kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ユニコーン企業への逆風

2019-05-14 06:21:27 | 日記
米国市場で今年一番の注目IPOとも言われたウーバーでしたが蓋を
開けたらかなりほろ苦いスタートになりました。3月に新規公開し
た同業のリフト株が初値天井になりその後も下げ止まらず公開価
格を2割ほど下回って推移していることが投資家に成長に対する
不安を高めたようです。

リフト株の低迷を受けて公開価格は下限に近い水準に設定されま
したが、公開価格を下回ったまま初日の取引を終えました。リフ
ト株の公開で配車サービス企業のより詳しい収益構造が明らかに
なりました。

ウーバー株についても優良ドライバーを囲い込むため収入の8割
をドライバーに支払っています。売り上げが伸びても結果として
赤字も膨れ上がる収益構造から脱却する道筋が見えないことが投
資家心理を冷え込ませているようです。13日には両銘柄とも大き
く下げリフトは公開価格から3割弱、ウーバーも公開2営業日で既
に2割下落しました。

ここ数年ユニコーン企業が一躍市場の注目を集めたのはアマゾン
の存在が大きかったようです。創業当初から目先の赤字決算より
も市場開拓を優先して一気に勢力拡大を計ったことが今日の成功
に繋がりました。アマゾンは上場後時価総額が500倍になりました
が、孫氏もアマゾン株に投資するチャンスがありながら資金が用
意できず断念したことが今でも悔やまれると発言しています。

GAFAと呼ばれる大型IT企業でアマゾン以外でもグーグルもFace
bookも公開直後に株式を購入していたら大きな資産を築けました。
それだけに次のGAFA銘柄候補を探し出そうとする投資家の熱狂が
ユニコーン企業に注がれています。

もっともGAFA銘柄は市場を独占して大きな成長と巨額な収益を上
げていますが、ユニコーン企業と言われるすべての企業がお宝銘
柄にはなりません。それは前評判が高くIPO前に高い評価がつい
ている企業も例外ではありません。

リフト株やウーバー株が評判倒れになったのはビジネスモデルに
大きな要因がありそうですがそれだけではありません。グーブル
やアマゾン、それにFacebookが大きなリターンを投資家にもたら
したことからベンチャーキャピタル各社は二匹目のドジョウを狙
い相次いで有望企業に投資しました。

結果的にユニコーン企業は必要以上の資金を集めたことになり赤
字体質から脱却できなくとも先行投資を優先しました。依然は未
公開企業がIPOを行うのは成長資金を市場から調達するためでし
たが、現在はベンチャーキャピタルが資金を回収するためとの見
方もあるようです。

直近公開企業でも公開価格を上回り堅調に推移している企業もあ
ります。要するにユニコーン企業も玉石混合ということを忘れて
はいけません。Facebookだって当初は初値を下回り悲観論が広
がりました。しかしその成長力が示されたことからその後株価は
大きく上昇しました。リフト株やウーバー株も早期に黒字転換で
きるようなウルトラCを市場に示せるかどうかです。

今日の東京市場は米国株の大幅安から2万1000円割れは避けられ
そうもありません。4月下旬までは米中貿易協議の進展期待が強
かっただけに交渉が暗礁に乗り上げたという材料を市場が消化す
るには時間がかかりそうです。年初からの戻り相場が4月で一巡
したとしたら小回り3ヶ月にあたる7月に期待したいところです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする