ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
私的メールマガジン「ほぼ週刊イケヤ新聞」のブログ版です。

ああ、憧れの輪行である。

2006年04月29日 22時33分38秒 | 自転車のはなし
自転車を即座に折りたたんで、サクッとカバー(輪行バッグ)に入れて、電車(やフェリー)に乗る。そのことを、自転車業界で「輪行」(りんこう)と言います。

写真は先日夕方、立て続けに観た輪行のシーン、いずれも改札を出てすぐのところで自転車をサクサクっと組み立てている(あるいはバラしている)ところ。全く見ず知らずの人だが、やけどするほど熱い視線を送ってしまった。

うらやましいのだ。一度やってみたいのだ。輪行。

輪行はなにも折りたたみができる自転車の専売特許ではなく、あらゆる自転車で行うことができるはずのモノだ。僕のロードレーサー、ロッシン(Rossin)も、前輪をはずし(これは至極簡単)、後輪をはずし(やや難しい、入れるほうが難しいができる)、ハンドルをしかるべき方向に固定して輪行用のカバーをつければいいのである。折りたたみが可能な自転車は、タイヤをはずさなくても本体が折り曲げられるというような方向で折りたたむわけで、結果的にはタイヤをはずすのとどっちが面倒でないのか、という程度の違いに過ぎない。あ、ただ折りたたんだ時の大きさは違うようだ。折りたたみの自転車のほうがかなり小さい。そういえば佐藤に目の前で佐藤の愛車、西ドイツの超高級折りたたみ自転車BD-1をたたんでもらったな。あれは早かったし、小さくなった。

それにしても輪行。ああ。やってみれば簡単なのだろうが、機会があまりなく、トライもしていない、でもしてみたい。「輪行」ってそんな中年の悩みなのである。
そーだな、いちばんやってみたいのは京都への輪行、現地では自転車で古寺巡礼、よるは自転車で先斗町だ、押しておくれやす、だが。あ、文章がバラバラである。お休みなさい。明日は河口湖に出かけます。



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春の色、いろのはる

2006年04月29日 00時29分07秒 | Photo&エッセイ
本当に今年ほど桜の写真を撮った春はなかった。自分でも驚くぐらいだ。

さて、ソメイヨシノが終わっても、八重桜があり、さらに新芽の柔らかい緑もある。これらが4月末の柔らかで清々しい陽光に照らされているコントラストは、なんともいえず、美しい。その色味の淡さが、春の美しさ、ウキウキするような軽やかさを感じさせる。

この写真は東中野の線路沿い、山手通りのやや外側である、これで中央線でも写真のフレームに入れれば、立派な鉄ちゃん写真家かもね。

さて今日は浜松に行ってきました。あっという間に帰ってきて、品川で撮影のお仕事(僕が撮るわけではありませんが)。品川の変わりぶりと駅中のショップの充実ぶりに、今更ながら驚く春でもありました。




「かもめ食堂」を観た<★★★★☆>

2006年04月28日 00時39分50秒 | 映画レビュー
かもめ食堂
●上映中
[監][脚]荻上直子 
[原]群ようこ 
[歌]井上陽水 
[出]小林聡美  片桐はいり  もたいまさこ 
ヤルッコ・ニエミ タリア・マルクス マルック・ペルトラ 


「コピ・ルアク」というコーヒーをご存じか?

フィンランドはヘルシンキでおにぎりを出す日本食のかもめ食堂を開くというちょっと大人のメルヘンのような映画。オールフィンランドロケだそうです。北欧ならではの淡く美しい映像は、素晴らしいモノがあります。この映画はなんといっても小林聡美、片桐はいり、もたいまさこという抜群の演技力を誇る女優陣の、それはそれはすばらしい演技のアンサンブルが見所。なんつーか、ジャズのセッションの良質な部分を演技という形で見た気がするな。「巧い!」と感じさせない自然さが、いちばん上手いところでしょう。

