ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
私的メールマガジン「ほぼ週刊イケヤ新聞」のブログ版です。

餃子王の餃子を食す僥倖

2005年07月29日 22時26分46秒 | Photo&エッセイ
あー、昨日の続きです。
仕事で編集長をやっているヤマハホームページ「おとなを、休む日」で、パラダイス山元氏にインタビューをしてきたのですが、もう最高に面白く、しかもマンボ的なるものへの追求が、決して受けねらいなどではなく、超芸術トマソンのように高尚で深みがあり、厳しくもありユーモラスでもあることを言外に示唆され、目から鱗が落ちるとはこのことかと……。

さて、深い啓示に満ちた取材を終え、後ろ髪を引かれつつもお別れを告げて撤収しようとしたところで、山元氏から「急ぎますか」というお言葉、なんのことかなと思いつつ振り返ると、すでに山元氏は「餃子王」の顔になっていた。「餃子を食べていきませんか、包むところからなので20分ぐらいですが、と」。えー、これはまさに信じ難いほどの僥倖である。芸能界一といわれる美味さの餃子が食べられるというわけであり、いやひょっとしたら日本一かもね。しかもこれは仮に大金を積んだとしても食べられるものではない。なんといっても山元氏の事務所は臨時にしか開業しない会員制餃子屋でもあり、そこでしか食すことができぬのだ。その名を「荻窪餃子 蔓餃苑」といって、会員にしか場所はおろか、開店日も公開されない。といってもめったに営業しない。そ、そんな餃子をいきなり食べさせてもらえることになったわけです。これは僥倖以外の何モノでもない、いや導きというべきか。

で、いただいたわけですが、ほんとうに美味しかった。同席したカメラマン、助手、サイトのプロデューサー、そして私の4人(用事で帰られた三上さん、ほんとに惜しいことしましたね)ともに、その味には驚きだった。特徴的なのはセロリが使われていたこと、これは食べて気がついた。あとは肉そのものが旨い。これは挽肉を買うのではなく自分で肉を挽く、というお話し。しかしそれだけではなく、なんと隠し味は所ジョージが広告するところの栄養ドリンク「ゼナ」である。そーなんです、あのゼナですよ。あれを餃子の餡に入れる。なんと生薬17種類の漢方系だそうで、へー、この複雑でハーブっぽい感じはそれだったんですね。

山元氏は、よく焼けた普通のパターンのものに加え、「ちょっとレアめ」の焼きのものも出してくれたんですが、レアめのものを食べたらみんな驚いた、僕は小籠包(しょうろんぽう)を思い出した。もちもちであり、アツアツである。最初はよく焼けたやつをみんなでバンバン食べていたわけだが、レアのほうがでてくると、これもいいなぁと。結局大皿二皿分があっという間にみんなの胃袋に消えた。
と、そのとき、なんとデザートが、しかも餃子ででてきて、これがまた信じられないほどの美味だった。あんこを包んだ餃子であり、油を使わずに焼かれている。非常に上品な和菓子のようだ。うまかったー。

それにしても、それにしても、山元氏はすさまじい粋人。圧倒されてしまいました。ぼくももうちょっと頑張ろうと思います、マンボな感じで。

レア焼きの餃子王の二の皿餃子(左)非常にもちもちとして美味しい
これが想像を超える美味しさ、あんこ餃子である(右)


必殺の隠し味が、ゼナである。(左)
家元、いや餃子王みずからサーブしていただける幸せ(右)



パラダイス山元さんとの出会い

2005年07月29日 21時09分06秒 | Photo&エッセイ
ヤマハホームページ「おとなを、休む日」の取材でパラダイス山元さんに会ってきました。僭越にも「パラダイス山元さんとの出会い」としたのは、ただお会いしただけではなく、これからもパラダイスさんのイベントなどに参加していこうと思ったから。本当に面白く、楽しい方で、なんと年齢もいっしょでした。

感銘を受けたのは、なんつーか、生き方そのものをアート(といってももちろん難解なものではなく、マンボな存在としてのアート)にしている点で。僕もあんな風に生きられたらいいなと、憧憬をもってのインタビューとなりました。

