ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
私的メールマガジン「ほぼ週刊イケヤ新聞」のブログ版です。

ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その116

2012年12月19日 09時06分55秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】

 

ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その116

私の知り合いであるミスター・ピーノさんは
海外滞在が長く、

外国語にもご堪能な方ですが、一週間程度で
物凄い量のものを、見る、読む、聴く。
私も見習いたいと思っております。 


ピーノさんからいただいているメールマガジンを
ご本人の承諾を得てこのブログに転載しているものであります。

読者の皆様、感想等ございましたら
私が責任を持ってお伝えしますので
ぜひコメント欄にお願いします。

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年末恒例の、I さん主催の「大忘年会」に参加(女8、男15)。別名「グルメ
の夜」と言われるだけあり、皆持ち寄りで、自家製豚肉の燻製、朝霧高原の
虹鱒の卵を切り身で巻いて食べ、森町産の生の猪肉を塩・胡椒で鉄板焼き、
とろとろのモツ煮、さまざまなチーズの盛り合わせなどに、日本酒・赤ワイン・
生ビール・焼酎。 この日のハイライトは、アニバーサリー代表S氏とパテシエ
の息子さんが持参した、直径15cm×長さ70cmくらい、木の棒に付いたまま
のバウムクーヘンを1本まるごと持参。美味しく楽しい4時間。 I さんに深謝!

16日(日)の選挙日は不在となるため、日曜に不在者投票をしてきました。
自宅宛に送られてきたハガキの一部の紙片を持参して、当日の不在理由と
住所・氏名を1枚の紙に記入して、待つこと数分。 免許証等の提示を求めら
れることなく、「衆院選候補者」 「支持政党」 「最高裁判所裁判官 国民審査」
の順に書き込み数分で終了。 「最高裁判所裁判官」は、10数名のなかから
不適格だと思う人に「×」を付ける方法ですが、投票する側に何も情報がなく、
今まで罷免された裁判官は一人もいない事実に行う必要があるのかどうか。

昔、ハンザ同盟の中心地だった「リューベック」には一度だけ行ったことが
あります。 高2の夏ユーレルパスを使い、ハンブルクからの日帰りで数時間、
旧市街のホルステン門周辺と運河沿いの道を歩きました。 訪問理由は単に
「トーマス・マン」が生まれ育った場所を一目見ておこうと思ったからなんです。
T・マンは一般的にはヴィスコンティの映画『ヴェニスに死す』の原作者として
知られていますが、ある時期、『トニオ・クレーゲル(トーニオ・クレーガー)』と
いう小説が大好きで、主人公が故郷に戻る場面もあり完全に好奇心でした。
http://www.currylife.net/tonio0.html

高1の冬に家が火事になりそうになったことがありました。 大学生の兄と
二人暮らしで、その日は一人で夕食に天ぷらを揚げようとしていたところに、
同じ中学出身で高1でも同じクラスになったSさんが、ぼくがサボった授業の
ノートを自宅まで届けに来てくれたんですね。彼女と玄関で少し話し込んで、
後ろが「やけに明るいなあ~」と振り返ると、ガス台に置かれた中華鍋から、
炎があがっていました。 あわてて和室から座布団をとり炎があがる鍋の上
にかぶせて火を消しました。 揚げ物の調理は油の温度に要注意です(笑)

【落語】

■柳家三三(さんざ)ひとり会(クリエート浜松、12/12/04 ★★★★☆)
“ひとり会”なのに、なぜ弟子の小かじが前座噺として「道灌」を演じたのか、
の裏事情(当日午後、稚内からの移動がギリギリで“保険”として)がまくら。
柳家小三治師匠の直系の弟子といわれ古典落語を得意とする三三ですが、
この日は床屋談義から夢の逢瀬になる「浮世床」、中入り後に「ひなつぼ」と
「二番煎じ」の計三席。火の用心の見回りをした後、旦那衆が酒盛りを始め
てそこに同心が現れる「二番煎じ」が絶品。三三の飲み食べる仕草が可笑
しく、30代後半(38歳)の噺家では安定して、これからさらに上手くなります。
http://www.yanagiya-sanza.com/

【映画】

■ウーマン・イン・ブラック亡霊の館<原題 The Woman in Black>(★★★)
妻を亡くし4歳の男の子と暮らす若手弁護士(ダニエル・ラドクリフ)が遺産
整理のために遺言書探しを命じられ、滞在した村で起きるさまざまな事件。
効果音やカラスなどでドキッとさせる昔ながらの“お化け屋敷”的怖いもの
見たさの演出です。 解雇予告を受け最後の仕事になるかもしれない状況
で、怪奇現象の謎の究明に一生懸命になっていく主人公にどれだけ共感
できるかで評価が分かれます。19世紀末の英国を舞台にしたホラー映画
ですが、“ハリー・ポッター”のイメージが強いD・ラドクリフはこれからです。
http://news.walkerplus.com/2012/0820/11/

■ガラスの親指 (★★★☆)
道尾秀介の小説を映画化。 コンビの詐欺師(阿部寛・村上ショージ)の家
に2人の姉妹と姉の彼氏が転がり込み共同生活を開始。闇金融の下働き
として働かされたタケ(阿部)と新米テツ(村上)とのやり取りが微笑ましく、
姉妹(石原さとみ・能年玲奈)の関係も風変わりでちょっと変。闇金業者の
資金を横取りする計画はズサンで、あり得ない設定のままハッピーエンド
と思っていたら、最後に意外などんでん返しがありました。この結末もよく
考えると「コジツケ」のような理屈ですが、見終わったあとはスッキリ爽快。
公式HP(音声注意) ⇒ http://movies.foxjapan.com/crow/index.html

【Book】

■広瀬隆 「原発ゼロ社会へ!新エネルギー論」(集英社新書、12/11/21
★★★★) 「原発がなければ電力不足が起きる」は大嘘だという事実を
知らせるための書。「3.11」以後、急速に広がった大企業による自家発電
施設の設置と、関西電力による「電力不足演出」(火力発電所運転停止)
を指摘し、大飯原発なしで電力が24%余っており、新聞とテレビが報じた
電力会社の「本日の電気使用率」は虚言で、電力ピーク期間はお盆前の
4日間だけだったことを主張。 風力や太陽光など自然エネルギーで原発
を代替することは不可能であり、ガスによって電力をまかなうことを提案。
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-720666-1&mode=1

■津村記久子 「ミュージック・ブレス・ユー!!」(角川文庫、11/06/25 ★★★☆)
冒頭の貸しスタジオでのバンド解散から、てっきりベースギターを抱えて、
バンド活動一直線!と思いきや、パンクロックをヘッドホンで聴くこと以外、
特に大きな事件も起きず、高校3年生のアザミの日常生活を淡々と描写。
夏休みには苦手な数学の補講授業を受け、指定校推薦であたふたする
友だちのチユキと行動を共にしながら、同じ矯正歯科に通うモチヅキとの
笑えない会話と文化祭におけるある出来事。 ここまで進路指導をする?
高校教師とは裏腹に、妙に冷めた主人公の気持ちが「青春」なんですね。
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=201009000052

【オマケ、今週の気になった言葉】

若い頃はいろんなことを知っているつもりでいたけれど、年をとるにつれ、
世界のほんの一端しか知らないことにきづかされる。これは年齢を重ねる
ことの喜びのひとつだと思える。
(by 福岡伸一 「パラレルターン パラドクス」週刊文春12/6号より)

イタリアのルネサンスが、14世紀に突然開花したわけではなく、12世紀
に先進的なアラビアから文化・学問が“遅れていたヨーロッパ”に伝えら
れたことは、『十二世紀ルネサンス』(伊東俊太郎、講談社学術文庫)を
読むと分かりますが、クラシック音楽に関しても、J・S・バッハ以前はどう
だったのか、福岡ハカセがルクセンブルク大使公邸に招かれた際の話。

現代ピアニストのホープであるフランチェスコ・トリスターノが大使公邸で、
ヤマハのCFXを弾いて演奏会を行い、1705年晩秋バッハが400km歩き、
リューベックをめざしたときの話を披露。 目的は、プロイセンの音楽家で
オルガニストの「ディートリヒ・ブクステフーデ Dieterich Buxtehude」から
作曲法・演奏法・即興法を学ぶため。バッハにとり過去の音楽の歴史を
たどる旅であり、未来へ続く新しい道を見いだす旅となり、ゴルトベルク
変奏曲は、ブクステフーデへのオマージュでもあった、とのこと。 バッハ
も「イタリア・ルネサンス」のように、突然開花したわけではなく、徹底的
に学んだ20歳の一時期があったという壮大な話に思わず感動しました。
http://store.universal-music.co.jp/fs/artist/uccg1600

では。


ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その115

2012年12月06日 17時13分07秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】


ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その114

私の知り合いであるミスター・ピーノさんは
海外滞在が長く、

外国語にもご堪能な方ですが、一週間程度で
物凄い量のものを、見る、読む、聴く。
私も見習いたいと思っております。 


ピーノさんからいただいているメールマガジンを
ご本人の承諾を得てこのブログに転載しているものであります。

読者の皆様、感想等ございましたら
私が責任を持ってお伝えしますので
ぜひコメント欄にお願いします。

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先週末、新聞各紙で現在の政治状況を取り巻く総括として「決められない
政治」と「ねじれ国会」の問題点を指摘してました。 野田政権の決算=借金
(ツケ)として、民主党政権は決められない政府であったと。気になったのは、
「決められない政治」(受動態)の省略された主体のほう。 つまり「前選挙で
選んだのは国民」だからです。55年体制の自民党政権に飽き飽きしたので、
民主党にチャンスを与えたのは国民の総意だったはずで、「ねじれ国会」を
生んだのはほかならぬ日本人有権者一人ひとりが投票したことなんですね。

本やCDが「100万冊(枚)売れた」というニュースは、最近ほとんど聞かれ
ません。「100万」という数字はスゴイことですが、1.2億人の人口で考えると
1%未満の数字で、裏を返すと99%以上のひとが、読んでも聞いてもいない
わけでその点をとかく忘れがちです。 映画も約8千万人(総人口3分の2)は、
映画館で一度も観ないか観れる環境にない(映画館がない)とのこと。文学
や音楽や映画の話をするひとは、実はマイノリティ(少数派)で、そんな状況
だからこそ、本や音楽や映画の話ができるひとは、とっても貴重な存在です。

忘年会を兼ねた、2ヶ月ぶりの「イタリア会」(男3)。 イタリア・レストランで
いつものトスカーナ産の赤ワインを飲みながらの会食。 衆院選の第三極の
話から、地元の財界裏事情、北海道旅行から「Kindle」入手まで、さまざまな
テーマが語られ、先日結婚したA記者と旦那さんは干支で一回り違うらしい
という年齢差婚情報から、それは「上」なのか「下」なのかという議論に(笑)
大阪のTさんが書いた力作エッセイをご本人了解のもと、Uさんにお渡しして、
道後温泉の「今治タオル・ショップ」で購入したタオルを、お二人にプレゼント。
http://www.i-ori.jp/shop.html

今までも、多分これからも「ギャンブル」とは縁のない生活で、競馬・競輪・
競艇・オートレース・パチンコ・スロットに麻雀・花札と、やったことがあるモノ
でも数回、全く経験がなく賭け方すらわからないものがあります。 つい最近、
「パチンコをやって3時間で6万円スッタ」という話を聞き、「あ、こういう人たち
がいるからパチンコ業界が成り立ってるんだ」と思った次第。たまに宝くじを
買いますが、これは「賭け事」というより、当たらなくて当たり前と思っていて、
限られた運を宝くじで使いたくない気持ちもあって、ハズれてホッとする面も。

今日はOの誕生日で、彼も荻窪の「S」(ジャズ喫茶)の常連。 高校では、
同じクラスになったことはないのに、大学時代、土曜の夜にJR荻窪駅西口
にあるトーアボウルに集まり、ラーメンを賭けて、ボーリングをやってました。
西荻の新居にお邪魔したのは10年前くらい?誕生日おめでとうございます。

【落語】

■第四回 立川談笑独演会(クリエート浜松、12/11/30 ★★★★)
冒頭、混迷する衆院選の自民・民主・第三極に触れ「民主党も駄目で自民
党にも期待が持てない状況下で、どうせ試すんなら、みんなで一回共産党
に投票してみたら」と笑いながら提案する談笑。駄じゃれの連発とも言える
「山号寺号」と「紙入れ」(気付かぬは亭主のみ)をつなげて語り、中入り後、
左官の長兵衛のバカ正直ぶりを描いた「文七元結」の人情噺、計2時間半。
まくらの中で、立川一門が師匠(談志)の一周忌で集まったときの話をして、
未だに亡くなったことに実感がもてないと語る談笑の本音が印象的でした。
http://danshou.jp/

【演劇】

■トップドッグ/アンダードッグ (シアタートラム、12/12/01 ★★★★☆)
作:スーザン・ロリ・パークス、翻訳・演出:小川絵梨子。勝者と敗者を意味
する原題で、両親から捨てられた2人が成長しながら支え合う兄弟の物語。
昔は路上のトランプ・ゲームで日銭を稼ぎ、現在は、遊園地でリンカーンの
格好をして子どもたちの相手をする兄(千葉哲也)と、彼女との関係を心配
しながら失業中の弟(堤真一)の二人芝居。弟が暮らす部屋が舞台となり、
転がり込むような形で同居する兄。互いに血のつながり(絆)を求めながら、
母親の思い出を語り合った末に起きる、衝撃的で悲劇的ラストは強烈です。
http://www.siscompany.com/topdog/

【映画】

■007 スカイフォール <原題 SKYFALL>(★★★☆)
50周年記念作品となるジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)シリーズの
新作。最初のトルコにおけるオートバイの追跡と列車上の格闘シーンから、
007らしいテンポの早い展開になります。ロンドンを舞台にサイバー攻撃で
MI6本部のPC内にハッキングして情報のかく乱を行い、本部を爆破したり、
徐々にボンドの直属上司 M(ジュディ・デンチ)に対して、個人的な復讐が
明らかになります。昔のシリーズで活躍した、懐かしいアストンマーチンが
姿をみせオールドファンへのサービスもあり、豊富な予算による娯楽大作。
公式HP ⇒ http://www.skyfall.jp/

■ロックアウト <原題 LOCKOUT>(★★★)
リュック・ベッソン製作の宇宙版ダイ・ハード。CIA捜査官(G・ピアース)が、
宇宙ステーション内の刑務所で暴動が発生して、たまたま視察に訪れて
いた大統領の娘をいかに救出するかという物語。 主人公の減らず口とも
思えるセリフが、危機的状況になればなるほど冴えわたり、人質となりな
がらも人道主義にこだわる彼女(マギー・グレイス)も段々と影響を受けて
くるところが面白く、2079年という設定が不明なのと脱出してからの着陸
地点(米国大都市のフリーウェイ上)は絶対あり得ないでしょ、という結末。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=343417

【Book】

■五木寛之 「選ぶ力」(文春新書、12/11/20 ★★★)
最初に「ナニナニの力」という表現に、正直うんざりしていると言いながら、
敢えてこの題名をつけた満80歳になる著者。人生とは「選ぶ」ことの連続
であり自主的に選ぶことができなくなったとき、すでに生きる意味を失う。
明日が見えない不確定の時代に頼りになるものは何か。 最近の異常な
健康ブームは、そんな時代を反映したものと捉え、富める者も貧しき者も
健康が共通の価値=テーマになっていると指摘。 人生の幕をどう引くか、
「良き逝き方」を真剣に考えなければいけない選択の場にいるという認識。
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166608867

選ぶ力 (文春新書 886)
五木 寛之
文藝春秋


■立川談志 「最後の独演会」(新潮社、12/11/20 ★★★☆)
談志が亡くなる1年5ヶ月前に、ビートたけしが爆笑問題の太田光を誘い、
一緒に談志の話を聞きに行った際の記録で、そのとき現場で録音された
CD付き。 「皇居に米軍基地を作ったらいい」、「普天間なんかの田舎より、
銀座で遊べるから米兵にも評判いいだろうし、東京を守ってくれるから心
強い」など、毒舌と下ネタ満載で、放送禁止・差別用語を連発しています。
沖縄開発庁の政務次官時代の記者会見や映画「アウトレイジ」、「笑点」
の裏話、小さん師匠との関係など、談志のかすれた肉声は貴重な記録。
http://www.shinchosha.co.jp/book/306942/

最後の大独演会
立川 談志,太田 光,ビートたけし
新潮社


【オマケ、今週の気になった言葉】

「ナチュラル・エイジング」と同じように、私たちもいま一度、「ナチュラル・
エンディング」について思いをいたしてみる必要がありはしないか。
(by 五木寛之、上掲「選ぶ力」 P224より)

