筒美京平のトリビュートコンサート、コンサートレビュー、あるいは「さよなら 歌謡曲。」
忘れないうちに筒美京平のトリビュートコンサートの感想を書いておく。
筒美京平は私にとって、そして多くの日本人にとって歌謡曲の代名詞だろう。特にぼくのような1960年代生まれの音楽好きに取っては決定的で、洋楽、ポップスの入り口になった音楽をたくさん、本当にたくさん生み出して聞かせてくれた。
筒美京平の楽曲がなければ僕は音楽好きにならなかったのかもしれない。今でも演歌は基本的に嫌いだし、歌謡曲の嫌な部分も多いが、歌謡曲の好きな部分は筒美京平そのものだとコンサートを見ていて思い当たった。
また同時に日本の音楽における歴史的使命は終わっただなとも感じたのも事実だ。30年にわたってリードしてきたのだから偉大ではあるが、歌謡曲という音楽そのものが終わってしまったのだから、仕方がないことだとは思う。Nokkoが歌う人魚みたいな曲が大抵筒美京平の代表曲の最後尾として紹介されるが、すでにロックによる歌謡曲のパロディに聴こえる。もちろんいい曲だとは思うが。
コロナ禍だがあえてコンサートに行ったのはちょっと信じがたいメンバーがでるコンサートだからで、これがみられたのはある意味、コロナの奇跡かもしれなかった。紅白歌合戦も裸足で逃げるような出演者だった。
あえて大学生の子どもも連れて行ったのは今思えば正解で、もう二度とみることはできないであろう歌謡曲の終焉を目撃したできたと思う。
だからあのコンサートは筒美京平への追悼であると同時に歌謡曲の葬式であったのだろうと思えるのだ。
※末尾に登場した歌手と曲を転載しておきます。ちなみにコンサートは4/17, 4/18の両日がありましたが私がいったのは4/18でした。
さて個別に感想を書いておくと
・前半の還暦過ぎ方たちは、正直言って出てきただけでokというレジェンドであって、生存確認にはなったが音楽的には残骸であった。老いは隠せないし、生で見れてよかったなという感じだ。
・ただその中で今回のライブで一番良かったと思えるのが浅田美代子の、例の歌だ。
これは感動的だった。下手であること、上手くならないこと、技巧のなさが、そのまま歌の魅力、人の魅力、ひいては想いまでが伝わってきたし、全く普段着とも思えるパーカーで歌ったところも、実は歌謡曲でありながら、歌謡曲を超克している。一言も語らず去っていった潔さも素晴らしかった。
・岩崎宏美はやっぱり圧巻だった。
・松本伊代、早見優などの80年代アイドルはまだまだ行ける感じだなぁ。
・ローリーの「AMBITIOUS JAPAN! 」にはロックファンの歌謡曲への怒りが感じられてとてもよかった。歌謡曲が好き、だけど憎いというアンヴィバレンツな感情は歌謡曲が圧倒的な力を持っていた時代にバンドをやっていた我々の共通の感情だろうと思う。
・斉藤ゆきの「卒業」の女優魂。これも圧巻だった。歌ではなく一つの芝居のようだ。
・大友康平の残念感は覆い隠せない
・中村雅俊とか、郷ひろみとか、野口五郎とか、大橋純子とか、庄野真代の不滅感はすごかった。どうなってるんだろうか。松崎しげるの歌の上手さも、これまた初のライブ体験だったがゴイスーだったなぁ。
・ジュディオングの「魅せられて」は、まさに歌謡曲の葬儀の終わりを感じさせる最終曲だった。
・あとは、友人のお嬢さん、樋口日奈ちゃんが生で見られて良かったです。
2021年4月17日(土)
No.「TITLE」/ARTIST(オリジナル)
<第1部>
01. OVERTURE / 船山基紀とザ・ヒット・ソング・メーカーズのテーマ① / バンドのみ
02. ブルー・ライト・ヨコハマ / 伊東ゆかり(いしだあゆみ)
03. 誰も知らない / 伊東ゆかり
04. 雨がやんだら / 夏木マリ(朝丘雪路)
05. 真夏の出来事 / 平山三紀
06. 芽ばえ / 麻丘めぐみ
07. わたしの彼は左きき / 麻丘めぐみ
08. 赤い風船 / 浅田美代子
09. にがい涙 / AMAZONS (スリー・ディグリーズ)
10. セクシー・バス・ストップ / 野宮真貴(浅野ゆう子)
11. 木綿のハンカチーフ / 太田裕美
12. 九月の雨 / 太田裕美
13. 東京ららばい / 森口博子(中原理恵)
14. リップスティック / 森口博子(桜田淳子)
15. 青い地平線 / ブレッド&バター
16. 哀愁トゥナイト / 大友康平 (桑名正博)
17. セクシャルバイオレットNo.1 / 大友康平 (桑名正博)
18. ドラマティック・レイン / 稲垣潤一
19. センチメンタル・ジャーニー / 松本伊代
20. 夏色のナンシー / 早見優
21. あなたを・もっと・知りたくて / 武藤彩未(薬師丸ひろ子)
22. 卒業 / 斉藤由貴
<第2部>
23. Romanticが止まらない / C-C-B
24. Lucky Chanceをもう一度 / C-C-B
25. WAKU WAKUさせて / AMAZONS featuring 大滝裕子(中山美穂)
26. Oneway Generation / Little Black Dress (本田美奈子)
