ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
私的メールマガジン「ほぼ週刊イケヤ新聞」のブログ版です。

40過ぎの、明日はどっちだ。AGAIN

2009年01月14日 22時12分58秒 | Photo&エッセイ
40過ぎの、明日はどっちだ。

不惑って。

惑うからそういわれるのではないだろうか。

40代ほど、最初と終わりでは印象が違う年もないのではないだろうか。

40になりました。これはやっとま、中堅、大人、本格的な大人だ。

でも49っていうと、もうだいたい軌道は決まっていて、あとは成就をめざすという年じゃないのか。

ということは、40代は、人生のほぼ決め手となる年代。

が、逆に言うとターニングポイントでもある。

夜中のディスカッションで、ギリギリと責め立てられるたびに、俺の明日はどっちなのだろうと自問するわけだ。

今日、縁あって、瀬戸内寂聴さんの講演を聴いた。

正直言ってあまり期待はしていなかったのだが、たくさんヒントと元気をもらったような気がした。詳しくは後日。


40歳問題 ミニ・オリジナル・サウンドトラック

エピックレコードジャパン

このアイテムの詳細を見る


源氏物語 巻一 (講談社文庫)
瀬戸内 寂聴
講談社

このアイテムの詳細を見る

寂庵説法 (講談社文庫)
瀬戸内 寂聴
講談社

このアイテムの詳細を見る

寂庵説法
瀬戸内 寂聴
講談社

このアイテムの詳細を見る


生きるということ―寂庵カセット法話 (文春カセットライブラリー 14-2)
瀬戸内 寂聴
文藝春秋

このアイテムの詳細を見る

去年だけど、「ハッピーフライト」を観た。<★★★★☆>

2009年01月13日 00時16分39秒 | 映画レビュー
昨年のうちに観て感想を書き忘れた映画だが、いい映画だったので書いておこうと思う。星は4つ。昨年は良い邦画が多かったが、そのウチの1つといっていいと思う。昨年でなければ個人的には年間邦画一位まちがいないだろう。<★★★★☆>
。でも去年は、パコや、歩けども歩けどもとか、おくりびと、とか、いい映画がたくさんあったな。

さて、「ハッピーフライト」は大ヒットしたスィングガールズ、ウォーターボーイズの矢口史靖監督の作品。ウォーターボーイズは未見だが、スィングガールズのようなすがすがしさとヌケの良さがあって素晴らしかった。
ANAの全面協力を得て作ったと思われる、中島監督が飛行機映画であって、これをエンターテイメントに仕立て上げた手腕はすごいと思う。
飛行機が安全に飛ぶということが以下に多くのスタッフ達のチームワークによってなされているかが、よく分かる。それは感動的ですらある。(上手く映画が作られているからかも知れないが)。パイロット、フライトアテンダント、スチュワーデスなど飛行機に乗り込む人たちはもちろんだが、管制塔、オペレーションコントロールセンター、整備系のメカニック、グランドクルー、さらに気象官など。特にメカニックが工具を無くしたら、見つかるまで全員でゴミ箱まで探すというあたり、なかなか凄い。
ま、ANAの御用映画になっていないか、劇場版の長いCMになっていないか、というと、そうかも知れない気もするが。でも映画としてしっかり楽しめる物になっているという物に仕立てていることが見事である。

ま、この映画は無理やりストーリーを作りあげていない、過度なドラマ、スリリングさを出して折らず、さりげないストーリーでエンターテイメント性を出している。ま、それはしかたないともいえるが。だって飛行機が落ちるみたいな映画は、ANAだって協力できないでしょう。そう思うとこの映画はJALでは作れなかった。日航機123便の事件があるからな。

