kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

再考、ポストチャイナ

2020-02-28 06:40:47 | 日記
今日の東京市場はNYダウの大幅安を受け厳しい展開が予想され
ます。株式市場も新型肺炎対策も3月上旬にかけてが当面の正念
場になりそうです。

米格付け会社ムーディーズは日本時間27日に2020年の自動車販
売が0.9%減から2.5%減へと減少幅が拡大すると発表しました。
特に自動車販売世界一に登りつめた中国市場は1%増予想から
2.9%減へと一転3年連続で減少することになってしまいます。

分母が大きいだけに2.9%減でも販売台数は75万台近い数字にな
ります。2010年から過去最高を記録した2017年まで1000万台
増加しました。凡そ日本市場の2倍の販売台数が新たに生まれた
ことになった中国市場でした。成長にブレーキがかかりました。

中長期的には2017年の数字を上回ることがあるでしょうが、少な
くとも今年も中国市場の販売競争は激化しそうです。市場拡大に
より多くのメーカーが恩恵を受けたブルーオーシャン市場だった
中国市場は一転競争が激しく利益が上げにくいレッドオーシャン
市場になったようです。

競争激化で企業間の明暗は大きくなりそうです。自動車メーカー
の地力が試される1年になりそうです。自動車業界はすそ野の広
い業界です。中国が世界一の自動車市場に登りつめる段階で部品
メーカーの品質も向上したようです。

安価で品質が向上した部品が増えたので中国市場だけでなく自動
車部品が海外に輸出されるようになりました。日産自動車が工場
生産の停止に追い込まれたのも中国からの部品供給が止まったか
らです。

ゴーン時代日産は系列を解消して部品調達は世界でもっとも安価
に生産できるところからの調達に買えました。日産は早くから中
国市場の開拓に注力してきました。その結果昨年トヨタに首位を
譲るまで日本メーカーのトップを走ってきました。

きっとその過程で品質と価格に優れる中国製の部品を多く採用し
たのではないでしょうか。系列を維持しているトヨタやホンダに
比べて中国依存度が完成車だけでなくサプライチェーンでも日産
は高まっていたようです。

巨大な人口を抱える中国は製造拠点としても消費市場としても日
本企業に取っては重要な国である位置付けは今後も変わらないで
しょう。中国と同程度のコストと品質で生産できる国は見当たら
ないかもしれません。しかし中国依存の高さはリスクに繋がるこ
とも次第に明らかになりました。

トランプ大統領が仕掛けた米中通商摩擦、そして今度は中国発の
新型肺炎の蔓延です。サプライチェーンの寸断で多くの企業の工
場が影響を受けました。また中国国内では日本の小売りや外食チ
ェーンが影響を受けました。

インバウンドでは中国への依存度の高さが観光業やサービスそれ
に小売りなど幅広産業に深刻なダメージを与えています。今後多
くの日本企業は中国依存度の高さの是正に取り組まなければなら
ないかもしれません。

東日本大震災でそれまでの原発産業の未来は失われました。今度
は地球規模の温暖化防止で石炭火力発電に対する世界的な見直し
機運が高まっています。業界を取り巻く環境が激変することがあ
ること既に証明しています。米中通商摩擦と新型肺炎は中国を取
り巻く環境が大きく変わるキッカケになるかもしれません。

次回の更新は3月2日を予定しています。
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