パラダイス山元さんといえば、まずはなんといってもラテンミュージック。東京パノラママンボボーイズは、かなり前だけど野音で見た。客席に霧島カレンがいて綺麗だったな。もとい。そして今回事務所で堪能させてもらったマン盆栽。これも面白い。カウンターカルチャーとして、盆栽を称賛しつつ、金持ち趣味をあざ笑うものとして。しかも世界に通用するアートにもなってるし。
さらに公認サンタクロースでもあって、これは日本人唯一。今は国際会議にサンタの格好でお出かけのはずです。さらに元カーデザイナーであり、いまは自動車評論家の評論をする人であり、入浴剤の研究家であり、そして、なんと取材直後にわかに信じがたい幸運をもたらしたところの、餃子王でもあらせられる。
なんと、とらえどころのない、とお思いの方、それは浅薄な考えであり、これらはすべて「マンボ的」という地下茎ですべてつながった一つのモノであるわけです。

ああ、なんというアーティスティックな生き方。

ただ一つ、取材で心配してしまったのが、「もう40歳でカラダも下り坂で生き急いでます……」というくだり。なにをおっしゃいますやら。僕なんて今年から自転車に乗ってブンブンに飛ばしてますよ、まだまだこれから。長生きしてくださいよ、絶対。

事務所にあったマン盆栽、そのほかのマンボなものたちを以下にダーっと。
中段右端は、パラダイス山元さんのクルマ。この法外なデカさは、マンボ的精神を体現してます。







バットマンは、アメリカの忠臣蔵である__バットマン・ビギンズレビュー

2005年07月24日 09時00分07秒 | 映画レビュー
バットマンは、アメリカの忠臣蔵である。

なんつーか。渡辺謙、「出番は短いが存在感のある役」みたいな話だったけど、冒頭に出てきてすぐ死ぬ……。別に存在感も……ないのでは。
あー、バットマンってはいろんな人がやっていて、ストーリーとしても大富豪の世捨て人が、夜な夜なゴッサムシティの悪をくじくために活躍するって決まっていて。
それがいろんな派生を生んでいるわけだが(ロビンとバットガールが出てきたり)、この話はビギンズであって、なぜバットマンが誕生したのかをメインに語る。とうぜんそれは現実の世の中の比喩になっている。
正直言ってこのバットマンはかなりつまんない。主人公がちっとも魅力手じゃないし、悪の軍団の目的も趣旨もよく見えない。モーガン・フリーマンがいい演技をしているが、もったいないと感じるほどだ。
で、なんかに似てるな、と思ったんだが、これはアメリカの忠臣蔵であるという結論に達しました。アメリカ人なら誰でも知っているストーリー、それを統制話題のいろんな役者が演じる、しかもその時々の時代背景をそこに滲ませる。これは、クリソツだよね、忠臣蔵と。というわけで、次に忠臣蔵は誰が演じるのか。それにホモ映画じゃないんだから、もうちょっとかわいい女優さんとか使ってほしかったぞ。
てなわけで、ちょっと辛めの5点満点中で2点<★★☆☆☆>(3点でもよかったけど、2.5点が妥当かな)
ちなみにこの映画、とある理由で名古屋の古びた映画館で見たが、なんかタイムトリップしたような気になった。がらーんとした映画館で、リバーブバリバリの音声で。いまの映画館はTHXとか、ドルビーデジタルとかで、館内の音響はデッドにされており、音声がずっとキレイだからね。
TXHについてはこちらを。http://www5b.biglobe.ne.jp/~cinema/0604.html

以下、webからのデータでござる。

●上映中
[監][脚]クリストファー・ノーラン 
[案][脚]デビッド・S・ゴイヤー 
[出]クリスチャン・ベール  マイケル・ケイン  リーアム・ニーソン モーガン・フリーマン  渡辺謙 

