ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
私的メールマガジン「ほぼ週刊イケヤ新聞」のブログ版です。

句会に行った

2006年01月31日 15時20分12秒 | Photo&エッセイ
ひさびさに、句会に行った。とても楽しいイベントだが、もう二年ぶりか。ちょうど前回から一年ぶりだそうだが、前回は偶然だが弟の命日となった。あれから一年がたつのか、としんみりしつつ、こんかいの会場、青山の光林坊へ向かった。
幹事の家平さんのご尽力で、とてもいい店。料理は非常に上品で贅をこらしており、久しぶりの句会のお仲間と近況という名の馬鹿話を語り合いつつ、句を品評し合い、楽しい時間を過ごした。
とはいえ、句は真剣。この句会は「クリスチーヌ平野とアワアワブラザース」という。そんな句会なのでアバンギャルドあり、下ネタアリ。ただしコピーライターとデザイナーがほとんどのメンバーなので一筋縄ではいかない。ここで賞を取るというのはなかなかの難事なのだ。
で、私は今回はかすりもしませんでした。選んだ句もどうも、他の人とは違っていて、句心を忘れてしまっていたのかも。

今回の金賞・銀賞・銅賞はこの句。

木枯らしにまるめた父の肩うすく (文鳥)

寒鰤の初競りの声靄を裂き(饂飩)

おでんはねホカホカしてておいしいよ(ゆず)


なんと母・父・娘の一家で3賞を獲得だ。すごいぞ。

そのほか、イケヤが秀作だと思った作品は、


木枯らしに足下すくわれ腕を組み

さむさむにおでんでんでんしみります

木枯らしに壊れて閉まらぬライブドア

今日もまあよしとしとこうおでん食う

里帰りコタツに潜ればタイムマシーン


あたりだった。
この句会ならでは、と思わせた秀作は以下。


東京のおでんはちくわぶだけ認める

お前らなにしとるんやコタツの中で

このあたりのキレと発想が、やはり大切だ。コピーライターたるもの、他の人が思いつくようなものを書いていてはイカンわけで、よくぞ思いついたという、アクロバティックな思考の運動会と見事に意表をつく着地が大切なのだ。
まだあったがアダルトサイトだと思われるので、このくらいにしておいてやろう。
うーん、毎回勉強させてもらってます。



↑句会参加者は選者でもある。自分がいちばんよかったと思う句は短冊に書き発表します。作者はそこで初めて名乗り出て、お褒めにあずかるわけですが、意外なひとの作品だと驚いたりする。


こんかいはうちの響も初参加。お姉様方に可愛がられてご満悦の様子だった。


食事は大変すばらしく、これは白子の鍋。飲み物は飲み放題だった。句を作ったり選んでりであまり飲めなかったけど。

原朋直トランペットレッスン

2006年01月28日 00時31分40秒 | Photo&エッセイ
昨年末から若手ジャズトランペットの第一人者、原朋直さんのトランペットレッスンに通い始めた。月に一回だがやっぱりトッププロフェッショナルのレッスンは密度が濃い。高校以来、真剣にトランペットを吹くのは20年以上ぶりだが、なかなかに厳しくも楽しいモノで、習い事を始めるのに遅すぎるということはないものであると実感。
それにしても、目からポロポロ鱗が落ちる、いままで主にギターだが、ブルースは魂だ、というコンセプトで特に理論など勉強せずにいい加減にギターを弾いてきたわけだが、なんとなく、こんな感じだよね、という風にやってきたことが、実に明晰で正確に理由を説明されると、ほんとにビックリだ、無自覚ながら、理論を浅薄になぞっていたわけで、それなら理論を理解してからそれを利用したり蹂躙した方がずっと楽しいし、クオリティも高まる。
まだまだ3回程度であり、ジャズ理論の玄関の呼び鈴を鳴らした程度ではあるが、BGMで聴いてきたジャズが、実に深く響くようになってきた、いやーやっぱりおんがくは死ぬほどおもしろい。こんなおもしろく、楽しく、優しく、元気づけられるものに出会えて、本当に人生が豊かになった。いや。音楽のために、人生がある、と言ってもいいかもしれない。もはや僕にとって音楽は趣味ではないな。生きる証明かも。どんなに忙しくても、毎日五分でもラッパを吹くのが楽しくて仕方ないぞ。
写真は我が師匠、原朋直先生の愛器。ヤマハからでている原朋直モデルである。いつか買おう。


山形だ!

