ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
私的メールマガジン「ほぼ週刊イケヤ新聞」のブログ版です。

赤坂四川飯店に行ったのだった

2009年01月31日 05時04分59秒 | 一食入魂&つけ麺ジャンキーズ
赤坂四川飯店に行ったのだった。

辛いものが苦手、と言いながら、あいかわらず、陳健一のマーボー豆腐を食べに、立川駅ビルにある立川中華街の陳麻婆豆腐店に出かけているわけだが、あれだけはどれだけ辛くてもやっぱり美味しい。
ところで、もう昨年になるけど、そういえば、陳健一の総本山(日本の四川料理の総本山?)である赤坂四川飯店に行って見た。ここは前にも一度行っていたのだが、緊張するシチュエーションであったためか、麻婆豆腐を食べた記憶はあるんだが、ほかの料理や場所の記憶はほとんどないのだった。

さて、今回は子供と義妹もいっしょにいったわけだが、これが美味しかったな。メインの麻婆豆腐にしても、立川のそれと同じなんだが、ちょっとコクが深くて山椒が効いているように思った。絶品である。

ご飯に載せるとこんな感じ



こちらは白身魚を揚げたもの


これは棒棒鳥(バンバンジー)


デザートの杏仁豆腐
これは立川の杏仁豆腐と多分同じだと思うけど、立川には赤いのはなかったかな。



ああ、旨かったです。麻婆もそうだけど、バンバンジーも旨かったな。大勢でいっていろいろ頼むと本当に楽しいです。今度はもっと大勢で行きたいもの。ツアーでも組んでいきませんか?

赤坂四川飯店のホームページはこちら
http://www.sisen.jp/index.html


四川飯店の中国料理
陳 建一
日本放送出版協会

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本音で作る、僕の料理
陳 建一
文化出版局

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四川飯店陳建一が提案する大人の厨房
陳 建一,小野 幸恵
近代映画社

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料理の鉄人大全

フジテレビ出版

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ジャズ理論と、ジャズ理論を超えて感じること。

2009年01月30日 15時35分54秒 | 原朋直トランペットレッスン講義ノート
ジャズ理論と、ジャズ理論を超えて感じること。

ヤマハ銀座アネックスで開講されている原朋直レッスンのジャズトランペットコースに通い始めて、すでに4年目かも知れない。四年でこんな物か、というラッパの実力が悲しいが、学んだ物はたくさんある。特にジャズ理論であり、また理論を超えていくインプロバイズの本質、といったところだろうか。ジャズ理論は文法に過ぎないので、上手な文章を書くためには必須であるが、書くべき内容はそこにはなくて、自分の中にしかないのであるわけだ。文法が無くても書くべき事、つまり表現したいことがあれば、それは可能なんだが、たとえばオバマの素晴らしい演説のように語ることはできず、叫び声だったり、凄く片言だったり、赤ちゃん言葉だったり、犬の雄叫びのようになってしまうだろう。それはもちろんアリだが、たとえばワンステージ二時間を叫び声だけで持たせるというのは大変だし(可能だが)、さらにいえばそれを毎日ステージでやるとなるとかなり演奏する方も厳しいのではないだろうか。



原朋直レッスンのジャズトランペットコース講義録のまとめは、こちらから。
http://blog.goo.ne.jp/hoboike_diary/c/672018a64cffd906d0ee9d84ecc96a94


自分で作曲をしたアドリブレッスンの後に、原朋直先生より以下のお話がありました。
以下、原さんのお話です。

メロディを作るときに、これはシャープナインスとか、フラットナインスだとかっていうことを考えるんじゃなくて感覚でやるのが対峙だって事がおわかりでしょうか。ジャズ理論っていうのは、感じを明確にするためにあります。だから、理論がわかるってのは、目的じゃないですから。感じるのが目的です。感じるっていうのは、直感を大事にするって事です。全部頭で計算をして音楽を作ることは出来ないからです。だから個性が生まれるんです。
インプロビゼイションの時に誰それのフレーズを使ってはいけない、と言っているのもそういうことです。自分の感覚を使わないってことですからね。

で、感じるってことですけど、こういう勉強の前はもっと「感じ」を大事にやっていたと思うんです。天真爛漫に。でもダイアトニックのコードがあり、ノンダイアトニックのモーダルインターチェンジとか、セカンダリドミナントがあって、ノンダイアトニックである、でも転調ではない、みたいなことを頭で判ったからってソロがうまくいくかっていうとそういうわけではなくて、むしろ、なんだかややこしくなっちゃう。ドナ・リーって全然転調していないですから。でもコードを知った途端にこれは偽終止であるとか、いろいろ気になってしまう。だからこれは気をつけてください。聴いた感じが自分にとってカッコイイとか、かっこ悪いとか、へんてこりんとか。そういうことを最も大切にしてください。



朝練 管楽器の呼吸法 呼吸法・喉とアンブシュアの関連性 藤井完/著
藤井 完
全音楽譜出版社

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アンブシュア―管楽器奏者のための
大室 勇一,荒木 雄三,モーリス・M・ポーター
全音楽譜出版社

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マジオ金管教本 (1983年)

パイパーズ

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トランペットレパートリー ジャズ・スタンダード名曲選 IV アドリブ不要! CD付

ヤマハミュージックメディア

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秋田透のトランペットが吹ける本 参考演奏 カラオケCD付 トランペット初心者のためのとてもやさしい教則本
秋田 透
ヤマハミュージックメディア

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エビデンス・フォー・マイ・ミュージック
原朋直(tp), 緑川英徳(as), 吉田桂一(p), 上村信(b), 井川晃(ds)
キングレコード

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憂鬱と官能を教えた学校

河出書房新社

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絶対わかる!曲作りのための音楽理論―必要最小限の理論知識だけでOK!
デイヴ スチュワート
リットーミュージック

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改訂版 ポピュラー音楽に役立つ知識

シンコーミュージック

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ジャズスタディ 渡辺貞夫

エー・ティ・エヌ

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「超簡単 お金の運用術」山崎 元を読んだ。

2009年01月29日 11時25分54秒 | レバレッジリーディング
超簡単 お金の運用術 (朝日新書)
山崎 元
朝日新聞出版

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「超簡単 お金の運用術」山崎 元を読んだ。

村上龍のメールマガジンJMMの大ファンである。
メルマガにはさまざまな執筆者がいるが、村上龍の質問に多数の経済専門家が答えるというメニューの日があって、それがいつも楽しみだ。特に回答者で回答が明確でかつ、キレがあり、ユーモアすらあるのが山崎元氏である。
転職の多さでも本を書くほどの筆者だが、資産運用の本も多い。

この本は、なんと、もっともシンプルかつ、簡便で手間が無く、しかも専門家が考える最良の資産運用に近い、という投資法を説明していて、なるほどと思わされる。本文の小見出しに「99%の資産運用の本を無用にする」と書いてあったが、本当にそうだなと思う。
キモは

当面使う可能性のある金額(給料の三ヶ月分程度か、人による)を普通貯金へ。
残りは
日本株を4割
日本以外の世界の株を6割
の比率でETFを買う。

というシンプルな物だ。
本には銘柄まで書いてある。

これはたしかに、幾千もの、株本「フリーターの僕が一年で百億」みたいな本を無効にするよな。

そして最大のキモは、まとまったお金がいるときは(評価額が下がっていようが)躊躇無く解約して使う、というところだ。
最先端の金融の研究では行動ファイナンス論というものがあり、人間が心理的に損失の傷みを、利益のプラスよりも二倍ぐらい強く感じることが明らかになっているそうだ。(その分野でも山崎さんは入門的な著書がある 新しい株式投資論―「合理的へそ曲がり」のすすめ (PHP新書) (新書))
でもそれは気持ちの問題なので、割り切らなくてはいけない。いくらで買った物であろうが、売るときは売る、買うときは買うということではないか。
ちなみにドルコスト法なども、この本では明確に否定されているので、投資に興味のある人はぜひご覧いただきたい本です。

行動ファイナンス論についてはウィキペディアをごらんください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B9

村上龍のメールマガジンJMMのホームページはこちら。
http://ryumurakami.jmm.co.jp/


新しい株式投資論―「合理的へそ曲がり」のすすめ (PHP新書)
山崎 元
PHP研究所

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会社は2年で辞めていい (幻冬舎新書)
山崎 元
幻冬舎

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リスクとリターンで考えると、人生はシンプルになる!
山崎 元
ダイヤモンド社

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僕はこうやって11回転職に成功した
山崎 元
文藝春秋

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「投資バカ」につける薬 (講談社BIZ)
山崎 元
講談社

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ビジネスマン あなたの市場価値―これが21世紀のスタンダードだ!
箭内 昇,山崎 元
ビジネス社

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オバマ大統領のファーストダンスは、ビヨンセの歌うAT LASTだったのか。

2009年01月28日 05時31分54秒 | Photo&エッセイ
オバマ大統領のファーストダンスは、ビヨンセの歌うAT LASTだったのか。
なんと素晴らしいことだろう。
まず、歴史的な意味をAT LASTというタイトルが示しているし、曲はまさに、エタ・ジェームスのゴスペルで、3連符の落ち着いた優雅に踊りやすそうな美しい曲だ。
ビヨンセ、本当にすばらしい。しっかりと、力強く、優雅で、華やかに歌い上げている。そしてたとえようもなく、美しい。

