kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ケーススタディ東芝

2019-11-18 07:45:13 | 日記
週末のNY株式市場は高値を更新しました。米中通商協議が進展する
との政府高官の発言が高値更新の理由です。日米の先週の値動きを
見る限り再び米国株の勢いが増しているようです。

割安感を頼りに10月以降一気に水準訂正した日本株ですが製造業中
心に予想以上に業績の落ち込みが目立ちます。上期が底で世界経済
の緩やかな改善見通しから下期は回復するとの見方もありますが日
米の企業業績を比較すると米企業の底堅さが際立ちます。

両国の景気動向も明暗が分かれているようです。個人消費の堅調さ
を頼りに国内景気が好調な米国は利上げ効果も今後期待でき失速す
る懸念は少ないようです。一方日本の景気は消費税引き上げの影響
で下押し圧力がどの程度出るのか不安は尽きません。個人消費の強
で比べると日米の差は歴然としています。

割安感だけで1か月半近く上昇してきた日本株ですが、何といっても
原動力は海外投資家の買いです。彼らの日本株の持ち株比率は既に
中立に近づいているとの見方もあります。今後オーバーウェイトま
で買い増すには割安感だけではなく回復ストーリーが必要です。

しかしかつて日本企業が世界を席巻したカメラや複写機を主力事業
にしている精密各社が市場の縮小で苦戦を強いられているように景
気循環だけでは解決できない問題も浮上しています。自動車銘柄も
トヨタ以外は低迷が目立ちました。自動車各社は世界的な販売不振
CASEでの技術革新に向けて研究開発費は年々増加していることも収
益面ではマイナスです。

それ以外でも東芝の経営危機は去りましたが、成長エンジンを欠い
たままです。2000憶円をかけて3社を完全子会社にするようですが
本社との相乗効果は限定的であり選択と集中という戦略とは真逆で
す。東芝に必要なのは利益率が高く競争力のある事業を柱に育てる
ことです。

批判の強い親子上場を解消するためとか子会社の利益取り込むとか
の理由が今の東芝の置かれている状況でベストな選択なのでしょう
か。POSシステムで世界シェアトップの東芝テックは完全子会社化に
名を連ねていません。親子上場の解消を目的とするなら何故1社だけ
完全子会社化を見送ったのでしょうか。東芝本社がIotを推進する
なら国内シェア6割のPOS事業を展開している東芝デックこそ完全子
会社にして本体の相乗効果を狙うべきではないでしょうか。

相次ぐ不祥事で経営資源が大きく棄損した東芝が選択する道は分散
する規模の小さな事業を整理して限られた経営資源を大きなビジネ
スに成長できるような事業に集中することです。本体との相乗効果
や利益率の小さな子会社は本体に吸収するのではなく外部に売却す
べきです。総花的な事業展開は東芝の将来を明るくしません。
コメント
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