2006年01月26日 01時27分22秒 | Photo&エッセイ
まだ東京に雪が降る前のことだが、ビータ、北へ。山形だ。新幹線が止まっているかと思ったが、この日は大丈夫だった。初めて山形新幹線に乗ったんだが、福島から仙台行きと分かれるのね。知りませんでした。福島近辺だと意外と雪もたいしたことないな、なんて思っていたわけだが福島から山形へ抜ける山中に入ると、もう凄いことになっている。車窓から見ていると綺麗だけど、これは住んでいたら雪害だわ。北国の暮らしは本当に大変だ。
で、山形に着く。雪はそれほどでもなかったし、寒くなかったが、聞けば前日まではめちゃさむだったとか。
さて、山形といえば「いたそば」であって、もうやまもりのもりそばである。結局4名ではあったが2名は標準程度しか召し上がらず、僕と相方のI川カメラマンのみがソバを爆食。写真を良くご覧じろ。二段目にも突入している。たぶん1人で5人前ぐらいは喰ったか。
ちょっと太めで黒めの田舎風ソバだが、コシがあってなかなかに美味なソバ。ソバは気候が厳しいところの方が旨いのかな。
そういえば山形に住む友人O沼に十年ほど前、山形の山間の民家のようなソバ屋につれていってもらったことがあったが、そこも旨かったな。また食べたいものです。











新宿ピットイン40周年記念フェスティバルに行った

2006年01月24日 14時43分44秒 | CD&コンサートレビュー
新宿ピットイン40周年記念フェスティバルに行った。
本当に、本当に素晴らしい2日間のコンサートだった。
詳細は後日書きます。

ジャズファンのみなさん、
とりあえず、この出演メンバーにぶっ飛んでください。

●開催日:2006年1月21日(土)22日(日)
●会場:東京厚生年金会館 ウェルシティ東京
●料金:前売=S席6,000円 A席 5,500円 当日=S席6,500円 A席 6,000円
1/21 開場14:00 開演15:00~21:00
1/22 開場12:00 開演13:00~20:00
◎チケットぴあ、新宿ピットイン、他にて、10/25よりチケット(全席指定)前売り開始!
●問い合わせ先:
「新宿ピットイン」TEL:03(3354)2024
「ピットイン ミュージック」TEL:03(3352)0381

●出演アーティスト
【21日】
■渋さ知らズ
不破大輔(ダンドリスト)片山広明, 広沢 哲,佐藤 帆(Ts)川口義之,小森慶子,立花秀樹(As)鬼頭 哲(Bs)北陽一郎,辰巳光英(Tp)高岡大祐(Tuba)勝井祐二,太田恵資(Vn)斉藤良一,大塚寛之(G)中島さちこ(P)スガダイロー(Key)芳垣安洋,倉持 整,磯辺 潤(Ds)関根真理(Per)ペロ(Dance)東洋組
■大友良英 ニュー・ジャズ・オーケストラ
大友良英(G、指揮)カヒミ・カリィ(Vo)アルフレート・ハルト(Ts,B-cl)
津上研太(As,Ss)大蔵雅彦(As,B-cl, Tubes)青木タイセイ(Tb)石川高(笙)
Sachiko M(Sine waves)宇波 拓(Comp&オブジェクツ)高良久美子(Vib)
水谷浩章(B)芳垣安洋(Ds,Tp)+ 菊地成孔(Sax)
■三好“3吉”功郎 スペシャル・ユニット
三好“3吉”功郎(G)村田陽一(Tb)原 朋直(Tp)井上陽介(B)村上“PONTA”秀一(Ds)仙波清彦(Per)
■梅津和時 KIKI BAND
梅津和時(Sax)鬼怒無月(G)早川岳晴(B)ジョー・トランプ(Ds)+今堀恒雄(G)
■Pain Killer
ジョン・ゾーン(Sax) ビル・ラズウェル(B)吉田達也(Ds)+近藤等則(Electric Tp)
■室内楽団 八向山
山下洋輔(P)向井滋春(Tb)八尋知洋(Per)+早坂紗知(As)川嶋哲郎(Ts)

