谷啓追悼として是枝監督『ワンダフルライフ』が流れました。
なぜこの映画なんだろう?
一応ビデオに撮っておきました。
○
著名な監督とは知っていましたが近年の邦画は
見る気になれず、実は是枝作品も見たことがない!
・・・など、映画好きもここまで落ちますかねえ。
我ながら情けない。
もちろんたまに見た邦画のレベルが低かったことも
最近見ない理由です。
それなら昔の映画を見返すほうが楽しいですから。
○
『ワンダフルライフ』は外国で評価され受賞も多く
確かに、なかなかの作品でした。
タルコフスキーやニキタ・ミハルコフ、あるいは
三部作のころのホウ・シャオシェンを思わせる
才能ぶりですね。
(彼らにはまだ及ばないけれど)
ARATAや伊勢谷友介の映画初出演作でもあります。
人生を振り返るとは、という主題をメルヘン風に
処理した、映画です。
静かに美しい。
そのセンスは邦画離れしています。
「む~、どんどん新しい才能が出ている」などと十年前の
映画に感心した次第です。(笑えヨ~)
伊勢谷友介(龍馬伝の高杉晋作)が良いですね。
(達者というか、深く掘り下げる人なのだ)
○
谷さんの話でした。
ネットで、この映画の谷さんはフツー、と書いておられる
人を見かけましたが、私は意見が違います。
とても良いですね。
端麗な銘水のごとき存在感で、何もしていないように
見える人もいるでしょう。
オットドッコイ
私の意見を聞いてつかあさい。
○
この映画ではプロの俳優や素人の方が沢山登場され
「わが人生の最良の思い出」を話されます。
すると当然ながら素人さんの方が「本当」
役者さんは演技をしているので、どうしても
嘘っぽく見えてしまいます。
役者が本当のことを語っている場合もあるでしょう。
ただ、そこにもどこか演技がある。
徹子の部屋で話すゲストにどこか気どりや演技があるのと
同じです。
○
横道にそれますが
外国映画を見て感動するのは役者を知らないから
リアルに見えると云う事がありそうです。
映画を作る人が画面に込めた部分だけを見ますから。
逆に、私が邦画に乗れないのはそれがあるからでしょう。
他ではこんな演技をしていた、とかスターとしてこんな
イメージがある、とか画面以外の事が足を引っ張ります。
また「どうせ演技だろ」という気持ちもあります。
「上手い演技をしているなあ」もあります。
演技を意識させられてしまうのですね。
○
この映画でも素人と役者の温度差を感じてしまい
いまひとつ乗れない部分があります。
外国の人はそれがないでしょうから、とてもリアルに
映画に引き込まれるのです。
○
そのワザとらしさをほとんど感じさせないのが
この映画の谷啓。
是枝監督が選んだはずです。
そこで追悼番組にも採用された。
○
思うに谷啓の一番のよさがこのバランスなのです。
他に代え難い。
普通、役者は演技をした部分を見てもらいます。
観客の前に、「演技」を出して見せます。
谷さんはそうではありません。
いつでも谷さん。 あのキャラクター。
何もしていないように見せて、谷さんの演技は
彼の向こうに人物が浮き上がるのです。
能や狂言、場合によっては古典をやる歌舞伎役者
そういう類の芸と似ています。
茂山千作さんはいつでも何を演じても千作さん。
ですが千変万化される。
役者の顔の向こうに、彼の個性の向こうに、
作品世界が広がるので却って自然に映るのです。
演技で偽るということをしないから。
(これを映画やTVでするところが谷啓のスゴサ)
○
反対に熱演型の役者さんは一般に受けます。
すごいなあ、上手い演技だなあ、と。
竹○○人、香○照○などなど。
シツコイよね。ドロクサイ。
演じている向こうに役者が覗いて「どうだ、上手いだろ」
私は好みません。
高校の学芸会じゃあるまいし。
○
近年、数すくない名人が亡くなられました。
日本人が忘れかけているシャイな文化。
寂しいですねえ。
なぜこの映画なんだろう?