ストーリーとしては特にドラマがあるわけではなく、淡々とヘルシンキの人々にかもめ食堂が受け入れられていくことが描かれるんですが、ま、スローライフってやつですか? その本拠地のような北欧で、小さな事件を経るなかで、見ている人がそれを知るわけです。先日朝日新聞の折々の歌で「ただごと歌」という短歌の批評用語を知りました。ただごと=日常の何でもないこと。それをただ描いているだけで面白いのか、という用語だそうですが、ま、それが映画というメディアでやると面白いかなと。

さて、この映画ではまず、コーヒーを美味くするためのおまじないとして「コピ・ルアク」という言葉が出てきます。お、これはイタチコーヒーのことだ、と私は気づきました。そしてラストシーンでは「コピ・ルアクは幻のコーヒーなの」、といってみんなで飲み、「美味しいねー」と静かにいうシーンがあります。

以前このブログでも紹介したんだけど(以下です)、僕、飲んだことがあります。
http://blog.goo.ne.jp/hoboike_diary/e/4c99062d12196bac9a1947a198ce790c

なんとイタチ(の仲間)のウンコから豆を集めたという非常に稀少なコーヒーです。もちろんほとんど量がとれないので幻のコーヒーですが時たま市場に出回ったりするらしい。しかし非常に高価だそうです。それを私(の妻)がさる喫茶店をやっている方から頂いたわけです。なんつーか、ゲテモノ的なネーミングとは正反対の、非常にバランスのとれた、マイルドで奥の深い、香りの高いとても美味しいコーヒーだった、という印象。幻のコーヒーの名にふさわしい絶品でした。

ひょっとして、この映画は煎じ詰めると美味しいコーヒーをじっくりと楽しむための暮らし方、または静かな魂の再生の物語かもしんない。

<★★★★☆>星は4つ差し上げます。

以下がWebからの紹介です。
--------------------------------------------------
若手女流監督の荻上直子がオール・フィンランドロケを敢行した話題作。異国で小さな食堂を営む女性の愛すべきスローライフをとらえた好編だ。原作は、群ようこ。ヘルシンキの街角に、おにぎりをメインにした食堂を開店したサチエ。お客がまったく来ない平穏な日々を過ごすサチエだったが、ワケありの日本人女性ミドリとマサコと出会い、店の“改革”が始まる。

JR京都駅のうどん、そして差し込まれた串揚げ

2006年04月27日 08時02分47秒 | 一食入魂&つけ麺ジャンキーズ
先日の京都行きではなかったんですが、思い出しました。前回、今年のまだ寒い頃おに京都のJRの駅の中の立ち食いみたいなソバ屋でたべた饂飩。

これが美味しかったんだー。実は東京に戻る終電の新幹線で、腹ぺこだったのに、もうやってる店もなく、ゆっくり食べている時間もなく、結局駅で立ち食いにしたんだけど、妙に忘れられないぐらい美味しかった。たぶん、ここが特に美味いのではなく、京都や関西圏のうどんの文化が高いので、平均値、もしくは最低値が東京や関東圏とは比較にならないほど高いのだろう。

色の淡い、ダシの香りの高い汁、美しいコントラストを醸す青いネギ、そして存在感溢れる串揚げの竹輪二つ。そしてうどんそのもののモチモチとした食感。あー、思い出しただけで……。次に京都に行ったときはまた食べよう。

ベースのレコーディング

2006年04月25日 15時43分10秒 | Photo&エッセイ
「おとなを、休む日」というサイトで編集長してるんですが、そこのコンテンツを作る流れで、なぜかベースを弾きました。実は中学時代ビートルズにはまりまくったわけですが(そして今でもそのままはまりまくっていますが)、ベースに憧れたなー。ポールのベースはかっこいい。
ま、ギターを弾いていたのでベースはそれなりに弾けるんですが、なんつーか、ベーシストのメンタリティってのが、かっこいいわけで、これは「男」であり「父」であるスタンスだよなー。一緒に演奏している全員に対して、寡黙ながら、さー、頼れ、と。だからおしゃべりなベースってのはあまり信用できないわけで、ドーンとルートを弾く。その音の包容力に、べーシストしての資質が示されるのではないでしょうか。ああ。ベースが好きだ。ちなみにベースを持ったら俺も人格がかわったね。非常に無口で、しかし自信ありげな人間になった。でもベースを置いたとたんにいつもの軽薄な俺に戻ってしまったわけだが……。