【22日】
■What is HIP?+ ケイコ・リー
松木恒秀(G)野力奏一(Key)岡沢 章(B)渡嘉敷祐一(Ds)ケイコ・リー(Vo)
■渋谷 毅 ORCHESTRA
渋谷 毅(P)峰 厚介(Ts)松風鉱一(Sax)林 栄一(As)津上研太(Sax)松本 治(Tb)石渡明廣(G)上村勝正(B)古沢良治郎(Ds)+坂田 明(Sax)酒井俊(Vo)
■佐藤允彦 plays Masahiko Togashi
佐藤允彦(P)
■日野皓正 クインテット
日野皓正(Tp)多田誠司(As)石井 彰(P)金澤英明(B)井上功一(Ds)
■辛島文雄 ユニット
辛島文雄(P)池田 篤(As)TOKU(Flh,Vo)井上陽介(B)ジョージ大塚(Ds)
■森山・板橋 グループ
森山威男(Ds)板橋文夫(P)林 栄一(As)井上淑彦(Ts)音川英二(Ts) 望月英明(B)
■渡辺貞夫 グループ
渡辺貞夫(Sax)小野塚晃(P)吉野弘志(B)石川雅春(Ds)


浜松だ!

2006年01月22日 01時43分28秒 | Photo&エッセイ
ビータ、名古屋から一度東京へ戻り、翌日はまた浜松へ。
ほんとにビータウイーク。今回はwebの編集会議。取材ではなく会議だ。

某楽器メーカーの仕事をしているので仕事柄浜松に来ることが多いんだが、というか、浜松出身なんだが仕事で浜松に来たときには
基本的に昼は鰻を食べることにしている。

が、今回は昼を挟んだ打ち合わせだったので、近くにある寿司屋にいってチラシにすることにした。ここのチラシは結構好きだ。

浜松の寿司屋だけなのか、関西圏の寿司屋に共通するのかわかんないんだが、チラシにツメ(あなごにつける甘いタレ)をかける傾向にある。この浜松の寿司屋ではかけるかどうか聞かれた。
以前筒井康隆のエッセイで、神戸ではトロにツメをつけて食べると書いてあった気がする。

そんなこんなで打合せを終えてまたまた新幹線に飛び乗る。さらば故郷よ、旅立つ船は。駅の横にそびえるアクトシティが車窓から見えるとおもったのもつかの間、また爆睡したら、あっという間に東京タワーだった。

↓浜松名物アクトシティ


↓東京名物東京タワー

京都だ!

2006年01月20日 23時28分19秒 | Photo&エッセイ
大阪から京都は近い。東京から横浜に行くぐらいの感覚で移動。しかしすでに夜。京都タワーが懐かしくも美しい。そうだ、京都行こう、ではなく、そうだ、京都に1年住んだことがあるのだった。立命館大学に1年だけ行って中退。青春時代の真ん中は道に迷っているばかり。
仕事ではギターの先生と「エイモス・ギャレット」などの話題で盛り上がる。テレキャス弾き同士の熱い連帯感。ヘルキャスターズのCDを送ることを約束する。
さて帰りは東京戻りの新幹線に駈け乗り状態なので、晩飯はゆっくりと摂れず。駅構内でウドンを食す。これはしかし美味であって、さすが関西圏のうどんの水準の高さはすごい。ちくわとかしわの串揚げ天ぷらが入っている。舌鼓を鳴らすまもなく新幹線に飛び乗り即座に激睡、正気に戻るとそこは終電間際の東京駅であった。


大阪だ!