もっとも成功したと思われるアフリカ系の大スターであり、最も美しい人類と俺は思っているビヨンセ、ですら、バラク大統領の誕生には、歌い終わった瞬間に、泣きそうになっている。

いかに、非白人の彼らにとってバラク大統領の誕生が悲願であり、感動であり、いかに辛い境遇にいたのか。

そしてオバマ大統領を誕生させたアメリカという国の、依然として若く、チャンレンジ精神にあふれるマインドを、素晴らしいと思います。

http://jp.youtube.com/watch?v=Un_YHXoLwAs


<object width="445" height="284"><param name="movie" value="http://www.youtube.com/v/Un_YHXoLwAs&hl=ja&fs=1&border=1"></param><param name="allowFullScreen" value="true"></param><param name="allowscriptaccess" value="always"></param></object>

レインボー喜寿、靉嘔(あい・おう)展に行ってきました。

2009年01月27日 17時13分44秒 | Photo&エッセイ
JR三鷹駅前にある三鷹美術ギャラリーで開催されているレインボー喜寿、靉嘔(あい・おう)展に行ってきました。
http://mitaka.jpn.org/ticket/gallery/

知りませんでしたが、靉嘔さんは、こういう人だそうです。ウィキペディアより

靉嘔(あい・おう、英語: Ay-O、1931年 - )は、日本の美術家である。1960年代のフルクサスに、同運動の国際的な活動の初期から関わったことで知られる。本名は飯島 孝雄(いいじま たかお)。


なんたって、かのフルクサスですからね。
ジョン・ケージ、ナムチュンパイク、ヨゼフ・ボイス、そしてもちろんオノ・ヨーコも所属していたアート集団ですよ。ボイスは大好きだったな。靉嘔は彼らとともに前衛芸術活動をしていた人ですけど、何が面白いって、レインボーなところ。
展覧会の解説によれば、日本での活動の後NYへ拠点を移し、抽象系の絵を描いていたが、どうやら完全に行き詰まったようで「絵を描くのは止めた」ということらしい。
で、どうしたかというとシルクスクリーンの作品作りとなって、シルクスクリーンの塗り師は別の職人に出すということにしたようです。
また絵画を線、カタチ、色に分解し、線もカタチも排したあげく、色は分解してレインボーにするという凄さ。
これがあのレインボーな作品群を作り出すことになるわけだ。
「レインボー北斎」という作品が、やっぱりすごいね。東京国際版画ビエンナーレ展で東京国立近代美術館賞を授賞した作品です。
以下にそれをパズルにしたカードがあります。
こんな絵なんです。
http://www.unac.co.jp/rainbow_hokusai/rainbow_hokusai_cards.html

いや、面白いこと。
やっぱりたまには美術館にも行かないとね。前衛の楽しさって、音楽もアートも同じだと思います。

妻のブログにも、靉嘔展の感想が載っていますのでぜひご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/hibikeblog/e/463c12a75d54ef9a1dcca742f14cbbd1

靉嘔の詳しいことはこちらに
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%89%E5%98%94


靉嘔の作品が見られます。
http://www.fukuoka-art-museum.jp/english/ec/html/ec02/fs_ec02.htm


フルクサスとは何か?―日常とアートを結びつけた人々 (Art edge)
塩見 允枝子
フィルムアート社

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詩を呼吸する―現代詩・フルクサス・アヴァンギャルド
ヤリタ ミサコ
水声社

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版画芸術 107 靉嘔

阿部出版

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虹のかなたに―靉嘔AY‐O回顧
靉 嘔
美術出版社

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友人金子鉄心のバンド「鞴座(ふいござ)」のライブに行った。

2009年01月25日 22時01分01秒 | CD&コンサートレビュー
大阪で活動中の金子鉄心率いる、鞴座が東京にやってきた。
千歳烏山のTubo。待望のワンマンライブであった。
金子鉄心とは高校時代の吹奏楽の同級生であって、私が高校を出てすぐの一年目、京都時代は、それはもう金子さんにはお世話になったんだが、金子はその後おかげさまブラザースでサックス奏者としてメジャーデビュー、名を馳せ、現在は大阪でサキソフォンをはじめ、アイリッシュ系の笛一般のプロとして、活躍中の人物である。

鞴座は金子のバグパイプ、藤沢さんのアコーディオン、岡部さんのギターからなる三人組で、この関東ツアーは「ふいごまつり」というアルバムの発売を記念したものなんだが、このアルバムは素晴らしいですよ。アイリッシュ、東欧あたりに音楽に、和風だしを効かせた、という音楽です。アコーディオン(藤沢さん)の音も素敵だし、金子鉄心の奏でるパグパイプの一種、イーリアンパイプの音もとてもよかったです。岡本さんのギターはまるでドラムとベースのようにどっしりと鞴座の音楽を支えているし。三人のなんとも言えない素敵なアンサンブルは、ちょっとロックやジャズとは違う、美しい支えあうものだったような気がします。
鞴座のライブはもう2回目だけど、前よりずっと熟成されている感じです。
鞴座の音楽を使った大阪のインディペント短編映画「天六の恋人」という映画も上映されたんだけど、映像とともに使われると、これまた音楽が違った魅力を放つもので、その場で見ているライブとはまた違う印象を感じました。

