自転車ツーキニスト。つまり自転車通勤の言葉の生みの親でもあり、リーダーでもある疋田さんのブログを転載します。
自転車は道交法上軽車両であり、車道を通るのが本分ですが自転車を車道から閉め出そうとする法案が通りつつあり、それに対する反対運動をなさっています。
私はそれに強く共感する者です。
自転車はいうまでもなくエコロジカルな乗り物で、のっていてとても楽しいし、健康的で、私もしばしばロードバイクで通勤を楽しんでいます。自転車は安全面からも、運用面からも車道を通るべきで、歩道の走行は歩行者の接触等を考えると非常に危険であり、走る爽快さを損なうものであります。
ヨーロッパをはじめ先進諸国では移動手段を自動車から自転車へ転換すべく国家単位で施策を行っており、自転車専用道の整備などが進んでいます。一部車の乗り入れを制限すると都市すらあるほどです。今回の法案はそんな世界の趨勢を逆行するもので、自転車を愛する全ての方にとって、マイナスとなる法案です。
この問題について自分でもアクションを起こしたいのですが、まずは問題を提起するために小さな行動ですが、すでに何回過去のブログで転載しておりますが、さらにこんかいも疋田さんのメルマガを転載し、より多くの方に読んでいただきたいと思います。
ぜひご一読ください。
以下です。
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【例の法案】出番だ!民主党!の279号
■出番だ!民主党!
さて、懲りもせず、例の法案の話なんだが、ここは一つ、民主党、頑張ってくれないだろうか。こりゃ、国会で追及し、争点にするにはピッタリだぞ。
この法案ほど、アナだらけで、矛盾だらけのものは、かつてないほどに珍しいからだ。
だいたいが「自転車対歩行者の事故が急増している」ことの解決策が「自転車歩道解禁」というのが、誰からも分かる矛盾だし、結果として見えてくるのが「弱者への危険しわ寄せ」そのものであることが、追及点として秀逸だ。
今よりも危険な歩道にして、障害者はどうする、高齢化はどうする、子供にとって安全な街作りはどうなる、環境は、事故率は、と、突っ込みどころは満載だ。
「こんな些末なところ(私は些末とは思わんが)にも、自民党安倍政権の"弱者切り捨て"の姿勢が見える!」
とでもやったら、総理は反論不可能だろう。
だって、ホントに文字通りの"弱者切り捨て"なんだから。
障害者団体だって、間違いなく味方につく。車椅子だって、盲導犬だってどうなるんだ。そして、こういうのは、テレビや新聞にアピールしやすい。自民党の支持率を落とすには「格好の事案」であろう。
そもそも、今なおクルマ社会を助長しようというのが、根本的に間違っているのだ。
■閣議了解なら倒閣だ
私は別段、安倍さんのことを、好きでも嫌いでもないが、もしもこんなバカ法案を閣議了解で通すならば、そんな内閣は即刻、潰れてくれ、と思う。
なぜなら、その内閣は"弱者優先"を踏みにじるのみならず、"未来へのビジョン"がまったく描けない内閣であるからだ。
車椅子と白い杖とお年寄りと子供たちと自転車とが、狭い歩道に押し込められている国なんて、まったく「美しい国」じゃないよ。
民主党よ、よく聞いていただきたい。
御党にとって、この話の実にいいところは「強硬な反対派」はいるものの、「強硬な賛成派」がほぼ皆無なことだ。
ボンヤリした賛成派、つまり「別にいいんじゃない? 歩道でも」ということを言う人たちは、そのまま「別に今のままでもいいんじゃない?」という人と重なる。
ということは、法案が通ろうが通るまいがそういう人たちの投票行動は変わらない。
ところが、反対派にとっては、この法案に賛成する輩は、文字通り「最低」だ。
コアな自転車人のパーセンテージなどは、0コンマ数%の世界かもしれないが、普通の自転車乗りだって分かってる人は分かってる(だいたいこんな私の個人メルマガにだって1万1000人の読者がいるのだ)。その上に、障害者、そしてその家族、団体、介護老人を持つ家庭、エコ派の人々、その他その他が、雪崩を打って(ちょっと大袈裟な形容だが)御党に投票するだろう。