2006年01月20日 23時05分38秒 | Photo&エッセイ
ビータシリーズ、大阪だ。取材場所は北新地。ただし真っ昼間なので閑散。たぶん夜な夜な妖しいお姉さまとおじさまのパラダイス銀河になるのだろう。昼間は「北新地」と書いた看板さえ眠そうだ。古風な構えの小料理屋でランチ。オーソドックスに生姜焼き。美味。相方のカメラマンI川氏はキジ丼だったが、感動的に美味しかったようで、店の名刺をもらっていた。
無事に取材を終了し、JR大阪駅で生ジュース。たっぷり、濃いめの生ヂュースであって、これも美味しかったのね。北新地からJR大阪駅って驚くほど近くてビックリだった。ビータはそのまま京都へ続くのであったのだ。

↓眠く物憂げな北新地の看板



↓北新地の渋い定食やで食べた、生姜焼き定食、お茶の金のミニ薬缶がステキ



名古屋にビータ

2006年01月18日 00時32分59秒 | Photo&エッセイ
ビータ、名古屋だった。車中からすでに松阪牛攻撃、街中には観覧車。取材では78歳でウクレレを習いに来ている可愛いオバーちゃんの話に感銘を受ける。いいねー。音楽のもつ愛に溢れた素晴らしいパワーを再認識する。仕事が終わったら名古屋コーチン。ビールか、さすがに。まいうーである。あかなべという名古屋駅の地下である。なべも辛ウマ。




もてぎ100kmサイクルマラソン 参戦記

2006年01月15日 08時57分14秒 | 自転車のはなし
もてぎ100kmサイクルマラソン 参戦記

キッカケは、自転車のウメダ師匠のメールだった。

>イケヤさん、おつかれっす。
>ウメダです。
>
>突然だけど1月4日に茨木の茂木で行われる
>「ツインリンクもてぎ100kmサイクルマラソン2006」ってのに一緒に出ませんか?
>2年前にコイデさんと一緒に行ったやつです。
>詳しくは以下
>http://www.sportsentry.ne.jp/event.php?tid=8730
>がりがりのレースではなく耐久系エンデューロイベントなので
>敷居は低いです。
>MTBも一緒に走るし。

これまでレースに出たいと思ったことはなかった。
ただ楽しく走っていれば幸せだったのだ。
だいたい100kmは走ったことがない。
4時間以内に走れるとも思えないし。そんな気持ちだった。
しかし、師匠に言われたことはとにかくやってみよう、と決めていた。
ここでレースに出なかったら、もう一生出ることは無かろう、と思って
とにかく一度出ておこう、合コンのネタにもなるし、と思った。
これが今回の参戦のきっかけだった。

----------------

出ると決めたのが、締め切り当日だった。
しかも運悪く愛用のiBookがぶっこわれていたので
師匠に電話をしてwebでエントリーをしてもらった。
そしたら23:50頃ウメダ師匠から電話があり、
今日中の払い込みが必要だが、近くにセブンイレブンはあるか、
という話になり、いきなり現金握りしめてセブンイレブンで払い込み、
なんていうコメディタッチのエピソードもあったのだった。

いずれにしても出ると決めてからも、
あまり真剣に考えていなかったんだが、
とにかく走ることと激寒が予想されるので防寒が大事だと思った。
しかし思っただけで何もしなかった。
やったことと言えば本当に年末年始のギリギリのところで
一日30km程度を数日間走ってみただけだ。
阿佐ヶ谷から田無までの青梅街道の往復、というルートである。
実家の母が正月、風邪で寝込んでいたので、
家族を連れて帰省するという行事はこの正月は中止。
その分、自転車の練習にエネルギーを割くことができた。