[制作データ] 2005米/ワーナー
[上映時間] 140分
「メメント」の俊英、クリストファー・ノーラン監督がダークなトーンでバットマン誕生秘話を描くシリーズ最新作。クリスチャン・ベール、リーアム・ニーソンら、豪華スターの競演も話題に。
幼少時に両親を殺された過去を持つブルース。以来、自暴自棄となり、放浪の末に中国の刑務所に送られる。だが、謎の人物デュカードのもとで修行を行ない、自分を取り戻した彼は、再び故郷に帰ってく。


こんな仕事を、してるんです

2005年07月23日 23時05分56秒 | 広告・コピー論・批評
先日、品川でヤマハのシンセサイザーイベント。最近つくったポスターやらカタログやら、いろんなものをここでリリースすべく、“大マキ”で作っていて忙しかったです。上のポスターは『S90ES』というピアノ鍵盤のシンセサイザーで、これがいい音してた。カタログで書いた「いい音」がほんとにいい音だったので安心。



坂本龍一のポスターとか、いい感じでできたなと。

当日は何組かのライブがあったんだけど、ピアニスト三人組のユニット「クレイジーフィンガーズ」が特に面白かった。ロックンロールやブギウギ、ブルースを3人でゴリゴリ弾いたり、バラードでは歌でハモったり、肩の力を抜きつつ、やんちゃなピアノを聴かせる感じ。CDも買ってみようと思う今日この頃。


新宿大勝軒、小滝橋通 ★★★☆☆

2005年07月21日 01時19分05秒 | 一食入魂&つけ麺ジャンキーズ
今回から自分が忘れないためにも☆を5点満点でつけよっと。

ちなみに「イケヤのブログは、自転車とつけ麺ばっか」と言われる今日この頃。懲りずに。
今回ご紹介は新宿というより大久保。小滝橋通り沿いの、かの大勝軒の新宿。新宿大勝軒と号する。いつも通る道なんで、気づかなかったわけはなく、たぶんごく最近できたのでしょう。



味は、オーソドックスながらよくまとまった味。魚系の出汁。かの東池袋大勝軒の店長の写真が冷水器に飾られ、薫陶を受けたことをアピールしている。

それにしてもここ数年、すっかりつけ麺が市民権を得てきたように思う、これも一重に私の広報活動の賜物と自負するものである。が、市民権を得るプロセスで、マイナーで邪道さゆえの多種多様ぶり、ジャングルの生き物のようにバラエティ豊かだった「つけ麺」が、ある一つの方向性に強引にまとめられつつあるように思う。心痛むところである。進化の対価であろうか。
で、大勝軒というのが、その王道中の王道に祭り上げられつつあるように思う。この新宿のつけ麺もそれを感じさせる。もちろん良くできているにはちがいないし、評価はできるのだが、これが王道、と勝手に世論を誘導するのも問題アリアリで、つけ麺の価値観の自由さを守りたい。私はつけ麺旧守派なのであろうか。
それにしても中盛りの麺は、ちょっと多かった。泣く子も黙る、現代つけ麺のど真ん中にいる。





バリウムが、だめだ

2005年07月20日 17時37分03秒 | Photo&エッセイ
年に一回の健康診断。新宿のNSビルにある、NSクリニック。この日がいちばんイヤ。というのも、40歳からはじまった成人病検診のバリウムでの胃の検査が、今のところ世の中で一番ツライのだ。バリウムが、だめだ。飲めん。無理やりのむ。吐きそうになる(実際には吐いている)ところを飲む。飲んだ後でグルグル回される。ゲップをしたらアウト。もう一度発泡剤とバリウムをお代わりすることになる。さらに、最終的には下剤のお世話になる。バリウムを体外に排出しなくてはならないからだ。この下剤がやたら効くので、会社に戻るやいなや、白い超特急となる。



