ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
私的メールマガジン「ほぼ週刊イケヤ新聞」のブログ版です。

ブルホーンでピストでカーボンホイール、っていう自転車の話ですが、マニアすぎですか?

2007年01月31日 07時00分31秒 | 自転車のはなし
ずいぶん前のコンテンツですが、
たくさんの人にアクセスしていただいているので、
以前の記事(以下の)のお詫びと訂正をさせていただきます。

※ピストが固定ギアであるかのように書いていますが、
ピスト、そのものは自転車競技(トラックレーサー)のことであって、こていぎあのメカニズムを指すものではありません。
僕も混同していましたし、世の中的にもピストは固定ギアということになっていますが、以前ご指摘いただいたとおり、ピストそのものは自転車構造ではありません。

ウィキのこのページに詳しいです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%94%E3%82%B9%E3%83%88



ブレーキ無しのフックスドギア自転車(フィクシーというようです)の参考記事はこちら。いい記事でした。
http://wiredvision.jp/archives/200504/2005040802.html


そして以下が、私が書いている
オリジナルのこの日のブログの記事です。
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きょーも徹夜明けではなくオハヨーブログでございます。

先日昼飯に弁当を会に出たら、会社の近くにこんな自転車が止まっていた。おお。
これはブルホーンで、ピストで、革シートで、しかもカーボンホイール、クロモリだ。

って、全然わかんないでしょう。自転車マニアすぎでしょうか。

ハンドルが不思議な形をしていますが、これはブルホーンといって、文字通り牛の角のような形をしたハンドルです。

よーく考えてみるといわゆるレースの時のドロップハンドルの下の部分を切ったとも言えます。これは実に合理的で、レースの時のマジ走りでない限りハンドルの下の部分は持ちませんので、街乗りでブルホーンというのは理に適った話。しかも、実際にとても持ちやすいと言えます。個人的にはストレートハンドル(しかも幅が広いもの)に比べればずいぶん持ちやすい。

ただ、この写真のブルホーンはやや、特殊な形状ですね。市販のものではないかも、競輪用のハンドルを本当に切ったモノかも知れません。

さらにこのハンドルにブレーキが一切付いていないのにお気づきでしょうか。もう、潔くついていませんが、これは命知らずなのではなく「ピスト」という構造に由来しています。この自転車には変速機がない、チェーンが後輪と直結していて、フリー(逆回転)もない。つまりタイヤが回ればペダルも回る。タイヤが逆回転すればペダルも逆回転する、というもっともコアなピスタです。なのでブレーキは足でかけます。ペダルを止めるのです。ピストには乗ったことがありません。たぶん足ブレーキはかなり筋肉が必要でしょうし、慣れないと止まれないでしょう。特に急ブレーキは厳しい。時々自転車便のメッセンジャーの人が乗ってますね。

そして、革シート、これはま、文字通りですが、自転車乗りとしては憧れるところです。新品の状態だと革シートはとんでもなく痛いらしいですが、乗り込んでくると革がなめされつつ、自分のお尻の形状に合ってくるようで、非常に使いやすいものとなるそうです。これも未経験ですが、1万円から2万円ぐらいでいい革シートがあるのでBROCKSとか。試してみたいと思っています。

さて、最後ですが、タイヤを取り付けているホイールが、この自転車はカーボンホイールです、鉄でなく、アルミでもなく、カーボンでできてます。軽いし、なんか戦車みたいにごつい。これも乗ったことがないですが、自転車レースに出場したときに、後ろからこういうホイールの人にガンガン抜かれたことがありました。「ゴー」っていう凄い音で後ろから迫られると、怖いです。周回コースだったので(茂手木100キロサイクルマラソンというレースでした、茂手木のコースを20周囲乗します)何度も何度も先頭集団に抜かれましたが、そのたびにあの威圧的な音がしました。

自転車の師匠、ウメちゃんによると、カーボンホイールはアップダウンが少なく直進の多いレースでは非常に有用だそうです。そういえばツール・ド・フランスでもタイムトライアルではカーボンホイールが多いように思います。

最後に「クロモリ」ですが、これはクロームモリブデン鋼という、鉄の素材で、この自転車のフレームがクロームモリブデン鋼でできていることを示唆しています。自転車はフレームが全てを左右しますが(というか他のモノは全て交換可能)いま、多くの自転車は軽いアルミ製。クロモリはやや重いが、素材に弾性があって柔らかく(アルミに比べて)ノリ心地がいいとされています。僕もロード車を買うときなクロモリを候補にしていました。ジェイミスとかね。でも師匠がロッシンRossinというイタリヤのレース車を紹介してくれたので、それに乗ってます。いい自転車です。

さ、ここまで読んだあなたは、もう自転車通です。ぜひ自転車通勤をしてみてください。僕も今日は自転車で通勤しようと思います。



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セルゲイ・ナカリャコフのフリューゲルホーンの低音は凄いぞ

2007年01月30日 06時14分33秒 | CD&コンサートレビュー
諸氏、今日は早朝おはよーブログでございます。

クラシックのCDを聴く機会は少ないのですが、ロシアの俊英、天才トランペッター、セルゲイ・ナカリャコフのCDを、とある理由で聴いてみた。驚いたねー。上手いなんてものじゃない、気持ち悪いほど上手いよ。音色も素晴らしいし。トランペットの演奏を聴きたくて買ったこのCDだったが、実際には始めと終わりの曲以外はフリューゲルホーンの演奏だった。この人がフリューゲルホーンを吹くのは知らなかったんだが、最近トランペットレッスンのクラスメイトから、最近はフリューゲルホーンに傾倒している、という話を聞いた。そうだったんだ。

