映画美学校の音楽コースのジャズメソッドのコースに通って2年(一年間をあけたので足かけ3年)。
いよいよ後数回の授業で終わりになります。
初等科(前半の1年)はダイアトニック環境を、
高等科(後半の1年)はモードとブルース。
今思えば、習い始める前の自分はおっそろしくなるぐらい、何も知らなかったのだな、と
思わされます。
とはいえ、この2年で習ったことを咀嚼し、演奏や作曲に使えるようになるまでには
あと何年もかかるでしょうし、ひょっとして妻からの執拗な「ジャズはいいかげんにやめろ」攻撃に屈して
何年か後にはやめてしまうかもしれませんが、
たぶんここで学んだことは一生の宝物になるのだろうな、と思えます。
惜しむらくはもっと早く、20代前半にこのあたりの知識を得ていれば
きっと違う人生になっていたのだろうなとは思いますが、
その人生が幸せであったかどうかは微妙ですね。
最後の最後にやっているブルースは専門分野なので、楽勝かと思いきや、
知らないことばかりでビックリ。
たとえば
●源流ブルースにはV7がなかった、呪文のような、百鬼夜行なもので、
V7を導入することで、わかりやすく、商業的で、しかも12小節でワンコーラス、のように
整備されたのだ、という話であるとか。
●ブルースのキモはV7という和声が平行移動する、4度と5度へ。
これは「コピペ」ということができる。
ブルースのコードの形式が生まれた原因にはギターがある。
ギターは平行移動が異様に得意な楽器だから。
などなど。
ところで菊地成孔をはじめとする
映画美学校で開催されてきた音楽コースが、
この10月より美学校へとお引っ越しするようです。
僕はもう卒業(映画美学校時代の最後の卒業生か)ですが
これからのかた、興味を持たれた方、ぜひ。
僕が非常に興味を持ったのはBozoのベーシストでアラせられる
水谷浩章さんの「実践アンサンブル講座」です。
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憂鬱と官能を教えた学校 上---【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史 調律、調性および旋律・和声 (河出文庫 き 3-1) |
菊地 成孔,大谷 能生 | |
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憂鬱と官能を教えた学校 下---【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史 旋律・和声および律動 (河出文庫 き 3-2) |
大谷 能生,菊地 成孔 | |
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憂鬱と官能を教えた学校 |
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