話は日航機に逸れるが、事故直後から墜落までのブラックボックスに収録された音声と航路をフラッシュで示した動画があるが、これはもう、とんでもなく胸に迫る、緊張感と悲しみにあふれるものである。もはや飛行機と言えない状況の機を、機長、副機長、機関士が協力して操縦している。生の記録であって何十回も観たが、この方々がどれだけ必死に戦ったか、そしてどんな気持ちで山へ向かったのか(当初は羽田に戻ろうとした)、その気持ちを思うと万感胸に迫る思いである。とはいえ、パイロットに罪はないとしても、あの事故には原因があるわけであり、その原因は実のところ(映画クライマーズハイにあるように)いまだに謎である。事後調査委員会が事故原因だとした、圧力隔壁の破損という説は、かなり疑わしいと言われている。急激な減圧がなかったからである。また自衛隊の不可解な行動、在日アメリカ軍の救護活動の申し出を断った事など、不思議なことがたくさんあったようである。詳しくはまた別のエントリーに譲るが。

映画「ハッピーフライト」の情報は以下のウィキペディアに詳しいです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%83%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88

日航機123便墜落事故についてのウィキペディアの情報です。以下です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%88%AA%E7%A9%BA123%E4%BE%BF%E5%A2%9C%E8%90%BD%E4%BA%8B%E6%95%85


ハッピーフライト (田辺誠一、綾瀬はるか 出演) [DVD]



このアイテムの詳細を見る


クライマーズ・ハイ (Blu-ray Disc)

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


FLY!FLY!FLY! 空港で働く人 グランドスタッフ [DVD]

ポニーキャニオン

このアイテムの詳細を見る


スウィングガールズ
矢口 史靖
メディアファクトリー

このアイテムの詳細を見る


隠された証言―日航123便墜落事故 (新潮文庫)
藤田 日出男
新潮社

このアイテムの詳細を見る


沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫)
山崎 豊子
新潮社

このアイテムの詳細を見る



やっぱり面白い、N響首席オーボエ奏者 茂木大輔の本

2009年01月12日 17時37分07秒 | レバレッジリーディング
はみだしオケマン挑戦記―オーボエ吹きの苛酷なる夢 (中公文庫)
茂木 大輔
中央公論新社

このアイテムの詳細を見る


茂木といって、脳の関係の方の茂木(茂木 健一郎)さんではない。
かのN響の首席オーボエ奏者である。

この人のエッセイはたぶんこのブログでも再掲になるとおもうが、一年ほど前に読んで大変感動したのだった。時たま読み返しているが、面白すぎてちょっと狡いね。

天下に並ぶ者のないNHK交響楽団の首席というだけで、もうとんでもない才能なのに、
文章がこんなに面白くどんどんかけてしまうとなれば、文章だけ書いている方の立場という者がないじゃあございませんか。
同じことを、サックスの菊地成孔、ピアノの山下洋輔にも強く言いたいのだ。
ただし山下洋輔の本には、ジャズを教えてもらったという思いがある。
ま、教科書のようなところもあるので、強くは言えないんだが。
いや、感謝しています。

音楽の才能だけで十分凄まじいのに、文筆の才能もあんなにあるなんて、狡いとしかいいようがないい。
以下、このセンテンスを無限にリピートである。


さて、久々に読み返したのは、この連休、最終日何して遊ぼうと思ったんだが、ま、家族バンドでリハでもするか、とスタジオを予約したのにもかかわらず、子供が風邪。スタジオは当日なので全額キャンセル。しかもそのキャンセルフィーを払いにバイクで行ったところ、バイクは駐車禁止。とにかくま、とんでもない散財となってしまったんがだが、気軽に読よめる、このエッセイをまた読んでみたところ、あまりに素晴らしくて、また逆恨みをしてしまったということなのだった。

クラシックは疎い俺だが、いや、聞いてみたいと思いますよ。これだけ面白く書かれると。

山下洋輔ファンは、茂木大輔氏本人がファンだけに文体も似ていて、お薦めします。

はたらくバイクに興味あります。HONDA PS250

2009年01月11日 06時55分17秒 | Photo&エッセイ
子供が電車好きだったりするのと観ると、どうして好きなのだろうと思う。
そして思い当たるのが「働くクルマ」だからではないかと、思い当たる。
男の子はみんな働くクルマが好きなのだ。
パトカー、ショベルカー、トラック。そしてパラダイス山元さんの、ウニモクもそうではないだろうか。