ナカリャコフはトランペット協奏曲のたぐいはやり尽くしてしまっており、いまはフリューゲルホーンでチェロの曲を吹いているらしい。

ナカリャコフのフリューゲルホーンを聴いて驚いたのは、その低音の豊かさだ。初めて聞いたときはトロンボーンの演奏家と思うほど低い音を使っている。通常は演奏音としては出せない音域だが、どうやら4本ピストン(通常は3本ピストン)を上手く使って、ペダルトーンの領域までも使いこなしている。この音がまた素晴らしい。非常に太くて柔らかくて、音程もしっかりしている。

トランペットといえば高音が華であって、それが上手く出せないから音色の柔らかさでカバーできるフリューゲルホーン、というふうに僕は逃げてきていたんだが、ここにきてフリューゲルホーンの低域の魅力に気づかせてくれた。ジャズというフィールドでフリューゲルホーンの低域を使っている人は少ないが、これは、意外と行けるかも。

ただ、低域もココまで自在に使いこなすにはかなりの練習が必要だろうな。しかも彼の場合はその超低域から高域までをストレス無く移動できて、これはホントに凄いな……。

フリューゲルホーンの奥深さを思い知らされる一枚でもあるわけです、ああ、今回は専門的な話に終始してすまん。もちろん純粋なリスニングとしても素晴らしい一枚です。さらに、イケメン好きなあなたにも、期待に応える一枚ですよ。

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【例の法案】パブコメの〆切だ!の(週刊 自転車ツーキニスト293)

2007年01月28日 04時51分16秒 | 自転車のはなし
自転車を愛する諸氏へ。

自転車ツーキニスト。つまり自転車通勤の言葉の生みの親でもあり、リーダーでもある疋田さんのメルマガを転載します。

自転車は道交法上軽車両であり、車道を通るのが本分ですが自転車を車道から閉め出そうとする法案が通りつつあり、疋田さんはメルマガを通じてそれに対する反対運動をなさっています。私はそれに強く共感する者です。自転車を車道から閉め出す悪法、かなり進んでしまっているようです。

ところで自転車を愛する我々にも、できることがあることがわかりました。法案に対するパブリックコメントを書くことです。しかも締め切りは本日です!

転載したこのブログの末尾に載せてありますので、ぜひ。

ちなみに送り先はここです。

電子メールkoutsukyoku@npa.go.jp
※件名にパブリックコメントと必ず御記入ください
〒100-8974
郵送東京都千代田区霞が関2-1-2 意見提出先
警察庁交通局交通企画課法令係
パブリックコメント担当
FAX 03-3593-2375
※1枚目にパブリックコメントと必ず御記入ください
平成18年12月29日(金)から意見提出期間
平成19年1月28日(日)までの間(必着)

以下が疋田さんのメルマガの転載です。ぜひご覧ください。


  ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
┃ ┗┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳┛ ┃
┗━━┛                          ┗━━┛
       【例の法案】パブコメの〆切だ!の293号

■パブリックコメントの〆切がやってきた

 さあ、例の法案に関するパブコメの〆切が、明日に迫ったぞ。
 内容は各人様々いずれであっても、出そう。まだ間に合う。

 ちょっと誤解があるとまずいので、もう一度、念を押しておきたいんだが、この法案に関しての私の立場は「何が何でも法改正反対」というものではない。
 試案の中の「3 自転車利用者対策の推進(1)通行区分の明確化」に関しては、明らかに考えが足りない、だからして、いったん出直し、道路のシェアの仕方を考え直そう、というものだ。
 法改正自体がいかん、と言ってるわけではないのですよ。
 でも「3 自転車利用者対策の推進(1)通行区分の明確化」中でも<提言4-2-4>は、いかん。
 ツギハギして、解釈し直して、修理できるような代物じゃない。
 だから、もう一度考え直そう、一から出直そう、警察だけでなく国交省などの関係省庁をも巻き込んで、自転車のことを一度真面目に考えてみよう、というのが基本であります。

 警察庁にはすでに大量のパブコメが寄せられ、担当者は今後の対応に苦慮していると聞く。その数はいずれ警察庁記者クラブなどを通じて発表されるだろうが、相当な数に上っているらしい。
 また、今回の件で警察庁交通局内では、私はある種の有名人になってしまったそうな。もちろん悪い意味でだが。
 私ヒキタとしては、心より「とほほ」な話なんだが、もうこうなった以上、仕方がない。
 本来、こうした市民活動めいたことや、政治的なことがまったく似合わない私であったのだけど(ホントです。私を直接知っている人はご存じのはず)、何が人にドライブをかけるか分からない。

 いや、しかし、少々疲れたよ。
 昨日のTBS「イブニング5」(良い内容だったね、ホッとした)に出てる自分の姿を見ても、あまりに疲れた様子に、自分自身、ゲッとなった。やだやだ。
 まだやることは色々あるんだけど、まあ、とりあえず今回の「大量パブコメ浴びせ倒し」で、一段落だ。