さて、ちょっと先ですが、このとき録音した音楽の試聴データが、前述の「おとなを、休む日」のホームページで公開されると思います。ぜひ聴きに来てください。その節にはお知らせします。
ところで、ヤマハのBBというベースをそのときに弾かせてもらったけど、さすが名器。いい音していました。

フレイレフ・ジャンボリーのライブに行った

2006年04月25日 10時14分40秒 | CD&コンサートレビュー
友人の金子鉄心(sax)が参加している大阪のバンド、フレイレフ・ジャンボリーのライブが吉祥寺のマンダラ2であったので出かけてきた。いやーたのしかったな。かれらはクレズマー(ユダヤ音楽)やジプシーの音楽を自分たちなりに消化してるバンドなんだが、しかも電気楽器のない、(ベースすらチューバ)なんだが、しっかりとステージで見たのは今回が初めて。楽しんだな。

楽しんだ理由のもう一つがベリーダンサー嬢の参加だ。いやー、うすものだけをゆるりと纏って、踊る踊る。これぞ大衆芸能の神髄であって、芸術性とか、哲学性なんてものは、プログレ以来の悪しき伝統なのかもとおもっちゃった。本来音楽は芸能であって、慰安であって、イワンのバカなのか。

(すいません、以前このページでバンド名をフレイエフジャンボリーと誤記しておりました。最近検索でひっかかるようになったのでフレイレフ・ジャンボリー、フレイレフジャンボリーと書き直しました。こちらが正しい表記です)

Web






ママチャリのペダルをビンディングに換えてしまった

2006年04月24日 02時56分53秒 | 自転車のはなし
ひっさびさに自転車の話題をふります。
自転車はあいかわらず乗ってはいるのですが昨年ほどの頻度では乗ってません。
去年はとにかく100日超えたからな。

いま、ロッシン(Rossin)というイタリア製のロードレーサータイプの自転車と、ミキストタイプのK2というクロスバイクの2台を所有してます。で、昨年はロードバイクでのみの通勤だったんですが、今年はちょっとしんどいナーと思うときはK2で通勤することもあります。

元来K2は、子供運搬用として買った自転車でリアキャリアに子供用のシートを着けることができます。キモは取り外しができることで、会社に行くときなどははずしてます。なかなかいい自転車で、ヘタなクロスバイクより良いのでは、と思ってます。ただミキストタイプってのは、つまるところママチャリの形をしていて、トップチューブが下がってます。だからママチャリを乗っているとしか思えないだろうなー。でそのママチャリ、ペダルには最近まではトゥクリップをつけてました。カポって足を入れてひもでしめるタイプのものです。意外とこれでもただ載せるだけのペダルよりは効率が上がるものです。

しかし、会社往復となると、やはり効率が悪い、腿が痛くなるわけで、これは面白くない。ので、行きつけの自転車屋に相談して、ついにビンディングのペダルに変更しました。自転車のビンディングっていうのは専用のシューズを履き、シューズの金具に半固定するものです。これはペダルを上げる(引く)ときにも駆動力を加えることができ、業界用語で「引き足が使える」状態になるわけです。

ただ、ママチャリにビンディングという見た目は、なんつーか……。

さて、明日も自転車で通勤しよう!