大阪を中心に関西で活躍中の鞴座ですが、ぜひ東京でのライブの頻度も増やしていただきたいもの。
その時はまたうちに泊まりに来てください。

鞴座オフィシャルサイトは以下
http://www.kcat.zaq.ne.jp/www/fuigo.html


鞴座については妻のブログしくは妻のブログをご覧ください。「響けブログ」に特集がありますのでぜひそちらもご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/hibikeblog/e/8fc782df55222e22f5da29f1c1bb92e8



ふいごまつり

インディペンデントレーベル

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祝! 映画「おくりびと」がアカデミー賞外国作品部門ノミネート!

2009年01月23日 02時17分34秒 | 映画レビュー




去年の邦画の、素晴らしかった作品「おくりびと」が、アカデミー賞外国語作品部門で、5ノミネート作品の1つに選ばれたそうです。祝!
本当に素晴らしいし、その価値がある映画だと思います。
このブログでの記事はこちらです。↓

http://blog.goo.ne.jp/hoboike_diary/e/3016bc92e9bf2c96701c3bac1ec6d581

ところで、山崎努のコメントがあったんだが、これがふるっていた。
まるでこのおくびとにでてきた、葬儀屋の社長そのもののようなコメントである。敬意を表して個々に引用するものであります。
以下引用です。

《山崎努コメント》
『おくりびと』のこと   山崎努
アメリカアカデミーとは驚いた。『おくりびと』は、二年前に撮った作品です。
だから、以前一緒に旅をして仲良くなった友人のようなものです。
彼がモントリオールで羽振りを利かせていることは知っていましたが、
図に乗ってハリウッドまで行っちまったのか。
風の便りに友人の活躍を聞く気分。
「お前、旅費はどうしたんだ。着ていくものはあったのか」と心配しています。

考えないヒント―アイデアはこうして生まれる (幻冬舎新書)
小山 薫堂
幻冬舎

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随筆 一食入魂
小山 薫堂
ぴあ

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恋する日本語
小山 薫堂
幻冬舎

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RH Singles &・・・
広末涼子,広瀬香美,シーナ・リンゴ,相田毅,久保田洋司,竹内まりや,岡本真夜,原由子,藤井丈司,斎藤有太,山本拓夫
ダブリューイーエー・ジャパン

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マルサの女

ジェネオン エンタテインメント

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原朋直レッスンのジャズトランペットコースの宿題はチャーリー・パーカーのドナ・リー

2009年01月23日 02時06分44秒 | 原朋直トランペットレッスン講義ノート
ヤマハ銀座アネックスで開講されている原朋直レッスンのジャズトランペットコースに通い始めて、すでに4年目かも知れない。四年でこんな物か、というラッパの実力が悲しいが、学んだ物はたくさんある。特にジャズ理論であり、また理論を超えていくインプロバイズの本質、といったところだろうか。ジャズ理論は文法に過ぎないので、上手な文章を書くためには必須であるが、書くべき内容はそこにはなくて、自分の中にしかないのであるわけだ。文法が無くても書くべき事、つまり表現したいことがあれば、それは可能なんだが、たとえばオバマの素晴らしい演説のように語ることはできず、叫び声だったり、凄く片言だったり、赤ちゃん言葉だったり、犬の雄叫びのようになってしまうだろう。それはもちろんアリだが、たとえばワンステージ二時間を叫び声だけで持たせるというのは大変だし(可能だが)、さらにいえばそれを毎日ステージでやるとなるとかなり演奏する方も厳しいのではないだろうか。

原朋直レッスンのジャズトランペットコース講義録のまとめは、こちらから。
http://blog.goo.ne.jp/hoboike_diary/c/672018a64cffd906d0ee9d84ecc96a94

さて、

今日は、今の原朋レッスンの宿題である、「ドナ・リー Donna Lee」について。これはビバップ中のビバップであって、チャーリー・パーカーのマスターピースである。
この曲の凄いところは元曲があることであって、インディアナというカントリーみたいな歌だそうだ。そのコード進行をいただき、換骨奪胎してビバップのマスターピースを作ってしまうところに、パーカーの真の天才性が燦めいている。
こんな曲です。↓
http://jp.youtube.com/watch?v=XeHiYJQSs6A