装備としてもヘルメットとレッグウオーマー、そしてグローブカバーを
新調しただけで、ウェアとタイツはウメダ師匠から譲っていただいた。
ヘルメットはGiroのアトモスにしたが、これは良かった。
いままでのヘルメットが悪すぎるという面もあるが、
やっぱ高いのは高いだけの良さがあるなと。

----------------

さて、当日はウメダ師匠が朝4:30に迎えに来てくれた。
大変ありがたかった、師匠ありがとうございました。
今回はガラにもなくオレがかなり緊張しており、
車中でも結構無口だった。ウメダ師匠の卓越した運転で
あっというまに水戸インター、そこから茂木街道へ。
やっと空が明るくなってきた、6:30頃である。
コンビニでパスタ買って食べる。この炭水化物が重要。
ここで気温がマイナス6.8度であることが判明し、
師匠共々慄然とする。この気温で自転車で走れるのか。
というか走ることは、まるでバカではないのか。
そういう根本的な疑問を抱きつつ、車はもてぎへ到着。
すでにそこにはコースを試走する自転車軍団がおり、
駐車場では多くのサイクリストが零下の屋外で
自転車を組み立て、シャツを着替えている。

なんて因果な趣味なのだろう。

こちらもウメダ師匠とともに淡々と自転車を組み立て
着替えを始める。師匠の勝負自転車はLookなんだが、
初めて見せてもらったけど、これがカッコイイ。
しかもホイールはカーボンだ。これは早そうだ。
私はまるでいつもの通勤用自転車。リアのランプを
外したところが、ほんのわずかに決戦用という意志を感じさせる。

あまりの寒さにウメダ師匠は外に出ることなく車中で集中を開始。
こちらは一度服を着たのに、再度トイレへ。
トイレにいくと補とのどの服を脱がなくてはいけない。
やっとのことでトイレを終えて外に出ると、
すでにスタート間近となっていた。

訳もわからず、補給食だけを背中のポケットにつめて
スタートラインに着いた。

スタートはたぶん600人かそれ以上いたのではないか。
スタートしても僕のあたりはすぐには動き出さず、
前の自転車が動くのを待つ。
一分ほどしてやっと動き始めた。

事前に試走をしなかったので、レースの1周目が初めての一周となる。
思ったより4.8kmは短く思えたが、上りの坂は想定より厳しかった。
寒かったせいもあり、これを今から21周するのかと思うと、
一気に、絶望的な気持ちになった。なんで正月早々、
ピッタリパンツで、こんなことをしてるんだろ。

それにしても先頭集団の早さは驚異的だった。
たぶん2周目の後半だったとおもうが、もう抜かれた。
まるで新幹線の通過を通勤電車から見ているようだった。

周回を重ねるうちにだんだん太陽が出てきて、気温も上がってきた。
コースにも慣れてきて、少しは集団走行ができるようになってきた。
走ることもやっと楽しくなってきた。

しかし、上り坂の辛さは周回毎に増してきている。
上りのスピードはもはや13km/hとか10km/hという感じ。
初めて痛感したが「登り坂」こそがレースのキモかもしれないと思った。
坂がダメなら、平地がいくら凄くても抜かれてしまう。
ツール・ド・フランスの山岳ステージを称して
「ツールの本質は山岳ステージにあり、
悲劇の本質も山岳ステージにある」と言われる。
つまりレースとは登り坂なのだ。

しかし下りのダウンヒルの気持ちよさは別格だ。
まるで大きな鳥になったように、滑空しながら地上へ降りている。
そんな気持ちだった。
何周目のことだろう、もうレース終盤だったと思うが、
過度の運動のせいで軽い酸欠になっていたのか、
すでに自転車に乗っているという意識も、我彼の区別もない。
しかし運転している、ということに関しては完全に澄み切った意識の状態。
それは、ある種のランナーズハイのような状況だったのかもしれない。
時速は50km近く出ていたのではないだろうか。

