連休明けの東京市場は191円高の2万841円ま上昇しました。年初来高値2万868円
まであと27円まで迫りました。前場は高値警戒感も2万700円台で揉み合いでした
が引けにかけて先物主導の買いで高値引けとなり先高観が再び盛り返した格好
です。ギリシャ問題や上海株暴落で今月初旬に急落したことで裁定買い残が15億
株まで減少したことが再び先物主導での上昇を誘発したようです。
もっとも個別銘柄では株価水準が高いところにあるだけに決算発表で今後ボラの
高い展開も予想されます。米国市場のように事前の期待が低く減益決算でも市場
予想を上回り上昇する銘柄も出ています。安値圏にある銘柄で決算をキッカケに
目先反発する銘柄も出てくるでしょう。
21日の東京市場の注目は何といっても東芝株でしょうか。東芝の不適切会計を
調査していた第3者委員会は20日に報告書を発表しました。リーマンショック後の
歴代トップによる利益至上主義による現場へのプレッシャーが今回の不適切会
計の温床になったと結論付けています。
東日本大震災で東芝が収益の柱と期待した原発事業が大きな逆風を受けテレビ
やパソコン、半導体、インフラ事業へのシワ寄せが過大な収益目標となり不適切
会計の積み重ねが大きくなったようです。一部にはライバルの日立に大きく水を
あけられる不安も背景にあったとに指摘もあります。
第3者委員会の報告を受け株価は当面の悪材料は出尽くしたとの見方から21日
の東芝株は大幅に上昇しました。上場廃止という最悪の事態が当面回避された
のも売り方の買い戻しも誘ったのかもしれません。21日の動きをみると噂で売っ
て事実で買い戻す典型的な動きだったようです。
過去不適切会計で問題を起こした企業は何社がありますが内容も様々です。
西武鉄道やカネボウ、ライブドアは上場廃止に追い込まれました。IHIやオリン
パスは上場廃止を免れ株価は一時的に大きく下落しましたがいずれもその後
株価は回復に向かいました。IHIは事件後に発生したリーマンショックが影響し
て低迷期間が長引きましたが航空機分野などの好調もあり2014年には2007年
高値を更新しました。
オリンパスはソニーの資本支援と主力事業の内視鏡の競争力の強さも手伝い
株価は事件発覚前の高値を大きく上回りました。両社に共通している点は主力
事業の競争力の高さです。稼ぐ力が健在なら株価も時間はかかっても上昇する
ことを示しています。
では東芝の収益構造はどうでしょう。2014年決算では利益の6割以上を世界第
2位のシェアを持つフラッシュメモリで稼いでいます。今回の不正会計でフラッシ
ュメモリ以外の事業で水増しされた分野が広範囲に及ぶことから依存度は益々
大きくなっていることが想定されます。
テレビやパソコンなどここ数年業績の足を引っ張っている事業をどうするのか
存続か撤退するのか。両事業とも既にコモディティ化しているうえに上位メー
カーでも黒字基調を続けることが難しくなった分野です。継続するとしても大幅
な規模の縮小とコスト削減は避けられません。撤退するとなれば一時的に多額
のリストラ費用が掛かるでしょうが業績の不透明要因はなくなります。
21日は大幅高で終わりましたがこのまま悪材料出尽くしで順調に上値を追える
かどうかは新経営陣の打ち出す経営計画に左右されます。いずれにしても会社
が立ち直るためには聖域のない事業構造の見直しは避けられません。反対に
既存事業の大幅な見直しを避ける再建計画なら東芝株の低迷は続きそうです。
新経営陣がどんな方針を示すか市場の注目が集まりそうです。
明日の更新は所用のためお休みします。
まであと27円まで迫りました。前場は高値警戒感も2万700円台で揉み合いでした
が引けにかけて先物主導の買いで高値引けとなり先高観が再び盛り返した格好
です。ギリシャ問題や上海株暴落で今月初旬に急落したことで裁定買い残が15億
株まで減少したことが再び先物主導での上昇を誘発したようです。
もっとも個別銘柄では株価水準が高いところにあるだけに決算発表で今後ボラの
高い展開も予想されます。米国市場のように事前の期待が低く減益決算でも市場
予想を上回り上昇する銘柄も出ています。安値圏にある銘柄で決算をキッカケに
目先反発する銘柄も出てくるでしょう。
21日の東京市場の注目は何といっても東芝株でしょうか。東芝の不適切会計を
調査していた第3者委員会は20日に報告書を発表しました。リーマンショック後の
歴代トップによる利益至上主義による現場へのプレッシャーが今回の不適切会
計の温床になったと結論付けています。
東日本大震災で東芝が収益の柱と期待した原発事業が大きな逆風を受けテレビ
やパソコン、半導体、インフラ事業へのシワ寄せが過大な収益目標となり不適切
会計の積み重ねが大きくなったようです。一部にはライバルの日立に大きく水を
あけられる不安も背景にあったとに指摘もあります。
第3者委員会の報告を受け株価は当面の悪材料は出尽くしたとの見方から21日
の東芝株は大幅に上昇しました。上場廃止という最悪の事態が当面回避された
のも売り方の買い戻しも誘ったのかもしれません。21日の動きをみると噂で売っ
て事実で買い戻す典型的な動きだったようです。
過去不適切会計で問題を起こした企業は何社がありますが内容も様々です。
西武鉄道やカネボウ、ライブドアは上場廃止に追い込まれました。IHIやオリン
パスは上場廃止を免れ株価は一時的に大きく下落しましたがいずれもその後
株価は回復に向かいました。IHIは事件後に発生したリーマンショックが影響し
て低迷期間が長引きましたが航空機分野などの好調もあり2014年には2007年
高値を更新しました。
オリンパスはソニーの資本支援と主力事業の内視鏡の競争力の強さも手伝い
株価は事件発覚前の高値を大きく上回りました。両社に共通している点は主力
事業の競争力の高さです。稼ぐ力が健在なら株価も時間はかかっても上昇する
ことを示しています。
では東芝の収益構造はどうでしょう。2014年決算では利益の6割以上を世界第
2位のシェアを持つフラッシュメモリで稼いでいます。今回の不正会計でフラッシ
ュメモリ以外の事業で水増しされた分野が広範囲に及ぶことから依存度は益々
大きくなっていることが想定されます。
テレビやパソコンなどここ数年業績の足を引っ張っている事業をどうするのか
存続か撤退するのか。両事業とも既にコモディティ化しているうえに上位メー
カーでも黒字基調を続けることが難しくなった分野です。継続するとしても大幅
な規模の縮小とコスト削減は避けられません。撤退するとなれば一時的に多額
のリストラ費用が掛かるでしょうが業績の不透明要因はなくなります。
21日は大幅高で終わりましたがこのまま悪材料出尽くしで順調に上値を追える
かどうかは新経営陣の打ち出す経営計画に左右されます。いずれにしても会社
が立ち直るためには聖域のない事業構造の見直しは避けられません。反対に
既存事業の大幅な見直しを避ける再建計画なら東芝株の低迷は続きそうです。
新経営陣がどんな方針を示すか市場の注目が集まりそうです。
明日の更新は所用のためお休みします。