現在わが国には、百歳以上の長寿者が5万人近くいて、約80%が「寝た
きり」の状態におかれているという事実。5人に4人が「長生き=寝たきり」
である現実を考えると、「長寿」はあくまでもそのひとの生きてきた結果で
あり、本来「長生き」が人生の目標や目的にはなり得ず、ひとは百人百様
であることを忘れています。 ジョギング中に亡くなるひともいれば、タバコ
を吸い続けて元気な高齢のひともいます。 食事制限やダイエットによって
体力低下を招くケースもあり、何が体によくて何が悪いのか。 自分なりの
覚悟の上、判断するしかありません。 これほど健康に関心が集まり食材
にまで気を配るのは、それだけ自分が恵まれた環境にいるということです。
12月2日(日)毎日新聞 S(ストーリー)で、新宿歌舞伎町に長期滞在する
「ネット難民」の若い女性に対する取材が載っていましたが衝撃的でした。
現代の「タコ部屋」というか、ネットカフェから外に出ない人間がいることが。

では。


ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】114

2012年11月25日 00時49分07秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】

ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その114

私の知り合いであるミスター・ピーノさんは
海外滞在が長く、

外国語にもご堪能な方ですが、一週間程度で
物凄い量のものを、見る、読む、聴く。
私も見習いたいと思っております。 


ピーノさんからいただいているメールマガジンを
ご本人の承諾を得てこのブログに転載しているものであります。

読者の皆様、感想等ございましたら
私が責任を持ってお伝えしますので
ぜひコメント欄にお願いします。−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 
7月に大阪に転勤されたTさんから、A4用紙41枚に書かれたエッセイが
届きました。 2006年1月から翌年1月の間に書かれた文章を印刷したもの
で1ページにひとつのテーマ。大阪のビッグバンドに所属するトランペッター
だけあり、ジャズプレイヤーの演奏、ジャズ喫茶、オーディオ機器、レコード
とCD、アナログとデジタル他ジャズに対する熱い想いが詰まった内容です。
全国のジャズ喫茶のレポートが面白く、オーディオ機器から客層分析まで、
彼が理想とするお店を分析し、【ジャズこそすべて】の意気ごみがたっぷり。

中1の秋、ポール・モーリアの『恋は水色』がきっかけとなり、フランシス・
レイやバート・バカラックなど映画主題歌やポップス・ロックを、オーケストラ
アレンジで聞かせる「イージーリスニング」にハマッタことがあります。 その
字のごとく「聞きやすくて心地よい音楽」だったわけですが、おそらくその年
の夏に行った大阪万博の影響を受け、目の前に急に世界が開けた感じが
して、FEN(米軍極東放送)やラジオの深夜放送を聴き始め、行き着く先は
ビートルズやサウンドトラックの「オリジナル」に入り込んでいったんですね。
(音声注意)⇒ http://www.youtube.com/watch?v=QnsqBCSBW88

父親が伊勢丹勤務だった同級生のSクンも、同じような音楽を聞くことが
わかり、彼の家に行ったところ典型的な「飛行機オタク」(笑)で、ゼロ戦や
メッサーシュミットのプラモデルが飾られ、「航空ファン」が本棚にズラーッと
並び、「将来はパイロット」と言ってました。 彼とは同じ高校に進学。なんと、
ボート部に入部して体を鍛え、中野の専門予備校にも通い、卒業後は国が
設立した唯一のパイロット養成機関である宮崎航空大学校に進み、そして
本当に航空会社のパイロットになってしまった有言実行そのまんまのひと。

ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)という名のカナダ出身のミュージシャンがいて現在難病にかかり音楽業界から引退してます。

1968年にデビュー、 「サークル・ゲーム」や「青春の光と影:Both sides, now」などの名曲を作り、 ジャズ・ミュージシャンとの共演を重ねて、
故チャーリー・ミンガスに捧げた
アルバムまで作った才気ある女性。
そんな彼女の初期の10枚がCD Box
(紙ジャケ)で売り出されましたが
amazon Japanで2,637円。1枚:264円。

紙ジャケの歌詞は拡大鏡でもないと読めませんが貴重な楽曲の軌跡です。
http://debdylan0605.blog.so-net.ne.jp/2012-10-29

【演劇】

■イキウメ 「The Library of Life まとめ*図書館的人生(上)」(東京芸術
劇場、12/11/17 ★★★★) 今年結成10年を迎えた前川知大(作・演出)
が主宰する劇団の新作は、旧作と蔵出し6つの物語から組み立てた舞台。
舞台上に設置された巨大な可動式書庫をうまく使い、投身自殺を図ろうと
する女を引き止める二人の男たち(ゴッド・セーブ・ザ・クイーン)、賽(サイ)
の河原で黒いダンボール箱を積み上げては鬼に崩される死者たちの不毛
な繰り返し作業を行う(賽の河原で踊りまくる「亡霊」)など。 悲劇と喜劇が
表裏一体となった場面が可笑しく、不条理とSFを加味して2で割った内容。
http://www.ikiume.jp/sakuhin.html

■「4 four」(シアタートラム、12/11/17 ★★★★☆)
作:川村毅、演出:白井晃。「裁判員」「法務大臣」「刑務官」「未決囚」の役
を、4人の俳優(高橋一生、田山涼成、須賀貴匡、池田鉄洋)がくじ引きで
決めるところから開始。タイトルは「四=死」を意味して、無差別殺人を起こ
して死刑判決を受けた未決囚が、実際に絞首刑に処せられるまでを描き、
座席は取り払われ、平らな床の中央3m四方の狭い舞台で行われる処刑
(絞首刑)は命綱があるとはいえ、なかなかリアルな場面でした。 犯人の
父親(野間口徹)が語るラストが印象的で、皆セリフを全て暗記でしょうか。
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2012/11/4_four_1.html

【映画】

■クロスファイアー・ハリケーン<原題 crossfire hurricane>(★★★★)
今年デビュー50周年となるローリング・ストンーズの1週間限定劇場映画。
1960年代の白黒映像を中心に、1972年ニューヨーク、マジソン・スクエア・
ガーデンにおけるコンサート映像がハイライト。 労働者階級出身の“善玉”
=ビートルズに対向してグラマースクールを卒業した彼らがとった戦略は、
常に“Bad guys”=悪玉を演じること。 ホテルでのばか騒ぎ、麻薬所持に
よる逮捕と裁判、そんな自由奔放な姿を演じ続けた'60~'70年代の記録。
オリジナルメンバー5人のうち4人がまだ生きていること自体がスゴイこと。
http://www.fujipacific.co.jp/rollingstones50/

■任侠ヘルパー (★★★★)
テレビドラマの映画化で、草剛(SMAP)の代表作になり得る作品です。
地方の港町で暴力団が経営する老人介護施設の運営を任されたヤクザ
(草)の話。高利貸し(闇金)をしたり、自己破産した身寄りがない高齢
者たちから毎月支給される生活保護費をだまし取ったり、あくどいやり方
で金集めを行っていたものの、施設の厳しい現実から方針を転換。 改築
と運営方法を巡り組と対立。 市議会議員(香川照之)と彼の高校時代の
同級生(安田成美)を巻き込み大騒動になり、思わずホロリとくる場面も。
公式HP ⇒ http://www.ninkyo-helper-movie.jp

【Book】

■布施英利 「構図がわかれば絵画がわかる」(光文社新書、12/10/20
★★★★☆) 絵画は「何が」描かれたかと同じくらい「いかに」描かれたか、
その構図が重要であり絵画の美の秘密がそこに隠されていることを説明。
垂直線は「重力」を、水平線は「安定」を表し、ダ・ヴィンチとピカソの絵から
「対角線」(Xの構図)を、ムンクの『叫び』から「逆三角形」(不安定)を示し、
古代インド美術からの「円」、二次元と三次元の絵画、フェルメールの「光」、
基本三原色と補色の関係、人体と仏像/釈迦の肖像まで。 豊富なカラー
の図版が掲載されており、「絵画の構図は宇宙につながっていく」が結論。
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334037123

構図がわかれば絵画がわかる (光文社新書)
布施 英利
光文社


■川村元気 「世界から猫が消えたなら」(マガジン・ハウス、12/10/25
★★★☆) 「脳腫瘍、ステージ4」余命は長くて半年の診断を受けた30歳
の郵便配達の仕事をする主人公。突然、現れたもう一人の「自分=悪魔」
からの申し入れで、1日の余命を得る代わりにこの世からひとつだけ消え
ていくモノが条件となる1週間の記録。 「何かを得るためには何かを失う」
がテーマです。 チャップリンの『ライムライト』やフェリーニの『道』の粗筋が
語られ、7年前に別れた彼女と再会したり、4年前に亡くなった母親と過ご
した日々を思い出し、“かけがえのないもの”が何だったかを振り返るとき。
http://magazineworld.jp/books/all/?gosu=2502

世界から猫が消えたなら
川村 元気
マガジンハウス


【オマケ、今週の気になった言葉】

「しゃーないやんけ」という言葉の裏に「何とかなるんちゃうか」という希望
もある。 (by 横尾忠則、2012年5月29日の日記より)

先日亡くなった森光子が京都生まれの関西人で、同じ年に生まれたミヤコ
蝶々(1920-2000)が日本橋生まれ。そして今月3日、神戸市に「横尾忠則
現代美術館」がオープンした横尾忠則は兵庫県西脇市出身であるとのこと。
つまり、世間一般的には、「出身地」よりも、どこで育ち、どこでメインの仕事
をしたかがその人のイメージを決定づけているんですよね。 もともと東京人
と言っても、下町を除けば、2代か3代さかのぼればほとんど地方出身者で、
太平洋戦争が終了してまだ70年も経っていないわけで当然といえば当然。
「仕方がない」が「しょうがない」になって、大阪では「しゃあない」+「やん」+
(「か」+「い」)=「け」になるという、二重にも三重にも言葉を変化させた上で、
最初の「どうしようもない100%の否定状態」から、ほんの少しの明るい光を
見出す方向にもっていこうとする大阪人の言葉遣い。ウン言葉って面白い。
http://www.ytmoca.jp/

では。


ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】113

2012年11月11日 09時32分05秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】


 

ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その113

 


 

私の知り合いであるミスター・ピーノさんは
海外滞在が長く、

外国語にもご堪能な方ですが、一週間程度で
物凄い量のものを、見る、読む、聴く。
私も見習いたいと思っております。 


ピーノさんからいただいているメールマガジンを
ご本人の承諾を得てこのブログに転載しているものであります。

読者の皆様、感想等ございましたら
私が責任を持ってお伝えしますので
ぜひコメント欄にお願いします。

 

 

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今の季節は午前4時過ぎにジョギングをしていると、ちょうど冬の星座が
南の空にバッチリ見ることができます。オリオン座の三ッ星を左にたどると
明るい「シリウス」が見え、そこから左上のこいぬ座の「プロキオン」に行き、
右に進んでオリオン座の「ベテルギウス」を結ぶと、“冬の大三角形”です。
中学時代、夏は自宅から徒歩数分のプラネタリウムに通い、冬は10cmの
反射望遠鏡を抱え近くの空き地まで歩き、『天文ガイド』を購読してました。
土星の輪や月面を見るだけで幸せな気持ちになれたときがあったんです。
http://www.astromuseum.jp/sky/sky_ind_w.html

先日東京駅に行った際、『赤レンガ駅舎』の保存・復元工事が終了して、
地方から出てきた高齢者のひとたちが、新丸ビル前や中央郵便局前から
駅舎の全景を撮ったり、駅舎内の南ドームの天井レリーフ(浮き彫り細工)
を撮影したり、平日にもかかわらず観光客でにぎわっていました。 東京駅
で買う弁当はこのところ決まっていて『スペイン産ベジョータイベリコ豚重』。
これは、どんぐり(ベジョータ)を食べて育った、生ハムで有名なイベリコ豚
の肉を使った高カロリー弁当(1152kcal)で一度食べるとクセになる味(笑)
http://www.kanemi-foods.co.jp/eashion/menu/detail/18

高2の夏休み、初めて一人で欧州旅行をしたとき、「プリーツ(Preetz)」
というハンブルクとキール(Kiel)の間にある鈍行列車しか止まらない町に
一泊したことがあります。モスクワ発の2泊3日の夜行で到着したウィーン
の郊外にあるユースホステルで知り合ったドイツ人から、もし日本に帰国
する前にハンブルクに来るなら寄りなよと言われて、実際に行ってみると、
彼は牧師さんの息子で住居は教会の隣でした。 お互い片言の英会話で、
よく意思が通じ合えたな、と今なら思いますが、当時は必死だったのかも。

【コンサート】

■ヤマハ ジャズ フェスティバル(12/11/04、アクトシティ浜松大ホール)
今回の国内ツアーを最後に、プロ演奏家としての活動から引退することを
表明している大西順子のトリオが第1部で、代表曲の「ユーロジア」を演奏。
第2部は小林圭の軽めのジャズ・ヴォーカル+4(伴奏)で「枯葉」や「Shall
we dance?」。トリは、ヴァイオリンのクリスチャン・ハウズをゲストに迎えて
16人編成の高速ビッグバンド『BATTLE JAZZ BIG BAND』による「Jump」、
「Open the door」など。 30歳前後のメンバーが中心となり、アンサンブル
もソロも演奏に勢いがあり若さ一杯の全力投球で投げぬいた感じでした。
http://www.junkoonishi-art.com/message.html

【演劇】

■るつぼ <原題 The Crucible>(新国立劇場、12/11/03 ★★★★)
アーサー・ミラーの戯曲を宮田慶子が演出。 2部構成で、4時間弱の舞台。
17世紀末にピューリタンの信仰が厚いマサチューセッツ州の村で起こった
魔女裁判がテーマ。 無実の人々を魔女として告発する女性(鈴木杏)が、
徐々に“聖女化”され、過去に彼女と関係してしまった農夫(池内博之)は、
魔女の嫌疑をかけられた妻の潔白を証明するため、判事に自身の不義を
告白したところ逆に彼女から魔女として訴えられ、立場が二転三転します。
真実の訴えが群集心理(思い込み)により無力化する恐怖の世界でした。
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000618_play.html

【映画】

■リンカーン 秘密の書 <原題 ABRAHAM LINCOLN:Vampire Hunter>
(★★★☆) 第16代米国大統領となるリンカーンとヴァンパイア(吸血鬼)
たちとの戦いを描いたアクション映画。幼いころ借金返済の見せしめとして
ヴァンパイアに殺された母親の復讐物語。斧(オノ)を使って“吸血鬼狩り”
をするわけですが、すさまじいCG映像の連続で、頭はコロコロ血がドバー
と飛び散り、疾走する馬上と列車での緊迫感ある戦いが見せ場。 最後の
夫婦でこれから演劇を観にいく場面は、劇場でのリンカーンの暗殺を暗示
してます。上映前スピルバーグ作『リンカーン』の予告編には思わず苦笑。
公式HP(音声注意) ⇒ http://www.foxmovies.jp/lincoln3D/

■のぼうの城 (★★★★)
和田竜のオリジナル脚本を映画化。豊臣秀吉の家臣、石田三成が2万人
の兵を率いて、500人の兵で守る武州・忍城(おしじょう)に攻め込む話で、
史実をもとにしたフィクション。 野村萬斎が演じる城代、成田長親が(でく)
のぼう様と農民たちからも慕われ、奇策と家臣である侍大将(佐藤浩市、
山口智充他)たちと一丸となり迎え撃つ前半と「水攻め」をどのように打開
するかの後半が見どころ。“狂言師”としての野村の舞を楽しむことができ、
この映画の成功は何と言っても愛される主役に抜擢された彼の名演です。
公式HP(音声注意) ⇒ http://nobou-movie.jp/

■北のカナリアたち (★★★)
湊かなえの短篇を原案とした映画化。 吉永小百合主演。 6人しか生徒が
いない離島(礼文島ロケ)で起きた20年前の出来事と、現在を並行させて
司書として定年を迎えた元担任教師(吉永)が当時の生徒を訪ねる物語。
満島ひかり、宮崎あおい、森山未來、柴田恭平、仲村トオルなどが“脇役”
にまわり「歌を忘れたカナリア」(西条八十作詞)を歌うラストが印象的です。
子どもたちが歌う「クリスマス・イブ」(山下達郎)や、陽水の楽曲に違和感
がありましたが、封切り 2日目夕方の回で「観客2人!」にはビックリです。
公式HP ⇒ http://www.kitanocanaria.jp/