27. 抱きしめてTONIGHT / 藤井隆(田原俊彦)
28. 人魚 / NOKKO
29. AMBITIOUS JAPAN! / ROLLY (TOKIO)
30. バンドメンバー紹介曲 / 船山基紀とザ・ヒット・ソング・メーカーズのテーマ② / バンドのみ
31. 17才 / 早見優、松本伊代、森口博子、武藤彩未(南沙織)
32. 男の子女の子 / 郷ひろみ
33. よろしく哀愁 / 郷ひろみ
34. 甘い生活 / 野口五郎
35. グッド・ラック / 野口五郎
36. 時代遅れの恋人たち / 中村雅俊
37. 海を抱きしめて / 中村雅俊
38. たそがれマイ・ラブ / 大橋純子
39. 飛んでイスタンブール / 庄野真代
40. モンテカルロで乾杯 / 庄野真代
41. さらば恋人 / 松崎しげる(堺正章)
42. 魅せられて / ジュディ・オング
<アンコール>
E-1. 雨だれ / 太田裕美
E-2. 裸のビーナス / 郷ひろみ
E-3. また逢う日まで / 松崎しげる(尾崎紀世彦)
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2021年4月18日(日)公演
No.「TITLE」/ARTIST(オリジナル)
<第1部>
01. OVERTURE / 船山基紀とザ・ヒット・ソング・メーカーズのテーマ① / バンドのみ
02. ブルー・ライト・ヨコハマ / 伊東ゆかり(いしだあゆみ)
03. 誰も知らない / 伊東ゆかり
04. 雨がやんだら / 夏木マリ(朝丘雪路)
05. 真夏の出来事 / 平山三紀
06. 芽ばえ / 麻丘めぐみ
07. わたしの彼は左きき / 麻丘めぐみ
08. 赤い風船 / 浅田美代子
09. にがい涙 / AMAZONS (スリー・ディグリーズ)
10. セクシー・バス・ストップ / 野宮真貴 (浅野ゆう子)
11. ロマンス / 岩崎宏美
12. 木綿のハンカチーフ / 太田裕美
13. 九月の雨 / 太田裕美
14. 東京ららばい / 森口博子(中原理恵)
15. リップスティック / 森口博子(桜田淳子)
16. 青い地平線 / ブレッド&バター
17. 哀愁トゥナイト / 大友康平 (桑名正博)
18. セクシャルバイオレットNo.1 / 大友康平 (桑名正博)
19. センチメンタル・ジャーニー / 松本伊代
20. 夏色のナンシー / 早見優
21. あなたを・もっと・知りたくて / 武藤彩未(薬師丸ひろ子)
22. 卒業 / 斉藤由貴
<第2部>
23. Romanticが止まらない / C-C-B
24. Lucky Chanceをもう一度 / C-C-B
25. WAKU WAKUさせて / AMAZONS featuring 大滝裕子(中山美穂)
26. なんてたってアイドル / 乃木坂46(伊藤純奈 & 樋口日奈)(小泉今日子)
27. Oneway Generation / Little Black Dress(本田美奈子)
28. 抱きしめてTONIGHT / 藤井隆(田原俊彦)
29. 人魚 / NOKKO
30. AMBITIOUS JAPAN! / ROLLY(TOKIO)
31. バンドメンバー紹介曲 / 船山基紀とザ・ヒット・ソング・メーカーズのテーマ② / バンドのみ
32. 男の子女の子 / 郷ひろみ
33. よろしく哀愁 / 郷ひろみ
34. 甘い生活 / 野口五郎
35. グッド・ラック / 野口五郎
36. 時代遅れの恋人たち / 中村雅俊
37. 海を抱きしめて / 中村雅俊
38. たそがれマイ・ラブ / 大橋純子
39. 飛んでイスタンブール / 庄野真代
40. モンテカルロで乾杯 / 庄野真代
41. さらば恋人 / 松崎しげる(堺正章)
42. 魅せられて / ジュディ・オング
<アンコール>
E-1. オレンジの雨 / 野口五郎
E-2. シンデレラ・ハネムーン / 岩崎宏美
E-3. また逢う日まで / 松崎しげる(尾崎紀世彦)
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Band
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演奏:『 船山基紀とザ・ヒット・ソング・メーカーズ 』
船山基紀(音楽監督・指揮) / 中西康晴(Keyboards) / 安部潤(Keyboards) / 土方隆行(Guitar) / 増崎孝司(Guitar) / 吉川忠英(A.Guitar) / 髙水健司(Bass) / 山木秀夫(Drums) / 斉藤ノヴ(Percussion) / AMAZONS(Chorus):大滝裕子・斉藤久美・吉川智子 / ルイス・バジェ(Trumpet) / 竹内悠馬(Trumpet) / 鍵和田道男(Trombone) / アンディ・ウルフ(Saxophone) / 石亀協子Strings
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