俺はバイク乗りなので、白バイは嫌いだが(捕まるからな)こんなバイクにはぐっと来る。積載量が多く、頑丈そうで、機能的なバイクは、ジープを思い起こさせる。これなら、日本一周もできるな。いずれ老いぼれる前に、こんなバイクで山頭火よろしく、いや芭蕉か? 夢は枯野を駆けめぐりたいものだ。


HONDA PS250って、こんなバイク。って、もう製造中しかよ!
http://www.honda.co.jp/motor-lineup/ps250/color/index.html



芭蕉 おくのほそ道―付・曾良旅日記、奥細道菅菰抄 (岩波文庫)
松尾 芭蕉,萩原 恭男
岩波書店

このアイテムの詳細を見る


山頭火のぐうたら日記
種田 山頭火
春陽堂書店

このアイテムの詳細を見る


モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版 [DVD]

アミューズソフトエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


イージー・ライダー [DVD]

ソニー・ピクチャーズエンタテイメント

このアイテムの詳細を見る


アタシはバイクで旅に出る。―お湯・酒・鉄馬三拍子紀行〈1〉 エイ文庫
国井 律子
エイ出版社

このアイテムの詳細を見る


国井律子のハーレー日本一周 20代最後のひとり旅
国井 律子
小学館

このアイテムの詳細を見る

新宿 とんかつ茶漬け「すずや」を食す

2009年01月09日 23時10分38秒 | 一食入魂&つけ麺ジャンキーズ
年末に出かけた新宿は、あまりに年末押し迫っていたせいか、空いていたのだった。
昼食を摂ろうとしたんだが、目当てのてんぷらやは年末なせいで、店頭でのてんぷらとそばを打っているだけで店内営業はなし。なので仕方なくうろうろしていて、歌舞伎町の入り口にあるとんかつ茶づけのすずやに。
これは、ウナギまぶしと同じ要領で食べるトンカツであった。
酸味のある醤油のたれがかけてあり、特長はご覧のように炒めたキャベツである。
最初はそのまま食べ、そのあとで茶づけとし、わさびを入れて食す。
ボリュームがあり、腹応えもあるが、茶づけになるとなぜかサラサラ食すことができる。和風でかつコクのある面白い味であって、これはなかなかの発見であったのだった。ぜひ一度お試しあれ。



とんかつ奇々怪々 (文春文庫)
東海林 さだお
文藝春秋

このアイテムの詳細を見る

すずやのホームページは以下です。
http://www.toncya-suzuya.co.jp/



取材にはこんな手帳を。

 「いろんな気持ちを抱えているのは、お前だけじゃない」とミックは言った。Shine a light

2009年01月08日 01時08分13秒 | DIARY
Steel Wheels

Virgin

このアイテムの詳細を見る

クルマを走らせていた。その時、私は長年友人たちとやっていたバンドをやめて、あるミュージシャンのボーヤのような形で、手伝いをしながら、時々ほかのバイトをしたり、昼間からだらだらとデートをしたりと、適当な暮らしをしていた。1989年。時はバブルの絶頂であったが、ぼくには何の恩恵もなかった。

秋風がやや涼しくなっていた昼下がり、西へ向かってアクセルを踏んではブレーキを踏むという渋滞。セドリックのバンに師匠が弾くベースを満載しながら、さらに当時一千万ぐらいしたフェアライトを積んで、のろのろと進んでいた。

これから、どうなるのだろう、とは考えなかった。でも、この後、音楽をやっていけるかどうか、不安にはなっていた。カーラジオは、ヒステリックな音楽をひっきりなしに流していた。