でね、その曲を練習しているわけだが、これがまた凄まじく複雑で難しいテーマだ。暗譜しなくてはいけない。いや、厳しい。
だが、これはとてもやりがいのある練習だ。
楽譜をたどたどしく読んで吹いてているだけで、ビバップの神が降りてくるのが判る。
まるで子供が般若心経を読んでいるようだが、メロディそのものから、何かが、立ち現れてくる。ヨレヨレのスーツを着て凄まじい音量と並外れた滑らかさでビバップフレーズを吹きまくる、バードの後ろ姿が見えてくるような気がするのだ。

このテーマにはビバップの素晴らしい部分が凝縮されているように思う、だから暗譜して暗譜して、体に刻み込んで、このフレーズが自分が寝てても寝言で出てくるぐらい叩き込むことで、アドリブにもフレーズのタイミングの取り方にも、行かされてくると思うのだ。目標は一日10回吹くこと。時間が無くて吹けなかったら、20回、歌おうと思う。

ちなみに、チャーリー・パーカーの演奏が実に素晴らしい、とてつもなく余裕のあるアドリブだ。
↓こちら。
Complete Recordings of Charlie Parker with Lennie Tristano

Definitive/Disconforme

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とてつもないのが、ウィントン・マルサリスのドナ・リー。時速200kmで路地をぶっ飛ばしているモンスターバイクのようなスピード感で、鳥肌が立つ。もちろん誰にも真似できないだろう。
↓こちらで聴けます。
http://jp.youtube.com/watch?v=QdD6XE9DtAE&feature=related

↓こちら。
Live at the Village Vanguard

Columbia

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モノクロームで耽美的。そんな美しいドナ・リーなら、ジャコ・パストリアスのファーストアルバムの一曲目。レコードで言えばA面1曲目。ジャコパスはドナリーとともにやってきたのだった。フレットレスベースによる、ソロだ。なんか、ドン・アライアスのパーカッションが入ってるような気がする。
↓こちらも必聴です。

Jaco Pastorius

Sony/BMG Jazz

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Rossinでの自転車通勤復活の狼煙だ!

2009年01月21日 23時51分16秒 | 自転車のはなし

二年前、いや三年前か。
1年間で百日以上、自転車で通勤していたことがある。
当時は阿佐ヶ谷から千駄ヶ谷までであった。片道10km、往復20kmなので、なかなか良い運動である。が、諸事情有り、怠け心もあって、すっかりお休みとなっていた。

が、復活である。
理由は、妻の一言であって年末、いや年始だったか。
自転車、乗らないなら、ジャマだから捨てたら。
冷たく言い放たれたのだった。
「馬鹿者、これは伊太利亜メイドのRossinという誉れ高い自転車であって、ロッシンは、レースに勝つための自転車しか作らないという気高い理想を持った人だ。しかも日本では品薄でほとんど観ない。ガッチガチのアルミ性だが、つまりこれも勝つためであって、快適さは二の次、というところが素晴らしいではないか、ええい、無礼者、下がれ、下がれ」と心の中で妻に叫んだ。
が、
気がついたら自分の口から出たのは「……。あ、乗るから。」という気弱な声であった。

しかし、こういう風に言っておきながら放っておけば捨て裸れる可能性はある。
言ったからには乗った、という事実を積み上げなくてはならない。
ということで久しぶりに、通勤を開始してみたら、これがやはり乗ってみれば楽しいのだった。速い自転車に乗っていると、知らず知らず笑顔になっているのが、自分でも不思議だ、よく晴れた朝は事に気持ちが清々しい。第一自転車に乗っていると寒くないのだ。(これが夏場だと暑くて汗まみれになって大変だ、自転車通勤に最高のシーズンは、今なのだ、冬の大寒の頃なのだよ、ワトソン君)。

ただ、久々に乗るに当たって、ちょっとだけパーツを換えた。正確に言うと機能をダウンさせたのだ、それがこの冒頭の赤いペダルである。実は自転車、特にロード車は、普通ペダルで運ばないのだった。ビンディング。つまり靴とペダルを一体化させたもの、それでコグのだ。ペダルが靴にベッタリとくっいている状態である。なぜか。実はこれを使うとペダルを漕ぐ効率が飛躍的に変わる。体感的には1.5倍ぐらい上がる。何故かというと、ペダルを後ろに回す時まで力を入れることができるからだ。こうなると両足のどこかが常にペダルに力を入れていることになり、常にタイヤにトルクを与えることができる。通常の踏むだけのペダルではトルクは均等ではないし、絶対量も小さい。