 まずはちょっとだけ警察庁の様子見。
 だが、今後、たとえば「それでも<提言4-2-4>を残す」というような気配があるならば、とんでもないリーサルウェポンを放つ用意はある。できるなら放ちたくない。だが、その時がくるなら放つ。

 いやしかし、こういう活動は疲れるね。常に自転車法案の話を考えてなくてはならないし、人を動かすにはどうすればいいか、というのを考えるのは、考えること自体がしんどい話だ。本業が別にあればなおのこと。このメルマガだって、早くいつもの趣味的なヤツ「世界一臭い料理」だの「一人でカニ食べ放題」だののバカメルマガに戻したいんだけどね。

■前回の英文メッセージ

 作家の高千穂遙先生から、前回の英文メッセージは、一部、誤解を招くところがあった、ということで、改訂版を再掲したいとのこと。
http://www.takachiho-haruka.com/
 申し訳ないですが、欧米ジャーナリストなどにすでに送られてしまった方は、下記の文面を「改訂版」として、再び送って下さい。お手数をおかけします。申し訳ないっす。

Message from Takachiho Haruka (http://www.takachiho-haruka.com/)
(Note: This web site is available in Japanese only.)
Translated by Kuni Kimura

Unbelievably ridiculous bill is going to be presented to the diet in Japan.
Irrationally, bicycle is allowed to run on sidewalks in Japan, so naturally accidents between pedestrians and bicycles occur every day.

However, Japan National Police Agency schemed to ban bicycles to run on roadway and put the bicycles up on the sidewalks.
What NPA wants to do is to revise the road traffic law for sake of expanding car drivers' benefit.

A prominent Japanese cyclist Mr. Hikita Satoshi contributed an article for Asahi-Shinbun newspaper to appeal abnormality of the bill.
Please refer to the following URL for the detail. ( http://www.asahi.com/english/Herald-asahi/TKY200701160101.html )

Japanese cyclists are of course developing protest campaign against this shameful revision. However, situation is a bit tough. They need support. Please support their campaign. I wish you to post this message including Mr. Hikita's newspaper article at above URL on any and all bicycle related BBS, blogs and webs (in principle, please post this to where you can control).

Japanese bureaucrats are very conscious of what other countries say. Make this issue a big news that CNN and/or BBC to pick up WILL affect to the bureaucrats.

Your words could make a change.
Let the Japan National Police Agency know how irrational and unreasonable they are in the world standard.

I wish support of sensible cyclists from all over the world.

This article is free to copy and reproduce. By Takachiho Haruka

■パブコメ案・再々々掲

 ヒキタ式のパブコメ案は、次のごとくであります。
 まだ出していない人は、どうぞご参考に。

■■ヒキタ式パブコメ案■■

「道路交通法改正試案」に対するパブリックコメント

氏名  (*法人又は団体の場合は、その名称及び代表者の氏名)
連絡先 (*住所、電話番号又は電子メールアドレス)

*パブコメ応募要項には「ただし、氏名及び連絡先の記載は任意です」とされる。だが、私ヒキタとしては記載した方が好ましいと思う。

【本文】

 道路交通法改正試案(以下、本試案とする)の中、「3 自転車利用者対策の推進(1)通行区分の明確化」の全面削除を求めます。

 当該の項目については、一見、自転車の車道通行の原則維持、無秩序な歩道通行の是正などが強調されてはいますが、これらは現行法の維持に過ぎず、法改正の名に値しません。
 よって、当該項目の内容骨子は次の通りであると認定できます。
「自転車の歩道通行の条件を拡大し、その要件を法律で定めること」

 これは国民の福祉および日本の国益に明らかに反するものであり、全面的な削除を求めるものです。
 その理由は次の各項目にあげるとおりです。

●現在、自転車対歩行者の事故が急増している(10年で4.6倍)のにも関わらず、その解決法を、自転車の歩道通行の条件緩和に求めるのは、まったく矛盾しています。

●現状でも「無秩序な」自転車の歩道使用状況なのにも関わらず、その要件を緩和するならば、無秩序はさらに助長され、混沌状況を生み出すことは容易に推測可能です。加えて、現実として警察官の乗車する自転車が、無秩序に歩道を走る現状を鑑みると「警察官等が危険だと判断した場合には、歩道から下りなくてはならない(指示に違反した場合には、処罰の対象となります)」等の措置の実効性には、期待をもつこと自体が甚だしく困難です。

●高齢化が進む今、歩道の高齢者が今後ますます増えることが予想されます。その歩道に自転車を上げる条件を緩和することは、事故を誘発することになり、国民の福祉を大いに損ねます。

●現時点でも、障害者(中でも視覚障害者)にとって、歩道を走る自転車は多大な脅威になっています。それを助長することは断じて許されません。

●環境問題という観点から見ると、自転車はスピーディに移動する権利を有し、クルマの機能の一部を代替する交通手段となり得なくてはなりません。危険な道路であるのなら、危険でない道路にするべきです。その点、本試案が「踏まえ」ることとする「提言」中の<第4-2-4「自転車が車道を通行することが特に危険な場合は、当該道路の自転車通行を禁止することなどの措置を講ずること」>は、恣意的に「特に危険な場合」が決められてしまう可能性を孕み、自転車の走行を大いに阻害し、結果として、さらなる環境悪化を呼ぶことが懸念されます。これは世界の潮流にあからさまに逆行するもので、環境に対する悪影響だけでなく、国際社会においての日本の国益を大いに損ねるものです。