退屈まぎれにチューニングを変えたとき、ラジオから流れてきたギターのリフに、頭をガツンと殴られた気がした。Mixed Emotions。バンド全員で声を合わせるサビ。
You are not only one with mixed emotions
いろんな気持ちを抱えているのは、お前だけじゃないんだぜ。ミックは言ってくれた。キースはご機嫌なサウンドをドライブしてくれた。

今でも覚えている。あの時、ぼくはこのままの刹那的で楽しいだけの、暮らしをやめようと思った。自分を生かせる仕事をし、自分の好きな音楽を同時にやっていこうと思ったのだ。

ストーンズ。ありがとう、俺は今も音楽を、ロックをやっているよ。あんた達のおかげだ。
Shine a lightを見て、思い出したのだった。

こんなに転がり続けて、丸くならない石は見た事が無い。

2009年01月07日 12時33分17秒 | CD&コンサートレビュー
ストーンズについて、いろんな人がいろんなことを言っているページを見たが、
やっぱりさすがチャーだな。
もっとも端的に、これ以上ないぐらいストーンズの本質を言い当てたセリフだ。
しかも、詩的ですらある。

敬意を表しつつ引用する。



こんなに転がり続けて、丸くならない石は見た事が無い。
Char(ミュージシャン)



2009年の聴き初めは、素晴らしいオーディオで、カーラ・ブレイで。

2009年01月07日 00時05分39秒 | CD&コンサートレビュー
今年の正月は割と食って寝て、とおとなしく過ごしていたんだが、ちょっと年末年始にまたがる仕事もあり、カメラマンの水谷さんのところにお正月そうそうお邪魔したりした。
水谷さんはたくさん仕事をご一緒させてもらっているわけだけど、実に音楽好きであり、そしてネットで常に中古楽器を検索しているぐらいの重度な楽器好きであり、しかもジャズは僕よりはるかに詳しいし、オーディオにいたっては、専門誌が取材に来てしまう程であって、水谷さんの事務所に伺うと、そのオーディオの音にいつも惚れ惚れしてしまうのであった。

今回は、期せずして、幸福なことに、書き初めならぬ聴き初めになった。

素晴らしい、この大型のスピーカー。キャビネットは確か特製だと聞いた。やっぱりスピーカーは楽器と同じで中の空気を振動させるわけだから、いい木でできていて、容積が大きいほうが、自然で、豊かでいい音が出るはずであって、小型のスピーカーで無理やりないはずの低音を捻り出している発想のスピーカーとは全く一線を画すものである。

そのスピーカーで水谷さんが聞かせてくれたのが、まず僕も愛聴していたチャーリー・ヘイデンのアルバム「クロースネス」。キース・ジャレットとのデュオが素晴らしいし、アリス・コルトレーン(コルトレーンの奥様である)とのハープ
とのデュオもある。このアルバムはチャーリーヘイデンとゲストのデュオの演奏を収録したものだ。

そしてそのあとに聞かせてくれたのが、ぼくはほとんど聞いたことのないカーラ・ブレイのバンドのこのアルバムである。いや、すごいですよ。このバンド。ビックバンドというよりは、ビックコンボという感じなんだが、練り上げられたアレンジといい、卓越した音楽的なアイディアといい、個々のソリストのプレイといい、本当にとんでもないです。こんなすごいものを正月早々聴かせてもらって、大ハッピー。今年はいい音楽がたくさん聴けそうです。





クロースネス(紙ジャケット仕様)
チャーリー・ヘイデン,キース・ジャレット,オーネット・コールマン,アリス・コルトレーン,ポール・モチアン
ユニバーサル ミュージック クラシック

このアイテムの詳細を見る


Musique Mecanique

Ecm Records

このアイテムの詳細を見る


ECM 24-bitベスト・セレクション
カーラ・ブレイ
ユニバーサル ミュージック クラシック

このアイテムの詳細を見る


ライヴ!(艶奏会)
カーラ・ブレイ,アルトゥーロ・オファリル,マイク・マントラー,スティーヴ・スレイグル,ゲイリー・ヴァレンテ,スワロウ,D.シャープ,トニー・ダグラディ,ヴィンセント・チャンシー,アール・マッキンタイアー
ユニバーサル ミュージック クラシック

