kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

カントリーリスク

2019-11-13 06:59:10 | 日記
香港でのデモの長期化や日韓関係の悪化が化粧品大手の資生堂の
株価に大きな影響を与えるとは想像できませんでした。香港では
デモの影響で、中国本土から訪れる観光客の伸びが鈍化した影響
でお土産品として人気のあった日本製の化粧品の売り上げが低下
しました。

また関係悪化が続く韓国では日本製品の不買運動が拡大しました。
いずれの中国人や韓国人の人気商品だった資生堂の化粧品も売り
上げ減に繋がりました。これまでインバウンド消費と言えば日本
を訪れる訪日観光客の消費に焦点が当たっていました。

しかし資生堂は日本だけでなく香港など有名な観光地の免税店売り
場を数年前から拡大して日本以外のインバウンド消費を取り込んで
きました。今回はデモや不買運動などが広がりカントリーリスクと
し表面化しました。

事業を展開する国を広げて収益機会を増やそうとする企業は資生堂
をはじめ多くの企業で取り組み海外市場の開拓なしに持続的な成長
は出来ません。スズキは現地シェア首位のインド事業が国内事業を
越える柱に成長しましたが、一方インド自動車市場の行方に業績も
株価も翻弄されることになりました。

デサントは収益の半分以上を稼いでいた韓国事業が日韓関係悪化で
日本製品不買運動の広がりで急激に落ち込み今期業績を増益から大
幅な減益へと下方修正に追い込まれました。新興市場を稼ぎ頭にし
ている企業は市場の変動も大きくより影響は強く出ます。

日本株が夏まで出遅れていたのは中国経済減速で米国よりも多くの
企業で業績に不透明感が高まるとみられていたからです。実際に先
月から今月にかけての決算発表で多くの日本企業の業績が製造業中
心に大幅な下方修正を余儀なくされ市場の不安が裏付けられました。

もっとも既にある程度企業業績の悪化は予想されましたから下方修
正した企業でも悪材料出尽くしと株価が上昇するケースも目立ちま
した。しかし年初来高値の2万4000円越えが視野に入ってくると業
績の底打ち期待だけでは材料不足です。

回復がV字なのかU字なのかそれともL字に止まるのかで上値目途も
変わってきます。勿論米中通商協議が何らかの合意に至るという
前提条件が崩れれば目論見は大きく狂います。米中貿易戦争の影響
で中国だけでなく中国経済とのつながりの深いアジア諸国の景気も
大きな影響を受けると今回再確認できしました。

今や日本は米国よりもそのアジア諸国の景気動向が業績へのインパ
クトが大きくなりました。今後も変動の大きな新興国であるアジア
各国でのリスク管理が企業業績を左右しそうです。

コメント
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