が、ビンディングは専用の靴を履かなくてはならないし、なんというか、飛ばすこと命というメンタリティを醸成する。まるでレースのように漕ぎたくなってしまうのである。
今思うと、これがちょっと乗るには精神的に負担であった。なので、普通のペダルにしてみた。しかもあえて赤いペダル。後で変えましたッ手感じが帰って出ていいかなと。
ま、ペダルにしてみると確かにどんな靴でも乗れるし、フツーに走ればいいかという気になるので、アリだと思います。ただし、ノロノロ走ってるので、ロード車にはもちろん、全く普通のフラットバーの自転車にもドンドン抜かれて、ちょっと情けないです、。
でも、今はリハビリ的に何度も乗ることのほうが、大事だから、少しこんな感じでノンビリと再び乗り始めよう、と思っています。


『ラースと、その彼女』を見た。草食系男子な映画でした。いい映画です。

2009年01月21日 05時58分10秒 | 映画レビュー
『ラースと、その彼女』

最近腑に落ちたのだ。
この頃のおとなしくて優しくて社会の適応性が高い、若者たち。
あれが最近話題の「草食系男子」ってやつなんだな。
この映画も、主人公はまさに草食系男子。
先に見た友人佐藤が言うように、出てくる女性は、みんな綺麗でいい人だ。
現実に似た、小さな、パラダイスのような場所に思える。

でも、肉食系でないとだめだよ、若者諸氏よ。

この映画、なかなかよかったので、<★★★★☆>。
役者陣が素晴らしいね。有名な人はあまりいなかったように思う。僕は知らなかった。
でも、いずれも素晴らしい役者さんで、ラースもいいが、ラースの兄貴役、その奥さん役、女医さん(この人は知っていた、幸せのレシピに出ていたオーナー役の人だ)。みんな本当にいい役者さんたちだった。

ところで。
クレジット見て驚いたんだが、音楽がさ。
David Tornだった。
知らないですよね。
この人はギタリスト。イギリス人。
俺が大好きなデビッド・シルビアンのアルバムにも入っている。最も好きな曲でギターを弾いていて素晴らしいプレイを残している。
本当に情念的かつニューウェーブ。非常に印象的なプレイをするギタリストで、
ずっと前、イシバシでクリニックをやったことがあって、それも見に行った。Steinberg社の例の小さなギターと、トランストレモロを駆使した演奏で、かなり影響を受けた。
アマゾンで検索すると、最近もトニー・レヴィンやビル・ブラッフォードなど、クリムゾン系の人と活動をしているようだ。
私は一年ほど前、近作をひっこりタワーレコードで見つけたので買ってみた。
これだ。
Prezens

ECM

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うーん、ちょっといまいちだった。以前のアルバムのようにギターが前面に出てくるものではなく、ある種サウンドコラージュのような作品であった。悪くはないですよ。

でも、彼がラースと、その彼女の音楽をやっているとは思わなかった。これは出世なのだろうか。トレバー・ラヴィン(イェス)とかも映画音楽をやっているからな。映像が音楽家を養ってるのだな、と思う今日この頃。


あ、公式ページはこちら
http://lars-movie.com/



勝間和代さんに教えてもらってRSSなるものをはじめてみた

2009年01月20日 21時48分07秒 | DIARY
起きていることはすべて正しい―運を戦略的につかむ勝間式4つの技術
勝間 和代
ダイヤモンド社

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勝間和代さんの本の愛読者である私なんだが(カツマーと言うらしい)、
勝間ブログもよく読んでいる。
そのブログにRSSリーダーの仕込み方が丁寧に説明してあった。
googleリーダーの仕込み方なんだが。

いままでRSSとは何かとか、どんなことができるかは知識としては知っていたんだが、自分で仕込むのはナントナーく、やっていなかったんだ。が、勝間さんにブログを通してだが、ここまでGIVEしてもらって、やらないのもな、と思ってやってみらた、本当に物の数分でできたのだ。
ああ、なんでいままでやらなかったのだろうか、と逆に後悔をしている。
ほんの数分の投資を怠っていた故に、どれだけ時間を無駄にしていたのかと思うと、もったいない話であった。

テクノロジーを使いこなして、時間をセーブし、重要なことに時間をドーンと張り込もうとおもったのでありました。

勝間さん、ありがとう。


勝間さんのブログはこちら
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/



勝間和代 成功を呼ぶ7つの法則
勝間 和代
マガジンハウス

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無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法
勝間 和代
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法
勝間 和代
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)
勝間 和代
光文社

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吉越 浩一郎の「残業ゼロ」の人生力を読んだ

2009年01月19日 01時25分02秒 | レバレッジリーディング
「残業ゼロ」の人生力
吉越 浩一郎
日本能率協会マネジメント 出版情報事業

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昨日書いた吉越さんの本の新刊だ。吉越さんはトリンプの社長を退任されて、いま講演や執筆などの仕事を中心になさっているようだが、この本のテーマはズバリ定年後である。フリーランスになった僕にとってもはや定年はないんだが、引退はあるだろう。