このアイテムの詳細を見る


Appearing Nightly

Watt/ECM

このアイテムの詳細を見る


ライブハウスのオーナーも、若いバンドも、すばらしいよ。頑張ってるよ。ありがとう、俺も頑張るよ。

2009年01月06日 16時41分15秒 | Photo&エッセイ
この年末はギリギリまで仕事だったが、立て続けにライブハウスのオーナーとバンドを取材する機会に恵まれた。いままでライブハウスっていっても、ジャズのライブハウスはよく見に行ってはいたが、ロック系のライブハウスは、自分がでるか親しい友だちが出るかのいずれかで、年に二、三回いけばいいほうだったし、ましてやオーナーやマネージャーと、出演者としてではなくインタビュアーとして、しっかり論理的かつ包括的に話す、なんてことは無かった。

まずライブハウスのオーナーや社長と話して感動したのは「若いバンドを育ててやりたい」という気持ちが、とても強いことだ。
儲けるためにやってるんだったら、そんな手間がかかることはやらないと思う。だいたいライブハウスが「すごく儲かる」わけじゃないだろうし。若者が夢を見るのは、ある意味あたりまえだし、必要だと思うけど、僕より年上だったりするライブハウスのオーナーの方々が、そういう夢を語ってる、目がきらきら光ってるっていうのが、ちょっと感動的だった。

そして若いバンドだが「今時の若い者は」なんてとっても言ってられないぐらい、一生懸命バンドをやっているし、演奏は上手いし。素晴らしいと思ったね。特に演奏の水準は高いと思う。平均値として。逆に言うと、昔のようにとんでもなくずば抜けて上手いっていうのはないかもしれないけど。
いいバンドがたくさんあるってのは素晴らしいんだが、そのバンドたちが大きくなる土壌、マーケット、それを支援するメディアがないね。オーナーやマネージャーたちとはなすとかならず「イカ天」の話になるけど、あの頃は実はバンドにとっては幸福な時代だったのかもしれない。いまは、バンドが有名になる手段って、ほとんどないから。
そこを悲観せずに、地道にやっているライブハウスのオーナー諸氏は、ほんとうにスゴイし頭が下がります。本当の意味で音楽を愛している、信じている人たちなんだな。頭が下がるだけじゃなくて、自分にできることを考えていこうと思う、2009年の念頭であったわけです。

効果音ください!

ビクターエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


荻窪ルースター物語―ライブハウスのつくりかた
佐藤 ヒロオ,向殿 政高
ポット出版

このアイテムの詳細を見る


ライブハウスの作り方
平野 茂平
デイズ

このアイテムの詳細を見る


大人のライブハウス遊び
中村 靖,梶 百十九
全音楽譜出版社

このアイテムの詳細を見る

猫が逃げた、誕生日

2009年01月05日 12時07分39秒 | Photo&エッセイ
猫が逃げた、誕生日

恥ずかしながらほんじつ誕生日である。いくつになったかは言わないが。
大概、正月気分が終わってこれから仕事か(学校か)あぁ、というタイミングで誕生日なので、特に目出度いという感慨は、自分にも周りにもない、という誕生日である。

今年の誕生日は椿事が出来した。

昨日の夜、飼い猫が外に出てしまったことが発覚したのである。

我が家の猫は室内飼育で外には出ていない、唯一の外はベランダであって、しかも猫に寛容な西隣の方へだけ行けるようになっている。左隣方面は以前、はるか東端の家のベランダまで(10軒分ぐらい向こうだ)行って、粗相をするという失態をし、ひどく叱責されたため柵を設けた。昨日、部屋を片付けしていたのだが、しばらく猫を見掛けないと思っていた。が、元来掃除や片づけを嫌う猫なのでベランダ伝いに出かけて、まぁお隣さんで可愛がってもらってヌクヌクとしているのだろうと勝手に思い込んでいた。しかしそれにしては遅いと思って、ずいぶんしてからだがお隣の方に聞いたところ「今日は来ていませんよ」。