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先斗町は押して通っておくれやす

2006年04月22日 09時04分08秒 | Photo&エッセイ
京都の夜いえば先斗町な訳ですが、もちろん行ったことはなくしかも泊まりでもないので単に昼間通過する、という程度のおつきあい。でもインパクト強し。だって、いきなり入り口に「自転車、バイクは押して通っておくれやす」ですよ。さすがです。京なんです。鴨川おどりもあります。
ああ、金持ちになったら先斗町で芸者遊びをしてみたいものですが、京ですから、そういう野暮はダメなわけで、仮にカネがあっても、粋であって、しかも良い紹介者がいるような人でなければ遊べないという、まぁ、イギリスの名門のクラブみたいなものだろうか。

無理だな、俺には。



さて、京の台所といわれる錦。ちょうど季節的には京の朝堀り竹の子が旬だ。京の竹の子は日本一の品質を誇っていて、もう全く他の追随を許さないそうです。しかもわずかの旬の季節には、竹の子を刺身で食べさせるとか。確かに旨そうでしたが、数本で一万円という値段でした。ここでも粋が試されるところか。


無理だな、俺には。



そしてさらにあるくと、歩いて食べられるというウズラの串焼き、そしてさらに雀の照り焼き。すずめかー。あのいつもチュンチュンいっている、雀かー。


やっぱ無理だな、俺には。








Nobuさんが作ったニュースタイル刺身を食す

2006年04月21日 20時21分12秒 | 一食入魂&つけ麺ジャンキーズ
日頃の行いが素晴らしいからであろうか、以前も食べにいったというNobu TOKYOに出かけた。僕が編集長をしているヤマハの「おとなを、休む日」の取材である。
こちらです。↓
「おとなを、休む日」
しかも、世界中にあるご自分のお店を回っているため、なんと一ヶ月に何日も日本にいないNobu、つまり松久氏御本人にNobuの「ニュースタイル刺身」を作ってもらったのだから、これは旨いわけである。

料理の後はインタビューをさせていただいたんですが、実にキビキビと気持ちよく応えていただけ、ちょっと日本人離れしているといっていいぐらい。このあたりグローバルに活躍している方だな、と実感。それにしても料理人という方々は、とにかく料理のことばっかり考えていて、何の話を聞いても、最終的には料理に帰着する、とにかく料理が大好きという。ほんと素晴らしいです。なんだか一流のミュージシャンに通じるものがあったような気がします。

インタビューの内容は、ぜひこちらからご覧ください。充実のコンテンツでございます。

ヤマハ「おとなを、休む日」料理を楽しむ日はこちらから↓
http://www.holiday.yamaha.co.jp/concierge/cuisine/026/index.html


京都の桜は、ただものではない

2006年04月20日 21時23分43秒 | Photo&エッセイ
京都の桜は、ただものではなかった。
仕事後、真っ昼間だが先斗町を抜け、三条大橋へ。
先斗町の桜はほぼ散りつつあったが、まるで美しく老いた婦人のようだった。
三条大橋では、桜がやわらなか色と姿で枝垂れていた。これは、凄いね。日本人の美意識が育んだ形と色なのか、むしろ逆にこの桜に日本人の美意識が育まれたのか、いずれにしても生まれて初めて歌舞伎を見たときに「これは自分の遺伝子の中にある美だ!」と思ったが、この桜の姿にも同じ驚きと、遺伝子レベルの既視感を感じた。すごいなー。町中には八重桜と新芽の若い柔らかい緑がまざりあった、これまたえもいわれぬ美しい色彩があった。

京都の桜、これはただものでは、ない。

そういえば10代の最後の年は1年間京都に住んでいたのだったが、あまりに青春まっただ中、しかも事実上浪人まっただ中だったので、なんも覚えてません。ま、桜をこんなに愛でたのも、今年はじめてかな。43歳の春なのだー。













コーヒーの自家焙煎

2006年04月18日 23時33分23秒 | 一食入魂&つけ麺ジャンキーズ
いや、私ではなく、細君がコーヒーを愛飲しており、うちのコーヒーの消費量は凄い物がある。業務用に近いようなミルも設置されており、細君はコーヒーを豆で買って飲む毎に飲む分をガーっと挽いている。そしておそらく大嫌いと拝察する全ての家事よりもはっるかに真剣にコーヒーを入れる。悔しいことにそのコーヒーを飲みつけると普通の喫茶店のコーヒーは不味いと思うようになってしまう。