サラリーマンにとっての定年は、余生になってしまいがちだが、定年後の暮らしこそが、実りの季節、収穫の季節であり、ハッピーなリタイヤメントであるべきだと説く。それには、働いているときから残業を避け、夜の三時間を本生(吉越氏は定年後の人生を余生ではなくほんなまと呼ぶ)のために投資すべきである、それは主に、本生を一緒に過ごす妻や家族との会話である、という。もっともな話。そして日本の労働者にもバカンスは必要で一年に一回、二週間以上の休暇を取るべきと提唱。それはほんとうにやりたいよな。

一番参考になった話は仕事はゲームであって、ハマりやすいがはまってはいけない、定年とはゲームオーバーであるという比喩。だが、これは本当だろうか、ライフタイムミッションを仕事と考えた場合には、終わりはないのではないだろうか。お金をさせぐ効率のいい方法が仕事だとすれば、確かに目標を達成すれば、ゲームオーバーでいいと思うが。

あと、効率的な仕事の方法が、本書にも書いてあって、残業を日本で無くすべき、有給休暇は風は病気の時に使うべきものではない、という話、そして効率的に仕事をする時の吉越さんのキーワードはTTPそれはなんと(徹底的にパクる)ということなど。そして本生を楽しむためにも、体力を持った健康体が重要で、それを仕事で削ってしまっては元も子もない、人生のバランスシートはマイナスになるというお話。
いろいろ勉強になった本でした。

会社員でない分だけ、ワークスタイルは自由にできるわけだから、最適な働き方と人生の楽しみ方を吟味したいと思う今日この頃でございました。

仕事が速くなる プロの整理術
吉越 浩一郎
日経BP出版センター

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デッドライン仕事術 (祥伝社新書)
吉越 浩一郎
祥伝社

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「残業ゼロ」の仕事力
吉越 浩一郎
日本能率協会マネジメント 出版情報事業

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ムダな仕事はもう、やめよう!
吉越 浩一郎
かんき出版

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V

早朝会議革命~元気企業トリンプの「即断即決」経営
大久保 隆弘
日経BP社

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仕事が速くなる プロの整理術 吉越 浩一郎を読んだ

2009年01月18日 04時57分00秒 | レバレッジリーディング
仕事が速くなる プロの整理術
吉越 浩一郎
日経BP出版センター

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残業ゼロの会社、がんばるタイムの導入など、革新的な会社経営をしてきた吉越氏の著作である。

残業は罰金制。がんばるタイムは、電話も最小限、私語も会議も禁止の時間帯を設けることだが、これは個人的にもやってみたが非常に効率よく、仕事のコアタイムとすることで、スケジュールにもメリハリがつく。今までとても参考にさせてもらった。で、今回の本の肝は、会社を退任され、個人的な事務所で仕事を開始した吉岡氏の仕事術である。

今回参考になったのは、クリアファイルと一か月分のハンギングフォルダという仕事管理の方法である。どんなに小さな仕事もクリアファイルひとつ分とし、それを毎日の日付を入れたハンギングフォルダに入れるというシンプルな仕事法で、その日のファイルが無くなれば仕事は終わるというもの。毎日繰り返すものも、そのフォルダで終われば翌日のフォルダに入れる、という方式。クリアフォルダにも色分けがあるようだが、オレの場合は色分けは不要だろうと思う。
これは、オフィスで試してみたい方法だ。

ほかにも、iPhone、googleスケジュール、Gmailなどを駆使した仕事方法のことも書いてあるが、この方のこういう技術の取り入れ方の若さ、貪欲さ、スマートさも敬服に値する。

一年の半分はフランスで過ごそうとしている(奥様の故郷だ)ライフスタイルも、セミリタイア後の生き方として、素晴らしいと思います。

ぜひご一読を。

デッドライン仕事術 (祥伝社新書)
吉越 浩一郎
祥伝社

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「残業ゼロ」の仕事力
吉越 浩一郎
日本能率協会マネジメント 出版情報事業

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ムダな仕事はもう、やめよう!
吉越 浩一郎
かんき出版

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「残業ゼロ」の人生力
吉越 浩一郎
日本能率協会マネジメント 出版情報事業

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早朝会議革命~元気企業トリンプの「即断即決」経営
大久保 隆弘
日経BP社

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藤陸さんのMindScape,または音色について、の補足です。

2009年01月17日 00時45分46秒 | 原朋直トランペットレッスン講義ノート
前エントリーの補足です。
藤陸さんのサックスの音色が素晴らしい。ソプラノの音色は出色。そして音色、サウンドこそが、音楽の感動をもたらす、と書きましたが、さっき自転車に乗って思い当ったことがあったので補足します。