バリウムを終え、白い超特急との闘いつつの帰社途中、まっ白い自転車を見た。白い恐怖との闘いの前兆であり、敗北の予感だった。


バイクフライデーのエアグライド

2005年07月19日 14時52分30秒 | 自転車のはなし
(昨日のブログから続く)ウメダ師匠の奥さんが、阿佐ヶ谷のお店に合流。なんとアメリカ製の超高級折り畳み自転車、バイクフライデーのエアログライドという自転車で登場。おー、これかと感嘆。
形もかっこいいが、カラーリングも素晴らしい。しっかりと採寸してオーダーした自転車なので、さぞかしからだにピッタリだろう。
ちなみに自転車はオーダーが最上。自分のサイズにあわせたジオメトリーの自転車は、すべてに勝るわけで、そういう意味では工芸品に近いし、私的だ。だって、僕にとって最高の自転車は、あなたにとって最高とは限らないわけです、すくなくともサイズにおいては。



脱線したので話を戻す。上がエアログライド。シートの下の、柱(ピラー)がスコーンとまったく何もありません。ここが適度にしなってクッションとなる。この洗練度です。そのシートを支えているチューブはチタン製であります。



こんな感じで畳むことができる。あっという間です。これを畳むと飛行機で機内持ち込みができるサイズになるというお話しです。つまりバイクフライデーは、飛行機に乗って世界中を輪行する、という目もくらむほどステキなコンセプトで作られているわけであります、あーなんてステキな体験だろう、一度でいいからやってみたいものだ。



バイクフライデーのロゴ。コンセプトを体現するような、カジュアルで何気ないロゴ。で、奥さんの好意で載せてもらいましたが、これまたよく走る。サイズを感じさせない本格派の自転車でございました。あー、折り畳みというのもいいな、と。

恐るべし深さ、自転車道。

ウメダ師匠と走る、ロードバイクの仮免試験?

2005年07月18日 09時42分40秒 | 自転車のはなし
先日、自転車に師匠であるウメダ師匠から、会社の帰りがけ一緒に走りませんか、と誘われた。前回の同伴ランの経験が、もうとてつもないいい経験になったので(それでロードを買ったようなものです)、今回も半ば強引に仕事を強制終了し、一緒に走らせてもらった。集合場所は新宿高島屋のHMV。失礼にも弟子が予定よりやや遅れて到着し、師匠とともに代々木を抜けつつUターンして甲州街道へ。甲州街道から西へと走り、井の頭通り。ややゆったりとした登り坂を師匠が吹っ飛ばすのひ必死の形相ですがりつき、永福で北上。方南通り、五日市街道を抜けて、青梅街道についたときには、すでに南阿佐ヶ谷、という見事なルートである。

それにしても、師匠のおかげでロッシンというイタリア製のグレードの高いロード車を入手してからはじめての同伴帰宅なわけで、これは勉強になるなという気持ちと同時に、「仮免検定みたいだな」という緊張もあった。



甲州街道をズバっと西へ向かっているときの師匠の走りは非常にきびきびしたもので、平均で25km/hぐらい(手加減してくれてる)、道路状況とクルマの走りを常に冷静に観察しており、場合によっては自動車を一気にゴボウ抜く。その時の加速のスゴさといったら、同じ自転車に乗っているとは信じられないぐらいだ。遅れながらもなんとかちぎれないようにすがりつく。ときどき師匠の真後ろで走っていると、これが得も言えず気持ちいいわけで、ドラフティングってのにはなってないと思うが「おー、なんかツールみたい」と悦にいる。

瞠目すべきは、後続車(僕のこと)への進路の指示が手信号でなされるのだが、これが正確かつ明瞭で、ピヨピヨのビギナーにとっては心強いことこの上なし。実に頼れる師匠なのだ。誰かと走るときはこれを実践しようとココロに誓った。

ケイデンス(一分間のペダリングの回数)についても、これまた実践で教えてもらい実に勉強になった。理想的と言われるケイデンス90は、やはり思いの外速い。上級者ほど非常に軽いギアで走る。理由は最も筋肉が太い大腿筋(ハムストリング)をフルに使うことで、非常に長く速いペースで走れるそうだ。僕はまだ完全な通勤ローディではあるが、いつかは長い距離を走りたいので、ケイデンスをあげて走ろうと思う。