さて、これがエスカレートするとどーなるのか、諸氏、聞いて驚け。

なんと自家焙煎を始めたのである。どこでどう入手したかは恐ろしくて聞いていないが、珍妙な自家焙煎用の器具を買い、どこで仕入れるのかコーヒーの生豆を仕入れて、下の写真のようにこれをガスの上でガラリガラリと回しながら焙煎する。(業界では豆を焼くというらしい)そして炒りができあがってくると豆のはぜる音がする、その音を目安にして焙煎を終え、ざるに取り、あら熱を取って焼けた皮をふうふうと吹いて飛ばし(皮を挽いてしまうと雑味となるそうだ)、これをミルで挽き、ひとおもいにコーヒーを淹れる、とそれが旨い。しかも同じ豆でも毎回味が違う、それは当然で深炒りだったり浅炒りだったりするからね。それもまた変化があって佳いものである。

焙煎というのはやはり回数をこなすと上達するのだろうか、だんだんこのごろは淹れてもらうコーヒーが前より美味しくなってきたように思う。このグっと苦いのが、旨いコーヒーの味であり、なかんずく嗚呼結婚生活の味なのだろうか。






映画「ブロークバックマウンテン」を観た<★★★★☆>

2006年04月17日 10時10分25秒 | 映画レビュー
ブロークバック・マウンテン
[監]アン・リー 
[原]アニー・プルー 
[総][脚]ラリー・マクマートリー 
[出]ヒース・レジャー  ジェイク・ギレンホール  アン・ハサウェイ ミシェル・ウィリアムズ 
[制作データ] 2005米/ワイズポリシー
[上映時間] 134分・PG-12


「純愛は、いま、どこにあるのか」

アカデミー賞の作品賞は逃したものの、監督賞、脚本賞、オリジナル音楽賞の3賞をとったのが、この「ブロークバックマウンテン」。同性愛を扱った映画、しかもカウボーイ同士、ということでスキャンダラスな映画というイメージもあったけど、実際にはこれは掛け値なしの「純愛物語」というべきだろう。上質で美しく悲しい愛の物語だ。詳細はこれから観る方もいるので書けないが、ラストシーンでの静かな抑えられた悲しみの描写は痛切に胸に迫る。ちょっとどっきりするシーンもありましたが(あ、ぼくはヘテロっていうか、ストレートですが)とても良い映画でした。<★★★★☆>です。ちなみにゴールデングローブ賞主要4部門、ベネチア映画祭グランプリ(金獅子賞)など多くの賞を取っているそうですがまったくもって頷ける話です。

さて、この映画で思ったのは今、純愛はどこにあるのか、ということだ。もちろん世の中には純愛はいっぱいあるだろう。でも、あるところに美しい娘と素敵な青年がいて、結ばれて楽しく暮らしましたとさ、というのでは映画にならんわけで、ストーリーとしての純愛というものは、いつも障害に阻まれつつ、愛のためにいろいろする、だから美しくも悲しい、ということなんじゃないの? ロミオとジュリエットだよな。

ところが、当世、なかなか純愛のストーリーは描きにくい。(本文とは関係ないが携帯電話のお陰でずいぶん映画やドラマの脚本は苦しくなったそうだ。待ち合わせで逢えない、というのがリアリティを失ったからね)。そうなると、シチュエーションは同性愛とか、ちょっと昔の時代とか、そういう方向になってしまうのかも。そんな時代の表れの一つがこの美しい純愛物語「ブロークバックマウンテン」かもしれないな。

キャスティングされた男優二人はいずれも素晴らしい演技で、賞賛に値する。20年もの隠された愛を過剰になることなくしかし感情豊かに描いている。二人の奥さん役の女優さんも非常に良い演技だった。