●本試案は、道路シェアの再構築という喫緊の問題にまったく言及されておらず、道路行政のさらなる混乱を招くものであるのみならず、過度のクルマ依存社会をさらに助長するものとなっています。

●本試案にある「自転車の原則、車道通行」「自転車の歩道通行が言わば無秩序になされている状況」などについての是正措置は、現行法で十分対応可能であり、法を改正する意味がまったく認められません。

●本試案が「踏まえ」ることとしている「自転車の安全利用の促進に関する提言」は、わずか6ヶ月、わずか6回の会合で提出されたものでしかなく、交通行政、中でも自転車行政に対しての深い思索、真摯な取り組みに、明らかに欠けていると言わざるを得ません。

●およそ30年間続いた実質上の自転車歩道政策により、我が国においては、車道を児童、高齢者などが自転車通行するのが困難になりました。ですが、そのことは今後、欧米諸国のように、自転車レーンの整備などで対処、補完するべき事柄であり、本来的な歩道通行の緩和の要件にはなり得ません。
 いずれにせよ、今法改正の当該箇所「3 自転車利用者対策の推進(1)通行区分の明確化」は、浅慮に基づくものであり、自転車問題をより悪化させるものと断じざるを得ず、法案とするに値しません。少なくとも、本試案の該当部分を削除し、現行法を維持する中、我が国の交通のより良き未来を作るべく、新たな法整備、インフラ整備への相応の努力をすることこそが急務であると考えます。

 以上。

 送り先は次の通り。

koutsukyoku@npa.go.jp
※件名にパブリックコメントと必ず記入すること。

〒100-8974
郵送東京都千代田区霞が関2-1-2 意見提出先 警察庁交通局交通企画課法令係 パブリックコメント担当
FAX 03-3593-2375
※1枚目にパブリックコメントと必ず記入すること。

平成18年12月29日(金)から意見提出期間
平成19年1月28日(日)までの間(必着)

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「低炭水化物ダイエット」リチャード&レイチェル・へラー著 ネコパブリッシング

 前回に引きつづき、またまたインスリン話。一つのことに興味を持つと、次も次もと思ってしまうのが私のクセなのだ。だが、この話は結構面白かった。
「食べたのに、まだまだもっと食べたい」という欲求は、インスリンと血糖とのバランスが崩れることから起きる、という発見。著者夫婦はそれに「炭水化物中毒」と名付けた。別に薬物でなくとも中毒は起こり得るというわけだ。
 すべての肥満がこの炭水化物中毒が原因というわけではないが、アメリカの過食症患者などのかなりのパーセンテージは、この炭水化物中毒ということを自己認識し、その治療プログラムを実行するならば、劇的に痩せるという。
 ほんまかいな、とも思ったりするが、ネットで検索してみると、あれま、結構、このプログラムの支持者は多いのだ。1年で-10kgだの-20kgだの成功例も数限りなくある。
 ダイエットというのは、個々人それぞれの体質や事情に合わせて、という部分はかなりあるとは思うが、きっと肥満者の中に「炭水化物中毒」であった人の割合がかなり高かったということなのだろう。
 しかしな。人体というのはホント不思議だね。

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「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
*昨年12月発売の最新刊。今回はなぜか「奈良・暗峠」「秩父・八丁峠」「北海道・日高峠」と、峠モノが満載。

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「大人の自転車ライフ」光文社知恵の森文庫
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【自転車通勤で行こう】
http://japgun.infoseek.ne.jp
バックナンバーはこちら。
http://www.melma.com/mag/03/m00016703/

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リコーのデジカメGRデジタルの21mmのワイドコンバーターとファインダーをつけてみた

2007年01月27日 12時37分29秒 | Photo&エッセイ
先日買ったデジカメがリコーのGRデジタルという、ま、ちょっと通好みのものなんだが、このカメラを買った理由の一つが、ワイドコンバーターが装着できることだった。
もともとGRデジタルは28mmのレンズが付いており、しかもズームがないという素晴らしさ。(おれにはズームはいらん)
でもGRデジタルは、さらにワイドコンバータで21mmの広角にできる。

21mmレンズといえば、35mmカメラを持ち歩いていた頃、俺の標準レンズは21ミリだと豪語して、オリンパスのOM4に21mmf3.5というズイコーのレンズをつけっぱなしにしていたものだった。しかも赤いフィルターをつけトライXというモノクロフィルムを詰める、という文学的写真オタクぶり。今思えば何者だという感じだが、21mmという広角のが角は僕の肉眼の主観的な意味での視野に近いと感じた。

で、デジカメ時代になり、写真へのアテンションもかなり一般的なプチブル的なモノとなったころに、再度、このデジタルカメラの21mmの登場。再びカメラを持ったアートなゲリラに回帰できるかどうかは、このウェッポンがどのくらいの破壊力を持っているか、にIT ALL DEPENDSである。

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【速報】警察側が軟化し始めた?の(週刊 自転車ツーキニスト292)

2007年01月26日 18時22分53秒 | 自転車のはなし

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┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
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       【速報】警察側が軟化し始めた?の292号