たぶん90を超えるアタリだとおもうが、前を行く師匠のケイデンスをまねて漕いでいると、あるスピードからカラダが上下に揺れてしまい、足がそれ以上回らなくなった。




阿佐ヶ谷に着き、駅前の旨いたこ焼きと白ビールを出す店で、「イケヤさん、すっかり通勤ローディになったですね」と、嬉しいお言葉。一応仮免の許可はおりたようだ。ケイデンスがあがったときのカラダの上下運動のことを聞くと「イケヤさん、それ、つまり足が回ってないんですよ」とこれまた貴重なアドバイス。ペダリングの極意はどうやら上下運動ではなく、前後運動のようだ。つまり、ピストンでいう上死点(時計で言う12時)から力を入れ真下(6時)に踏み抜くのではなく、3時のあたりからから9時までは押す、9時からは引く。(ちなみにこのたとえだとペダルの回転は時計の逆です)これが引き足であり、この漕ぎ方こそが、大腿筋を使う漕ぎ方だそうだ。
うーん、深い。そしてまたクオリティの高い課題をもらった気がする。さすがです師匠。もはやウメダ師匠はヨーダかも。

さて、阿佐ヶ谷でウメダ師匠と飲んでいると、師匠の奥様がこれまた素晴らしい自転車「バイクフライデー」でおでましに。そのお話は、また後日です。


↓これは師匠の通勤用ロード、フルカーボン。超カッコイイですがな。





尾張名古屋の、味噌カツ弁当

2005年07月16日 06時40分53秒 | Photo&エッセイ
ちょっと前ですが、名古屋に出張。夕方からの取材の仕事だったので、帰りは終電に近い新幹線のぞみ。夕食の時間もとれず、新幹線で弁当に。プラットフォームで買ったのが、この魅惑のパッケージの味噌カツ弁当である。迷わず購入、というのも残っている弁当が他にほとんど無かったのだ。魅惑のパッケージを開けると、こんな感じで、これまた蠱惑的。



この味噌が、なかなか旨い。さすがである。例え駅弁でも、なかなかいけるわけである。



弁当のフタには、「名古屋名物八丁堀味噌について」という解説付。
これを見ながら味噌カツを食するわけである。いや、なかなか、ほう、などと。
そのうち、あっという間の一時間半で、のぞみは東京に着いてしまう。速ッ。
東京に着くと、そこは終電間際の倦怠感混じりの活気。いやぁ、こんにちわ東京。

大人は、とっても長いから。

2005年07月15日 01時41分45秒 | 広告・コピー論・批評
くっそー、巧いぞ。このコピー。JRの、大人の休日のポスター。「大人は、とっても長いから」。恐れ入った。ビジュアルは、吉永小百合。もう勝ちにいってるぜ。

サントリーのカクテルバーの広告キャッチコピーにあった「愛だろ、愛」も、そうカンタンには書けないが、JRの大人の休日のポスターのキャッチ、「大人は、とっても長いから」は、書けそうでなかなか書けない。
これはある年齢以上のコピーライターでなくては書けないし、ある年齢以上のターゲットには強く響くはず。
というのも、たぶん、だがこのコピーは昭和歌謡の代表曲「月がとっても青いから」の本歌どりだから。この歌知らない人、これ以降の話は絶対にわからないので、すいません。
そしてある年齢以上のひとは、このコピーを見ると、無意識に「月がとっても青いから♪」のメロディを口ずさむに違いない。そして歌ってしまったとき、このコピーは圧倒的浸透力で刷り込まれる。本歌どり、パロディは実は「初めて見るコトバ、初めて読むコトバ」という敷居を徹底的に下げている。それが素晴らしい。
理性ではなく、ロジックではなく、それ以前の何かが、自分が知っているものとして快く感じ、浸透させてしまう。気がついたら覚えているというわけだ。強いコピーの秘訣の一つはそこにある、と俺は思うわけです。それに「大人は、とっても長いから」というコピーの示すものは、大人にとって「そーだよな」と心地よく納得できる内容で、JRが訴えたい「大人になってからもぶらりと旅に出てよ」というテーゼを十全に満たしている、しかも社会的に意義もある。というわけでこのキャッチと広告、おそらくコピー年鑑入りだろう。誰が書いているのかな。意外とサンアド、意外と秋山晶か? 糸井氏だとしたら、安定したヒットという感じだが。




新浜松市って?