しかし私が個人的にいちばん感動したのはアン・リー監督には申し訳ないが、映像やストーリーではなく、エンドロールで流れたウイリー・ネルソンの曲だった。「He Was A Friend Of Mine」という曲でした。これがもう信じがたいほどシンプルな歌詞とメロディだが、この映画のストーリーを観た後だとハートを鷲掴みにされる。そしてウイリーの声に参ります。さすがアメリカの歌う人間国宝(あとはレイチャールズとスティービーワンダーとBBキングでしょう)。もちろん劇中のアカデミー賞を取っただけアッテ、オリジナルの音楽も素晴らしい。スティール弦のギター(つまりフォークギターだが)がアメリカの山々の風景とこれほどマッチするとは。やっぱりフォークギターはアメリカで生まれたものなんだろうなー。

さて、以下のブロークバックマウンテンの公式ページでは、予告編などにくわえ
池谷が大推薦しているウイリー・ネルソンの「He Was A Friend Of Mine」も試聴できます。
でも映画観ないと、グッとくる感じはわかんないかもしんないなー。でもぜひに。


http://www.wisepolicy.com/brokebackmountain/


以下、webでの紹介文です。
--------------------------------------------------
ヒース・レジャー&ジェイク・ギレンホール主演で、'60年代に運命的な出会いを果たした2人の青年の20年に及ぶ愛の物語。「グリーン・デスティニー」のアン・リー監督による衝撃作。
牧場の季節労働者として一緒に働くことになった20歳のイニスとジャック。山でキャンプをしながら働く2人は友情を深め、自然な形で肉体関係を持つ。やがて、2人は別れるが、4年後、ジャックがイニスの元を訪ねてくる。



Brokeback Mountain Soundtrack Lyrics
Artist: Willie Nelson Lyrics
Song: He Was A Friend Of Mine Lyrics


He was a friend of mine
He was a friend of mine
Every time I think of him
I just can't keep from cryin'
'Cause he was a friend of mine

He died on the road
He died on the road
He just kept on moving
Never reaped what he could sow
And he was a friend of mine

I stole away and cried
I stole away and cried
'Cause I never had too much money
And I never been quite satisfied
And he was a friend of mine

He never done no wrong
He never done no wrong
A thousand miles from home
And he never harmed no one
And he was a friend of mine

He was a friend of mine
He was a friend of mine
Every time I hear his name Lord
I just can't keep from cryin'
'Cause he was a friend of mine.

おけいずしのお弁当を楽しみに

2006年04月16日 15時58分36秒 | 一食入魂&つけ麺ジャンキーズ
忙しいときは、なかなか昼食を摂りに行くのもままならないことがある、よね。そんなとき、コンビニ弁当を買うのは便利で良いんだが、やはり美味しくないのと、自分の食事を非常に安易に考えているんだなという自己嫌悪が起きる。ごくたまにですけど。ちょっと遠かったりしてでも、楽しみにしている弁当があると、実に救われるわけです。
僕の場合、会社の近くにおけいずし、というお寿司屋があり、これは夜なんか、たぶん高価でとてもいける場合じゃないんですが、昼ならいけるかな、と。でお弁当となると、実に気軽に食べられる。このマグロのヅケは700円、小振りないくら丼は500円。で、ヅケはさすが! いくら丼はアボカドがポイント。男性なら両方食べれば満腹です、というわけで、昼のお弁当、となればおけいすしと、最近は決めております。


The有頂天ホテルを観た<★★★☆☆>

2006年04月13日 07時00分18秒 | 映画レビュー
The有頂天ホテル

2005年/日本/上映時間 136分
出演 役所広司 、松たか子 、佐藤浩市 、香取慎吾 、篠原涼子/
監督 三谷幸喜
脚本 三谷幸喜
音楽 本間勇輔

三谷幸喜の映画はとても好きで特に「ラヂオの時間」ではエンドロールが流れたときに映画館で拍手したぐらいだ。あれは飯田橋の佳作座だっただろうか。またエンドタイトルの時に流れる布施明の歌がすばらしかったのだ。

その後、「みんなのいえ」「笑いの大学」と観てきた。どれも素晴らしかった。が、ラヂオの時間は超えてないようにも思えた。で、期待をしてみたのがこのThe有頂天ホテルだ。