■速報!「警察側の弁明 2」

 ひょっとしたら、警察庁が、軟化し始めているのかもしれない。
 同庁の企画官・某氏が、とあるメディアに次のように語ったことが判明したからだ。

「自転車を車道から締めだすようなことはしません」

 え?
 おお、そうか。そうなのか……(歓喜)。
 ようやく分かってくれたのか。

 かつて警察官僚OB某氏が、私に対して、「なぜ自転車は車道を走る必要なんてあるんですか」「歩道を安全に走れば十分じゃないですか」「全部歩道に上げてしまえばいいんですよ」などと言い放った頃に較べると、大違い、段違いだ。
 警察は、いよいよ自転車のことを考えはじめたのか。

 だが、企画官氏は、次のようにも続けたという。

「現場では、ケースバイケースですね。現場の警察官の判断で、危険だと思われたなら、歩道を走るように指導しますし、その逆もあります。あくまで現場判断です」

 あ、やっぱり分かってない……(落胆)。

 それじゃダメなのだ。
 車道通行は、大原則であって、それが"現場の警察官の判断"ごときで覆されてしまっては何の意味もない。環境的にも、スピーディな交通のためにも、事故を減らすためにも。

 だいたい現場の警察官とは、例の白チャリお巡りさんのことですぞ。
 自らが歩道通行オンリー、併走平気、自転車のルールを理解せず、現行法上でも「キミキミ、歩道に上がりなさい」の、"現場の警察官"なのだ。彼らが「危険と判断」する基準、指導する内容など、推して知るべしではないか。

 だが、今後、この企画官氏の言う通りになるならば、そういう白チャリお巡りさんに対して、これまでのように「何言ってんだ、道交法を知らないな」と、シカトできなくなる。
 警察官のそういうワケのワカラン注意に、強制力が生まれるからだ。
 何しろ試案には、ことさらに「指示に違反した場合には、処罰の対象となります」が、強調されているのだ。

 さらに例の試案が踏まえるという「提言」についてはどうだろう。

 中でも焦点の<提言4-2-4>。
 同氏によると「アレは委員の中に、どうしてもこの条項を入れてくれと強硬に主張する人がいまして……」ということなのだそうだ。
 ほう、そういう特に突出した人が言っただけなのだな?
 ならば、法案からは外してはいただけないものだろうか。
 そもそも「提言の要旨」にも「概要」にも入れていなかった「取るに足りない」条項だった筈だ。

 だが、<提言4-2-4>を外すかどうか、そのあたりに関しては、一切、言及なし。

■この程度の認識

 まだまだこの程度の認識なのだ。
 警察サイドは、我々が何を言いたいのか、あんまり理解しているとは思えない。何より自転車というものを理解していない。

 私は考えてしまう。
 結局、冒頭の「自転車を車道から締めだすようなことはしません」は、どの程度の「締めだすようなことはしません」なのだろうか。
 要は「締め出し」のパーセンテージなのだと思う。
 警察側のこの程度の認識を聞くに、「都内幹線道路が禁止」どころか、車道の6割程度が自転車OKであるならば「締め出し」には当たらないと考えている、と、そういう可能性すら出てきた、と思う。
 意味は分かってもらえることと思う。
 現在の歩道において、自歩道比率は、4割なのだ。

 パブコメ〆切まで、あと2日。私はサンプルとしてあげたあの内容を変更する必要性を、まったく感じていない。

■昨日(1/25)の東京新聞

 昨日の東京新聞(中日新聞)でも、この問題は特集されていて、懇談会委員・古倉宗治氏が、次のように答えている。

「諸外国でもトンネルや橋など危険なところでは自転車が歩道を通行している。通行禁止にするかは行政の運用次第だが、道路全体を禁止にするようなイメージではない」

 古倉氏に関しては、自転車派の論客でありながら、例の提言を作った懇談会委員の一人、という、非常に微妙なお立場で、新聞社に答えるのもタマラン話だとは思うのだが、その古倉氏の見解にも、やはり大きな危惧を感じてしまうのだ。

 一つは「通行禁止にするかは行政の運用次第だが」の部分。
 そこが危ないわけですよ。行政の運用次第で「アソコも禁止、ココも禁止」となってしまうのではないか、というのが<提言4-2-4>の一番、危惧される部分なわけでしてね。
「行政の運用次第」という、ここの部分を放置していては、やられ放題になってしまうわけだ。

 もう一つが「道路全体を禁止にするようなイメージではない」の部分。
 そりゃ、道路全体を禁止にはしないでしょう。
 私だって、警察がそこまでやるとはさすがに考えてはいない。だが「特に危険な道路」指定が、前述のように全体の4割だとしたら? または1割、ということでもいい。
 その1割は間違いなく、一番、クルマの通行が多い道路、つまり「幹線道路」に重なるのだ。
 前々から言っているとおり、その「幹線道路」が禁止されるダメージこそ、円滑な自転車通行にとっては最も脅威になる。

■欧米に知り合いがいる人は

 作家の高千穂遙さんが、次のような英文メッセージを作ってくれました。
 高千穂氏によると「英米のマスコミに知り合いがある方、その人たちにぜひ送ってほしい。日本ではいま、こんなにとんでもないことが画策されているのである」とのことである。

 メールでばらまいて下さい。
 内容はちょっとばかり過激ですが、よろしくお願いします。

Message from Takachiho Haruka (http://www.takachiho-haruka.com/)
(Note: This web site is available in Japanese only.)
Translated by Kuni Kimura

Unbelievably ridiculous bill is going to be presented to the diet in Japan.
Irrationally, bicycle is allowed to run on sidewalks in Japan, so naturally accidents between pedestrians and bicycles occur every day.