見かけなくなったのは午後一時、隣家に聞いたのはもう六時過ぎ。すでに暗く、居なくなってからの時間も経過しているので、とりあえず探しに出たがかなり厳しい感じだった。それでも寒さの中、3時間ぐらい探しに出た。やはり暗いと周りは見えないし猫も隠れているのだろう、見つからなかった。そのあと睡眠を取ろうとしたが、この寒さの中、どこでどうしているだろうと思うとあまり眠れず。インターネットで迷い猫について検索すると、去勢した雄猫の行動範囲は50メートル程度であり、室内飼育の猫は意外と隣で発見されることも多い、とあったので、とにかく近場をしらみつぶしに何度も探すことにし、結局、早暁、夜明け前のまだ暗いうちから再び探し始め、新聞配達がやってくる5時もダメ、明るくなった6時頃でも駄目、7時になってすっかり正月休みが終わってご出勤の皆さん忙しくお出かけになる頃にも見つからず、これは駄目かな、と思い始めていったん戻ったところ、午前中から外出予定だった妻が、ちょっと見てくる、とさっと外に出たかと思ったすぐに発見してくれた。案の定、マンションの隅のあたりで日向ぼっこしていたそうだ。

ほっとした。あぁ、これが今年の俺への、誕生日プレゼントなのかも知れない、と思った。
Thanks God.
僕も、家族も、猫も、元気でいるという、当り前の幸せを噛みしめる、??歳の春なのだ。


はじめてのネコ 飼い方・しつけ方―食事・運動・睡眠・トイレ…あらゆる不安を解消します! (実用BEST BOOKS)
兼島 孝
日本文芸社

このアイテムの詳細を見る


猫語の教科書 (ちくま文庫)
ポール ギャリコ,スザンヌ サース
筑摩書房

このアイテムの詳細を見る

ローリングストーンズのドキュメンタリー映画「シャイン・ア・ライト」を観た

2009年01月04日 00時17分15秒 | 映画レビュー
子供がおばあちゃんのところに泊まりにいった間隙を縫って、妻と映画に行ってきた。いつも映画館は一人なのでちょっと緊張する。

で、ストーンズのドキュメンタリーなのだ、この映画は。なんといっても、監督は、あの名作ザ・バンドの「ラストワルツ」を撮った巨匠、マーティン・スコセッシなのである。期待は高まるわけだ。

で、見てみたが、まず大笑いさせてもらって本当に快哉を叫びたかったのが、冒頭のあたりのシーケンスであって
(以下ネタバレですので、これから見られる方は読まぬように)



スコセッシが、画面にどんどん出てくるわけですが(そういうヒッチコックみたいなタイプの人だとは思っていなかったわけですが)彼は素晴らしいセットを、伝統あるホールであるニューヨークのビーコンシアターに仕込み、カメラクルーを手配し万全の状況を作るべく、ストーンズにセットリストを見せてくれと言い続ける。おそらく何週間も前からだ。でもストーンズ、ミックは、セットの模型を見るだけで、なんでこんなものが必要なのか、これは気に入らない、と言い散らかす。しかもセットリストは苛立つスコセッシを尻目に、のんびりと考えている。焦る一方のスコセッシを嘲笑うかのように。で、結局、スコセッシも根負けして苦笑しつつ、ついに、コンサート当日。それでもリストは出ない。セットリストが届いたのは一曲目が始まったところからだ。

