kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

景気の「気」は気分の「気」

2019-05-20 06:34:02 | 日記
やはり今回の戻り局面でも日本株は米国株よりも劣勢だったよう
です。世界の敏感株という位置付けの日本株には中国景気に対す
る先行き不安が投資家心理を冷え込ませているようです。

スマホや今後本格普及が見込まれる5Gなどのハイテク分野で日本
が強みを発揮しているのは部品や製造装置などです。最終製品を
支える縁の下の力持ち的な存在です。顧客である最終製品メーカ
ーの景況感に左右されます。

ファーウエイへの米国の経済制裁で勿論米国企業にも悪影響が出
るでしょう。しかし米国の株式市場に占める割合は大きくありま
せん。大きな時価総額を占めるGAFAに代表される大型ハイテク企
業はアップル以外は製造業ではありませんからファーウエイへの
制裁による直接的な影響はほぼありません。

今回のファーウェイへの制裁発動はトランプ政権が米中貿易協議
を短期決戦で解決するためとも言われています。ファーウェイは
中国が国を挙げて推進しする製造業2025の中心企業です。中国の
ハイテク産業への締め付けを強たのも再び早期解決のテーブルに
中国を着かせることが目的だとい見方も出ています。

相手の弱点を徹底的につくというのが外交交渉の常套手段です。
来年秋の再選を確実にするためにもどうしても成果の欲しいトラ
ンプ大統領は色々な手を使って中国を揺さぶるでしょう。

ファーウェイとスマホ向け部品で大きな取引を日本企業は行って
います。世界の景気敏感株でしかも中国の製造業との補完関係の
強い日本経済にとっては貿易戦争の当事者でもないのにとっばち
りで経済への下押しが強まる皮肉な事態です。

今年秋に消費税引き上げを控える安倍政権としても国内景気失速
だけは避けなければなりません。夏に参議院選挙を控えているだ
けに政権も景気動向にはより神経質になります。補正予算編成な
どで消費税引き上げに対する下押し圧力を極力取り除く政策を政
府は既に売っています。

しかし潜在成長率が1%程度と低い日本では今回のように外需によ
る影響がストレートに国内景気の響き景気失速に結びやすいので
す。景気の「気」は気分の「気」とも言われ国民の景気に対する
マインドも重要です。ほの明かりが見えていた米中貿易協議が暗
礁に乗り上げたことはやはり痛手です。

米中貿易戦争激化という見出しが多くテレビや新聞に踊ればどう
しても国民の懐の紐は締まってしまいます。世界第二の経済大国
であり地理的にも近い中国に関するニュースはより多くのマスコ
ミが取り扱います。今年の株式市場はこの問題解決なくして浮上
はありません。
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