2005年07月13日 07時47分29秒 | Photo&エッセイ
先日、弟の初盆のカンケイで実家に帰ったら、突然ですがわがふるさとの「浜松市」がでかくなっていた。平成の大合併ってヤツですか? 人口は倍ぐらい? 面積はもっと。ひょっとして5倍ぐらい?
下の地図の写真のピンクの部分がそれまでの浜松市より、すこし大きいぐらい。
オレンジの地域で、倍、緑の地域ではその倍以上。やっぱり5倍ぐらいだな。びっくりである。
合併のキャラクターにはゴン中山が起用されている。代理店さんも、めざとくしっかり商売をしていなさる。

それにしても、僕の実家は浜松市の、しかも旧市内という中心地にあるが、今月から突然浜松市になった方々は、「地名」という抽象的なものではあるが、アイデンティティの一部が無くなってしまうわけで、どういう感慨があるのだろう。

極論だが、これを延長すると、突然母国語が禁じられ、外国語を自国語として話すことを強制された、台湾、韓国、スイスなどの国々というのは、いかにアイデンティティが侵されたか、想像を超えるほどである。ちょっとハナシが飛躍しすぎましたか、失礼。
それにしても新・浜松市。元市民としても、ちょっと微妙な感じ。






イタチコーヒー、コピ・ルアク

2005年07月12日 21時46分40秒 | Photo&エッセイ
知り合いのMさんという方が、浜松で自家焙煎&カフェを開かれるということで、そのホームページの制作を手伝うことになった。厳選されたいい生豆を焙煎し、フレッシュな状態で挽いて飲ませるという、旨いコーヒー屋さんになると思います。自家焙煎した豆も販売しますので、ぜひ。ホームページができたところでお知らせします。浜松近隣の皆さん、また珈琲好きな方は、豆の通販もあります。またご案内しますので、ぜひ。

ところでそのMさんに聞いた話。最高の珈琲はという話で出てきたのが、インドネシアのイタチのウンコから豆を集めたという、コピ・ルアクという珈琲をもって最上とする、という話があるそうです。まさに「幻の珈琲」。だってイタチのウンコですよ。でもMさんは最近飲んだそうで、非常にバランスのとれた美味しい珈琲だったそうです。うーん、奥が深い。いつか飲んでみたいものです。しかし珈琲の実を好物にしているイタチってのは、どんなイタチなのだろうか。

コピ・ルアク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


コピ・ルアクはジャコウネコの糞から採られるコーヒーである。「コピ」とはコーヒーを指すインドネシア語、「ルアク」はジャコウネコの仲間であるインドネシア・パーム・シベットの現地での呼び名である。インドネシアやベトナムでごく少量だけ採取され高価で取引されている。日本ではイタチコーヒーという名前で市場に出回ることもある。

インドネシアの農園では、そこで栽培しているロブスタコーヒーの実を野生のジャコウネコが食べることがある。しかし、種子にあたるコーヒー豆は消化されずにそのまま排泄されるので、現地の農民はその糞からコーヒー豆を取り出してきれいに洗浄し稀少なコーヒーとして珍重する。独特の香味を持つと言われ、それが煎り過ぎて飛ばないように浅煎りで飲むのがよいとされる。一説には、ジャコウネコ腸内の消化酵素の働きや腸内細菌による発酵によってコーヒーに独特の香味が加わるといわれている。世界で最も高価なコーヒーとして知られているが、稀少価値がきわめて高いことがその最大の理由であり、必ずしもコーヒー豆としての品質の高さや味の良さが最も優れているからというわけではない。

コピ・ルアクは「ジャコウネコの排泄物から集めた世界一高価なコーヒー」として1995年度のイグノーベル栄養学賞を受賞している。
"http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%94%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%82%AF" より作成