何を意味しているのか。
バンドなんだよ、彼らがやっているのは。それも初期衝動を失っていない、恐るべきことに、いまだにアマチュアリズムを宝石のように大切にした、好きなことだけを好きなようにやっているバンドなんだよ。初期衝動において、モチベーションにおいて、どんなでかいステージでも、どんな由緒正しいステージでも、そして映画クリューがいようが、いまいが、彼らのアティテュードは、高校生の文化祭と同じだ。彼らに映画の都合でセットリストを事前に出せ、といったって、出すもんか。しょせんバンドなんだよ、好きなようにやるんだよ。出しておいてわざと全然違うことをしなかっただけだって上等だ。

ロックはいっておくが、仕事ではない。
さらに当たり前だが、芸術でもない。
ショービジネスですらない。
ロックは、ロックだ。
勝手に好きなことをでっかい音でやってるだけだよ。
それがただただ好きなんだよ。
別にそれが好きな人だけが聴きに来ればいい。
誰もいなくたって、楽しい。やってるのが楽しいんだよ。
別にビックになっていようが、街角のパブで演奏していようが、そんなの、関係ねー、なわけだ。

それを、見事なまでに体現し、見事なまでに映画人、それも巨匠であるスコセッシを虚仮にしたところが、本当に、本当にすばらしいぜ。ミック。ほかのメンバーは虚仮にすることにすら、興味がなかったと思うけどな。

で、実は、それはスコセッシは知っていたのだ、というか、一曲目が始まった瞬間にそれを理解したのだろう、それ以降のカメラワークは、まさにロックバカ一代の彼らをただただとることに集中しており、いわゆる音楽上の哲学だの、ロックの生き方だの、そういうことを一切排除した、ステージ上のメンバーの生き生きとしたやり取りだけを追っかけている。そういう意味でこれはドキュメンタリー映画ですらなく、ライブ映像にすぎない。とてつもなく上質で、センスのいいライブ映像だ。スコセッシの、意味付けを敢えて配した映画づくりの、この潔さは、とてもよかった。まさに、ストーンズだ。

それにしてもミックは、とんでもない化け物としか言いようがない。東京ドームのライブでも思ったが、あのスレンダーでバネのように撓る体で、疲れを知らないかのように歌いまくる。あの声。エッジの利いた、まったく、美声でも何でもない、しかしロックとしかいいようがない、ほかの誰にも出せない、あの声。そしてスポークスマンとしての頭の回転の良さ、ストーンズを長年運営する卓越したビジネスセンス。
キース。ヤツはタバコをくわえたロック&ロールの法王である。彼のギターは、ロック&ロールそのものだ。実はこのロールの部分が大切だ。ロックだけじゃない、縦ノリだけじゃない、ロールとは、うねりであり、もたりであり、弛緩である。
ロン、まさに仕事人。実に的確に音楽をまとめる、まだまだストーンズでは、あのキャリアをして、新顔であり、まだまだ新人だ。
チャーリー。まさに彼が実はストーンズであって、あのリズムなしには、ストーンズは存在しない。
ベースのダリル・ジョーンズ(サポート)。マイルスとストーンズに仕えたベーシスト。その理由は、あのとてつもないグルーヴだ。まさにうねる、太いグルーヴ。ライブ中、キースは都度つどダリルのほうに行ってはニコニコしているが、それは、ダリルのベースが気持よくて仕方ないからだろう。

それにしても、ストーンズのカッコよさっていったい、何だのだろうか。年末にライブハウスで見た若いバンドたちは、実にうまかった。でも、ストーンズって、実にうまいのか。いや、真似できないし、世界一のロックバンドだよ。でも上手いのか? ここにはロックだけでなくあらゆる音楽を演奏する人間にとって考えて考えて考え抜かなくてはならないものがあるはずだ。

そのヒントは、この映画の中での数少ないインタビュー部分にあった。ロンに向かってインタビュアーはこういった。あなたとキースではどっちがギターがうまいのか。ロンは「もちろん俺だよ」と言った。キースは「ロンはきっとそう言うだろうと思ったよ」と言った。そしてその後、キースはおもむろにこう言った「二人ともヘタだ。でも二人揃うと最強だ」。