However, Japan National Police Agency schemed to ban bicycles to run on roadway and put the bicycles up on the sidewalks.
What NPA wants to do is to revise the road traffic law for sake of expanding Automobile corporations' and car drivers' benefit.

A prominent Japanese cyclist Mr. Hikita Satoshi contributed an article for Asahi-Shinbun newspaper to appeal abnormality of the bill.
Please refer to the following URL for the detail. ( http://www.asahi.com/english/Herald-asahi/TKY200701160101.html )

Japanese cyclists are of course developing protest campaign against this shameful revision. However, situation is a bit tough. They need support. Please support their campaign. I wish you to post this message including Mr. Hikita's newspaper article at above URL on any and all bicycle related BBS, blogs and webs (in principle, please post this to where you can control).

Japanese bureaucrats are very conscious of what other countries say. Make this issue a big news that CNN and/or BBC to pick up WILL affect to the bureaucrats.

Your words could make a change.
Let the Japan National Police Agency know how irrational and unreasonable they are in the world standard.

I wish support of sensible cyclists from all over the world.

This article is free to copy and reproduce. By Takachiho Haruka

■そうそう、お次は

 うふふふ、お次にくるのは、本日のTBS「イブニング5」NHK「クローズアップ現代」と「日経アソシエ」誌です。
 まだまだメディアラッシュは続くぞ。

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【自転車通勤で行こう】
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池袋東武百貨店の四川飯店で食べた陳健一麻婆豆腐はなかなか辛ウマだったぞ

2007年01月26日 03時36分41秒 | 一食入魂&つけ麺ジャンキーズ
仕事で池袋のヤマハで打ち合わせに行った後、約三名ほどで駅周辺でうろうろ昼食どころを探していたら、東武百貨店に陳健一の四川飯店があることを発見、早速ランチで行ってみたところ、「陳健一麻婆豆腐」ってやつがあった。これはいくしかない。
ちなみに立川のグランディオっていう駅ビルにも麻婆豆腐専門の「陳健一麻婆豆腐店」と言うところがあり1000円程度で麻婆豆腐が食えるが劇ウマで、わざわざ飯代と同じぐらいの電車賃使って食べに行ったりします。
そのときの写真とコメントがありますが、こんな感じです。

今回の麻婆豆腐もほぼ同じ感じの味。辛みも同じくらいかややマイルドか。辛いモノは苦手な俺だが、この麻婆豆腐は食うな。深みのある辛さで、ご飯をいっぱい食べてしまいます。山椒が効いてる。赤坂の四川飯店で食べた「本場の麻婆豆腐」は、もっとからくてもっと山椒が効いていたように記憶してます。

汗だくで麻婆豆腐を食べてふと外を見ると、そこは池袋の空であった。

※ちなみに僕が食したのは陳麻婆豆腐というヤツでした。通常の麻婆豆腐はもう少し普通のようでした。辛いけど美味しい陳麻婆豆腐をお奨めします。







西武新宿駅前の梱包芸術_あたかもクリストのように包まれたパチンコ屋

2007年01月25日 01時43分17秒 | Photo&エッセイ
通勤の時、新宿歌舞伎町で時々空を見上げることがある。西武新宿駅の褐色が蒼空に向かって屹立している寒い冬の朝。ふとその横を見るとまるでクリストの梱包芸術よろしく、ビルが一棟丸ごと梱包されていた。見慣れた風景の一部が、梱包で包み隠されることで、ランドスケープは突然異化され、違和感が生まれる。まさにアートが生まれる瞬間なのではないの、これって。
ま、実際は改修工事ですが。あとは驚きの字の大きさ。今まで見たポイント数の中で一番大きい級数かもしれない……。。

大学時代に西武美術館にクリスト展を見に行った思い出があります。そのときクリストがそこにいたように想うのですが、勘違いかも知れません。当時よく読んでいた写真雑誌photo japonか写楽に、クリストが特集されていたのもよく見ました。確か日本で行った巨大な番傘を東北の山中に立てるというようなインスタレーションの時、撤収か設置時にアルバイトの人が亡くなり、それ以降こういうインスタレーションものはやっていないと思っていたのですが、現在ではもうちょっと軽い素材でセントラルパークの全ての歩道に天井をつけるゲートプロジェクトというようなインスタレーションを行っているようです。こちらにその詳細がありました。
http://www33.ocn.ne.jp/~artv_tenpyo/tenpyo/webtenpyo/3-8/tateishi0812.html

クリスト自身のホームページに、ゲートプロジェクトのプロセスの写真が掲載されていました。これはアートですけど、工事現場でもあるな。
http://christojeanneclaude.net/liveGates.html


クリストの作品がたくさん掲載されていたブログがありました。
http://hybridart.ameblo.jp/entry-b826f224c527f50334f818fbde0deb77.html
ぜひご覧ください。

ちなみにこれがローマの門を梱包したところです。


クリスト包まれた遊歩道資料展 (1982年)

アルカンシェール美術財団

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さて、ウィキペディアでのクリストについての公式な説明は以下です。

