東芝が再び決算発表を延期しました。新たに10件の不正処理の疑いが見つかり
会計処理の確認作業が遅れ監査法人への提出が30日になり31日に予定してい
た決算発表が出来ませんでした。日本を代表する企業としてはお粗末の限りで
す。東芝株は既に不祥事から大幅な調整をしていたために8月の中国ショックで
の下げは小幅でした。株価は8月中旬以降悪材料を織り込んで底値固めに入る
思われましたが、まさかの決算発表延期で1日は市場全体の地合い悪化もあり
5%下落と比較的大きな下げ翌2日も4%下落となり市場の落胆が大きかったこと
が窺い知れます。
今回の東芝不正会計の根源は重電3社体制からの脱落不安があったようです。
歴代の経団連会長を排出するほどの名門意識の強い東芝ですが多くの日本企
業同様リーマンショックの後遺症を克服できず低迷した状態が続きました。起死
回生を狙って巨額の資金を投じた米原発大手の買収も福島原発事故で原発事
業拡大で成長加速という目論見は崩れ去りました。
頼みの原発事業の当てが外れた東芝はここ数年フラッシュメモリ頼みの収益構
造から脱出できていません。かつてはノートパソコンを世に送り出しシェア世界
ナンバーワンだったノートパソコンを中心としたPC事業は市場の縮小もあり赤字
から抜け出せません。液晶テレビも収益構造は脆弱で赤字が止まりません。
MRIなど医療機器は国内勢の中では健闘していますが収益の柱になるほどで
はありません。
スイスのスマートメーカーを買収するなどM&Aには積極的ですが買収効果は
出ていないようです。手掛けている事業領域は広くても総花的で選択と集中が
うまくいっているとは言えません。東芝は今回の不正会計から影響から不採算
事業の整理は待ったなしでしょう。早期にフラッシュメモリ事業につぐ収益の柱
の育成は急務です。
一時は6重苦と言われた日本企業を取り巻く状況は改善しつつあります。大幅
な円安進行と法人税引き下げも小幅ですが前に進んでいます。規制緩和など
まだまだ手つかずの問題は残っているとしても企業の自主努力が報われる環
境になってきました。持続的な成長のボールは政府から企業に投げ返されまし
た。
特定の市場に多くの企業がひしめき過当競争になりそれが日本企業の利益率
の低さに繋がっていると指摘されていましたが業界再編はそれ程進んでいませ
ん。残念なのはシャープのように追い込まれてから事業の選択と集中をすること
です。業績が好調な時ほど先を見据え大胆な選択と集中をするべきなのに多く
の企業が業績が上向くと改革の機運が後退します。
いずれ円安や金融緩和は終焉を迎えます。追い風がやんでも成長できるような
企業体質になるためには横並びを止め自社の体力に見合った事業フォートフォ
リオを構築しなければなりません。米国の金融緩和が終わる時期が迫り日本企
業の真の稼ぐ力が試されようとしています。パソコンや液晶テレビを手掛ける日
本企業は2社程度で十分なのかもしれません。東芝の不正会計問題は日本企
業の横並び意識の負の部分が表面化したことでしょう。
会計処理の確認作業が遅れ監査法人への提出が30日になり31日に予定してい
た決算発表が出来ませんでした。日本を代表する企業としてはお粗末の限りで
す。東芝株は既に不祥事から大幅な調整をしていたために8月の中国ショックで
の下げは小幅でした。株価は8月中旬以降悪材料を織り込んで底値固めに入る
思われましたが、まさかの決算発表延期で1日は市場全体の地合い悪化もあり
5%下落と比較的大きな下げ翌2日も4%下落となり市場の落胆が大きかったこと
が窺い知れます。
今回の東芝不正会計の根源は重電3社体制からの脱落不安があったようです。
歴代の経団連会長を排出するほどの名門意識の強い東芝ですが多くの日本企
業同様リーマンショックの後遺症を克服できず低迷した状態が続きました。起死
回生を狙って巨額の資金を投じた米原発大手の買収も福島原発事故で原発事
業拡大で成長加速という目論見は崩れ去りました。
頼みの原発事業の当てが外れた東芝はここ数年フラッシュメモリ頼みの収益構
造から脱出できていません。かつてはノートパソコンを世に送り出しシェア世界
ナンバーワンだったノートパソコンを中心としたPC事業は市場の縮小もあり赤字
から抜け出せません。液晶テレビも収益構造は脆弱で赤字が止まりません。
MRIなど医療機器は国内勢の中では健闘していますが収益の柱になるほどで
はありません。
スイスのスマートメーカーを買収するなどM&Aには積極的ですが買収効果は
出ていないようです。手掛けている事業領域は広くても総花的で選択と集中が
うまくいっているとは言えません。東芝は今回の不正会計から影響から不採算
事業の整理は待ったなしでしょう。早期にフラッシュメモリ事業につぐ収益の柱
の育成は急務です。
一時は6重苦と言われた日本企業を取り巻く状況は改善しつつあります。大幅
な円安進行と法人税引き下げも小幅ですが前に進んでいます。規制緩和など
まだまだ手つかずの問題は残っているとしても企業の自主努力が報われる環
境になってきました。持続的な成長のボールは政府から企業に投げ返されまし
た。
特定の市場に多くの企業がひしめき過当競争になりそれが日本企業の利益率
の低さに繋がっていると指摘されていましたが業界再編はそれ程進んでいませ
ん。残念なのはシャープのように追い込まれてから事業の選択と集中をすること
です。業績が好調な時ほど先を見据え大胆な選択と集中をするべきなのに多く
の企業が業績が上向くと改革の機運が後退します。
いずれ円安や金融緩和は終焉を迎えます。追い風がやんでも成長できるような
企業体質になるためには横並びを止め自社の体力に見合った事業フォートフォ
リオを構築しなければなりません。米国の金融緩和が終わる時期が迫り日本企
業の真の稼ぐ力が試されようとしています。パソコンや液晶テレビを手掛ける日
本企業は2社程度で十分なのかもしれません。東芝の不正会計問題は日本企
業の横並び意識の負の部分が表面化したことでしょう。