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「現場力」再考 第9回

2019年10月25日 | ブログ
教育の現場

 この国の教育現場は、惨憺たる状況ではないか。児童・生徒同士のいじめを黙認するだけに留まらず、先生同士でいじめを行う。それも無視とか誹謗中傷的ないじめではなく、暴力的ないじめが横行していたというから呆れるほかない。そんなことは極々一部のことで、ほとんどはしっかりやっているよ。と言われるかも知れないが、人体にでも異様な吹き出ものが出来るということは、すでにその人に見えない病魔が潜んでいるからではないか。

 学校の先生は、地元の有力者等に縁故などがないと狭き門らしい。昔の話ではあるが、甥っ子が国立大学の教育学部を出たが弾かれた。先生に成れず仕舞いだった。そんなことをしているから碌でもないのが先生となる。教え子に対するわいせつ行為なども年々増加し、兎に角学校そのものが信じられないエリアとなって久しい。

 これにモンスターペアレントが参戦する。まじめな先生にも住みにくい現場なのだ。教育現場の荒廃は今に始まったことでもないが、問題があっても可能な限り世間から隠し続ける風土が、時代を跨ぎ改善されない根幹だ。校長など責任者が、自ら身を切る覚悟で事に当たれば、歯止めが掛かると思うが、皆自分の立場を守ることに汲々とする。無難に勤めを終えて、町の教育長などおいしいポストにありつきたいのか。

 国には文部科学省などという立派な名前の行政機関があるが、このトップになる政治家に子供の頃から公立の小中学校で、勤勉刻苦してきた人物が選ばれ続けているようには見えない。大臣待機組から当該大臣を選ぶようでは駄目だ。自分様ファーストのような人物では、本当の教育行政などできるわけなどない。

 若かりし頃、町の体育協会の役員やスポーツ少年団指導員をやったが、仲間の中学の先生がいつも学校の先生仲間のいい加減さを嘆いていた。教育現場の荒廃の歴史は長いのである。平和が続くということは非常にありがたいことだけれど、その陰で既得権者の利権の温存志向が腐敗を生む。人材が真っ当に評価されず、当たり障りのない人物が政治から教育現場まで蔓延り、時代に適う改善改革を遠ざける。

 私立の中高一貫校や一流大学への進学は塾任せで、教師はマニュアルに沿った授業と部活指導で成果を上げれば上々という現場風土を醸しているのではかろうか。

 本来教育とは、師がそこに居るだけで、導かれる雰囲気が必要である。知識や技能の伝承は当然に必要だが、それを通じた人間性の陶冶が必要なのである。

 昔から政治家は頭など悪くていい、優秀な官僚をどうのように活かして使うか、所謂ヒューマンスキルに長けておれば良い様な言われ方を聞いていたが、学生時代に碌に勉強もせずに親の遺産で政治家となり、要領だけで処しているような輩が権力を握るから、国家にとって最重要な教育行政の「現場力」は劣化の一途を辿るのではないか。




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