kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ファナック

2019-12-26 06:40:16 | 日記
ファナックに吹く逆風は日本株の足枷になるのでしょうか。中国関連
或いは設備投資関連銘柄と言ったら多くの投資家の頭に浮かぶ代表銘
柄の一つがファナックです。自己資本比率が9割近い強固な財務体質
稼ぎ頭のNC装置では世界シェア5割を握り高い利益率を上げています。
ロボット分野でも世界の4大メーカーの1社で安川電機とともに設備投
資関連では外せない企業です。

しかし事業内容をよく見てみるとロボット事業の利益率は10%台であ
りNC装置が20%から30%の高い利益率が続いているのとは雲泥の差で
す。ロボットはNC装置ほど市場シェアが高くなく新規参入も後を絶ち
ません。またロボットの需要先がハイスペックを要求される自動車業
界から食品や日用雑貨向けに人との協業が重視され、しかもそんなハ
イスペックが必要ない業界に広がる傾向があります。

この分野では日本のデンソーや不二越それに中国企業も力をつけてい
ますから競争激化は必至です。また数年前にスマホのアルミケース向
けに需要が急増したロボマシンも需要低迷が忍び寄っているようです。
今後本格普及が始まる5G向けスマホでは電波の特性からアルミケース
の需要は激減するとの指摘もあります。

NC装置は工作機械に必要不可欠な頭脳部分を担っています。しかし最
大のお得先の自動車業界では100年に一度の大変革期を迎えています。
特に電動化が進めば内燃機関が必要なくなり部品点数は三分の二に減
少すると言われています。

内燃機関に使う部品を切断したり穴をあけたり磨いたりする工程で
様々な工作機械が使われますが、今後電動化により景気循環ではなく
構造的には工作機械需要が減少することがあるかもしれません。

短期的には工作機械受注が底を打ちファナックのNC装置は一旦回復す
るでしょうが、中長期的需要が減少するのであれば今まで高い利益率
を上げてきた事業なだけにファナックには特に大打撃です。イノベー
ションとともに様々な製品が生み出されまた需要の無くなった製品は
市場から消える運命です。

自動車の電動化はエンジン回りの部品が不要になり工作機械業界に対
しては逆風です。自動車以外の分野の伸びでカバーできれば影響は抑
えられるのですが。高収益のNC装置需要の先行き不安やロボドリルが
需要喪失でファナックは次の柱を探さなければなりません。

景気は循環しますが、製品自体の需要減少が構造的要因によるもので
あれば当然業績の低迷と株価の低迷は続くことになります。ファナッ
クの試練は多くの日本企業の課題でもあるようです。

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