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続、この国の風景その12

2012年01月04日 | Weblog
消費税

 元々この国では、給与所得者の源泉徴収が徹底しているため、消費税は必要ではなかった。しかし、政府の無駄遣いのために新たな財源が必要となり、消費税導入が検討されるようになった。これが導入されると元々収入が100%捕捉されている給与所得者にとっては過剰な税負担となることは明らかである。そこで、直間比率の見直しなどという名目で、所得税の一部減税とセットにする方策が取られたりする。

 私が小学生の頃、母親は私に大きくなったら商売人になれと言っていた。そのため私は、学校で将来どのような仕事に就きたいかのような話が出た時は、「商売人」と答えることにしていたものだ。実は母親の女姉妹は4人いて、私の母以外はすべて商家に嫁いだ。何のことはない、商家の税制上の旨みをしっかりと姉や妹達から聞いていたための商売人志向であったわけだ。

 私の弟が保育園に通っている時にも母親から苦情を聞いた。その保育園の保育料は税金の納付額から算出されており、周辺の羽振りの良い農家や商家を出し抜いて、弟の保育料はクラスで2番目の高さだったらしい。

 米国などで、パソコンの普及が早かったのは、給与所得者さえ税金の申告をせねばならず、便利なツールが必要であったためのように聞いた覚えがある。現在の欧米諸国の税制がどうなっているのか知らないけれど、わが国の消費税5%は欧米諸国のそれの1/4程度であることはよく紹介されている。最初に消費税を導入したのはフランスであったそうだけれど、兎に角所得税が集まらないための苦肉の策であったそうな。わが国で消費税率が低いのは当たり前なのだ。

 国民年金なども自由業者の4割程度は支払わないのに対して、給与所得者はほぼ100%給与から厚生年金として天引きされる。そして40年も支払い続けさせて、団塊の世代の人数が多くて年金が不足すると、政府の無策を世代間人口問題に転嫁しているイメージさえある。

 厚生年金は運用の問題と、資金が潤沢な時に受給者を優遇したためにここに来て見通しが暗くなった。われわれ世代と先輩世代の世代間格差は現実にあっても、現在の40代の人達が現実にいくら受給できるかは顕在化していない。しかし、物が安くなるといいながら社会保険料率は、健康保険料なども含めてわれわれの現役時代から上がり続けた印象がある。

 昔は赤い羽根共同募金などというのが年末恒例だったけれど、これなども寄付金のほとんどは運用費にまわり、恵まれない人へ配られるのは一部だと聞いた。年金も保険も運用費すなわち、人件費に食われる割合が増えて、これが正当な働き手への手当(給与)なら仕方がないけれど、用もない天下りへのその業務の付加価値にすぐる給与や退職金に消えておれば問題である。

 消費税だって、1000万円までの業者は納入の義務はない。それでも個人経営の商店などでは、売上金から消費税を納めるのは負担が大きいような苦情をどこかで聞いたけれど、売上時消費税として本体価格に加算しておれば、それは消費者が国に支払った税金なのだから、手数料を差し引いて国庫に入るべきお金である。

 国の予算の半分が借金に依存する財政状態の中でさえ、農協だ、医師会だ公労協だと多くの団体が、兎に角国の税金を巡って、支払いは少なく、補助金や助成金はこちらへと政治家を操って綱引きをしている。それは欲望の塊が坂道をころがり落ちている醜い風景に映る。
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