【Book】

■中川右介 「グレン・グールド」(朝日新書、12/10/30 ★★★)
11歳でトロントのピアノ・コンペティションで優勝してから、31歳で演奏会を
引退するまで、“コンサート・ピアニスト”としての20年間に焦点を当てた本。
ジェームズ・ディーン(1歳上)やエルヴィス・プレスリー(3歳下)にも言及し、
クラシック音楽界全体が世代交代する1955年以降を中心にアメリカツアー
の演奏とレコード録音、1957年のソ連ツアーでのリヒテルとの出会いなど、
特にカラヤンとバーンスタインとのコンサートにおけるやり取りが興味深い
です。 残念だったはあまりに俯瞰的な記述で後半が失速してしまった点。
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=14294

グレン・グールド 孤高のコンサート・ピアニスト (朝日新書)
中川右介
朝日新聞出版


■平田オリザ 「わかりあえないことから」(講談社現代新書、12/10/20
★★★★) いま企業が就活する学生に求める「コミュニケーション能力」は、
「異文化理解能力」と「同調圧力」という矛盾するダブルバインド:二重拘束
になっていることを指摘。 公立学校で演劇によるコミュニケーション教育の
進め方を実践しながら、これからの時代に必要なリーダーシップは、「弱者
のコンテクストを理解する能力」だろうと考えます。 バラバラな人間がバラ
バラな価値観のままでどうにかしてうまくやっていく能力が求められており、
「同情から共感」へ「協調性から社交性」へ、人は演じる生き物であること。
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2881772

わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)
平田 オリザ
講談社



【オマケ、今週の気になった言葉】

演劇は、人類が生み出した世界で一番面白い遊びだ。きっと、この遊び
の中から、新しい日本人が生まれてくる。
(by 平田オリザ、上掲本「わかりあえないことから」 P230より)

英語の「play」という言葉。「戯曲:演じる」、「競技:競う」、「演奏:演奏する」、
「気晴らし:遊ぶ」、「賭け事:賭ける」ほか、さまざまな名詞と動詞の意味が
あります。 「play」という行為は、“勤勉実直”が美徳とされる日本ではえて
して否定的なニュアンスで捉えられ、「playboy:道楽者」も「player:遊び人」
も趣味やギャンブル・酒色に走るひとというイメージがある一方、別の意味
ではスポーツ競技(野球・サッカー他)を行う「選手」や、「俳優」や「演奏者」
といったひとたちも含まれます。「演劇」に限らずこれらの「play」が意味する
あらゆるものは、極めて人間的な行動で、生活の一部になくてはならない、
必要不可欠なものと考えてしまうのは、決して間違いではないと思います。
「遊び心」(何かに夢中になること)をいつもどこかに抱えていたい願望です。

では。


ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】112

2012年11月03日 19時48分50秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】


ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その112


私の知り合いであるミスター・ピーノさんは
海外滞在が長く、

外国語にもご堪能な方ですが、一週間程度で
物凄い量のものを、見る、読む、聴く。
私も見習いたいと思っております。 


ピーノさんからいただいているメールマガジンを
ご本人の承諾を得てこのブログに転載しているものであります。

読者の皆様、感想等ございましたら
私が責任を持ってお伝えしますので
ぜひコメント欄にお願いします。

 

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3年半前の4月1日。 いつも“事件”を取材している社会部記者がまさか
「ウソは言わないよね」という固定観念から、彼女自身の「結婚話」を100%
信じてしまい、見事に“エイプリルフール”に引っ掛かってしまいました(笑)
先週いつもある会でお世話になる方から、彼女が『今週末入籍して、人妻
になる』という情報をお知らせいただき、早速お祝いメールを送ったところ、
「お相手は仕事で知り合った方で会社からの御祝い金で旅行に行けたら」
との返事が彼女からあり、今週から新婚生活。Aさん、ご結婚おめでとう!

国道152号線を北に行くと原田芳雄の遺作となった『大鹿村騒動記』の
舞台である長野県下伊那郡大鹿村にたどり着きます。 毎年春と秋に1回、
大鹿歌舞伎の定期公演があり、ぼくが習っているテニスコーチが先日1台
のバンに3組の夫婦計6名が乗って、秋の公演を観に行ってきたそうです。
南アルプスの眺めが素晴らしく、鹿肉(モミジ鍋)や猪肉(ボタン鍋)を使い、
新鮮な“ジビエ料理”が味わえ、歌舞伎に関しては、民宿オーナーが午前
3時に会場の神社に座布団を置き良い席を確保してくれたとのことでした。
http://www.vill.ooshika.nagano.jp/kakukakarano/kyouiku/oosikakabuki/

以前浜松経済記者クラブに所属していた3名の記者と4ヶ月ぶりの会食
(女2、男3)。 昨年末第一子が誕生したTさんは、来春から名古屋の職場
に復帰される予定で、その前にいつものメンバーで繁華街の居酒屋集合。
開口一番、映画『歌姫』を観たTさんから、冒頭のPVが長すぎる点の不満
(クレーム)があり、スペイン旅行をしたNさんの美術館レポート、記事訂正
に関するMさんのエピソードと3人のお嬢さんを同じ学校に通わせるメリット
を語り、所属する会社は異なっていても記者特有のこだわりがありますね。

先週、何人かの方から「祝誕生日メール」やプレゼントをいただきました。
何歳になっても大変ありがたく、素直に喜んで、お心遣いに感謝した次第。
ある年齢になると、それがひとにより、「30」なのか「40」なのか「50」なのか
わかりませんが、「祝ってもらえるうちが華(花)」と思えてきます。 半年前、
会社で誕生日の話題になり、それぞれ自分の誕生日を言った際に同期の
D がポロッと「2の十乗じゃん」とひと言。 「さすが東大!」と感心しましたが、
最近ではもっぱら自分の誕生日は木村カエラと同じ日と言っています(笑)

【映画】

■終の信託 (★★★☆)
ウーン、重いテーマ(尊厳死と延命治療)とちょっと納得できない結末です。
同僚医師(浅野忠信)とのつき合いから自殺未遂を起こした呼吸器内科の
医師(草刈民代)が、ぜん息で入院する患者(役所広司)からオペラのCD
を借りたことがきっかけとなり、二人の間に信頼関係が生まれます。 彼の
病気が進行して、「最期のときは延命治療を行わず早く楽にしてほしい」と
言い残して亡くなります。 なぜ 3年も経って検察庁から呼び出されるのか、
それも殺人罪で追求されるのか、その重要な点が“不条理なまま”でした。
公式HP ⇒ http://www.tsuino-shintaku.jp/story/index.html

<ブラジル映画祭2012> 公式HP ⇒ http://2012.cinemabrasil.info/
■エリス・レジーナ <原題 Elis Regina>(★★★)1945-1982 享年36歳。
1973年にテレビの特別番組で収録された映像の映画化。モノクロ画面に
固定されたカメラ・アングルのため、映像は単調ですが、当時(28歳)既に
売れっ子で、本音トークでM・ナシメントの寡黙さと厳しさを語り、ヒット曲と
なった『塩の歌』を歌い、物知りなA・C・ジョビン作『三月の水』が印象的。
■サッカーに裏切られた天才、エレーノ <原題 Heleno>(★★★★)
1940年代、リオのクラブチーム「ボタフォゴ」で活躍したエレーノ・ヂ・フレイ
タス(1920-59)の半生。 第二次世界大戦により、2度のワールドカップに
出場することができないままチームから浮いた存在となり、妻には去られ、
廃人となって暮らす晩年の元“天才フォワード”の姿が痛々しく盛者必衰。
■バイアォンに愛を込めて <原題 O Homem que engarrafava nuvens>
(★★★★) ブラジル北東部の音楽「バイアォン」をルイス・ゴンザーガと
ともに広めたウンベルト・テイシェイラの人生を、娘が追うドキュメンタリー。
豊富な演奏とコンサート風景が納められ、北東部の貧困と大都市圏への
出稼ぎの歴史が語られ、カエターノとD・バーンの話と演奏が素晴らしい。
■センチメンタルなピエロの旅 <原題 O Palhaço>(★★★★☆)
おんぼろ車3台で村から村へ移動する貧しい旅芸人たち。 『エスペランサ
(希望)サーカス』という名前に反して観客を笑わせることに疲れたピエロ
が主人公。団長である父親のもとを離れて営業マンの職に就いたものの、
最終的に再びサーカスに戻りピエロとなり観客に笑いを提供する感動作。

【Book】

■ビートたけし 「間抜けの構造」(新潮新書、12/10/20 ★★★★)
漫才、落語、コント他、お笑いを制するには、“間”を制すること。 それだけ
笑いにとって“間”が重要で、浅草での下積みから「ツービート」のスタイル
が決まるまでを語り、漫才におけるスピードとリズム、舞台と客席の関係、
テレビとラジオの“間”の違い、スポーツにおける“間”を説明。やはり一番
興味深く面白いのは自ら監督の映画における編集と撮影・演出の話です。
結果論だけど『人生には適度に“間”があったからよかった』という言葉は、
例の事件や事故のあと転機が生まれ、新しいチャレンジができたことです。
http://www.shinchosha.co.jp/book/610490/

間抜けの構造 (新潮新書)
ビートたけし
新潮社


■香山リカ 「「独裁」入門」(集英社新書、12/10/22 ★★★☆)
7月16日の原発集会で坂本龍一氏が言った『たかが電気』というフレーズ
だけが一人歩きして批判が殺到した誤読例をあげ、ツイッターで拡散され
る情報の真偽や発信元を、誰も検証しようとしない問題点を指摘してます。
テレビカメラの前でしか話そうとしない橋下大阪市長。 分かりやすい二項
対立、二者択一、新旧、敵味方など対立の構図を示すものの、改革後に、
どういう社会を創りたいのかが見えず、文学、クラシック、古典芸能などを
「収益がない」と切り捨てるやり方に異議を唱え、「白紙委任」に強い警告。
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-720662-3&mode=1

「独裁」入門 (集英社新書)
香山 リカ
集英社


【オマケ、今週の気になった言葉】

我々の人生というのは、生きて死ぬまでの“間”でしかない。 生まれた
ときの“点”と死ぬときの“点”があって、人生はその間のことに過ぎない。
見つかるはずのない「生きている理由」を探すよりも、そう思った方が楽に
なる。 (by ビートたけし 上掲本『間抜けの構造』 P186より)

一番肝心なことは絶対にわからない。それはこの世に生まれてきた理由
だよ。 生まれて死ぬことに理由なんてないだろう・・・という前文があって、
上記の文につながり「だからこそ、その“間”を大事にしようぜ」となります。
本当は間があったほうが豊かになるのに、特に今の時代はどんどん“間”
がなくなってギスギスしていることを、心配しています。 平均寿命の発表
と年金と社会保障はセットになっていて、「あと少なくとも○年は生きそう」
という“思い込み”が発端となり、「将来の生活費は?医療費は?」を“今”
考えて不安になってしまうわけです。 そんなことを考える時間があるなら、
健康であるうちにいかに楽しく過ごすかのほうがずっと大切で意味のある
ことだと思ってしまいます。 将来設計は、突発的或いは偶発的な出来事
により変更を余儀なくされるのが普通で、だったら「今が貴重」だってこと。

では。


ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その111

2012年10月28日 20時21分08秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】

 

  ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その111


私の知り合いであるミスター・ピーノさんは
海外滞在が長く、

外国語にもご堪能な方ですが、一週間程度で
物凄い量のものを、見る、読む、聴く。
私も見習いたいと思っております。 


ピーノさんからいただいているメールマガジンを
ご本人の承諾を得てこのブログに転載しているものであります。

読者の皆様、感想等ございましたら
私が責任を持ってお伝えしますので
ぜひコメント欄にお願いします。

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ノーベル平和賞は昔から政治的なパワーバランスが色濃く反映されて、
キッシンジャー、佐藤栄作、ゴルバチョフ、カーター、オバマ大統領が受賞
する一方で、サハロフ博士、アウンサンスーチー女史など反体制・政治犯
に授与されたり、一般的なイメージでは、「マザー・テレサ」や「ダライ・ラマ」
や「国境なき医師団」を連想させ、つい7年前は「国際原子力機関(IAEA)」
が受賞するなど、その選考決定に一貫性が全くありません。 今年の受賞
は「EU」でしたが、これは欧州の経済危機を支援する配慮なんでしょうね。

ビートルズのレコード(LP盤)が来月14日に発売されます。1枚3,800円
でBOXセットは59,800円(ほとんど6万円!)と、誰が買うんだろう?と思う
のはぼくだけでしょうか(笑) 2009年に発売されたCDリマスター盤を買え
ばもう充分でしょ、というのがこのニュースを聞いたときの第一印象でした。
団塊世代やマニアックなファン向けともいえ、amazonならUS$342くらいで、
輸入国内盤の半額以下で買えますが、それにしても“悪徳商法”さながら
クリスマスのファン心理をあおってアナログプレーヤーもドンと売れるかも。
http://www.emimusic.jp/beatles/special/2012_analog.htm

ザ・ビートルズBOX [Analog]
EMIミュージックジャパン
EMIミュージックジャパン



先日懇親会の席上で山梨県の名門ホテルの社長が隣に座られました。
今度J1昇格が決まった地元クラブチーム「ヴァンフォーレ甲府」の話題から、
J1とJ2の選手待遇の格差の話になりました。J1:飛行機はビジネスクラス、
鉄道はグリーン車、宿泊は市内一流ホテル。J2:エコノミークラス、普通の
指定席、ビジネスホテル。 彼のホテルでは選手1人当たり2,000円の予算
以上に良質な食材(肉や野菜)を用意して2人の調理人を付けたり、ピッチ
の看板スポンサーになって応援しているそうで、今後の活躍に期待です。

Guitar 'n' Beer会”のメンバーで、この度ご結婚されたMさんを囲んで、
「お祝い会」が市内のBarで(女3、男3)。 この店は飲食店にお酒や食材を
卸している会社のチェーン店で、昨年春オープン。 手軽にタパス(つまみ)
が楽しめ、卸屋だけあり飲み放題のテーブル・ワインの種類が豊富でした。
入社4年目で結婚した彼女のお相手は同期の男性だそうで、同期同士の
結婚は2組目だとか。 入籍して新婚生活に入られ、新婚旅行は来春予定。
まずは旅行計画からで喜び一杯の笑顔が印象的でした。末永くお幸せに。

【演劇】

■東京ヴォードヴィルショー 「竜馬の妻とその夫と愛人」(ザ・スズナリ、
12/10/20 ★★★★☆) 創立40周年記念興行の第2弾で、作:三谷幸喜、
演出:山田和也。史実に基づいたフィクション。坂本龍馬の死後、妻だった
おりょう(あめくみちこ)の周囲にいた男たちの滑稽さを描いたコメディです。
横須賀の貧乏長屋で暮らす再婚相手(綾部俊樹)に妹の夫(佐藤B作)が
相談に訪れる発端から、愛人(佐渡稔)を巻き込んでの“四角関係”となり、
そこには全く現れない坂本龍馬の生前の姿を、観客にイメージさせる会話
があり絶頂期の三谷さんの執筆力(2000年初演)のスゴサに改めて感心。
http://www.vaudeville-show.com/67/

■劇団、本谷有希子 「遭難、」(東京芸術劇場シアターイースト、12/10/20
★★★★)作・演出:本谷有希子。第10回鶴屋南北戯曲賞の受賞作です。
隔離された職員室を舞台に自殺未遂を起こした生徒の母親(片桐はいり)
が担任教師(美波)に対して怒鳴りちらす冒頭の場面から、登場人物たち
(5名)は、自分を見失い(遭難し)ながらも、やっぱり自分のことが好きで、
たとえ他人を傷つけても自分のためなら何でもしてしまう、エゴのかたまり。
生徒が残した手紙の取扱いも、ある生徒に対するイジメも、教師の不倫も、
自らの異常な行為をトラウマのせいにする教師(菅原永二)が圧巻でした。
http://www.geigeki.jp/performance/theater010/

【映画】

■エクスペンダブルズ2 <原題 THE EXPENDABLES 2>(★★☆)
前作でワン・カット出演だったA・シュワルツェネッガーとB・ウィリスが本編
ではもう少し長く登場します(笑) J・リー、C・ノリス、J・C・ヴァン・ダム等、
“消耗品軍団”の名前のごとく、「一昔前のアクションスターたちのOB会」
という同窓会的な要素が強いです。 旧ソ連内に隠されたプルトニウムの
転売を計画するテロ集団に、仲間を殺された元傭兵たちが復讐のため、
弔い合戦を行うという目的があるものの、特に後半はご都合主義な展開
となりS・スタローンとヴァン・ダムの殴り合いはまるで『Rocky』の一場面。
公式HP(音声注意) ⇒ http://www.expendables2.jp/