最近、ぼくが通っているジャズトランペットコースの宿題に作曲っていうのがあって、これが難関だ。もう挫折寸前です。

が、まぁやっていたわけですが、これがまたちっともジャズっぽくない、アドリブっぽくないわけで、なんていうか、歌なんです。そうか、おれはあらゆるメロディを歌だと思っているんだな、と自分で自分の、性を知ったわけですが。そう思うと音色に重きを置いているのも腑に落ちます。

たとえばサックスにしてもギターにしてもトランペットにしても、メロディやアドリブが歌だとすれば、音数が多かったり早くたくさん歌ったとしても、そんな歌に感動はしないですよね、驚きこそすれ。
同じく、やたらとうまい、っていうのも、歌だとすると、実は感動するわけではない。感心はするけど、上手いだけの歌手の歌って、なんかウソくさくないですか。

逆に上手くなくても、味のある声と歌いがよければ、それは心に響きます。ボブ・ディランの歌って上手い? はたまた巧いの? ミックジャガーはどう? ウィリー・ネルソンは? やっぱり上手いってのとは違うよね。

つまり上手いのはプラスではあるけど、いい歌の必須条件ではないはず。
それは楽器でも同じだと思います。

じゃ、どうすんのか。
それは昨日のエントリーと同じで、人間性を磨くしかないんじゃないのか。

あ、これは、もちろん逃げではなくて、楽器を意のままに操る、つまり歌う時のように、楽器の演奏(操作)をまったく意識せずにできるようになる、楽器を演奏することが自分にとってトランスペアレントになる、という演奏上の習熟は必要ですよ。だって、うたっているときにキーがC#だと、いきなり自由に歌えないっていうのはないからね。これがラッパだったりすると、いきなり不自由でガチガチンになっちまう。これは、まだ、歌いの領域に達していないということ。もちろんギターも同じです。指板を見て弾いているようでは、まだね、音色の追求にはほど多いが、でも音色がいいってのが、最上であることは無違いない。楽器のトーンをボイスっていうことがあるけど、まさに言いえて妙である。
ってことを補足したくて書いてみました。

ジャズトランペットアドリブ教本

ドレミ楽譜出版社

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水谷さんのブログに、藤陸さんの演奏の動画とライブの告知があります。
ぜひご覧ください。
http://mmps-inc.jugem.jp/?day=20090109



マインドスケープ
藤陵雅裕
フォーカ・ミュージック

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ジャズサックス奏者、藤陵雅裕 「マインドスケープ」を聴いた。素晴らしいです。

2009年01月16日 06時22分25秒 | CD&コンサートレビュー
よく仕事を一緒にさせてもらっている、水谷カメラマンのことは、先日このブログでも書きました。
スーパー音楽好きな水谷さんですが、同級生に熱帯ジャズ楽団などでも活躍する藤陸さんというサックスプレイヤーがいて、藤陸さんの最新アルバムのフォトとアートワークを水谷さんがやったそうです。それでアルバムを聴いてみたわけですが、これが素晴らしかった!
最近思うんですが、楽器の演奏で聴き手を感動させるのって、音の数じゃないよなって。確かに音の数や手数は、ものすごく多いと驚かされて爽快感はあるんです。速い車に乗っている時のような。でも、それも何度も乗っていると普通になってしまいます。
じゃぁフレーズか。ま、確かにフレーズでしょうね、一番音楽で聴いているのはフレーズでしょう、でもフレーズよりもアーティキュレーションのほうが感情にきますね。そして究極はトーンというかサウンドそのもの。これが一番ハートに来ますよ。音が素晴らしければロングトーンでも感動してしまいます。感情のこめられたロングトーン。

藤陸さんの新作アルバムMindScapeを聴いて思うのはそのサウンドの素晴らしさでした。
アルトとソプラノの両方を吹く方ですが、いずれもとても優しくて深みのあるサウンドで、きっとやさしい人なんだろうな、と思わされます。
音色って、なんていうか音楽家の一生のテーマであって、これは練習だけではなんともならない、もちろん練習は必要だけど、それと同じぐらい何を美しいと感じるかという美意識や、人柄、人格、生き方の問題にまでなってくる、そういうものが反映されますからね。藤陸さんはきっとやさしい人なんだろうなと。

収録された曲はスタンダード中心ですが、マーヴィン・ゲイのCなどもあって、バラエティがあります。 特にソプラノのときの音色は絶品だな。JJ.Johonsonのラメントという曲が入ってますが、これまた素晴らしいですね。whats going onもアレンジが凝っていて、テンポが速くなるところのソプラノのプレイは、とてもスリリングでスインギー。それからジャズはインタープレイがこれまた肝なんですが(本当はそれが何より大切なのかも)このバンドも素晴らしいです。
いちぢどぜひライブで見たいと思っています。

水谷さんのブログに、藤陸さんの演奏の動画とライブの告知があります。
ぜひご覧ください。
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マインドスケープ
藤陵雅裕
フォーカ・ミュージック

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