kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

日立グループの異変

2012-09-28 07:14:00 | 日記
日立と言えば電機業界でも競争の激しいデジタル分野から収益が安定して
競争力のある鉄道分野などの社会インフラ分野に活路を見出し株式市場で
は評価の高い企業です。輸出産業には円高や世界景気の低迷懸念など環
境が厳しい中でも日立は安定した収益を上げているとみられています。

もっとも連結決算の内容を詳細に分析してみると優良上場子会社の収益貢献
度が目立ちます。数多くある上場子会社でもその中核をなす企業は日立化成
日立建機、日立金属の御三家です。その3社の株価が今月相次いで年初来
安値を更新しています。日立化成と日立金属は自動車関連分野が収益の柱です。

特に日立グループは日産自動車との繋がりが深く中国での反日デモや日本
製品の不買運動で日系企業ではもっともシェアの高い日産自動車の収益に
対する悪影響が一番大きくなると言うことをもろに受けている状況です。また
日立建機は中国市場の需要急減と資源安に伴なう鉱山機械の減少で業績
不透明感が増しています。

また日立本体でも日産自動車向けの自動車部品を手がけておりグループ
全体では自動車関連の売り上げは1兆円近いとの試算もあります。総合的
に考えるとこれから発表される日立の連結業績の下方修正の可能性も捨て
きれないと言う結論に結びつきます。もしこれが現実のものになると電機業界
の中では比較的値持ちの良かった株価が今後一段と売り込まれる可能性も
出てきます。

2005年以来中間配を5円とすることを先日発表した日立ですから通期業績の
下方修正など杞憂に終わればそれでいいのですが、既に悪材料が出ている
日立建機だけでなく日立金属や日立化成が目立った悪材料が伝わっていな
いにも拘わらず新安値を更新する状況は不安が先立ちます。27日も日経平
均が反発したのに5円安で日立は終わっています。

もっとも噂で売って事実で買い戻す市場なら悪材料が表面化して売り込まれる
ようなことがあれば買場なのかもしれません。日立が中核事業とする社会イン
フラや新素材などはまだ日本企業が競争力を失っていない分野だからです。
しばらくは日立の株価を注意深く見守る必要があります。

東京市場はディフェンシブ銘柄中心の相場が続いています。今後1ヶ月はこの
傾向が続くと予想する市場関係者もいます。しかし27日には内需株の中心銘
柄であるSNSゲーム関連銘柄やニトリが急落するように高値圏にあるこれら
の銘柄にはキッカケ次第で大幅安なんてこともあることは注意しなければなり
ません。
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