【Book】

■栩木伸明 「アイルランド紀行」(中公新書、12/09/25 ★★★★)
キリスト教徒が国民の90%を占めているのにダブリン市内にアイルランド
国教会の大聖堂が2つ(クライストチャーチと聖パトリック)あるのか、なぜ
カトリックの大聖堂は「仮」なのか?イングランドによる支配の歴史を説明。
聖パトリック大聖堂の司祭だったスウィフト(「ガリヴァー旅行記」の著者)、
「ユリシーズ」を書いたJ・ジョイスとS・ベケット(戯曲家)の関係も興味深く、
詩人W・B・イェイツの詩文から、「大飢饉/大飢餓」によるカナダ・アメリカ
への移民、北アイルランド紛争の爆弾テロから和解まで様々な面を紹介。
http://www.chuko.co.jp/shinsho/2012/09/102183.html

アイルランド紀行 - ジョイスからU2まで (中公新書)
栩木 伸明
中央公論新社



■小川洋子 「カラーひよことコーヒー豆」(小学館文庫、12/09/11 ★★★☆)
“カラーひよこ”を見たことのあるひとって多分40代半ばよりも上の世代で、
神社の縁日などで売られていた赤や緑に着色されたひよこ。 著者がなく
したものについて語ったエッセイ集で、祖母や愛犬との思い出、“抜け殻”
や料理番組やラジオ番組に出演した際のエピソード、「枕草子」の斬新さ、
アウシュビッツの靴の山など、連載した女性誌『Domani』の内容とは少し
“趣が違ったかも”とあとがきで書いてますが、ちょっと風変わりな視点で
物事をとらえる彼女のエッセンスが随所に見られ、ほのぼの感一杯です。
http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094086966

カラーひよことコーヒー豆 (小学館文庫)
小川 洋子
小学館



【オマケ、今週の気になった言葉】

映像化はある意味、情報を切り捨てることでもあります。レコードがCD
になった際、ある音域が失われたのは有名な話です。 だから数値化は
数字にならない部分を捨てる、切り捨ててしまうものが多いのではないで
しょうか。 (by 恩田陸、「Best Book 3月号」インタビューより)

アナログからデジタルになるって「曖昧さ」をなくしてしまうことではないか。
例えば、作曲家が書いた楽譜には指揮者や演奏者による「解釈」の余地
が残されており、だからモーツァルトやベートーヴェンの同じ曲でも、世界
のアマチュアからプロまで世代を超えた幅広い演奏家が弾く、何百・何千
の異なる演奏と、その音楽を楽しむひとたちがいて、『the one and only』
(真の、本当の)は厳密には存在しないんですよね(笑) デジタル(数値)
化は、確かにアナログデータの劣化を防止して効率的な使い方ができる
わけで便利で手軽で分かりやすいんですが、当然“落とし穴”もあります。
「Windows」(Microsoft)も「iPhone」(Apple)も、一度購入したら2、3年ごと
に発売される「最新モデル」と買い替えるのか見送るのかを検討すること
が必要となり、その度にデータを移行しなければなりません。PCもスマホ
も日常生活から一定の距離を置かないと、死ぬまで延々と続く買い替え
需要を想定したビジネスモデルに、首までドップリとつかることになります。

では。


ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その110

2012年10月20日 00時48分39秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】

  ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その110

私の知り合いであるミスター・ピーノさんは
海外滞在が長く、

外国語にもご堪能な方ですが、一週間程度で
物凄い量のものを、見る、読む、聴く。
私も見習いたいと思っております。 


ピーノさんからいただいているメールマガジンを
ご本人の承諾を得てこのブログに転載しているものであります。

読者の皆様、感想等ございましたら
私が責任を持ってお伝えしますので
ぜひコメント欄にお願いします。

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ある会合で3県(静岡・長野・山梨)合同の情報交換会が長野県松本市
のホテルで開催され代理出席で参加しました。 阿部長野県知事の講演と
3県の代表者から、「長野技能五輪 2012」や「リニア新幹線」のテーマ発表
があり、本州中央部の関東・信越・東海の3エリアからの話し合いの会議。
東京・大阪・名古屋の三大都市とは距離を置いた“地方自治”的な考えが
徐々にですが広がっている印象を受けました。行き着く先は民間レベルで
の地道な交流であり、道路のインフラよりも互いの土地を知ることが大切。

小澤征爾が選んだだけあり、まつもと市民芸術館はスゴイです。馬蹄形
ホールで1800の客席、天井が昇降してオペラも演劇も使用可能なホール。
屋上には芝生のトップガーデンがあり、スタジオが4つ、2階には実験劇場。
毎年サイトウ・キネン・フェスティバルのオペラが開催され会場の芸術監督
に串田和美さんが就任して、先日世田谷パブリックシアターで見た舞台「K・
ファウスト」をこのホールでも上演します。草間彌生が生まれた場所であり、
松本城もあり、「信州文化」を背負っているようなそんな雰囲気の場所です。
http://www.mpac.jp/
 
安曇野のそば処時遊庵「あさかわ」。 品川や横浜ナンバーの車が押し
寄せるあづみ野の人気蕎麦屋さん。 週末の一時間待ちはフツーで、席に
座ってからお蕎麦が出てくるまで、“45分”かかっても怒ってはいけません。
ここは「あづみ野」を楽しむ場所で、裏庭にはあたり一面、白い花を咲かせ
た蕎麦の畑があり、“道くさもまた楽し”は店主、浅川政昭さんの言葉です。
都会の喧騒から隔離されたところで、ビールや日本酒を飲みながら、地元
ペースのおもてなしを楽しながら細い蕎麦と山菜や野沢菜が良く合います。
http://www8.shinmai.co.jp/soba/sobaten/data/37.php

全国に弟子が1000人以上いるそば打ち職人高橋邦弘さんの『そば会』
のお知らせを県庁勤務の I さんから頂き、夫婦で静岡市内のとんかつ屋
「水塩土菜 sui en do sai」まで。今回はとんかつとお蕎麦のコラボではなく、
若いイケメン店主が高橋さんとお知り合いで正午前からの総入れ替え制。
5回に分けて各回25名限定。前菜、揚げ物、もりそば2枚、1ドリンク付きの
セット価格:3,500円。 「二八蕎麦:小麦粉2、そば粉8」でそば粉は北海道、
茨城、長野産をブレンド。 高橋さんの話が面白く、美味しい食事会でした。
http://www.jump.co.jp/bs-i/chojin/archive/071.html

【映画】

■推理作家ポー 最期の5日間 <原題 THE RAVEN>(★★★☆)
原題(わたりがらす:不吉の兆し)が結末を暗示しています。19世紀半ばの
ボルティモアが舞台。 酔いどれ詩人で推理作家エドガー・アラン・ポー(J・
キューザック)は評論が売れず、貧困生活を送っていたところ、彼の小説の
読者によって引き起こされる連続殺人事件。 猟奇的な犯行が繰り返され、
犯行予告のあった仮面舞踏会で恋人(A・イヴ)を誘拐され、彼女の行方を
必死で追う主人公。最後に意外な犯人が明らかとなり、よくよく考えてみる
とつじつまの合わない場面もあるものの、ラストの終わり方は唐突でニヤリ。
公式HP(音声注意) ⇒ http://www.movies.co.jp/poe5days/
 
■中島みゆき 「歌姫 劇場版」(★★★★)
5月に特別上映された「歌旅 劇場版」第2弾、2週間限定のプレミアム上映。
10年前初めて都内某所でご本人にお会いして以来、宮前平のスタジオで
撮影に立ち会ったときと基本的には何も変わってません。 プロモーション・
ビデオの7曲は懐かしく、SONYスタジオ(L.A.)で収録されたライブが、この
映画の本編であり、『夜行』から『歌姫』への格好よさ(N さん設計・開発の
赤いSLGを弾きながら熱唱)が見所です。 『恩知らず』(PV)とアカペラから
入る『時代』は“オマケ”ですが、『時代』はいつどんなときでも名曲ですね。
公式HP ⇒ http://www.utahime-movie.jp

【Book】

■江國香織 「犬とハーモニカ」(新潮社、12/09/30 ★★★★)
第38回川端康成文学賞を受賞した表題作が面白く、表紙の旅行カバンの
絵とシンクロしています。日本に帰国する飛行機の機上から、空港の税関
を通り、車に乗るまでの人間模様を描いた佳作。 5年越しの恋人との別れ
を描いた『寝室』、甘美だった旅を思い出す『おそ夏のゆうぐれ』、源氏物語
の現代語訳『夕顔』、ポルトガルを舞台にした『アレンテージョ:Alentejo』と、
人生のある断片を描いた小説。 個人的には、昔のある場面を思い出した
『ピクニック』が印象的でしたが、どの小説も夏の終わりをイメージさせます。
http://www.shinchosha.co.jp/book/380809/

犬とハモニカ
江國 香織
新潮社


 
■伊藤裕×やくみつる 「からだに、ありがとう」(PHPサイエンス・ワールド
新書、12/08/01 ★★★☆) 伊藤教授曰く、健康になるためのたった一つ
の秘訣は【健康を、本気で、気にし続けること】。 生きるために食べるので
はなく『食べるために生きている』と言い切ります。人間の内臓(ホルモン)、
交感神経(アウェイ)と副交感神経(ホーム)の関係、免疫のしくみ、食べる
規則性の大切さ、骨で血液が作られナトリウムとカルシウムの大切な働き、
便や尿が黄色いワケ、締めくくりの言葉は【いつも、からだに「ありがとう」】
http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-80545-0

からだに、ありがとう 1億人のための健康学講座 (PHPサイエンス・ワールド新書)
伊藤 裕,やく みつる
PHP研究所

 


■小出裕章 「この国は原発事故から何を学んだか」(幻冬舎ルネッサンス
新書、12/09/10 ★★★★) 福島第一原発が収束していないにも拘らず、
大飯原発を再稼働する政府・関西電力の思惑。嘉田由紀子滋賀県知事と
橋下徹大阪市長の腰砕けと、活断層上に建つ大飯原発の危険性を指摘。
著者が何よりも心配しているのは、消えていない放射性物質と子どもたち
の内部被曝の問題です。 津波ではなく地震で引き起こされた電源喪失を
いまだに津波のせいにしようとする東電の姿勢と、水俣病の教訓を少しも
生かしておらず、重要な問題の先送りに終始する政府に疑問の声を提示。
http://www.gentosha-r.com/products/9784779060687/

この国は原発事故から何を学んだのか (幻冬舎ルネッサンス新書 こ-3-2)
小出 裕章
幻冬舎ルネッサンス


【オマケ、今週の気になった言葉】

俺もいつかサンゴー(35mm film)で撮りたいなぁ~と夢見ていた矢先に
富士フィルムが生産中止を発表した。マジか。これで全ての映画が、USB
メモリーに入ってしまう。 (by 宮藤官九郎、「週刊文春」連載コラムより)

撮り終えた映画を見る際、8年前は「VHSビデオテープ」で 4年前は「DVD」。
3本目の監督作品として、ダウンロードされて渡されたのが「USBメモリー」。
同じ劇場映画なのに、手渡されるソフトがVHSテープ⇒DVD⇒USBと変化。
時代の流れを感じるとともに、気に入らない電信柱があれば撤去していた
黒澤明の映画製作も、今では撮影後に“CGで簡単消去”できる時代です。 
アナログからデジタルへの移行は、音楽も映画も書籍も演劇も「データ化」
され、行き着く先はハード(再生装置)の消失に伴う、ソフト(記録媒体)の
消滅であり、最後に残る記録媒体ソフトは人間の「脳内」だけだったりして。

では。


ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その109

2012年10月14日 01時17分13秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】

ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その109

 

私の知り合いであるミスター・ピーノさんは
海外滞在が長く、

外国語にもご堪能な方ですが、一週間程度で
物凄い量のものを、見る、読む、聴く。
私も見習いたいと思っております。 


ピーノさんからいただいているメールマガジンを
ご本人の承諾を得てこのブログに転載しているものであります。

読者の皆様、感想等ございましたら
私が責任を持ってお伝えしますので
ぜひコメント欄にお願いします。

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商工会議所が定期的に発行する広報誌に、地元ミニシアター・オーナー
の連載コラムがあり、売上の5~6割を配給会社に支払っている、とのこと。
裏を返せば、40~50%の利益があるわけで、そこから家賃・宣伝・人件費
や光熱費などを差し引いたものが最終的な利益になるんですね。 もっとも、
映画館施設(座席、映写機)の維持にそれなりの費用がかかるはずですし、
ビジネスとして考えると、ただでさえ減少している観客動員をどうするのか、
上映作品や企画も含めて魅力的なサービスを提供することが大切ですね。

メキシコに行く前、大学のスペイン語の授業とは別に、JR信濃町駅から
徒歩1分の日本スペイン協会に通っていたことがあり、同じクラスに津田塾
を卒業して、国会に勤めていた女性がいて、彼女も荻窪に住んでいました。
たまに総武線で一緒に帰ることがあり、国立競技場の近くによく行くジャズ
喫茶があるという話を聞いていて、年末年始に彼女が実家に帰省するとき
「トント tonto:西語で“とんま”」という名前の三毛猫を預かったりしましたが、
千駄ヶ谷のジャズ喫茶『ピーター・キャット』って、村上春樹の店でした(笑)

母と兄と実家近くのお寿司屋でお任せランチ。家内はメキシコ駐在時代
の奥様方と広尾のメキシコ料理店にて「女子会」、兄嫁は登山のため欠席。
5人での食事は年に1、2回あるものの、親子3人の外食は本当に久しぶり。
実家は10数年前二世帯住宅に建て替えられて母が1階、兄夫婦とたまに
帰ってくる甥が2階です。今でも最寄のバス停まで歩いてバスに乗り病院
の検査や買い物に行く母は一人自炊しており、兄は来年定年を迎えます。
杉並区在住のある世代の典型的な家族ともいえ、高齢化の波がここまで。

ぼくは千駄ヶ谷の産院で生まれたんですが、そのころ家族は中目黒に
住み、それからすぐ荻窪に移ったんですね。千駄ヶ谷というと国立競技場
や東京体育館など東京オリンピック(1964)のために作られた施設が多く、
信濃町駅との中間にあった神宮外苑のプールは、夏場は客席スタンドが
開放されて屋外プールになり、冬場はアイススケートのリンクでした。今は
京都在住のTさんと中学時代二人でそのプールに泳ぎに行ったことがあり、
あの状況は今思い出しても、なんというのか不思議なできごとでした(笑)

【演劇】

■東京セレソンDX 「笑う巨塔」(サンシャイン劇場、12/10/06 ★★★★)
結成15年で解散公演。 作・演出・主宰の宅間孝行(サタケミキオ)は映画
やテレビドラマの脚本家としても知られ、記念すべき最終公演は10年前の
初演コメディの再演。 病院のロビーを舞台にして代議士と秘書たち、医者
と看護士、親方と家族と弟子たちの間で起きる「勘違い」と行き違いによる
ドタバタ喜劇。 まるで松竹新喜劇の世界で、金田明夫も、デビット伊東も、
松本明子も自分の役柄を楽しんでおり、何よりも宅間さんの観客に対する
最後の挨拶に感謝の気持ちがこめられ、惜しまれるベテラン劇団の終幕。
http://ts-dx.com/wp/waraukyotou/

■劇団鹿殺し 「田舎の侍」(下北沢駅前劇場、12/10/07 ★★★★☆)
脚本:丸尾丸一郎、演出:菜月チョビのコンビに、オレノグラフィティ主演の
ロック・オペラ。 西遊記に織田信長と徳川家康の歴史を合わせた時代劇。
侍にあこがれる金髪少年(オレノグラフティ)と幼馴染(山岸門人)の二人
が動乱の戦国時代を生き抜く話で山本光二郎(コンドルズ)のダンスあり、
チョビの歌ありのいつもの全力投球の舞台です。 たまたま最前列の座席
で、数mの距離で彼らの額の汗を間近に感じながら、ある到達点に達して
またひとつ上のステップに登って行く劇団の「分岐点」ともいえる作品です。
http://shika564.com/inaka/

■「K・ファウスト」(世田谷パブリックシアター、12/10/07 ★★★★)
作・演出・美術:串田和美による、元オンシアター自由劇場のサーカス版。
メフィストフェレス(串田)に魂を売って若返ったファウスト博士(笹野高史)
とその後を追う道化師(小日向文世)の珍道中。 舞台上で実演する空中
ブランコの妙技と迫力に圧倒され、旅芸人の曲芸パフォーマンスも楽しく、
音楽は、coba(小林靖宏)のアコーディオン中心の楽隊アンサンブルです。
「若さ」と「お金」を手に入れた悪魔との契約が、果たして幸せだったのか、
楽しみながらも考えさせられるテーマで、徹底して娯楽にこだわった舞台。
http://k-faust.com/

