ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
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ジャズサックス奏者、藤陵雅裕 「マインドスケープ」を聴いた。素晴らしいです。

2009年01月16日 06時22分25秒 | CD&コンサートレビュー
よく仕事を一緒にさせてもらっている、水谷カメラマンのことは、先日このブログでも書きました。
スーパー音楽好きな水谷さんですが、同級生に熱帯ジャズ楽団などでも活躍する藤陸さんというサックスプレイヤーがいて、藤陸さんの最新アルバムのフォトとアートワークを水谷さんがやったそうです。それでアルバムを聴いてみたわけですが、これが素晴らしかった!
最近思うんですが、楽器の演奏で聴き手を感動させるのって、音の数じゃないよなって。確かに音の数や手数は、ものすごく多いと驚かされて爽快感はあるんです。速い車に乗っている時のような。でも、それも何度も乗っていると普通になってしまいます。
じゃぁフレーズか。ま、確かにフレーズでしょうね、一番音楽で聴いているのはフレーズでしょう、でもフレーズよりもアーティキュレーションのほうが感情にきますね。そして究極はトーンというかサウンドそのもの。これが一番ハートに来ますよ。音が素晴らしければロングトーンでも感動してしまいます。感情のこめられたロングトーン。

藤陸さんの新作アルバムMindScapeを聴いて思うのはそのサウンドの素晴らしさでした。
アルトとソプラノの両方を吹く方ですが、いずれもとても優しくて深みのあるサウンドで、きっとやさしい人なんだろうな、と思わされます。
音色って、なんていうか音楽家の一生のテーマであって、これは練習だけではなんともならない、もちろん練習は必要だけど、それと同じぐらい何を美しいと感じるかという美意識や、人柄、人格、生き方の問題にまでなってくる、そういうものが反映されますからね。藤陸さんはきっとやさしい人なんだろうなと。

収録された曲はスタンダード中心ですが、マーヴィン・ゲイのCなどもあって、バラエティがあります。 特にソプラノのときの音色は絶品だな。JJ.Johonsonのラメントという曲が入ってますが、これまた素晴らしいですね。whats going onもアレンジが凝っていて、テンポが速くなるところのソプラノのプレイは、とてもスリリングでスインギー。それからジャズはインタープレイがこれまた肝なんですが(本当はそれが何より大切なのかも)このバンドも素晴らしいです。
いちぢどぜひライブで見たいと思っています。

水谷さんのブログに、藤陸さんの演奏の動画とライブの告知があります。
ぜひご覧ください。
http://mmps-inc.jugem.jp/?day=20090109



マインドスケープ
藤陵雅裕
フォーカ・ミュージック

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