ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

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ローランドカークに土下座して謝りたい

2022年03月19日 11時48分33秒 | Jazz Talk

ローランドカークに土下座して謝りたい

池谷恵司
 

https://m.media-amazon.com/images/I/51tLCyGaq2L._AC_.jpg

ローランド・カークは、盲目のサキソフォニスト。サックスとか笛をまとめて3本吹く人。そのくらいのイメージしかなかった。
まともに聴くことなく、ゲテモノ扱いしていた、と告白しておく。
(ライブハウスなどでサックスを2本吹く芸、というのを数回目撃していたことの悪影響もあった。)

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ところが、大友良英さんのジャズ・トゥナイトのローランド・カークの特集を聴いて、もう、まったくもって恐れ入ったのだった
初期のチャーリー・パーカー的なフレーズの素晴らしさ、バラードの歌いかたの素晴らしさ、その後のコルトレーン的な世界も素晴らしい。溢れ出る涙は、驚くほど。

管楽器奏者にとって、一人で和声(複音)を出すというのは、決して叶わぬ夢なんだが、それを真摯に追求して、その結果3本のホーンを一人で吹くという域に達したローランド・カークには本当に恐れ入る。複音のフレーズは一人の人間が吹いているわけだからタイミングはバッチリ。しかもどういうことか、別のメロが吹けたりもしていて、技術的な難易度の難しさは想像できないほどだ。
でもそれは本質ではなく、そこで描かれている音楽が、信じられないほど美しく、優しく、セクシーなのだった。溢れ出る涙、という曲のソロなんて、信じられないほど美しい。

これから、じっくりと聴いていける幸せを感じつつ、とりあえず今までの自分自身の至らなさ、聴きもしないで勝手にイメージだけで決めつける浅薄さを詰りたい。そしてローランド・カーク先生に土下座したい。

 


演奏から距離を置いて分かったこと 3

2019年10月20日 10時44分31秒 | Jazz Talk

 

演奏から距離を置くとわかること。

上手に演奏できることの価値が相対的に落ちていく。

「その楽器が演奏できるから、難しさがわかる」というようなことは

音楽を聴く人にとってはほとんど意味もないことがわかる。

 

ごく控えめに言えば、演奏者が大変そう、苦しそう、難しそうにやっているから

むずかしいのだろう、でも音がデカイ、音が速い、よくわからないフレーズだから

本当に凄いのだろう、と思えることぐらいか。

 

本当に大切なことは、聴いている人が気持ちよく、素敵な気持ちになれる音楽を提供することであって、

個々の演奏者がどんなに苦労しているか/苦労していないか、は関係ないのだった。

 

いちリスナーとして言えば、ピアノのゆっくりとした単音の繰り返しだけで

十分すぎるほど気持ちが良い時だってある。

 


アポロワークショップセッションでサックスの達人津上研太さんに教わったこと。

2018年06月20日 15時07分35秒 | Jazz Talk

下北沢の素敵なジャズハウス、アポロは、素晴らしいライブをやっているだけではなく

セッションも定期的に行われている。

最近あまりセッションに出かけていないが、先日津上研太さんが参加して、

しかもセッションで演奏した後にダメ出しをしてくれるという

ワークショップセッションがあったので遊びにいってきました。

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下北沢「アポロ」 ワークショップ・ジャムセッション 津上研太(sax)岩崎壮平(pf)金澤力哉(bass)出射利幸(ds) start 14:00〜

※一曲ごとにディスカッションを行います。
セッションについて(曲全体、奏法、合図の出し方、バースの回し方、リズムの感じ方 etc…)、第一線で活躍されている津上研太さんはじめ、ホストメンバーのコメントやレクチャーは非常に実戦向きで役立ちます!

下北沢アポロ
https://ameblo.jp/430416apollo


というやつでした。

 

そこで、アポロワークショップセッションで津上研太さんに教わったことを

忘れないうちにメモしておきます。

・ソロになると急にジャストになるが、できるだけリズムのポイントを後ろに置いた方がお客様は気持ちがいい。
モーターボートがリズム隊で、それに牽引される水上スキーのイメージ。


・デクスター・ゴードン。コルトレーンも遅い。キャノンボールは早い。

・曲が始まる前に余計な音は出さない.テーマの練習とかしない。

・大きな音は要らない。バランスを考える。

・アイディアは大事。でもたくさんはいらない。平坦な平原の美しさを目指す。

・曲を始まるのは簡単(カウントすればいい)終わるのが難しい。アイコンタクト、ジェスチャー。

・テーマは作曲者に敬意をもって、丁寧に吹く。

・できない曲は吹かない。セッションでも知らない曲を断る勇気。

・音色が良ければ85点はとれていて、合格。

・「こんなもんでいいか」という演奏を減らし、丁寧に意識を持って演奏する。

・ソロの音が多すぎる。

・バラードなどでリズムはできるだけ細かくとる。

・バラードでブラシでリズムをキープするという決まりはない。
美味しいところだけ、風景を作ればいい。


・コンピングはフロントを「プッシュ」する。

・アーティキュレーションが大事。発声でスイングさせてグルーブさせるべし。

・ソロは、フレーズ(だけ)ではなく、タイミングと発声をコピーする。


何も言わないことにした。

2017年09月03日 23時34分43秒 | Jazz Talk

ことの内容についてよりも、
それについて語ること自体が、
ネットの「炎上」
マスコミの「バッシング」に
荷担している気がしてきた。

音楽のこと、ジャズのことだし、
まったく偶然ながら、事前にこの企画のことも知っていたし、
この件もマスコミに出る前の第一報から聞いていたので
本音としては真面目に議論したい気がするが、
それすら今は「騒ぎを大きくする」ことに荷担してしまうので
しばらく何も言わないことにした。

人の噂も七十五日。
どうせ忘れやすいのが世間でありネット界隈だ。
やつらが「なんだっけ」と思うようになった頃
ちゃんと落ちついて話をしようぜ。