【映画】

■ツナグ (★★★☆)
辻村深月の小説を映画化。亡くなった死者と一度だけ満月の夜に会える
ようにスケジュール調整を行う、“現代版イタコ”のような不思議な霊力を
持つ祖母(樹木希林)の仕事を手伝い始める高校生(松坂桃李)の物語。
この世にいなくなってしまった人たちとのほんの数時間の再会は、生きる
者の都合で心残りや後悔から生じたエゴと釈明するための機会じゃない
かと思ってしまうと、このファンタジー(お伽噺)は成り立たなくなりますが、
最後まで友だちに本音トークができなかった女子高生(橋本愛)に共感。
公式HP ⇒ http://www.tsunagu-movie.net/

■アウトレイジ ビヨンド OUTRAGE BEYOND (★★★★)
前作は末端組織の代理戦争でしたが、本編はその後巨大化した親元の
暴力団「山王会」の会長(三浦友和)の下で起きる内部抗争。 ○暴担当
の刑事(小日向文世)が、山王会と関西指定暴力団「花菱会」と出所した
元組長(ビートたけし)を巻き込み紛争の火種に油をそそぐ姿が絶妙です。
加瀬亮と西田敏行のそれぞれドスの効いた迫真の演技と、最後の最後、
上司から離れていく松重豊が好演。「完結。」と言いながら、まだまだ続き
そうな、そんな結末であり、バッティングセンターのオチには唖然とします。
公式HP ⇒ http://office-kitano.co.jp/outrage/start.html

【Book】

■小澤征爾×村上春樹 「小澤征爾さんと、音楽について話をする
(新潮社、11/11/30 ★★★★★)第11回小林秀雄賞を受賞。マエストロ
と小説家による音楽対談。 村上春樹が所有するクラシックLP盤を二人で
聴きながら、グールドと内田光子のピアノ演奏、バーンスタインとカラヤン
の指揮者としての違い、フロイトとマーラーの関係と特異性、ウィーン音楽
事情、オーケストラとオペラと室内楽の違いなどが小澤征爾により語られ、
彼の人生が凝縮しており、ここまで掘り下げたのは村上春樹の功績です。
「小澤征爾スイス国際音楽アカデミー」の詳細レポートも、読み応え充分。
http://www.shinchosha.co.jp/wadainohon/353428/

小澤征爾さんと、音楽について話をする
小澤 征爾,村上 春樹
新潮社


■平松洋子 「焼き餃子と名画座」(新潮文庫、12/10/01 ★★★★☆)
西荻窪に住む著者による東京の食べ物屋さんガイド。ハンパじゃない数
の食べ歩き情報満載で、グルメというより徹底的な“食いしん坊の記録”。
例えば、たった6ページで30軒を超えるカレー店を紹介したり、彼女の頭
の中には、常に「場所」と「店」と「料理」と「季節」により、どこに誰と行くか、
何を注文すべきか、きちんと整理されています。荻窪駅北口の「川勢」は、
何度も前を通っているのに入ったことがなかったり、新しい発見の連続。
巻末の東海林さだおとの食対談は食べ物コラムの内容分析が可笑しい。
http://www.shinchosha.co.jp/book/131656/

焼き餃子と名画座: わたしの東京 味歩き (新潮文庫)
平松 洋子
新潮社

【オマケ、今週の気になった言葉】

音楽好きの友人はたくさん居るけれど、春樹さんはまあ云ってみれば、
正気の範囲をはるかに超えている。 クラシックもジャズもだ。
(by 小澤征爾、上掲『小澤征爾さんと、音楽について話をする』P373より)

「彼はただ音楽好きだけではなく、よく識っている。 こまかいことも、古い
ことも、音楽家のことも、びっくりする位。音楽会に行くし、ジャズのライブ
にも行くらしい。 自宅でレコードも聴いているらしい。 ぼくが知らないこと
もたくさん知っているので、びっくりする。」 【あとがきです】の初めの書き
出しです。 小澤さんの人柄がよく出た文章で、京都での夜がきっかけと
なり、この本の誕生秘話に触れ、春樹さんと奥様の陽子さんに感謝の辞
を述べてます。個人的な付き合いから音楽の話になり、一冊の本になる
まで。 クラシック音楽の世界で「巨匠」「マエストロ」と呼ばれる音楽家に、
自分の意見と感想を言いながら、貴重なエピソードや思い出を引き出す
ことができたのは、音楽と小説という、異なるベクトルを持つ二人が互い
に信頼して、謙虚な姿勢で記録に残そうとした「成果」です。 ここで掲載
された作品を聴くよりも、もっと根本的な音楽の楽しみかたに触れており、
この本から学ぶべき点は多く何を理解して活かすかは読者の課題です


ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その108

2012年10月06日 14時57分44秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】

 

ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その108

私の知り合いであるミスター・ピーノさんは
海外滞在が長く、

外国語にもご堪能な方ですが、一週間程度で
物凄い量のものを、見る、読む、聴く。
私も見習いたいと思っております。 


ピーノさんからいただいているメールマガジンを
ご本人の承諾を得てこのブログに転載しているものであります。

読者の皆様、感想等ございましたら
私が責任を持ってお伝えしますので
ぜひコメント欄にお願いします。

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「五年後の会」が主催する9月例会に出席。今月は“トルコ”がテーマで、
カラアガジ氏による講演と、『トルコ料理とベリーダンスの夕べ』の二部制。
会場は「B'z会」Kさんがデザイン・設計・施工した“カフェ・イスタンブール”。
香辛料の効いた前菜の盛り合わせと、パンとビール(EFES)の相性が良く、
3人の女性による魅惑的なベリーダンスを見ながらなごやかな会食でした。
最後はカラアガジ氏の家族・スタッフを含め、総勢40名弱による記念撮影。
出席した民放アナTさん(SDT)は翌日用宗海岸から台風の実況中継(笑)
http://www.cafe-istanbul.jp/

10月から東京、大阪、京都、浜松の映画館で、『ブラジル映画祭2012』
が一週間ずつ 8本の映画の持ち回りで開催されます。その宣伝を兼ねて
カクテルパーティーが昨年に引き続き在浜松ブラジル総領事館で開かれ、
行ってきました。 前回市内のミニシアターが会場でしたが、今回はTOHO
シネマズ浜松が会場となり、総領事のご挨拶と上映作品の紹介に続いて、
代議士や配給会社関係者の挨拶があり乾杯。 2年前台湾駐在から帰国
した中日新聞の報道部長Kさんと、ブラジルの治安話で盛り上がりました。
http://2012.cinemabrasil.info/

いつものイタリア・レストランで5ヶ月ぶりの「イタリア会」(男3)。 新東名
での「青キップ」体験(笑)から、つい先日制限速度40km/hの郊外の田舎
道を70km/h超で走って一発免停となったUさんの体験談、愛知県東部の
東名の渋滞状況の変化など、まずは交通の話題。 鎌倉にある鏑木清方
記念美術館に展示されている日本女性の美しさ。 趣味で能面を彫るひと
が身近にいること。青森・秋田・北海道の鉄道旅行から鹿児島の佐多岬、
“薩摩富士”と称される開聞岳(かいもんだけ)登山など、さまざまな話題。

このところ連日寝る前に、2枚ずつCDを聴いてます。生誕80周年・没後
30年となるカナダのピアニスト、グレン・グールドが録音したバッハ作品集
(CD:38枚、DVD:6枚)です。 計44枚のBox Setがなんと1万円もしない
お買い得版(@216円/1枚)。 DVDには晩年の『ゴルトベルク変奏曲』の
演奏風景や未発表のインタビュー映像が含まれてます。 彼の50歳という
決して長くはなかった生涯の足跡を秋の夜長にじっくりと思い描きながら、
1956年のデビュー盤から一枚ずつ順番に彼の演奏を聴くのは至福のとき。
http://www.audioasylum.com/cgi/vt.mpl?f=music&m=194566

【映画】

■ボーン・レガシー <原題 The Bourne Legacy>(★★★☆)
『ジェイソン・ボーン』(M・デイモン主演)シリーズのスピンオフ(派生)作品。
CIA本部が証拠隠滅のためなら徹底的に「何でもやります」のサスペンス・
アクション映画。アラスカで訓練中の工作員(J・レナー)が、命を狙われた
雪山から、服用していた薬を求めて担当博士(R・ワイズ)に会いに行った
家で彼女を救出。 二人の国外への脱出と、CIAによる現場検証から逃亡
経路と空港・航空機の割り出し、マニラ市内のオートバイによるすさまじい
逃走シーンまで一気です。 ソウルのロケはちょっと余分だったような気も。
公式HP(音声注意) ⇒ http://bourne-legacy.jp/

■ハンガー・ゲーム <原題 The Hunger Games>(★★★)
独裁国家が12の隷属地区から男女1名ずつ計24名の10代半ばの男女を
選び、最後の一人になるまで戦わせるSFサバイバル映画。 妹に代わり
志願した主人公(J・ローレンス)がいかに戦い、生き残るかがテーマです。
前半、ゲームが始まるまでの前振り部分(選出、訓練、前夜祭)が長過ぎ、
後半のメインとなる戦いで残酷な殺し合いの場面を排除してしまった結果、
スリリングな迫力ある映像にはならず、傷薬の供給や突然のルール変更
など都合のいい展開が目立ち、終了直後に続編『2』の告知をするのは?
公式HP(音声注意) ⇒ http://www.hungergames.jp/

【Book】

■萩本欽一 「負けるが勝ち、勝ち、勝ち!」(廣済堂新書、12/10/05 ★★★☆)
今まで80%以上は「運」で生きてきて、人生の最後に必ず「運」と「不運」が
半分ずつ釣りあうようになってると考える欽ちゃん。 父親の事業の失敗で、
小学4年から突然貧しい生活になり、高校時代はアルバイトに明け暮れて
「家族解散」。そんな彼が「運」とのつき合い方を伝授。阪神・淡路大震災と
「3.11」の東日本大震災で津波被害を受けたひとたちを訪問した際の話が、
どれも心温まるちょっといいエピソードばかり。昨年「3月10日」に亡くなった
二郎さんとの思い出を語り、「死んでからも元気」の準備を始めた欽ちゃん。
http://www.kosaido-pub.co.jp/new/post_1827.html

負けるが勝ち、勝ち、勝ち! (廣済堂新書)
萩本 欽一
廣済堂出版



■村上春樹 「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」(文春文庫、12/09/04
★★★★) 560ページを超え文庫としては厚めの著者初のインタビュー集。
1997年から2011年までの14年、国籍の異なるさまざまな聞き手が行った
質問に答える形で、生まれ育った環境、29歳で小説を書き始め作家として
デビューしてから現在まで、率直に作品、背景、意図、書き方を語ってます。
音楽を演奏するように、書くことに必要なのはリズムとハーモニーと即興性
だと語り、規則正しい生活と水泳、ランニングによる体力維持のこだわりが
ストイックであり、古い『文壇』体質から距離を置いたのは彼の性格ですね。
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784167502126

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです
村上 春樹
文藝春秋



■姫野カオルコ 「すっぴんは事件か?」(ちくま文庫、12/09/10 ★★★★)
「そういうことになっていること」について、ちょっと首をかしげるエッセイ集。
男と女のよく見かけるエッセイ、【鼻くそ】と【付録】における男と女の傾向、
「すっぴんvs.化粧」の違い、なんかこうジャズがかかっている店の嫌らしさ、
文庫を先に出して単行本(豪華な愛蔵版)をあとにすればいいと提言して、
実名(『武士の一分』『ALWAYS/三丁目の夕日』)を挙げて、映画賞(作品、
監督他)受賞独占の不健全さを指摘。 小学4年生のときに書いた作文と、
その後実際ベニスに行ってヨーコ・オノに会った話が傑作で、思わず爆笑。
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480429681/

【オマケ、今週の気になった言葉】

大変長いことお世話になりました。僕がつくりたかったテレビがこれです
(by 萩本欽一 上掲『負けるが勝ち、勝ち、勝ち!』 P184より)

自分が死んでから放送するテレビ番組を実際につくり始めている欽ちゃん
のオープニングのセリフ。死んだはずなのに追悼番組ではなく新しい番組
が用意され、みんなが興味を持ってくれたら「実は、二本目があるんです」
と放送して、「みなさん、不思議ですね。番組はもう一本あるんです。」って、
三本目を流す。 「欽ちゃん番組」なのに本人はほとんど出演せず、通行人
や横顔だけの出演だけにしておく、そんな夢を見ながらの番組制作です。
「生前葬」とか「墓地購入」や「エンディングノート」など、まだ自分が存命中
の意識がはっきりしているうちに、死亡後の整理をしておくという考え方は
昔からありますが、『死んでからも元気』という発想はさすが欽ちゃん(笑)
それも遺書(文字)とか記録フィルム(ドキュメンタリー)ではなく、あくまで
架空の連続テレビ番組にこだわるところが、根っからのテレビ人間であり、
“プロデューサー体質”なんですよね。この番組を“早く見てみたい”と言う
ことは、欽ちゃんに「早く亡くなって欲しい」と願うのと同意語で、その矛盾
がまた可笑しく、常に「笑い」を考えているコメディアンの強い信念ですね。

では。


ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その107

2012年09月26日 09時39分24秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】

 

ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その107

私の知り合いであるミスター・ピーノさんは
海外滞在が長く、

外国語にもご堪能な方ですが、一週間程度で
物凄い量のものを、見る、読む、聴く。
私も見習いたいと思っております。 


ピーノさんからいただいているメールマガジンを
ご本人の承諾を得てこのブログに転載しているものであります。

読者の皆様、感想等ございましたら
私が責任を持ってお伝えしますので
ぜひコメント欄にお願いします。


ちなみに私もこの春、覆面パトカーにやられて

一発免停、交通裁判所でした……。

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映画を最後のエンドロールまで見ていると、このところ「dentsu:電通」や
「製作委員会」という表示が増えています。「大コケ」のリスク回避のために、
映画製作資金を集める際、事前にさまざまな権利をもつ企業に声をかけて
完成した映画から派生する権利や、利益が出た場合は出資比率に応じて
分配金がもらえるやり方です。 1980年代半ばのアニメから最近では一般
的な映画まで広く行われており、今、洋画よりも邦画のほうが上映比率が
高い理由でもあり、今後ビジネスモデルとして定着するかどうか収益次第。

先日リニューアルオープンしたばかりの金沢能楽美術館に寄ったところ、
「新・古能面展III」が開催されており、江戸時代から伝わる個人が所有する
能面も良かったんですが、全国から公募で集まった能面がなんど“百面”。
特選・優良賞(20面)と入賞作品(80面)で、全国に少なくとも100人以上も
ヒノキ材から何日間もかけて、能面を制作するひとがいることに驚きました。
能や狂言が好きで手先が器用なひとは、ちょっと能面でも彫ってみようか?
という気になるものなのか、京都の能楽師Hさんに聞いてみたくなりました。
http://www.kanazawa-noh-museum.gr.jp/

新東名で覆面パトカーに捕まりました(笑) 雨天で80km/h規制のところ
120km/hくらいで走っていて、一瞬『30km/h超オーバー』と真っ青になった
次第。 交通巡査からの説明では、「速度超過」ではなく『通行帯違反』との
ことで、三車線の追い越し車線を“約1.1km”走行したとの理由なんですね。
つまり、『追い越し車線は遅い車を追い抜いたらすぐ真ん中の車線に戻せ』
ということ。 メキシコから帰国して10年以上、無違反でゴールド免許だった
んですが今回【減点1点+罰金6000円】。 運転される方はご注意ください。

新東名の浜松浜北インターを下りて、市内へ向かう国道152号線を通り、
「サンストリート浜松」(ショッピングセンター)が見える手前の交差点を左に
曲がったところに、『野の香(ののか)』という讃岐うどんのお店があります。
メニューは、天ぷらうどんのセット(3種類)を中心に、「かけ」「ざる」「釜あげ」
「しょうゆ」と、うどんの調理方法を選ぶやり方です。他にはおでん(単品)と
1日20食限定の炊き込みご飯のみ。 注文を聞いてから作るため讃岐特有
の“モチモチした食感”があり週末の昼時は店外に行列ができるほどです。
http://www.sunboy.jp/archives/51788908.html

【演劇】

■「浮標(ぶい)」(世田谷パブリックシアター、12/09/22 ★★★★☆)
演出家の長塚圭史のソロプロジェクト「葛河思潮社(くずかわしちょうしゃ)」
が、三好十郎の4時間(休憩2回)の脚本(1939)を、昨年に引き続き再演。
1930年代、結核にかかった妻(松雪泰子)の看病をする画家(田中哲司)
の姿を描いた自伝的内容で、長塚自身も医師の役で出演。舞台には砂が
敷かれ、出演者が大きな砂場を取り囲むようにして着席。 全体の7割近い
セリフをこなし、妻を気づかって万葉集を詠む田中哲司の演技が素晴らしく、
HP上に戯曲の全文掲載も珍しく観る前に読まなかったのは正解でしたね。
http://kuzukawa-shichosha.jp/