多数のキャストが同じ場所や同じ時間を軸に複数に絡み合ったストーリーを紡ぐシナリオの形式を「グランドホテル形式」と言うようで、この映画はまさにグランドホテル形式を正当に踏襲している。映画中で「グランドホテル」の名前が出るくらいだ。近年観た映画でも「大停電の夜に」とか「ラブ・アクチュアリー」などがこの形式で成功しているように思う。

でこの種の映画はキャストが勝敗を決するわけだが、さすがに三谷幸喜でいいキャスティング。主役の役所広司は順当だが、唐沢寿明の使い方などまハチャメチャで面白い。篠原涼子はいいねー。いま旬だけど、旬ってことで終わってほしくないな。松たか子もいい演技をしてる。西田敏行は脇ながらさすがである、貫禄の芝居。戸田恵子も演技の幅の広さを感じさせる、がま、あんな人はいないね。

そしてこれらの役者たちのいいところをアンサンブルさせるわけだけど、これだけ大勢の役者が様々なストーリーを紡ぐとなると、実は難しいわけで、残念ながらこの映画も「訴えたいテーマ」というのは実はあまり見えてこなかった。たとえていえばジャズフェスの後夜祭で有名プレイヤーがジャムセッションで「ルート66」あたりのスタンダードを吹いている、という感じか。各自得意技は繰り出すけど全体としての音楽的な方向性は特になく、楽しい時間を過ごせればいいという感じ。

とはいえ上質な映画であることは疑いはない。ちょっと辛めだけど<★★★☆☆>。

いいわすれたけど唯一、ウラテーマともいうべきもはあり、それは「クリエイターとその卵への同志愛、励まし」というところだろうか、これは常に三谷作品には通底しているんだが。
この映画では(ここからネタバレだ! 気をつけろ!)
1) ドアマン役のスマップの慎吾ちゃんがミュージシャンを止めて田舎へ帰るのを止める。2)役所広司本人が劇団員であった過去を持つ。3)ジャズシンガーのYuは、困難を超えて自分の歌いたい歌をステージで歌う(勝手に)4)一流演歌歌手の西田敏行はリサイタルの前にはいつも自信喪失する、あたりか。

それにしても、篠原涼子のアタマのちょっと弱い娼婦役は素敵。かわいいこと。それがいちばんの見所かな。篠原涼子、もっと映画にでればいいのに。


さてWebでの公式解説は以下です。
--------------------------------------------------
脚本家・三谷幸喜の監督第3作は、大晦日のホテルを舞台にした群像コメディ。さまざまな事情を抱える男女23人が織り成す悲喜こもごもを描く。豪華俳優陣も話題に。
大晦日のホテルアバンティ。マジメな副支配人の新堂は、元妻の由美と再会して動揺。そんななか、汚職が発覚した国会議員・武藤田がホテルに逃げ込んで来る。彼の元愛人は、客室係のハナだった。


夜、桜を惜しむ

2006年04月12日 00時20分37秒 | Photo&エッセイ
なぜだか分からないが、今年は本当に桜の写真をたくさん撮っている。取り憑かれたようだ。今日の写真は散った桜を夜、10秒程度の長時間露光で撮影したもの。
これは三脚がないととれない写真だ。

漆黒の闇の中に立つ、花をほぼ落とした桜は凄まじい色香と枯れた諦念のようなものを醸し出している。背後には月が冴えている。

以前月光浴なんていう写真集が流行ったりしたが、夜の長時間露光という撮影手法は、現実の人間の視野を超えたものを写し出すので、非常に面白い。

人間の理解というのは人間の視野に深く依存しているわけで、所詮見えるようにしか世界は認識できないんだが、十秒とか数十秒を一つのビジュアルとしてみると、世界のテクスチャーは全く変わって見える。

目の構造が変わるだけで世界の様相は全く別物として立ちはだかってくるのだ。
つまり、我々の観ている世界とネコや犬が観ている世界、そして昆虫が観ている世界、鳥が観ている世界では、想像がつかないほど別のものに違いない。