もちろん御党が反対してくれて、という前提の上だが。
現在も支持率暴落中の安倍政権にとって「こんなところでも弱者切り捨て」は絶対に効く。それも、目で見える、こんなに分かりやすい形での「弱者切り捨て」だ。
この法案の国会提出が2月。参院選が7月。
楽しみなことになるぞ。
■太っ腹を見せてくれ
弱者保護、というだけじゃない。ちょっと勉強すれば分かるとおり、環境、健康、世界の潮流、ほか、すべてに反してる。
小沢さんあたりに「交通社会・道路利用のあり方のみならず、環境問題などについても、まったく未来のビジョンが見えません。グローバルな視点を欠いて、どうやって"美しい国"なんて作るんですかな」なんて言っていただきたいものだ。
これが、某党のF女史なんかが「弱い者イジメの政府自民党がぁ」なんつっても説得力ゼロだが、小沢党首なら大丈夫。イメージだって上がるぞ。「コワモテでありながら、弱い者を守る」。こりゃ理想的な小沢さん像ではないですか。
長年お読みの方はご存じの通り、このメルマガには、一度、民主党から猛抗議が来たようなこともあって(「選挙戦術の失敗」みたいなことを書いたのよ。反論済み)、民主党は私のことが嫌いかもしれない。が、そんなことは水に流せ。
そんなことは、太っ腹で笑い飛ばし、是々非々で仲間を取り込む、というようなことじゃないと、政権なんてとれないぞ。
どうだ。
是非に、ご検討を。
と、まあ、エラそうに書きましたが、真面目に期待しています。
是非、私にご連絡を。
いくらでも情報提供をいたします。戦術だって提案させていただきます。彼らはたぶん「歩道内を分離して安全に」「日本だけの特殊事情」なんて屁理屈を言い出すでしょうが、全部、完膚なきまでに論破できます。"想定Q&A"にして伝授いたします。
もちろん私でなくてもかまいません。論客は他にもいます。
どうかひとつご検討を。
■"メルマガオブザイヤー2006"
さて、今年も"メルマガオブザイヤー"がやって参りました。
一年が経つのは、ホント早いすね。
前回は、皆々様のご愛顧のおかげで、"2005カテゴリー賞"を受賞することができたわけですが、今年も、いや、今年限り、いや、こーとーしー、だけっ、は、もう一度ご投票をお願いしたいと思うわけです。
大賞でも取ろうモノなら、"melma!"のトップページで「法案はおかしい!」というのを堂々アピールできます。是非よろしく下記にご投票のことを。
来年はもう言いません。今年だけ、今年限りであります。何卒よろしくお頼み申します。
"メルマガオブザイヤー2006"投票フォーム
http://melma.com/contents/moy2006/
私の正式なマガジン名は「疋田智の週刊自転車ツーキニスト」。または、マガジンID「m00016703」であります。
■日比谷公園
あ、そうそう、それから例の日比谷公園の集会の話。
前回の呼びかけに「○○の会員に限る」みたいなことが書いてあって、あれま、あれま、という人も多かったそうで、次のように、呼びかけの範囲を拡大しました。
是非ともお誘い合わせの上、メール送信の上、ご参加を♪
▽呼び掛け範囲を、NPO自活研、エコサイ、DO!、オブザーバーだけでなく、疋田さんのメルマガの読者をはじめ、賛同者すべてに拡大します。
【安心して歩ける歩道/安全な自転車道/渋滞のない車道を実現する全国連絡会(略称:全歩連)】キックオフミーティング
▽ 12月22日(金)18時30分から20時30分まで
▽ 日比谷グリーンサロン(日比谷公園内)
NPO自活研&エコサイクル・マイレージ忘年会同時開催
▽ 参加費(資料代含む):1,000円(ただし、ドリンクは個別購入)
▽12月20日までに参加表明してください。自転車でお越しの場合はアルコールは厳禁です。
▽参加申し込みは、エコサイhttp://www.ecomile.jp/(登録必要)の議論の広場「オフ会告知板」あるいは臨時事務局 E-mail:info@ecomile.jp (小林/庭野)まで。
(*これは大まかな人数を設定するために必要だそうです)