■NODA・MAP 「エッグ」(東京芸術劇場、12/09/22 ★★★★)
作・演出:野田秀樹、音楽:椎名林檎、主演が妻夫木聡、深津絵里、仲村
トオルと、豪華キャストによる東京芸術劇場改装後の初舞台。寺山修司の
遺稿(ウソ)となった戯曲『エッグ』を使って、新しいスポーツ競技を舞台化。
アイドル歌手「苺イチエ」役の深津が、ぶっ飛んだ演技と椎名の楽曲を歌い、
ベテラン(仲村)とルーキー(妻夫木)との間で三角関係。 監督(橋爪功)、
進行(野田)、歌手の所属事務所オーナー(秋山奈津子)などが入り乱れ、
後半はフィルム映写と舞台を満州に移し混沌としたスポーツと音楽の世界。
http://www.nodamap.com/productions/egg/

【映画】

■ロック・オブ・エイジズ <原題 Rock of Ages>(★★☆)
ロックミュージカルの映画化。トム・クルーズが主演で“伝説のロッカー”を
演じていると予告編を見る限り誰もが思いますが、実際は「アレレ?」です。
ライブハウスで働く若い二人の、ごく普通のラブ・ストーリーがメインであり、
T・クルーズは脇役の存在に徹して“イギー・ポップ”を意識したような女性
とアルコール漬けのロッカーです。 キャサリン・ゼタ=ジョーンズのダンス・
シーンも見どころのひとつですが、1987年のロスを舞台にした時代背景に
しては歌われる楽曲と物語が微妙にズレていて、タイトル負けしています。
公式HP ⇒ http://wwws.warnerbros.co.jp/rockofages/

■天地明察 (★★★☆)
第4代将軍徳川家綱(1641-80)の時代、会津藩主や水戸光圀の経済的
支援を受けながら、新しい暦の存在を突きとめた安井算哲(岡田准一)の
物語。 囲碁から算術、数式から天文暦へと興味の幅を広げ、失敗を繰り
返しながら、当時の朝廷が使用していた暦の誤りを指摘して、改暦を迫り
ます。 主人公の優柔不断さが今の“草食系男子”を思い起こさせ、×イチ
のえん(宮崎あおい)の積極性とは対照的。笹野高史と岸部一徳コンビの
話が微笑ましく、壮大なテーマを扱いながら朝廷との確執はサラッと描写。
公式HP ⇒ http://www.tenchi-meisatsu.jp/index.html

【Book】

■内田樹 「昭和のエートス」(文春文庫、12/08/10 ★★★★☆)
5、6年前に書かれた文章・コラムを集めた単行本(2008)の文庫化ですが、
「ネットカフェ」に関する文章を読んで、最近、なぜ市内に大型ネットカフェが
今ごろ開店したのか、その理由が分かった次第。 ネットカフェ難民は経営
サイドからみると、恐ろしく安い商品に高額の対価を払ってくれる“上得意”
なんですよね(笑) 冒頭の「私的昭和人論」から、東京オリンピックで日本
人が失い、北京オリンピックで中国人が失うものを予測し、A・カミュがなぜ
フランスで「厄介払い」されなければならなかったのか、など興味深いです。
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784167838089

昭和のエートス (文春文庫)
内田 樹
文藝春秋


■清水賢二・清水奈穂 「犯罪者はどこに目をつけているか」(新潮新書、
12/09/20 ★★★) 犯罪は「犯罪者-被害者-環境」の三者が混じり合う
交点で起き、犯罪者はこの一点を「機会」ととらえ被害者にとっては「死角」
であり、表裏一体の関係であることを前提に、犯罪者(プロ)の目から見て、
窃盗、強盗など「狙いやすいひとや場所:道路・住宅」を報告。 そして実際、
被害に遭ったり遭いそうな場合の対処法:身体や家の守りにも触れており、
防犯対策全般の基本的な知識が中心です。これまでなかった新たな犯罪
の増加を予想しており、その点に関して具体的に言及して欲しかったです。
http://www.shinchosha.co.jp/book/610486/

犯罪者はどこに目をつけているか (新潮新書)
清永 賢二,清永 奈穂
新潮社



【オマケ、今週の気になった言葉】

ずっと移動していましたね、いつ書いているんだろうと思うくらい。 父は
黒潮なんです。熊野を基点として、黒潮のように動いて磁場を広げていた。
東京も欧米もアジアも、熊野との距離で見る。
(by 中上紀<のり>、毎日新聞 12/09/23 「S ストーリー」4面より)

没後20年。1992年8月46歳で亡くなった作家、中上健次氏の長女で作家
の言葉。亡くなる2年前に「熊野大学」を開設して、新宮市内で合宿形式の
夏期セミナーが恒例となり今年8月も柄谷行人さんが参加して講義を実施。
無頼派として称されることの多かった作家が娘にとっては黒潮なんですね。
どこに基点を置いて物事を見るのか。それは人により、生まれ育った場所
であったり、今いる「ここ」であったり、ひとそれぞれ。熊野古道は、スペイン
の『コンポステーラの巡礼路』のように、伊勢神宮や高野山(真言宗)への
参詣道であり、両者に共通しているのは、海側では豊富な魚介類が獲れ、
山側には狩猟が可能な深い森があり、普段はほとんどひとの往来がない
ということ。四国八十八箇所の遍路は、天野祐吉氏(コラムニスト)が指摘
していたように、「“現代のパッケージ・ツアー”で、札所(空海系列のお寺)
のみにお賽銭が入ってくる」システムで、“有料のスタンプ・ラリー”ですね。
あ、『野の香』の壁に、お遍路の朱印が捺された御印譜が貼られてました。

では。


ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その106

2012年09月12日 09時44分00秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】

ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その106
私の知り合いであるミスター・ピーノさんは
海外滞在が長く、

外国語にもご堪能な方ですが、一週間程度で
物凄い量のものを、見る、読む、聴く。
私も見習いたいと思っております。 


ピーノさんからいただいているメールマガジンを
ご本人の承諾を得てこのブログに転載しているものであります。

読者の皆様、感想等ございましたら
私が責任を持ってお伝えしますので
ぜひコメント欄にお願いします。

 


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鹿児島に行ってきました。 空港でレンタカーを借り、錦江湾を時計回りに、
坂元のくろず「壺畑」に寄り、湯之平展望所から御岳(北岳、1117m)を眺め、
桜島フェリーで鹿児島市内へ。 二日目は指宿(いぶすき)名物、砂むし温泉
で砂のむし風呂を体験して、知覧武士屋敷(7軒)を見学。 三日目は九州の
最南端の佐多岬で、水中展望船「さたでい号」に乗り、サンゴ礁や熱帯魚を
見てから岬の高台にある展望台まで。 四日目は“東洋のナイアガラ”にして
はこぶりの「曽木の滝」を見てから空港へ。 アッという間の三泊四日でした。

鹿児島市内の夜はもっぱら天文館エリアでの食べ歩きでした。芸能人の
色紙が多く飾られた居酒屋『吾愛人(わかな)本店』では、さつま揚げとみそ
おでん(大根・玉子・豆もやし・黒豚三枚身)がおいしく、『酒膳 あべ乃』では
キビナゴ(刺身)と、白菜やキャベツとではなく“レタス”と一緒に食べる奄美
島豚の豚しゃぶと、締めのラーメンが絶品でした。店主おススメの芋焼酎は、
有名ブランドのブレンド用の原酒として使用され、まろやかな味に感心して、
銘柄を教えていただき、帰宅後に、早速ネット検索で注文した次第です(笑)
http://www.k-wakana.com/

先日京都で会食の際に住所表示の話になり、京都は『地番表示』(○町
□番地)になっていて、その他の地域で一般的な『住民表示』(○町△丁目
◇番▽号)とは異なり、そのうえ「通」や「上る」(北へ)或いは「下る」(南へ)、
「東入」(東へ)或いは「西入」(西へ)が加わり、昔も今も、その表示上には、
10数軒しかなく、地元のひとにはパッと一目で「あのあたりか」と見当がつく
そうです。 京都在住以外のひとには、その通りや町名の漢字すら読めない
ことがあり、町名を残すこともひとつの伝統的な文化であるということですね。

【演劇・落語】

■ONEOR8 「そして母はキレイになった」(赤坂RED/THEATER、12/09/09
★★★★)作・演出:田村孝裕。町の寂れた喫茶店が舞台。夫(山口森広)
と娘二人(冨田直子・和田ひろこ)を残して家を出た妻(高橋惠子)が、突然
戻ってきたところから物語がスタート。 違和感のない暗転で、過去と現在の
場面が交互に繰り返され、置いていかれた夫と娘たちの複雑な事情を暗示。
酒屋の親子や常連客とのやり取り、亡くなった夫の墓参りを通して、なぜ母
が戻ってきたのかは分からないままです。劇場側の都合で最前列席となり、
目の前で見る高橋惠子の美しさとその振る舞いには、思わずウットリでした。
http://oneor8.net/

■立川志の輔独演会(アクトシティ浜松大ホール、12/09/10 ★★★★)
前座として四番弟子の立川志のぽんの「金明竹(きんめいちく)」、中入り後
に松永鉄九郎の長唄三味線。志の輔は上方の「猿後家」と古典の「井戸の
茶碗」の二席で計2時間半。オリンピックの柔道審判員の判定ミスの話から、
早いテンポで小話を連発して客を笑わせ大店(おおだな)の未亡人の噺へ。
この日のメインは「井戸の茶碗」で、くず屋の清兵衛が浪人から仏像を購入
して武家屋敷で転売する話。三者三様の話し方を志の輔が使い分け、特に
二人の武士の間を右往左往する清兵衛役の絶妙な語り口は、至福のとき。
http://www.shinosuke.com/index_00about.php

【映画】

■デンジャラス・ラン <原題 SAFE HOUSE>(★★★★)
最後まで目が離せない頭脳よりも体力勝負のノン・ストップ・ムービーです。
国際的に指名手配中の犯罪者(D・ワシントン)が南アフリカの米国領事館
に駆け込み、暇な業務で退屈する新米CIAエージェント(R・レイノルズ)が、
彼を護送する役目になるアクションもの。 激しい銃撃戦と車による追走劇、
訓練を受けた格闘技と、地元警察が介入する余地がないほどの治外法権
的無法世界です。 サム・シェパードとパナマの大統領選に出馬・落選した、
サルサ界の大御所ルーベン・ブラデスの久しぶりの姿がなんとも懐かしい。
公式HP(音声注意) ⇒ http://d-run.jp

■夢見るふたり (★★★☆)
二人で始めた小さな居酒屋が火事で全焼。 また、新しい店を出すために、
夫婦(阿部サダヲ・松たか子)で資金を集めるために始めたのが結婚詐欺。
妻は昼ラーメン屋で働きながら、夜は夫が板前として働く割烹店でいっしょ
に働きながら、カモとなる女性客が現れるのを待つ日々。強い結婚願望を
持つOL(田中麗奈)、男運に恵まれない風俗嬢(安藤玉恵)、オリンピック
を目指しているウエイトリフティング選手(江原由夏)からお金をだまし取り、
新店舗の内装も終えたところで突然の予期せぬ事件が起きるサスペンス。
公式HP(音声注意) ⇒ http://yumeuru.asmik-ace.co.jp/

■踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 (★★★)
この映画のどこがTHE FINALで、これでホントにTHE FINALなんでしょうか。
同じ局(CX)には前例(「海猿」)もあるため、また何年か皆が忘れたころに、
「新作発表」があるような、そんな気がします(笑) 青島刑事(織田裕二)も
室井審議官(柳葉敏郎)もシリーズが進むほど深刻度を増していった結果、
当初の和気あいあいとしたチームワークが失われていき、殺伐とした湾岸
署に変化していくのは時代の流れを反映してます。今回起きた犯行も現実
性に乏しく、細部にこだわった割りに中途半端な結末=THE FINALでした。
公式HP ⇒ http://www.odoru.com/index.html

【Book】

■橋本治 「その未来はどうなの?」(集英社新書、12/08/22 ★★★☆)
「テレビ」「ドラマ」「出版」「経済」「民主主義」などの未来について、全九章
の「なにがどう分からないのか?」を考えた本。 分かることを目的にはして
おらず「そのように分からなかったのか」が問題解決の第一歩とする著者。
エコノミストは「復興=経済チャンス」ととらえ、「世界経済が破綻したらどう
なるのか」ということだけは知らないと指摘。 世界が有限である以上、なん
らかの形で「限界」は来るという至ってシンプルな事実を述べます。日本が
もう一度廃墟から立ち直るのは“得意技”であるはずに思わずウーンです。
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-720654-8&mode=1

その未来はどうなの? (集英社新書)
橋本 治
集英社


■平松洋子 「おとなの味」(新潮文庫、11/03/01 ★★★★☆)
冒頭の口絵(カラー写真)も含めると67の「味」に関するエッセイ。 「わたし
の味」から最後まで、徹底的に子どもには決して分からない「おとなの味」。
豆腐の調理方法のコツ(水切り)や「おつだね」の“乙”について語り、立ち
呑みはひとりで完結しているのがうつくしいと考える平松さん。彼女が描く
料理や食事風景の、まず“語彙の豊富さ”に圧倒されて、次に色鮮やかな
表現力そして食材の知識に感心します。 簡潔で平易な文章でありながら、
ここまで食にこだわる姿勢は、「骨」から「神さまの味」まで貫かれています。
http://www.shinchosha.co.jp/book/131654/

おとなの味
平松 洋子
平凡社


【オマケ、今週の気になった言葉】

水は、じつは最高の調味料である
(by 平松洋子、「おとなの味」P205より)

さっと水で洗った炊きたてのごはんに冷たい水をかけて氷を浮かべ、さら
さらと喉(のど)に通す。それは、身もこころも洗われる清々(すがすが)しさ。
ひとつぶずつぷっくりふくれた飯のうまさに驚嘆する。水飯の味は水のおい
しさの味。」 口絵(カラー写真、P89)には、おいしそうな“冷たい水飯”写真。
ミネラル分の含有量により軟水と硬水に分けられ、その成分の違いが料理
の違いとなり、日本料理における関東と京都の水の違い、欧州の硬水から
生まれるシチューやパスタのアルデンテから、水のジュレのデザートに至る
まで、水と料理の関係は実はかなりベーシックで深いものがあるということ。
今まで生活のなかで当たり前のように飲んでいた水が実は最高の調味料
であることを気づかせる文章というのは、本当に貴重な読書の醍醐味です。

では。


ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その105

2012年09月07日 21時44分48秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】

 ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その105

 

私の知り合いであるミスター・ピーノさんは
海外滞在が長く、


外国語にもご堪能な方ですが、
一週間程度で

物凄い量のものを
見る、読む、聴く。

私も見習いたいと思っております。 



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読者の皆様、感想等ございましたら

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週末は、京都宇治市の平等院に行ってきました。 1052年(960年前)に、
藤原頼通が父(藤原道長)から引き継いだ別荘を寺院にしたもので一般的
には10円玉の「表」のデザインとして有名です。 「鳳凰堂」の阿弥陀如来像
を間近で見るには、時間予約制で別途拝観料(300円)が必要になります。
3mほどある阿弥陀如来像と内部に描かれた絵の説明が担当の女性から
約15分あり、たった20分の拝観ですが見応え充分でした。 山本藤吉本店
の生茶ゼリィ「抹茶」は凍らせた竹に入った夏向けスイーツ(720円)で美味。
http://www.tokichi.jp/tenpo/cafe2.php

残暑の厳しい京都で、中学と高校で一緒だったTさん(旧姓)と能楽師の
ご主人と夫婦二組、4人でイタリア料理。 ほぼ1年半ぶりの会食で、今回は
赤ワインのボトルを2本持ち込み、シェフのおすすめコースを堪能。 スペイン
で行なわれた能公演の際、打合せの下見と本公演のときに日本大使館が
用意した料理とワインの質の違いの話で爆笑になりました。二次会は前回
と同じ祇園のお茶屋さんに行き、舞妓はんの姿を眺めながら店のオーナー
兼女将さんから「the Center of 祇園」に関する興味深いエピソードを拝聴。
http://www.smn-tisaneria-kyoto.jp/

