ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
私的メールマガジン「ほぼ週刊イケヤ新聞」のブログ版です。

斜陽とマイホーム

2007年09月12日 08時33分11秒 | ファイナンス論
親しい友人からメールが届いた。
メルマガ時代によくあった(現在ほぼ週刊イケヤ新聞は、休刊中ですすいません)投稿だ。ぜひ転載させていただきます。

このブログでは投稿、大歓迎ですので、ぜひお気軽に投稿してください。

以下投稿です。



斜陽とマイホーム

サーチエンジンは、2つの語を検索にかけると、2つの語が近くにあるサイトをSEO的に優遇すると言われる。今試しに「斜陽」と「マイホーム」を入れてみよう。しかし上位に、2つの語が密着している例はなく、しかも何々が「斜陽」なので、「マイホーム」の夢が遠いという文脈に揃っている。

日本人は新築が好きである。すなわち新しい家が好きということだ。家は古くなれば必然、価値が下がるものなのである。

DIYなんてブームのようだが、増改築や家具のメンテナンス、フェンスの塗り替え、車庫の改造なんかを自分でやる人は少ない。IKEAが時に日本で大ブーイングになるのも、そんな理由だろう。というわけで、家は原則として右肩下がりに価値を下げていく運命にある。下げ止まれるのは、わずかに「リフォーム」という福の神といったところだろうか。

マイホーム購入という話題は、一般にはコドモのいる家庭を対象にしていてほとんど四人家族のように相場が決まっている。ついでにコドモは小学生から中高生ぐらいまでの幅があって、でもだいたいそのくらいまでののびざかりがおあつらえむきだ。

そこで、突然気づいたのだが世帯は、コドモたちが成長期にあたる、最も活気ある時代に、マイホームを購入することで、マックスを迎えてしまい、以降、斜陽を生きることになっているのではあるまいか?

家という資産は、購入時の現在価値が最大であり、貯蓄は購入直前が最大であり、あとは右肩下がりであるばかりか、2度以上家を購入する世帯の少ないことを思えばこのようなピークがもう一度訪れる可能性はごく少ない。

のぼり坂だった家族は、そこからどうしたって守りに入るだろう。しかもなにかを背負ってしまっている。たとえば借金だ。考えてみれば、斜陽のひとは、世間への不満が多い。

要するに「マイホーム」がほしいという気持ちさえ、なんとかなりませんかね。

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持ち家か、借家か、という論争、友人Sに捧げる

2006年12月18日 14時39分42秒 | ファイナンス論
年末ですが、年度末を前にして、引っ越しなんて話も多い。子どもの保育園の友人の家も、小学校入学を機に転居するそうだが、郊外の新築マンションを買ったそうだ。

親しい友人もマンションを買うつもりで探しているという。

持ち家か、借家か、という論争は(すでに決着済みではあるが)自分の中にもあるし、悩んでいる人も多いだろう。また、はじめから借家は過渡的なもので持ち家を持つのが当たり前、という考え方があることも十分にわかる。理解できる。
家とは、その人にとって特別なもので、価値観の問題だからだ。

なので、まずはいきなりだが、答えその1は、
持ち家か、借家か、は価値観の問題。


この件、山崎元氏のブログに詳しい。非常に示唆深いものである。
http://blog.goo.ne.jp/yamazaki_hajime/