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【例の法案】「悪の大魔王」が画策してきたこと、の280号
■パリの路面電車
昨日(12/17)パリで路面電車が70年ぶりに復活したそうな。
もちろん「環境に優しい都市」を作るためだ。パリ市は、ある種、東京よりも道が狭く、坂も急であり、ヨーロッパ各国の中では、エコ化、自転車化が遅れがちだった街なのだが、それでも昨今、動きが急だ。
自転車レーンは「バスと共有レーン」として、急ピッチで拡大しているし、クルマの都市内制限速度も、以前書いた「テンポ30」に概ね準拠している。
面倒なことや我慢を嫌うパリっ子たちも、こうして、ちゃんと環境に貢献しようとしている。
それにつけても我が日本。
この愛する国は、誰が、どこに連れていってしまおうとしているのだろうか。
■警察庁の「強固な意志」
それにしても警察庁だ。ある意味スゴいとは思うよ。
誰の話にも耳を貸さず、どんなに非難されても、彼らはただひたすらに「自転車の車道締めだし」の実現に向けて動き続けてきた。
思い起こせば、私が最初に「車道締めだし」の情報をキャッチしたのが、昨年のまだ肌寒い、桜が咲く前の頃だった。
私は当時、メルマガ193号で「自転車の歩道押し込め」について次のように書いたものだ。
http://www.melma.com/backnumber_16703_708018/
この"メルマガ193号(「funride」誌のコラムを含む)"、および、その後の「BiCYCLE CLUB」誌連載の「道路は誰のものですか?」(05年6月号-10月号)を読み返してみれば分かる。
警察庁が法案提出を予定していたのは、当時の「今通常国会への提出は見送ったものの、早ければ来年、そうでなくとも再来年に提出」だった。
いわば「07年の通常国会提出」が、庁内の〆切だったワケだ。
今回の件、そのものなのである。
つまり、今回の話は、警察庁内部では単なる「規定事項」に過ぎず、私らの「ファイティングポーズ」など、屁の突っ張りにもならなかったことになる。
……。
ある意味スゴいよ。
周囲の「雑音」などモノともせず、環境問題も京都議定書も関係なし。世界の潮流などどこ吹く風で、弱者保護など馬の耳に念仏。ただひたすらに「自転車の車道締めだし」を画策してきたのが、我が国の警察庁なのだ。
かくも強固な意志。まるで「悪の大魔王」ではないか。
■もう遅いのかもしれない(ちょっと鬱)
大丈夫だって、ヒキタちょっと騒ぎすぎだよ、警察だって考えてるって、何とかなるって、と思ってる方々。
何ともなりません。
少なくとも、このままでは本当に何ともなりません。
あの美しい言葉がちりばめられた<提言>。それを元にした法案が通り次第、警察庁は、粛々と強固な意志の元に「車道締めだし」を始める予定です。
まずは「特に危険な道路(ほぼすべての幹線道路のこと)」の歩道に「ペイントレーン」を作るそうです。
歩道上にペンキで描かれ、頭上に「歩行者優先です」と掲げられている、例のアレですね。
ペイントレーンの敷設(描いただけだけど)を完了すると、順次、その道路の車道は「自転車通行不可」に指定されていきます。
いっぺんにはやらないそうです。
早くて3年後に予定されている「制限速度見直し」に向けて、あくまで、じわじわと、という話です。
ある日、青山通りが潰れ、2ヶ月後に桜田通り、さらに3ヶ月後に甲州街道、というような感じなのでしょうか。
その際に、車道左端に作られる「パーキングメーター」が、大きな利権になっていくとも聞きましたが、そんなのは「穿った見方」に過ぎるのでしょう。
誰もがご承知の通り、すでに警察官の"白チャリ"は、全員が全員、歩道を走っています。
真面目な話、今「日本の自転車」は、本当に危機的な状況に置かれています。
日比谷公園の集会は、いかほどの力になるでしょうか。
私にもよく分かりませんが、やらないよりはマシなのでしょう。多数集まれば何とかなるような気もちょっとします。
もう一度「参加者募集」を掲載しておきましょう。
■日比谷ミーティング