それにしてもトップ集団は速い。
先導のバイクがついているのだが、
「プップップップッ」とクラクションを鳴らして先導車が来ると、
その後ろを「ガー」という無数のベアリングの音の固まりが聞こえてきて、
100人ぐらいの大集団が新幹線のように通っていく。凄かった。

トップ集団に抜かれること数回、2時間30分~50分ぐらいで先頭集団、第二集団
あたりがゴールし、コースの自転車はたぶん半数ぐらいになった。
ここからは「自分との戦い」の人がほとんどとなり、
僕もここからは自分との戦いだったが、この頃から時間配分的に
「第一目標の80kmは楽勝、100km走れれば満点だが、それは微妙」
という感じになってきた。
平地でのスピードはさほど落ちていなかった。しかし坂を上るスピードが
周回を重ねる毎に極端に落ちてきた。(これは他の人もそうだった)。
30分ごとに機械的にパワーバーの補給食を摂りながら、
無心の境地で自転車を進めた。
ひたすら淡々とペダルを回す。坂に至ってもがく。この繰り返しだ。

最後の周回になった時点で、あと一周だとわかったが、4時間まで10分を切っていた。
これはギリギリかなと思って前より急いで漕ぎたかったんだが、
もう精神・体力的に限界で速く回すことはできず、
それまでのペースでまわすので限界。
そしてゴールは1周足りない20周で強制終了。
あと3分早く回っていれば、最終周回に入れたが、残念だった。
しかし、まぁ初レースでもあり満足だった。

終了後、比較的元気でまだ走れそうな感じで
「あー、あと一周、残念だった」と笑っていたら、
「まだ追い込めてないっすね」と師匠からのお言葉。
4時間走ったら立てないぐらい力を使い切っていなければ、
やっぱり走りきったことにならないというお話しで、
それが「追い込む」ということ。レース本番で
自分を追い込めるようになるには、やっぱり練習が必要だそうだ。
ああ、もうちょっと追い込めれば完走は確実だった。

次回の課題は、「坂」と「追い込み」だ。
来年の正月も、また因果な自転車乗りの暮らしになるのだろうか……。

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デザートとしての餃子、パラダイス山元さんの。

2006年01月14日 14時23分52秒 | 一食入魂&つけ麺ジャンキーズ
世にデザート餃子というものがあるのをご存じか。
私が食したのは、完全会員制の秘密の餃子屋さん、萬餃苑である。
パラダイス山元氏御自らが焼いて供してくれるわけだが、
詳細は会員以外には秘されている。幸運にも私が食することができたのは、私が編集長をしているweb「おとなを、休む日」http://www.holiday.yamaha.co.jp/で知己を得ることができたからだ。

さて本論のデザート餃子だが、皮は良く吟味された通常の餃子の皮である。具材は、上質のこし餡にモッアレラチーズを配合し焼き上げる。その場合、テフロンなどのフライパンを使い、焼きで油を用いない。アツアツで食せば、やや餃子ならではの中華風でありながら、和風の餡、そして伊太利亜のチーズと口の中で世界を一巡りする心持ちである。佳き味。おのおの方も、ご自宅で工夫を凝らしながらお試しあれ。

さて直下の写真が萬餃苑でのメイン料理である「ゼナ入り餃子」である。その下の写真は冬季の限定メニューである海鮮餃子である。いずれも紹興酒をいただきながら食す。

個人的には、いままで食べた餃子の中で最も美味なる餃子であった。





万惣のホットケーキを食べた

2006年01月09日 06時35分36秒 | 一食入魂&つけ麺ジャンキーズ
子供が鉄ちゃん、つまり鉄道オタク。
なので年に何回も神田・万世橋のJR交通博物館に行く羽目になる。そんな話をさる女性としていたら、交通博物館のすぐ近くに「万惣」というパーラーがあって、そこのホットケーキが頗る美味であると聞いた。
で、早速先日、ガキが交通博物館!と騒いだので、こちらもホットケーキな下心あり出かけてきた。
行ってみて解ったんだけど、万惣ってのは、千疋屋みたいな、高級果物店で、そこがパーラーをやっている、という構図だった。店内は非常に落ち着いた感じで好感が持てた。で、ホットケーキだが、極めてオーソドックスながら、なんつーか、生地がフカフカしているだけのものではなく、表面がパリっとして中がふわり、ほくほく。ここに良質なバターとメイプルシロップを垂らして食す。確かにいままで食べたホットケーキの中で最も美味しいと断言できる。これは生地の素材と焼き方の絶妙さが奏でるメジャーセブンスのような美しいハーモニー。
おそれいりまんそう。
お店のアドレスはこちら。