山下達郎のバックバンドで、1980年代から'90年代にかけてドラムを叩い
ていた青山純の姿を映画で見て、高校時代のTを思い出しました。幼いころ
からバイオリンを習い、彼の所属していたバンドのドラムが青山クン、ベース
が中原クン(ポータブル・ロック、ヤプーズ)で、杉並公会堂隣の新星堂本社
に当時貸しスタジオがあり、リハーサル現場を見に行きました。 Tはその後、
「ふきのとう」や「喜多郎」のバック・ミュージシャンとして、全国ツアーに参加。
名古屋公演終了後の打ち上げの飲み会に何度か紛れ込みましたっけ(笑)

先週チラッと触れた糸井重里さんの書籍は、「3.11」で被災した日本製紙
石巻工場でつくられた紙が使われており日本製紙といえば、この間名古屋
から大阪に転勤されたTさんが勤める会社で、彼とは毎月一度中日新聞社
主催の懇話会で、よく同じテーブル席の隣同士でした。 自社の「かわら版」
に、入手したアナログ・レコードプレーヤーを紹介しており、Miles DavisのLP
『COOKIN'』(オリジナル版)を置き、自分がさりげなく大阪のビッグバンドの
トランペッターであることを暗示し携帯アドレスはY社製モデル名を転用(笑)

【ダンス】

■コンドルズ 「Knockin' on Heaven's Door」(焼津文化会館、12/08/31
★★★★) 1年ぶりの焼津公演で 3月の東京公演以来半年で新作を披露。
俳優業で忙しい小林顕作(コントの脚本担当)は映像で出演。 15名による、
9個のドアを使ったダンスとコントでスタート。 スクリーンに焼津港を写し出し、
地元特産の「黒はんぺん」を使ったり、自殺志願の4人組による間の抜けた
ズサンな強盗計画とその顚末、人形劇でのラップ・トリオとさまざまな物語。
主宰する近藤良平のソロは、両手を羽ばたくように大きく広げ、跳躍と弧を
描くダンスが印象的で、ラストも素晴らしく、5列目の良い席でSさんに感謝!
http://www.condors.jp/

【映画】

■最強のふたり <原題 Intouchables>(★★★★☆)
事故で全身麻痺となった富豪(フランソワ・クリュゼ)と介護役として雇われ
た黒人青年(オマール・シー)との交流を描いた内容で実話がベースです。
主役のF・クリュゼが笑うとダスティン・ホフマンにチラッと似ていて、階層も
人種も音楽の好みも異なる二人の会話が可笑しく、お互いの家族の事情
を語り合い、使用人の同僚たちともジョークを通して徐々に親しくなります。
フランス映画の良質な面(対話、ジョーク、室内楽、カフェ等)が盛り込まれ、
見終わったあとのほのぼの感が、しばらくのあいだ心に残る、そんな映画。
公式HP ⇒ http://saikyo-2.gaga.ne.jp/

■あなたへ (★★★☆)
高倉健の 6年ぶり主演作。亡き妻(田中裕子)の遺言で、散骨のため富山
から長崎まで、ワゴンカーで向かうロード・ムービー。 旅の途中で知り合う
自称元教師(ビートたけし)と山頭火の話になり、イカ飯の販売員(草剛、
佐藤浩市)を手伝い、漁港の食堂で働く母と娘(余貴美子、綾瀬はるか)に
起きた出来事に触れ、それが結末のオチになります。 この映画では語られ
なかった多くのことが、すべて観客の想像に委ねられており、そんななかで
大滝秀治の存在感ある漁師の演技には圧倒され、2人の会話が見所です。
公式HP ⇒ http://www.anatae.jp/

■闇金ウシジマくん (★★★)
真鍋昌平のコミックを映画化。 「10日で5割(トゴ)」の利息を取る悪徳金融
業者の社長丑嶋(山田孝之)の厳しい取立てと、イベントサークルの主催者
としてビッグになろうとする“チャラ男”(林遣都)の姿と、母親の借金の利息
返済のため、気軽なバイトとして出会い系カフェで働き始める娘(大島優子)
の三者三様。 表ざたにはなりにくいエンコウや恐喝現場を再現しています。
警察による検挙と、立件・逮捕に向けた取調べも、結局は中途半端なまま、
ズル賢い悪い奴らだけが生き延びるという、まさに反面教師的結末ですね。
公式HP ⇒ http://ymkn-ushijima-movie.com/

【Book】

■平川克美 「移行期的乱世の思想」(PHP研究所、12/05/01 ★★★★)
『移行期的混乱』(筑摩、2010)に続き、わたしたちが意図してきたこととは
別のかたちの結果(現在)に対してどのような態度をとりうるのかがテーマ。
西欧先進国におけるデフレ現象と、アメリカ的収奪システムの破綻の中で、
日本には守るべき貴重な技術があることを知る必要があると指摘。 そして、
縮減思考や縮減モデルが蔓延し始めており、そこからどうすれば回復する
のかは、それをみる人(観客)がそこに加担するしかないと主張しています。
これから小さなコミュニティが起こり、「家族」がひとつのキーになると予測。
http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-80387-6

移行期的乱世の思考
平川 克美
PHP研究所


■小沢昭一 「ラジオのこころ」(文春新書、12/08/20 ★★★☆)
TBSラジオの番組で語った10篇を収録。 ラジオから彼の声を生で聞くのと、
文字となり文章で読むのとでは、おそらく、細かいニュアンスが伝わらない
ような気もしながら読み始めましたが、その点は全く問題なし。AKB48から
「秋葉原」、なでしこジャパンと「大和撫子」、「むかし婦人会、いま女子会」、
「缶詰」と作家の「館詰め」、「暖簾(のれん)」の考察から「男子厨房に入る」、
「母乳」から「お墓」、宮坂さんを訪ねて長野県岡谷市への旅レポート。著者
の口ぐせは「ボケが進んで」だそうで読むうちに彼の言葉の世界にドップリ。
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166608720

ラジオのこころ (文春新書)
小沢 昭一
文藝春秋



【オマケ、今週の気になった言葉】

この世には色んな 「ヘヴン」があります。 十代の頃に夢見た「ヘヴン」。
違う国の違う文化の人が見てる「ヘヴン」。打ちのめされた後に見えてくる
「ヘヴン」。誰かと一緒に見る「ヘヴン」。犬の散歩をしながら見る「ヘヴン」。
でも、そのどれもが結局は、立ち止まったり、回り道をしたりしながら、たっ
たひとつの、同じ幸福に向かっているような気がします。
(by 近藤良平 「Knockin' on Heaven's Door」公演配布チラシより)

「夢」「幻想」「あこがれ」「希望」の意味を含む「ヘヴンHeaven」という考えは、
『青い鳥』(メーテルリンク作、童話劇)ではありませんが、それは追い探し
求めるものではなくて、日常の見過ごされがちな身近な生活のなかにあり、
それらはすべてひとつの同じ幸福に向かっている、という近藤さんの言葉。

久しぶりの再会・会食は、近況報告を通して、お互いの現在の立ち位置を
確認しているようなところがあります。 日常のなかの非日常の時間であり、
年に数回あるかないかのことですが、とても懐かしく楽しいほんのひととき。
お互い連絡をしょっちゅう取り合っているわけではないのに、たまに会うと、
決して後ろを振り返るわけではなく、年を重ねた現在を冷静に受け止めて、
自然な会話になります。長い付き合いになると裏も表も分かった上で見栄
を張ることもなくなり、ただただ飲んで食べて語り合うのが「現世のヘヴン」。


では。


ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その104

2012年08月30日 22時18分42秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】

ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その104

 

私の知り合いであるミスター・ピーノさんは
海外滞在が長く、


外国語にもご堪能な方ですが、
一週間程度で

物凄い量のものを
見る、読む、聴く。

私も見習いたいと思っております。 



ピーノさんからいただいているメールマガジンを

ご本人の承諾を得てこのブログに転載しているものであります。
読者の皆様、感想等ございましたら

私が責任を持ってお伝えしますので
ぜひコメント欄にお願いします。


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「新宿バルト9(Wald9:独語で「森」)」という映画館で行われた山下達郎の
映画を観るために日曜朝 9時の回に出かけましたが、とにかく人・ひと・ヒト。
2日前にネットでチケットを入手しましたが、前売券を購入済みのひとは当日
券に交換する必要があり日曜は26時(月曜午前2時)の回以外「Sold out」。
ほとんどが50代のオジサン中心で、家内も含め女性はチラホラ。 そもそも、
1,300万人を超える人口の東京で、たった“1館上映”というのは無茶ですよ。
近い将来、特典映像付きの「Blue-ray/DVD版」が発売されると思いますが。

今月末、定年を迎えたDさんのラテン壮行会(女1、男17名)がありました。
1993年スペインに着任されたとき業務を引き継いだのが初めての出会いで、
その後は中南米ですれ違い、パナマに3度、スペイン、ブラジルと計20年間
海外駐在お疲れさまでした。登山家として「日本百名山」をすべて登頂制覇
したバリバリのアウトドア派で、ロスのホテルではギックリ腰になりながらも
はってドアの錠前をはずして、「ラ族」の名付け親でもあり、ウイットに富んだ
駄じゃれは、いつも周囲に笑いを提供していました。これから先もお元気で。

たまに、「そうか、あそこ閉店したのか」と、若干感慨深げに思う店があり、
特別に常連だったわけでも通いつめた店でもないんですが、なくなってみる
と「ウーン、残念」という店があります。 JR高円寺駅北口の商店街にあって、
今年3月に閉店してしまった『喫茶プログレ』って、まさにそんなお店でした。 
キング・クリムゾンやジェネシス、CanやELP、PFM、YES他、プログレッシブ・
ロックを中心に聴けるバーで、11年の営業期間中、数回行っただけですが、
存在そのものがユニークなお店も、高円寺での維持は大変だったんですね。
http://shijimi-design.com/progrekissa/

先月の「“旬”を食べ尽くす会」で同席したYさんは、遠州地域のお祭りや
常民文化に詳しく県内あちこちのお祭りに行かれる彼からのお知らせです:
みさくぼ祭り」が、今年は9月15、16日に開催されます。固まった中心街の
通りでパレードのように行われる仮装大会のパワーは半端なものではあり
ません。 ここが水窪とは思えないほどたくさんの人が集まります(若い人も
大勢!)。ぜひ一度お試しください。午前 9時前なら比較的近くの駐車場に
停められます。仮装は午前から昼過ぎまで、夕方からは屋台が出ます。

http://www.hamamatsu-inaka.com/event-misakubomatsuri.html


【演劇】

■大人計画 「ふくすけ」(シアターコクーン、12/08/25 ★★★★)
1991年初演、'98年に再演、今回3度目の舞台化。 作・演出:松尾スズキ。
薬剤被害で頭部が巨大化したフクスケ(阿部サダヲ)、中年男(古田新太)
と狂気の女(大竹しのぶ)が、歌舞伎町の風俗業界を背景に、都知事選に
出馬、対立する新興宗教団体の活動と並走して最終的にそれぞれが描く
「復讐」に向かって破滅の道を突き進みます。 下ネタ言葉が散りばめられ、
目の不自由な女や娼婦も、奇形化したフクスケの前ではぶっ飛んでしまい、
「最後の晩餐」を思わせるラスト近くの会食シーンは松尾の毒がてんこもり。
http://otonakeikaku.jp/fukusuke/fukusuke.html

■「鎌塚氏、すくい上げる」(本多劇場、12/08/25 ★★★★☆)
倉持裕:作・演出。完璧な執事をめざす鎌塚アカシ(三宅弘城:Nylon100℃)
が、豪華客船上で行われる予定の由利松家長男(田中圭)のお付きとして、
花房家令嬢(満島ひかり)とのお見合いに立ち会うドタバタ・コメディ第二弾。
わがままでじゃじゃ馬娘の配役に満島がピッタリで、真面目な執事役三宅
とのすれ違いの会話が面白く、彼女は歌とダンスも披露。掃除夫や船員や
バーテンダー他何役もこなす六角精児と広岡由里子の脇役陣も素晴らしく、
ステージを回転させることで、場面転換がスムーズに行われ緊迫感を維持。
http://www.morisk.com/plays/kama2/

【映画】

■プロメテウス <原題 PROMETHEUS>(★★★★☆)
人類の起源の謎を巡る宇宙の旅から、行き着く先は「やっぱりそこ!」という
R・スコット監督のSF大作。新たな「Aliens begin」ともいえ、H・R・ギーガーが
デザインした“あの独特な世界”が堪能でき、「エイリアン」のS・ウィーバーを
ここでは「ミレニアム」(スウェーデン版)で主役を演じたノオミ・ラパスが熱演。
人類の起源よりも、サバイバル(生き残り)がテーマとなり、男は次から次へ
と死んでいき生き残るのは、というお話。 腹部周辺を思わず押さえてしまう
痛い場面もあり、「プロメテウス2」「P3」と続編が作られていくのは確実です。
公式HP(音声注意) ⇒ http://www.foxmovies.jp/prometheus/

■山下達郎 PERFORMANCE 1984-2012 (★★★★★
来月発売予定のベスト・アルバムと連動させる形で、彼のライブ映像を全国
13の映画館で限定上映。1984年から今年春まで全15曲、92分の映像です。
『希望という名の光』で語られるMCが感動的で、震災後、音楽家として何が
できるかを話したもの。「ガラパゴス」と自嘲しながらも、ステージで歌い続け
る28年間の映像は、達郎ファンのみならずとも、貴重な音楽の贈りものです。
衰えない声量とギター演奏に加え変わらない体型が彼の音楽に対するこだ
わりを強く表明しており、2月に観たライブ・コンサートに続きベスト映像です。
公式HP ⇒ http://wmg.jp/tatsuro/movie.html

【Book】

■三浦展 「東京は郊外から消えていく!」(光文社新書、12/08/20 ★★★☆)
首都圏郊外の住宅物件が値下がりしていく理由として、①女性の社会進出
②人口減少 ③高齢化 ④結婚しない団塊ジュニアを挙げ地域エリアを分析。
イメージのよい東急田園都市線沿線や横浜方面よりも、埼玉・千葉・湾岸と
都心に近いほうを選ぶ傾向がある団塊ジュニア以降の若い世代など、東京
都心は便利になったものの「つまらなくなった」と指摘しています。最終章で、
いかに郊外のオールドタウンをゴールドタウンにするか、空き地の活用方法
を具体的に述べ市民・企業・行政が互いに協力し合うことを提案しています。
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334036980

東京は郊外から消えていく! 首都圏高齢化・未婚化・空き家地図 (光文社新書)
三浦 展
光文社


■立川志らく 「雨ン中の、らくだ」(新潮文庫、12/06/01 ★★★★)
まえがき冒頭で「狂人宣言」をして、全18章にはそれぞれ落語のタイトルが
付けられ、師匠(立川談志)との出会いから、自身の落語人生を語った本。
兄弟子であり、ライバルでもある立川談春が書いた『赤めだか』を意識した
上で、そこには書かれていない“談志論”を展開。 前座修行期間中の失敗
の数々、入門半年後に師匠のお供でハワイに行った落語会のエピソードが
可笑しく、二つ目昇進披露の会、大学の先輩高田文夫とのつき合い、立川
ボーイズの裏話、シネマ落語誕生、映画製作の失敗など、文章が上手い!
http://www.shinchosha.co.jp/book/136721/

雨ン中の、らくだ (新潮文庫)
立川 志らく
新潮社



【オマケ、今週の気になった言葉】

大きさって、「感じ」を含んでるんですよね。人それぞれが持っている「世界」
のイメージのなかに、ものすごく重要な要素として、「大きさ」がある。
(by 糸井重里 『夜は、待っている』 P27より)
http://www.1101.com/books/dawn/index.html

「ほぼ日刊イトイ新聞」で毎日発表されてきたコラムや文章のなかから糸井
重里さんの言葉が厳選され、毎年1冊の本になっています。 コピーライター
の仕事はもうずっと前から行っておらず、「ほぼ日」の会社社長、企画・運営、
プロデューサーの立場で活動を行ってますが、彼が書く文章は魅力的です。
例えば、あるモノの大きさを考えると、車といっても、ミニカーからダンプカー
まで、ひとそれぞれイメージには幅があり、ヒトの大きさも、単に見た目から
の身長・体重ではなく、つき合いを通して何度も会話するうちに、そのヒトの
頭のなかの大きさ(「何考えてるんだ、このヒトは」)が、段々明らかになって
きます。 何m、何g、何リットル、何歳、何回と数字で表すことが可能な測定
ができる世界とは別に、単位では計り知れない「大きさ」を、ひとそれぞれが
抱えていることを、すごく漠然とした話ですが妙に実感、納得してしまいます。


ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その103

2012年08月24日 17時51分25秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】

 

ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その102

 

