたソニーと自社デジカメ向けだけに製
造しているキャノンとの違いは経営者の力量が大きかったのでしょ
うか。

デジカメ事業から画像センサーに展開したソニーに対してそもそも
キャノンの経営陣にはキーパーツを外販する発想がなかったのかも
しれません。ソニーとキャノンの株価の推移をみる限り余剰資金を
成長産業につぎ込んだソニーの戦略が正しく自社株買いと高配当で
株価の維持を狙ったキャノンの戦略は間違っていたことになります。

企業は何時でも主力事業がいずれは成熟産業になり常に次の事業の
種をまき育てる必要があります。かつてカメラと複写機で高収益企
業の筆頭格だったキャノンの最近の業績不振は改めて成功体験を捨
てる難しさを思い知らされます。
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ケーススタディ東芝

2019-11-18 07:45:13 | 日記
週末のNY株式市場は高値を更新しました。米中通商協議が進展する
との政府高官の発言が高値更新の理由です。日米の先週の値動きを
見る限り再び米国株の勢いが増しているようです。

割安感を頼りに10月以降一気に水準訂正した日本株ですが製造業中
心に予想以上に業績の落ち込みが目立ちます。上期が底で世界経済
の緩やかな改善見通しから下期は回復するとの見方もありますが日
米の企業業績を比較すると米企業の底堅さが際立ちます。

両国の景気動向も明暗が分かれているようです。個人消費の堅調さ
を頼りに国内景気が好調な米国は利上げ効果も今後期待でき失速す
る懸念は少ないようです。一方日本の景気は消費税引き上げの影響
で下押し圧力がどの程度出るのか不安は尽きません。個人消費の強
で比べると日米の差は歴然としています。

割安感だけで1か月半近く上昇してきた日本株ですが、何といっても
原動力は海外投資家の買いです。彼らの日本株の持ち株比率は既に
中立に近づいているとの見方もあります。今後オーバーウェイトま
で買い増すには割安感だけではなく回復ストーリーが必要です。

しかしかつて日本企業が世界を席巻したカメラや複写機を主力事業
にしている精密各社が市場の縮小で苦戦を強いられているように景
気循環だけでは解決できない問題も浮上しています。自動車銘柄も
トヨタ以外は低迷が目立ちました。自動車各社は世界的な販売不振
CASEでの技術革新に向けて研究開発費は年々増加していることも収
益面ではマイナスです。

それ以外でも東芝の経営危機は去りましたが、成長エンジンを欠い
たままです。2000憶円をかけて3社を完全子会社にするようですが
本社との相乗効果は限定的であり選択と集中という戦略とは真逆で
す。東芝に必要なのは利益率が高く競争力のある事業を柱に育てる
ことです。

批判の強い親子上場を解消するためとか子会社の利益取り込むとか
の理由が今の東芝の置かれている状況でベストな選択なのでしょう
か。POSシステムで世界シェアトップの東芝テックは完全子会社化に
名を連ねていません。親子上場の解消を目的とするなら何故1社だけ
完全子会社化を見送ったのでしょうか。東芝本社がIotを推進する
なら国内シェア6割のPOS事業を展開している東芝デックこそ完全子
会社にして本体の相乗効果を狙うべきではないでしょうか。

相次ぐ不祥事で経営資源が大きく棄損した東芝が選択する道は分散
する規模の小さな事業を整理して限られた経営資源を大きなビジネ
スに成長できるような事業に集中することです。本体との相乗効果
や利益率の小さな子会社は本体に吸収するのではなく外部に売却す
べきです。総花的な事業展開は東芝の将来を明るくしません。
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