http://www.manso-kanda.co.jp/








茂木サイクルマラソン、4時間完走

2006年01月05日 10時01分27秒 | 自転車のはなし
茂木100kmサイクルマラソン、行ってきました。
とりあえず第一目標の4時間完走はOK。
目標の80キロはクリアしたけど、100kmには一周届かず、95kmでした。惜しい!まあレース初体験としてはいいとしよう。

ゴール後、わりと平気で元気だったんですが、逆にウメダ師匠に「追い込みが足りない」とお言葉。たしかに、もっと全力を使い切れば100kmは4時間以内に走り切れたかも。

それにしてもトップ集団のスピードは凄かった!時速差20kmぐらいで抜かれたけど。

今回はたくさん課題が見つかったが、なんといっても上り坂だ。修行、修行。

帰り道に師匠のお薦めの温泉で体をほぐし、そばを食って帰還。すべて師匠の送り迎え付でした。ウメダ師匠に感謝です!


↑出走前の私、緊張でガチガチ



↑ゴール後、想定した結果よりはよかったものの、あと一周だけ100kmに届かず残念だった

虹色のボンレスハム

2006年01月03日 00時44分39秒 | 自転車のはなし
付け焼き刃練習も、そろそろ時間的な限界。本番の時に疲れを残しては意味がないので、ここまでとする。結局あんまり練習できなかったなー。

師匠が「大きくてだぶだぶするので使っていないジャージをあげる」といって呉れた。着てみるとパンパンだった。でぶやだからだが、色が猛烈に派手なので、虹色のボンレスハムのようになっている。どうしてこうまでして自転車に乗るのか、正直言って自分でも解らないんだが……。

年末ギリギリに行きつけの自転車屋で我が愛車ロッシン(Rossin)の最終調整をしてもらった。ついでにゲージ付のフロア用空気入れと防寒用のイヤーパッド(耳の寒さを防ぐヤツ)を貸してくれた。応援してもらっている気持ちが嬉しかったが、完走は無理だから、休み休み行くように、補給食も自転車に乗りながら食べなくて良いよ、落車だけはしないように気をつけて、とこれまた実戦的なアドバイスをもらった。

明日はほんのちょっとだけ自転車に乗りつつ、異様に早く寝る必要がある。まだ日の出前の4:00には出発しなくてはならないからだ。



元旦早々、ピッタリパンツで疾走

2006年01月02日 11時38分15秒 | 自転車のはなし
我が人生初めての自転車レースとなる1月4日の100kmサイクルマラソン出場に備えて、元旦早々、付け焼き刃トレーニングを行った。阿佐ヶ谷から田無までの往復、約30kmを走った。

それにしてもレースにでようと思うレベルの自転車のりってのは、まったくもって因果な趣味だ、ということを痛感した。

だいたい元旦早々、モコモコしたダウンなどを着て、暖かそうなマフラーで晴れやかに歩く初詣の家族連れやカップルで賑わう青梅街道を、フレディー・マーキュリーも真っ青のピッタリモッコリパンツで、思い詰めた形相で時速30km近くのスピードで自転車に乗る、とは何事でしょうか。

しかもなんと、これが楽しく思えてくるわけです。

写真は年末スレスレで買い換えた自転車用ヘルメット、ウメダ師匠とお揃いのGiroのATOMS、しかもラボ・バンクのチームカラー。
こんな感じです。
因果です。