この言葉を、ロックギタリスト諸氏、共に深く噛みしめよう。いや、ギターだけじゃないぞ。音楽を演奏する人間全員に有効な御宣託である。深く胸に刻むべし。



この映画の妻の感想は「響けブログ」にありますので、そちらもぜひご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/hibikeblog




Shine a Light (Ws Dub Sub Ac3 Dol Sen) [DVD] [Import]

Paramount

このアイテムの詳細を見る


大みそかにNHK教育でスティーブ・ライヒのディファレントトレインという曲を聴いて感動したのだった

2009年01月02日 23時54分10秒 | CD&コンサートレビュー
Reich: Different Trains, Electric Counterpoint / Kronos Quartet, Pat Metheny

Nonesuch

このアイテムの詳細を見る


珍しく年末に、テレビを見たのだった。それは紅白歌合戦ぐらいみておこうと思ったからで、テレビが見れない我が家なので、テレビを見るにはラップトップパソコンのワンセグチューナーで見るしかないのであった。

が、久々にテレビを見ると、知らないバンドがいっぱい出ているのであった。一番良かったのはPerfumeかな、素晴らしいよね、あのヌケの良さ。ナカタヤスタカ、グレートである。

さて、紅白だが、ずっと見ているのは辛くて、演歌のときなどは、NHK教育のチャンネルで前半は第九合唱付きを見ていて、流石だと唸ったり、トランペットのあたりに佛坂さんを見つけたりしていた。が、後半のNHK教育では、クラシックベストセレクションというものになって、今年の名演奏の数々をダイジェストで流すのであった。

いろいろ素晴らしいものがあった。紅白と交互なのでとびとびで見ていたんだが、結局最後まで見てしまうほど実は感服したのが、現代曲であるスティーブ・ライヒ作曲のDifferent Trainsという曲であった。

ライヒはまさに現代曲、特に、ミニマルミュージックの作家であって、モワレのような反復の美しさが身上だが、この曲はチェロのソリストとして有名な古川展生を含むストリングスカルテットARCOによる演奏だったが、テレビスタジオには電車を連想されるセットがあり、そこで緊張感あふれるミニマルな演奏がおこなれていて、本当に引き込まれた。凄かった。
アウシュビッツと思われる体験が、録音による体験者のセリフの音声と、列車の音、そして演奏のバックに用意されたスクリーンにテキストとして映し出される、この相乗効果がとても凄かった。緊張感あるストリングスカルテットの演奏に、列車の音がコラージュされたり、人の話し声、ナレーションのようなものの、コラージュ、そしてテキストによるスクリーンでのインスタレーションである。いや、すごいし、かっこいいこと。

正直言って、今までまともにライヒの演奏を聴いたことがなかったわけだが、今回はほんとに衝撃を受けた。すごい音楽であって、これがクラシックなのかどうなのかはどうでもいいんだが、非常に現代的で、クールで、しかし音楽史に連なるものを感じた。

それにしても、こういうもので表現されるものを見てもアウシュビッツをはじめとするホロコースト(大量殺戮)には身の毛がよだつ思いだ。どうして人間はあんなに恐ろしいことが行えるのだろうか。信じがたい、人類の闇の部分である。しかしこれを見なかったことにしてはいけないだろう。

ところで、この different trainsは、調べてみると冒頭のフォトのようにかのクロノスカルテットが演奏してモノがあり、しかもパット・メセニーまで入っているようだ。これは非常にすばらしそうなのでぜひ買って聞いてみようと思います。皆さんもいかがでしょうか。一聴の価値はあるのでは。


明けましておめでとうございます2009.

2009年01月01日 00時39分41秒 | DIARY
イケヤ新聞読者の皆様。

あけましておめでとうございます。

本年も、よろしくお願いします。

今年が皆さまによっていい年になりますように。

そして、僕自身にとっても、いい年になればと思っています。

思えば昨年はこのブログも含め、いろんなことがありました。

今年も、いい意味で、いろんなことがあると、いいなと思います。