バーチはムイサー

2005年07月11日 14時20分07秒 | Photo&エッセイ
仕事で津田沼に行ったら、総武線を乗り過ごして幕張までいってしまった。といってもメッセの幕張は「海浜幕張」。こちらの「幕張」はちょっとうらさびしい感じだった。ところで、千葉というと思い出すことがある。門仲通信の佐藤が千葉に住んでいる頃、冬の寒い季節に、レコード業界に勤める友人のAとその奥さんがしたたかに酔って佐藤のところに遊びに来た。その時の第一声が「バーチはムイサー」だったとか。コレには笑った。

これはいわゆるバンドマン用語、転じて音楽業界用語、つまり隠語。基本的にコトバをひっくり返す、アレである。わかりやすいところでは「ナオン」「パイオツ」。そう、基本的に下品なのだ。「パツイチリーヤ」など、とても日常語に直しては言えない。恥ずかしすぎる。バンドマンの世界では数字もC(ツェー)、D(デー)、E(エー)、F(エフ)、G(ゲー)というドイツ音名で示される。「ギャラはアゴ足つきでツェーマンゲーセンエン」となるわけだ。ちなみにアゴアシは交通費と食事である。5以上はA(アー)、H(ハー)などで6よ7が示されるが、滅多なことでは使われない。わかりにくいからである。しかもそれ以上はない。つまりバンドマンは1から5までしか数えることができないわけだ。

で話を戻すと、バーチはムイサーは、「千葉は寒い」。である。これを酔っぱらった音楽業界の男女(夫婦だが)が佐藤が住んでいた千葉の公団の玄関先で連発していたという図を想像するだけで、思い出し笑いをしてしまう。ちょっと薄ら寒い感じではあるけど。

弟の初盆。

2005年07月10日 22時25分11秒 | Photo&エッセイ
弟の初盆。仏様が帰ってくる初夏、早く逝きすぎたな、ちょっとは帰ってこい、と思うと思わず落涙した。ところで、浜松は暑い。まるで夏休みに帰っているようか錯覚をする。
実家はケーブルテレビで、Jスポーツが見られる。今日はツール・ド・フランス第9ステージ、初のアルプスステージ。トップは現在山岳王のラスムッセン、大逃げ、一人旅。これはもう怪物だ、と解説が言っている。
生まれて初めて、ライブでツール・ド・フランスを見ているが、ホントに楽しいね、自転車についてわかればわかるほど、ツールは楽しくなる。東京でもケーブルに入りたいもの。

デジカメを忘れたので、画像はありません。

リー・リトナーインタビュー@キャピタル東急

2005年07月09日 23時01分50秒 | Photo&エッセイ
リー・リトナーインタビュー@キャピタル東急

ライブを見た翌日、リー本人が逗留しているキャピトル東急でテレビ番組「音遊人」のスタッフとしてリー本人にインタビューをした。ほぼオンタイムだが、やや遅れたかな、と思った頃「今、杏里さんとお茶してます」という情報が入った。なるほど。新婚さんだし。

で、リーだが、とても気さくできれいな英語を話す人だった。質問にも誠実に答えてくれた。主にヤマハのサイレントギターというエレクトリックアコースティックギター(ステージで使っている)について聞いたが、丁寧に答えてくれた。惜しむらくは、人柄同様答えもオーソドックスで、あまりおもしろみがないことくらいか。ともかく音楽に対してホントにまじめで誠実である、ということはよくわかった。一言で言えば、とてもクレバー。

ところで天下のキャピタル東急にも自転車で行ってしまったオレ。車寄せで、自転車で来たんですが、と言うと、慇懃なベルボーイも「……」と言葉に詰まる。自転車置き場はないのだ。少なくともお客さん用の。それで停めたのは、入り口横の駐車禁止のパイロン等が置いてある場所。自転車で来る人はいないのね。

下の写真はインタビューの現場のスイートの部屋。写っているのはテレビのスタッフです。