一応ビデオに撮っておきました。
○
著名な監督とは知っていましたが近年の邦画は
見る気になれず、実は是枝作品も見たことがない!
・・・など、映画好きもここまで落ちますかねえ。
我ながら情けない。
もちろんたまに見た邦画のレベルが低かったことも
最近見ない理由です。
それなら昔の映画を見返すほうが楽しいですから。
○
『ワンダフルライフ』は外国で評価され受賞も多く
確かに、なかなかの作品でした。
タルコフスキーやニキタ・ミハルコフ、あるいは
三部作のころのホウ・シャオシェンを思わせる
才能ぶりですね。
(彼らにはまだ及ばないけれど)
ARATAや伊勢谷友介の映画初出演作でもあります。
人生を振り返るとは、という主題をメルヘン風に
処理した、映画です。
静かに美しい。
そのセンスは邦画離れしています。
「む~、どんどん新しい才能が出ている」などと十年前の
映画に感心した次第です。(笑えヨ~)
伊勢谷友介(龍馬伝の高杉晋作)が良いですね。
(達者というか、深く掘り下げる人なのだ)
○
谷さんの話でした。
ネットで、この映画の谷さんはフツー、と書いておられる
人を見かけましたが、私は意見が違います。
とても良いですね。
端麗な銘水のごとき存在感で、何もしていないように
見える人もいるでしょう。
オットドッコイ
私の意見を聞いてつかあさい。
○
この映画ではプロの俳優や素人の方が沢山登場され
「わが人生の最良の思い出」を話されます。
すると当然ながら素人さんの方が「本当」
役者さんは演技をしているので、どうしても
嘘っぽく見えてしまいます。
役者が本当のことを語っている場合もあるでしょう。
ただ、そこにもどこか演技がある。
徹子の部屋で話すゲストにどこか気どりや演技があるのと
同じです。
○
横道にそれますが
外国映画を見て感動するのは役者を知らないから
リアルに見えると云う事がありそうです。
映画を作る人が画面に込めた部分だけを見ますから。
逆に、私が邦画に乗れないのはそれがあるからでしょう。
他ではこんな演技をしていた、とかスターとしてこんな
イメージがある、とか画面以外の事が足を引っ張ります。
また「どうせ演技だろ」という気持ちもあります。
「上手い演技をしているなあ」もあります。
演技を意識させられてしまうのですね。
○
この映画でも素人と役者の温度差を感じてしまい
いまひとつ乗れない部分があります。
外国の人はそれがないでしょうから、とてもリアルに
映画に引き込まれるのです。
○
そのワザとらしさをほとんど感じさせないのが
この映画の谷啓。
是枝監督が選んだはずです。
そこで追悼番組にも採用された。
○
思うに谷啓の一番のよさがこのバランスなのです。
他に代え難い。
普通、役者は演技をした部分を見てもらいます。
観客の前に、「演技」を出して見せます。
谷さんはそうではありません。
いつでも谷さん。 あのキャラクター。
何もしていないように見せて、谷さんの演技は
彼の向こうに人物が浮き上がるのです。
能や狂言、場合によっては古典をやる歌舞伎役者
そういう類の芸と似ています。
茂山千作さんはいつでも何を演じても千作さん。
ですが千変万化される。
役者の顔の向こうに、彼の個性の向こうに、
作品世界が広がるので却って自然に映るのです。
演技で偽るということをしないから。
(これを映画やTVでするところが谷啓のスゴサ)
○
反対に熱演型の役者さんは一般に受けます。
すごいなあ、上手い演技だなあ、と。
竹○○人、香○照○などなど。
シツコイよね。ドロクサイ。
演じている向こうに役者が覗いて「どうだ、上手いだろ」
私は好みません。
高校の学芸会じゃあるまいし。
○
近年、数すくない名人が亡くなられました。
日本人が忘れかけているシャイな文化。
寂しいですねえ。