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クリスト(Christo, 1935年6月13日 - )は、20世紀~21世紀のブルガリア生まれの美術家。
本名はフリスト・ヴラディミロフ・ヤヴァシェフ(Христо Явашев, Christo Vladimirov Javašev(Javacheff))。妻のフランス人美術家、ジャンヌ=クロード(Jeanne-Claude Denat de Guillebon、1935年6月13日モロッコ生まれ)とともに「Christo and Jeanne-Claude」の名で活動している。20世紀の美術は芸術概念の拡張からさまざまな流派や傾向を生み、「アースワーク」「ハプニング」のような、従来の「美術」の枠組みからはずれたものも多い。

その「作品」は一言で言えば「梱包」である。彼の「梱包」は1958年、日用品の梱包から始まったが、もともと巨大な建物(後述のライヒスタークなど)や自然や公園の風景全体を梱包するアイデアはそのころからあった。1960年代以降、梱包は次第にその規模を巨大化させていく。美術館の建物を丸ごと梱包するのは序の口で、アメリカ、コロラド州にあるロッキー山脈の幅400メートルもある谷に巨大なカーテンを吊るした「ヴァレー・カーテン」(1970-72)、オーストラリアの高さ約15メートル、長さ2キロメートルにおよぶ海岸を丸ごと梱包した「海岸の梱包」(1969)など、途方もない作品もある。

これらの「作品」はその性格上(布の性質、天候による破損のおそれ、自然に対する影響、担当役所による設置許可期間など)永続することは不可能で、もとよりクリストには恒久展示して永続させる意図はまったくなく(作品は夢のように現れ、夢のように消えて観客の中にしか残らない)、今は記録写真によってしか見ることはできない。見た者は、人工的な色の布で自然の風景が変わることや、見慣れた都会の風景が梱包で一変することに新鮮なショックをうける。もっとも巨大化する一方の梱包や、産業化したクリスト夫妻の作品制作にたいする疑問もある。

1973年よりアメリカ国籍を持つ。それぞれのプロジェクトにかかる巨額の費用は、美術館や政府や企業の援助のほか、プロジェクトの設計図、完成予想図などのドローイングの販売などでまかなっている。また、プロジェクトは毎回、その梱包や作品設置の舞台となる場所の住民・政府官僚などとの許可が必要であり、しばしば反対運動や「これは芸術か否か」といった論争に巻き込まれており、1960年代の構想からそれぞれの実現まで数年から数十年がかかっている。

週刊 自転車ツーキニスト 【例の法案】「警察側の弁明」の291号

2007年01月23日 16時14分48秒 | 自転車のはなし
自転車を愛する諸氏へ。

自転車ツーキニスト。つまり自転車通勤の言葉の生みの親でもあり、リーダーでもある疋田さんのメルマガを転載します。

自転車は道交法上軽車両であり、車道を通るのが本分ですが自転車を車道から閉め出そうとする法案が通りつつあり、疋田さんはメルマガを通じてそれに対する反対運動をなさっています。私はそれに強く共感する者です。自転車を車道から閉め出す悪法、かなり進んでしまっているようです。

法案は最近比較的に話題となっていますが、まだまだ成立してしまう公算のほうが多いように思えます。悪法を敷設が目、ぜひ皆さんのご支援をよろしくお願いします。

以下、疋田さんのメルマガです。

 



  ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
┃ ┗┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳┛ ┃
┗━━┛                          ┗━━┛
       【例の法案】「警察側の弁明」の291号

■第2東京弁護士会シンポジウムにて

 おお、我ながらうまいタイトルだ。警察側の弁明。アガサ・クリスティか、っつの。あれは「検察側」だって。

 さて、前号の続きのような形だが、第2東京弁護士会の古川弁護士に対して、警察側からは次のような説明があったという。なんでも「今回の法案については、誤解されている」というのだ。
 警察が言う大まかな要旨は次の通り。

「今回の改正法は、あくまで『自転車の原則車道通行』を徹底させるために行うもので、あらかじめ、幼児、児童などの車道通行できない人々を指定し、彼らにおいては、警察官が『車道に下りる』ことを注意しないために定めるもの」

 なのだそうだ。(*脚注1)
 いやまあ、言うに事欠いて……、というのが、私の率直な感想だが、それにしても、うまいもんだな。私はちょっと唸った。
 自転車について知らない人は、容易に騙されてしまう。
 例の「提言」が「試案」に変わる際、警察側の言いようが随分と変わったな、とは誰もが認めるところだろうが、その「試案」の中に隠された隠し球が、まさにこれだったのだ。
 なるほど、巧みだ。官僚作文とはこれのことを言うのか。

 だが、だ。
 よくよく考えてみると、これまた、おかしなことだらけ。

 誰もが最初に思うのが「だったら、まず警察官が車道に下りてからモノを言え」というツッコミだろう。歩道通行、併走、が当たり前の白チャリの実体については、誰もが重々ご承知の通りだ。私など、二段階右折をしない白チャリだって目撃したぞ。それもつい一昨日の話だ。六本木通りと駒沢通りが交差する三叉路。
 その彼らがどのツラ下げて「自転車は交通法規を守りましょう、自転車は車道に下りましょう」だ?

 ……。
 まあいい。
 その辺りのことは、いわば枝葉末節(ホントは枝葉末節どころじゃないが)としよう。
 警察の上記の弁明には、それどころではない、どうしようもない欺瞞があるのだ。

■車道通行を徹底させるためだって?