私の知り合いであるミスター・ピーノさんは
海外滞在が長く、


外国語にもご堪能な方ですが、
一週間程度で

物凄い量のものを
見る、読む、聴く。

私も見習いたいと思っております。 



ピーノさんからいただいているメールマガジンを

ご本人の承諾を得てこのブログに転載しているものであります。
読者の皆様、感想等ございましたら

私が責任を持ってお伝えしますので
ぜひコメント欄にお願いします。

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昨年の夏休みは山形に行きましたが、今回は甲府/松本⇒新潟⇒米沢/
仙台⇒会津若松⇒富山と、7県を車で回る6泊7日の旅。信州から日本海側
に出て太平洋側に向かう内陸ルート。 その土地の名産品をしっかり食べて、
観光はほどほどの旅でした。信州そば・岩ガキ・牛肉・牛タン・寿司・馬刺し・
鱒ずしなどを食べ、観光は伊達政宗の菩提寺である瑞厳寺(ずいがんじ)や
松島の遊覧クルーズ(50分)、会津若松では来年の大河ドラマ『八重の桜』
(新島八重が主人公)の舞台となる鶴ヶ城や飯盛山など、見所満載でした。

松本市美術館で開館10周年を記念して、地元出身の国際的アーティスト
草間彌生さんの展覧会『永遠の永遠の永遠』が開催されてました。 水玉を
モチーフにした「かぼちゃ」や、コカコーラの自販機が建物の外に設置されて、
美術館内には、ビニール製の大きなオブジェ、「愛はとこしえ」(2005~07)、
「わが永遠の魂」(2009~12)など最近のシリーズものを中心に、計141点。
映像コーナーでは、今までの自伝的な紹介と制作現場を撮影した10数分の
フィルムが上映され、今年83歳になっても衰えない作品群に圧倒されます。
http://www.yayoi-kusama.jp/j/information/index.html

今の鶴ヶ城(若松城)は、明治政府により解体された跡地に1965年鉄筋
コンクリートで作られたもので、歴史の重みは全くありません。 城内展示が
しっかり行われ、茶室も復元されていたのが印象的でした。 白虎隊の自刃
(じじん)の場となった飯盛山は、町を一望できる高さ314mの小高い丘です
が、ここの江戸後期に建てられた仏堂である『さざえ堂』がなんともユニーク。
階段はなく、内部のらせん状のスロープを上って、最上部の小さな「太鼓橋」
を渡ると、下りの別のスロープになるという奇妙な構造物でここはおススメ。
http://www.ntt-f.co.jp/fusion/no27/museum/museum.htm

以前、同じ職場の同僚だったYさんと京風おばんざいの店で会食。 異動
で転勤して3ヵ月が経過して、落ち着いたところで近況報告。 新しい土地で
生活を立ち上げる大変さは、転勤で何度か引越しをしたひとにはよく分かり
ますが、仕事の業務だけではなく、取り巻く環境の変化にどう対応するか、
ひとそれぞれです。 東京から転校したばかりの小5の息子さんが“発音”を
直され、義務付けられているという『30分間回泳』の話には(他人事ながら)
思わず笑ってしまい、長く住んでいながらまだまだ知らないことがあります。
http://www.hamamatsu-books.jp/essay/detail/31.html

【映画】

■アベンジャーズ <原題 THE AVENGERS>(★★★☆)
アメリカン・コミックの主人公たち、「アイアンマン」や「キャプテン・アメリカ」や
「ハルク」が集まり米国を攻撃する宇宙人との戦いを描いたディズニー映画。
当初は、それぞれの強固な性格のぶつかり合いと考えの相違からまとまら
ないチームが、最終的には力を合わせて侵略者に立ち向かっていく内容は、
親子で楽しめる超娯楽大作です。 戦場となる舞台が“マンハッタンだけ”で
米軍が全く出動しないというご都合主義もありますが、エンドロール終了後、
主人公たちの無言の会食は、劇中の言葉を受けてのブラック・ジョーク(笑)
公式HP(音声注意) ⇒ http://www.marvel-japan.com/movies/avengers/home.html

■桐島、部活やめるってよ (★★★☆)
主人公になりうるはずの「桐島」(バレーボール部キャプテン)が不在のまま、
金曜日から火曜日までの5日間を描いた学園もの。彼の周囲にいる同級生
や部員、付き合っている彼女まで、なぜ突然彼が部活をやめたのか理由が
分からないまま右往左往する姿と、校内で旧式の8mmカメラを使い、映画を
撮影している映画部長(神木隆之介)との対比が可笑しい。 高2の秋という
微妙な時期の女子高校生を橋本愛が好演。普通本人と連絡が取れないと、
自宅まで行って確認をしますが、それを誰もしないことが大きな疑問でした。
公式HP(音声注意) ⇒ http://www.kirishima-movie.com/index.html

【Book】

■沖大幹 「水危機 ほんとうの話」(新潮選書、12/06/22 ★★★★☆)
「水文学(すいもんがく:hydrology)」の研究者である著者が、「水」に関する
さまざまな事例、問題を丁寧に解説。水に関して、自分が何も知らないこと
に気付かせてくれる本です。各章の最後にまとめ(要点)が記載されている
のも親切。 「地球表層の水は地球の重さの5千分の1で、体積は千分の1」、
「地球の水の総量は(人類の時間感覚では)変化しない」、「世界の水問題
は日本の食卓に直結」して、「ひとと森林とは水を奪い合う関係にある」など
自然災害にも触れ、先進国で今後水資源施設の老朽化が進むことを指摘。
http://www.shinchosha.co.jp/book/603711/

水危機 ほんとうの話 (新潮選書)
沖 大幹
新潮社


■安藤忠雄 「仕事をつくる」(日本経済新聞出版社、12/03/20 ★★★★)
日経朝刊に掲載された「私の履歴書」に加筆、彼の設計した建物の写真を
掲載して、大学には行かずに建築家になった著者の活動を俯瞰的に紹介。
高2でプロボクサーとしてデビュー、専門書と通信教育で建築を学び、目的
意識をもって全国の伝統建築を見て回り、気迫で一級建築士に一発合格。
生まれ育った大阪にこだわり梅田に事務所をもち、コンクリート打放し工法
の「住吉の長屋」以降、さまざまなコンペに応募し、ニューヨークのMoMAや
パリのポンピドーセンターで個展開催して積極的に自分でチャンスを創出。
http://www.nikkeibook.com/book_detail/16816/

安藤忠雄 仕事をつくる―私の履歴書
安藤 忠雄
日本経済新聞出版社


■高橋幸宏 「心に訊く音楽 心に効く音楽」(PHP新書、12/08/31 ★★★☆)
ガロのバックバンドからサディステック・ミカ・バンド、YMOのドラマー、作詞・
作曲家として活躍してきた著者も還暦を迎え、今までの活動のまとめです。
シンプルなドラムをめざし、メロディーを聴くのが大切な役割と心掛けている
彼が、中3のユーミンと出会い、ベーシスト(小原礼・細野晴臣・後藤次利)
や加藤和彦と知り合い、イギリス・ツアーの裏話を披露。 「ぼくが表現する
ものは、漠然としたはっきりしない悲しみみたいなものが70%くらい占める」
の言葉通り、決して派手さはないものの、YMOの再始動の話がほのぼの。
http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-80640-2

心に訊く音楽、心に効く音楽 私的名曲ガイドブック (PHP新書)
高橋 幸宏
PHP研究所



【オマケ、今週の気になった言葉】

過去を変えることはできないし、変えようとも思わない。 なぜなら人生で
変えることができるのは、自分と未来だけだからだ。 忍耐は苦い。 しかし、
その実は甘い。 (by 野口英世 「野口英世青春館」パンフレットより)

会津若松に行くまで、野口英世という人は、エジソンやキュリー夫人と並ぶ
偉人伝の一人という印象が強く、幼い頃左手に大ヤケドを負い医学の道を
志してアフリカで黄熱病で亡くなったということしか知りませんでした。今回、
「野口英世青春館」が「旧会陽医院」で、ここでアメリカ帰りの医師(渡部鼎)
と、教師や同級生の募金で、手術を受け左手が使えるようになったんです。
ナポレオンを見習って、睡眠時間は3時間で、英・独・仏の3ヶ国語を勉強し、
医学の基礎を学んだ場所だったんですね。入場料が100円で、展示室には
彼が使用した椅子や母親からの手紙(たどたどしい字体で内容が感動的)、
ペルーやブラジル、アフリカでの写真や記事の切り抜きがあり、決して資料
豊富なお金をかけた部屋ではありませんが、彼の苦労した人柄がそのまま
伝わってくる、記念すべき医学への第一歩が刻まれた“聖なる場所”です。
http://www.uyou.gr.jp/aizu-ichibankan/syokai.html


では。


ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その102

2012年08月01日 21時49分14秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】

 

 ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その102

私の知り合いであるミスター・ピーノさんは
海外滞在が長く、


外国語にもご堪能な方ですが、
一週間程度で

物凄い量のものを
見る、読む、聴く。

私も見習いたいと思っております。 



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ランチを食べに伊良湖岬まで。 前回神島に行った際に“大あさり”は食べ
ましたが、この時期一番旬の岩ガキを食べてなかったんです。 伊良湖水道
の岩ガキは普通のマガキに比べて大ぶりの牡蠣で、産卵前のクリーミーで
大きな岩ガキが食べられるのは 8月中旬までのシーズンなんですよね(笑)
『灯台茶屋』で、大アサリ(3個)付きの『岩ガキ定食』(2,100円)は、生ガキ
か焼きガキかカキフライか選べ、夫婦で「生」と「焼き」を注文しました。 刺身
が新鮮でゆでたカニの半身もあり、デザートはメロン付き割安ランチでした。
http://hsleon.air-nifty.com/blog/2010/08/post-5dc1.html

浜名湖を横断する浜名バイパスを西に進むと、県の最西端に「潮見坂」と
いう道の駅があります。 145台の駐車場で、決して大きなサービスエリアで
はありませんが、こじんまりした店内に湖西市でとれた野菜や果物が並び、
今の季節だと大小のスイカがドンと置かれ、週末は地元客で賑っています。
また、さらに愛知県に入り、伊良湖岬をめざすと、サーフィン大会でも有名な
赤羽根海岸に「あかばねロコステーション」という道の駅があり、こちらでは
渥美半島産メロンや花や野菜や海産物が陳列されて買い物が楽しめます。
http://www.minnanoeki.com/all/chubu/shizuoka/michinoeki_shiomizaka.html

会社から徒歩数分、昨年9月に開店したイタリア・レストランに行きました。
トスカーナ地方で修行を積んだシェフの料理は、地元の食材(浜名湖産タコ、
欧州野菜、舞阪港の魚ほか)を使い、前菜・パスタ2種、メインのコース料理
(魚 or 肉)はキャンティなどトスカーナ・ワインとも合いなかなかの味でした。
ただ一品料理(a la carte)だと割高になるため、昼ならランチセット、夜なら
コースで注文する方がいろいろな種類が楽しめて、おススメです。ジャズの
BGMが流れ、落ち着いた雰囲気のお店で、ちょっとした“穴場的存在”です。
http://moca.hamazo.tv/e3184604.html

先日会社近くの片道二車線の公道で逆走する軽自動車があり、朝早い
時刻で交通量もそれほどなかったため事故にはなりませんでしたが、外見
は80代半ばの高齢者による運転で、ヒヤッとしました。 たまに一方通行の
道を逆走するオバサン・ドライバーもいますが、この種の「道路標識の無視」
による交通事故は高齢者の増加に伴い確実に増えていきますね。 それも
公共機関が整備された首都圏や大都市周辺ではなく、車が移動のための
必需品である地方の道路で事故が増え、保険や賠償は大丈夫でしょうか。

【映画】

■ダークナイト ライジング <原題 The Dark Knight Rises> (★★★★)
シリーズ3部作の完結編。165分(2時間45分)の長さを感じないスピード感
があり、冒頭の飛行機2機を使った空中アクションから、最後の予想された
オチまでアッという間。 そもそもなぜ、悪の親玉(T・ハーディ)が圧倒的な
強さでゴッサム・シティの破壊をするのか、彼は最後どうなったのか?など
終盤になると、突っ込みどころが次から次に出てきて、唐突ともいえる“謎”
が明らかになります。ダークナイト(C・ベイル)の活躍と彼を支える執事役
のマイケル・ケインとキャットウーマンのアン・ハサウェイのラストはニヤリ。
公式HP ⇒ http://wwws.warnerbros.co.jp/batman3/

【Book】

■奈良美智 「NARA LIFE/ナラ・ライフ」(フォイル、12/07/14 ★★★★)
ここ最近のブログ「奈良美智の日々」とツイッターからの文章をまとめたもの。
12年間のドイツ生活を終え、2001年横浜美術館での個展から11年が経過。
ニューヨークでの個展、ヴェニス・ビエンナーレ、陶芸の森での生活、香港や
韓国、タイでの滞在、2011年9月から愛知県立芸大における彫刻の制作と、
今、彼はまさに「原点」を振り返りながらターニング・ポイント(分岐点)に立ち
これからの進むべき道を考えている、そんな状態のモノローグ(独白)です。
巻末のレコードジャケット紹介とCD曲リストは、かなりマニアックな内容(笑)
http://www.foiltokyo.com/book/art/yoshitomonara.html#naralife

NARA LIFE / ナラ・ライフ 奈良美智の日々
奈良美智
フォイル


■田中辰明 「ブルーノ・タウト」(中公新書、12/06/25 ★★★☆)
東プロイセンの首都ケーニヒスベルク(現カリーニングラード:ロシア連邦)に
生まれた建築家ブルーノ・タウト(Bruno Taut:1880-1938)の生涯を紹介。
「すべての建物に色彩を」という色彩宣言を唱え、ベルリン市内の集合住宅
で実践し、「モダニズム集合住宅群」として世界文化遺産に登録されました。
そんな彼が設計した建物を、著者は丹念に訪問して現地取材を行ってます。
1920年代の表現主義時代を過ごし、1933年5月から3年半日本に滞在して
桂離宮の伝統建築を高く評価して、その後トルコで客死するまで波乱万丈。
http://www.chuko.co.jp/shinsho/2012/06/102169.html

ブルーノ・タウト - 日本美を再発見した建築家 (中公新書)
田中 辰明
中央公論新社



■小川洋子 「最果てアーケード」(講談社、12/06/20 ★★★★)
目立たない街の片隅の忘れ去られたようなアーケードに集まった店。16歳
の少女が語り手となり、奇妙な店舗を紹介します。使い古しのレースを扱う
レース屋と常連客の「衣装係さん」、同級生と百科事典にまつわる思い出。
義眼屋のはく製、ドーナツ専門の“輪っか屋”主人と元体操選手の恋物語。
特にレース屋が扱う「遺髪レース」の話が印象的です。 遺髪専門のレース
編み師が、彼女の仕事場で依頼主の希望に沿って編み図を描き、細かい
注意と作業に専念する場面が圧巻。 亡くなったひとに対する鎮魂歌です。
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2176718

最果てアーケード(1) (KCデラックス)
小川 洋子
講談社
最果てアーケード(2) (KCデラックス)
小川 洋子
講談社



【オマケ、今週の気になった言葉】

国が前面に出てくると、スポーツの真の楽しさが後回しになってしまうよう
な気がします。国別対抗という魅力は否定はしませんが、国の存在は、もう
少し抑制的に扱うべきです。
(by ロバート・ホワイティング、朝日新聞 12/07/27より)
 
「今回も日本人が見るのは、おそらく日本の有力選手が出ている競技だけ
でしょう。(略)しかし、日本人の成績だけに注目が集まるのでは、スポーツ
というものを理解していないのではないかと感じざるをえません」と続きます。
オリンピックは四年に一度世界の一流のアスリートたちが一堂に会し、それ
までに鍛え上げた肉体と技術を最大限に発揮する場であり、そんな選手の
姿を見て楽しむことこそ本来のオリンピックの醍醐味であるはずなんですね。
獲得したメダル数が何個だとか、勝ち負けがどうしたとこだわるのは結果で
あり、本来「そこにいたるプロセスを楽しむ」のがスポーツ観戦の正しい見方
で、東京オリンピック(1964)のときにアベベ(マラソン)やヘーシンク(柔道)
の姿に圧倒され感動した日本人はもういない、と指摘するホワイティング氏。
北島康介の100m平泳ぎは5位に終わり、彼自身は当然ベストを出した上で
の成績で、上位選手の最初からスピードをあげての泳ぎ方は、彼の不振と
いうよりも、ひとつの時代の終わりを告げるレースでした。 冷静な分析から、
他の一流選手と比較して成立する「スポーツジャーナリズム」が、日本には
まだ存在していないことを、皆気付きながらあいまいなまま放置しています。


では。