NY市場が2日連続で高値を更新しました。割高感も指摘されながら
やはり成長期待の高い米国株の強さが強まるのでしょうか。例えば
いち早く回復軌道に乗ると人気が再び高まってきた半導体株も製造
装置のアプライドマテリアル、ラムリサーチに加えデータセンター
のCPUの需要を取り込めるインテル、スマホの手掛けるクアルコム
は5G時代の本命との見方もあります。
グラフィックチップのエヌビディア他にもブロードコムやザイリン
クスに加えメモリー大手のマイクロンなど半導体企業も多士済々で
す。ソフト分野ではマイクロソフトやGAFAと言われる巨大企業の
存在は世界のIT分野をリードしています。
一方日本では東京エレクトロンなどの半導体製造装置は強い分野で
すが企業数は多くありません。また半導体シリコン最大手の信越化
学も専業ではなく半導体事業の成長も多少割り引く必要があります。
ソニーの画像センサーは世界市場の半分を占めていますが、コング
ロマリット企業なだけに米国企業と同様のバリエーションは期待で
きません。それでもまだ半導体関連銘柄は東京市場では有望分野で
す。
成功体験と凋落は裏表の関係のようです。今期決算で製造業の中で
も好調を持続する企業と市場予想以上に業績不振が深刻な企業と大
きく明暗が分かれました。製造業と非製造業の決算を比べると製造
業の落ち込みの大きさが際立ちます。
大きな原因の一つは米中の関税引き上げ合戦で特に輸出依存度の高
い中国経済の失速がアジア経済の下押し圧力が加わり日本企業の輸
出が不振に陥ったからです。しかしそれだけが原因ではありません。
多くの製品には寿命があります。
例えばデジカメが市場席巻したことでフイルムカメラや消耗品であ
るフィルムや印画紙の需要が激減しました。そのデジカメの天下も
永くは続かずスマホのカメラ機能の進化であっという間に市場は縮
小しました。
過去を振り返っても音楽や映像の記録媒体もアナログレコードやテ
ープからCDやDVDへそして半導体に取って代わられました。そして
クラウドを介したネット配信で所有からストリーミングで期間限定
で楽しむ形態が多くなりました。
市場が消滅することで当該企業は稼ぐ事業を失います。常に時代に
合わせた事業構造に変えなければ存続も危うくなります。日本がか
つて世界を席巻したデジカメも複写機も製品寿命が残り少なくなり
新事業を育成できなかった企業の衰退の道を辿るしかありません。
企業経営者もその点は十分理解しているでしょうが、過去の成功体
験それに急激な時代の変化が経営者の予想を超えて進んでいること
も経営不振が一気に表面化する原因です。デジカメ事業で培った画
像センサーを主力事業に育てたソニーと自社デジカメ向けだけに製
造しているキャノンとの違いは経営者の力量が大きかったのでしょ
うか。
デジカメ事業から画像センサーに展開したソニーに対してそもそも
キャノンの経営陣にはキーパーツを外販する発想がなかったのかも
しれません。ソニーとキャノンの株価の推移をみる限り余剰資金を
成長産業につぎ込んだソニーの戦略が正しく自社株買いと高配当で
株価の維持を狙ったキャノンの戦略は間違っていたことになります。
企業は何時でも主力事業がいずれは成熟産業になり常に次の事業の
種をまき育てる必要があります。かつてカメラと複写機で高収益企
業の筆頭格だったキャノンの最近の業績不振は改めて成功体験を捨
てる難しさを思い知らされます。
やはり成長期待の高い米国株の強さが強まるのでしょうか。例えば
いち早く回復軌道に乗ると人気が再び高まってきた半導体株も製造
装置のアプライドマテリアル、ラムリサーチに加えデータセンター
のCPUの需要を取り込めるインテル、スマホの手掛けるクアルコム
は5G時代の本命との見方もあります。
グラフィックチップのエヌビディア他にもブロードコムやザイリン
クスに加えメモリー大手のマイクロンなど半導体企業も多士済々で
す。ソフト分野ではマイクロソフトやGAFAと言われる巨大企業の
存在は世界のIT分野をリードしています。
一方日本では東京エレクトロンなどの半導体製造装置は強い分野で
すが企業数は多くありません。また半導体シリコン最大手の信越化
学も専業ではなく半導体事業の成長も多少割り引く必要があります。
ソニーの画像センサーは世界市場の半分を占めていますが、コング
ロマリット企業なだけに米国企業と同様のバリエーションは期待で
きません。それでもまだ半導体関連銘柄は東京市場では有望分野で
す。
成功体験と凋落は裏表の関係のようです。今期決算で製造業の中で
も好調を持続する企業と市場予想以上に業績不振が深刻な企業と大
きく明暗が分かれました。製造業と非製造業の決算を比べると製造
業の落ち込みの大きさが際立ちます。
大きな原因の一つは米中の関税引き上げ合戦で特に輸出依存度の高
い中国経済の失速がアジア経済の下押し圧力が加わり日本企業の輸
出が不振に陥ったからです。しかしそれだけが原因ではありません。
多くの製品には寿命があります。
例えばデジカメが市場席巻したことでフイルムカメラや消耗品であ
るフィルムや印画紙の需要が激減しました。そのデジカメの天下も
永くは続かずスマホのカメラ機能の進化であっという間に市場は縮
小しました。
過去を振り返っても音楽や映像の記録媒体もアナログレコードやテ
ープからCDやDVDへそして半導体に取って代わられました。そして
クラウドを介したネット配信で所有からストリーミングで期間限定
で楽しむ形態が多くなりました。
市場が消滅することで当該企業は稼ぐ事業を失います。常に時代に
合わせた事業構造に変えなければ存続も危うくなります。日本がか
つて世界を席巻したデジカメも複写機も製品寿命が残り少なくなり
新事業を育成できなかった企業の衰退の道を辿るしかありません。
企業経営者もその点は十分理解しているでしょうが、過去の成功体
験それに急激な時代の変化が経営者の予想を超えて進んでいること
も経営不振が一気に表面化する原因です。デジカメ事業で培った画
像センサーを主力事業に育てたソニーと自社デジカメ向けだけに製
造しているキャノンとの違いは経営者の力量が大きかったのでしょ
うか。
デジカメ事業から画像センサーに展開したソニーに対してそもそも
キャノンの経営陣にはキーパーツを外販する発想がなかったのかも
しれません。ソニーとキャノンの株価の推移をみる限り余剰資金を
成長産業につぎ込んだソニーの戦略が正しく自社株買いと高配当で
株価の維持を狙ったキャノンの戦略は間違っていたことになります。
企業は何時でも主力事業がいずれは成熟産業になり常に次の事業の
種をまき育てる必要があります。かつてカメラと複写機で高収益企
業の筆頭格だったキャノンの最近の業績不振は改めて成功体験を捨
てる難しさを思い知らされます。