▽呼び掛け範囲を、NPO自活研、エコサイ、DO!、オブザーバーだけでなく、疋田さんのメルマガの読者をはじめ、賛同者すべてに拡大します。
【安心して歩ける歩道/安全な自転車道/渋滞のない車道を実現する全国連絡会(略称:全歩連)】キックオフミーティング
▽ 12月22日(金)18時30分から20時30分まで
▽ 日比谷グリーンサロン(日比谷公園内)
NPO自活研&エコサイクル・マイレージ忘年会同時開催
▽ 参加費(資料代含む):1,000円(ただし、ドリンクは個別購入)
▽12月20日までに参加表明してください。自転車でお越しの場合はアルコールは厳禁です。
▽参加申し込みは、エコサイhttp://www.ecomile.jp/(登録必要)の議論の広場「オフ会告知板」あるいは臨時事務局 E-mail:info@ecomile.jp (小林/庭野)まで。
(*これは大まかな人数を設定するために必要だそうです)
■"メルマガオブザイヤー2006"
これも再掲。よろしくお願いします。
"メルマガオブザイヤー2006"投票フォーム
http://melma.com/contents/moy2006/
私の正式なマガジン名は「疋田智の週刊自転車ツーキニスト」。または、マガジンID「m00016703」であります。
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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)
今回もまたお休みです(早くこの欄が書けるようになりたいよ)。
あと、前号の話ですが、誤解してもらっちゃ困るんだけど、私は別に「民主党とだけやっていく」ということではないですからね。
ちゃんと与党ともやる。
なにしろ「与党議員だと効果抜群ぢゃ」なんだから。
そもそも前号は、むしろ与党の議員に見ていただいて「こりゃヤバイ」と思わせることが主眼でありまして、で、結果として「法案提出見送り」となってくれれば、それが一番いいんであります。
あ、それから、朝日新聞の「私の視点(旧「論壇」)」と、毎日新聞の「発言席」に、いずれも1,300字-1,400字程度の原稿を書きました。掲載日はまだ分かりませんが、今月中か年明けに掲載される予定です。
読売さんも日経さんも産経さんも東京さんもよろしくね♪
「週刊文春」の〆切も、今週木曜日。これは来週号に載るのでしょう。お楽しみに。
一般紙誌も、少しずつではありますが、動き始めています。
このところあんまり寝てません。だからというべきか、本日のメルマガはなんだか"鬱"な感じなんですが、そうは言っても、私はできる限りは斗うつもりなのです(あえて左翼用語で書いてみた(笑))。
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「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
*昨年12月発売の最新刊。今回はなぜか「奈良・暗峠」「秩父・八丁峠」「北海道・日高峠」と、峠モノが満載。
「疋田智の自転車生活スターティングブック」ロコモーションパブリッシング
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
「大人の自転車ライフ」光文社知恵の森文庫
「自転車ツーキニストの憂鬱」ロコモーション・パブリッシング
「日本史の旅は自転車に限る!」木世(えい)出版社
いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
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【自転車通勤で行こう】
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バックナンバーはこちら。
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