 幼児や児童の自転車を、原則車道通行から除外するためならば、そうストレートに書けばいい。
 だが、本試案はまったくそうなってはいない。
 試案の当該部分をもう一度、よくよく見てみよう。

道路標識等により普通自転車歩道通行可の規制がなされている場合のほか、児童(6歳以上13歳未満の者)・幼児(6歳未満の者)が普通自転車を運転する場合、車道を通行することが危険である場合等と、普通自転車が例外的に歩道を通行することができる場合の要件を法律で明確に定めることとします。

 児童、幼児はよろしい。
 児童の「13歳未満」という括りに多少の議論の余地はあるだろうが(つまり10歳未満という程度にしてもいいのではないかという考え方)、そうは言っても、児童・幼児に関しては、欧米先進諸国でも、歩道通行が認められている。これは当たり前のことだ。彼らは保護されてしかるべきである。
 だが、問題は次の部分だ。

車道を通行することが危険である場合等

 なんなんだ、これは(怒)。
 何が「場合等」なのだ?

 試案のこの部分の不自然さは、そもそも日本語としておかしいことにもある。
 カテゴリーの違うモノをあえて並列して並べてあるからだ。「児童・幼児」を取り除いてみると、このことは一層はっきりする。
 いいだろうか。
「児童幼児の場合」と「危険である場合」は、歩道通行を許可する要件として、並列して並べてあるわけで、どちらかを取り除いても意味が通じなくてはならない。
 では、取り除いてみよう。よく読んでいただきたい。
 ちなみにこの場合の「規制」とは「許可」と同じ意味合いであります。

道路標識等により普通自転車歩道通行可の規制がなされている場合のほか、車道を通行することが危険である場合等と、普通自転車が例外的に歩道を通行することができる場合の要件を法律で明確に定めることとします。

 ??
「のほか」?
「道路標識等により普通自転車歩道通行可の規制がなされている場合」と「車道を通行することが危険である場合等」は、どう違うのだろうか。
 要するに「車道を通行することが危険である場合」なのであれば「道路標識等により普通自転車歩道通行可の規制」つまり「自歩道指定」をすればいいというだけではないか。
 もちろん現行法で十分対処可能である。

 それなのに何故、法を改正して、改正法案に殊更に「車道を通行することが危険である場合等」を記してくるのかというと、そのココロは、もちろん例の「提言」の中にある。
 要するに、この「車道を通行することが危険である場合等」こそが、<提言4-2-4>とセットなのである。
 このメルマガで何度も何度も取り上げた、あの<提言4-2-4>。繰り返しておこう。

第4、2(4)「自転車が車道を通行することが特に危険な場合は、当該道路の自転車通行を禁止することなどの措置を講ずること」

 ホントにもう、言うも言ったり、「児童と幼児を『原則、車道』から外すため」か。
 旗色が悪くなってきたかと思って、そんな詭弁を弄するか。

 この言い分は、何も知らない人にとっては、一見「ごもっとも」と聞こえがちだが、もうお分かりの通り、詭弁も詭弁、大詭弁である。
 本当に「幼児・児童」という、ただそれだけが狙いならば、ストレートにそう書けばいいのだ。それならば私だってなんの異存もない。
 だいたい児童と幼児を原則から外すためならば、なぜ<提言4-2-4>が必要なのか。まったく意味が分からない。
 ホントにもう悪あがきもいい加減にしていただきたいものだ。

 もう一つ言うなら、古川弁護士は、警察庁にこう聞いている。
「ならば、今後、原則車道を徹底させるためには、自転車で走れない歩道(全体の6割に及ぶ)には、そういう標識をつけるなどの措置を講ずるのですか?(国民がそれを知らない以上、知らしめるんでしょうね?)」
 返事はこうだ。

「その予定はない」

 語るに落ちたとは、まさにこのことだろう。

■シンポジウムでさらに判明したこと

 やはりこういうシンポジウムはタメになる、と思ったのは、続々と新事実が判明してくることだ。
 現行法上「自歩道については、あくまで歩行者優先であり、自転車は徐行すること」となっているのは、誰もがご承知の通りだと思うが、では、その「徐行」のスピードを、警察庁はどの程度と考えているか。
 ご存じですか?
 私は知らなかった。第2東京弁護士会が用意した資料によると、驚くなかれ、時速4、5kmである。自転車は歩道通行の際には、時速4、5kmで走ることを想定している、と、警察庁は、国会で答弁しているのである。

【参考資料】
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/084/1050/08405091050012c.html

 時速4、5kmって、あなた、そりゃ歩行速度と同じでんがな。
 徐行も何も、だいたいそのスピードでふらつかずに自転車に乗るってのは、かなりのハイテクニックですぜ。
 答弁した鈴木交通企画課長(当時)は、ホントにそのスピードで自転車を運転できるとお考えだったのだろうか。

 要は、何にも自転車のことを知りもしないし、自転車について、何にも考えちゃいない、そういう人々が、実に安易に「自転車なんてこの程度」として、勝手に推測し、勝手に決めているだけなのだよ。
 そこにあるのは、果てしなく深い絶望あるのみだ……。

 なんなんだ、この人たちは。

■頼むから、一度、真剣に考えてみてくれ

 とにかくもう、一度でいいから、自転車について真面目に考えてみようよ。

 メンツだの何だのがあるのかもしれないが、今回の提言やら試案やらをツギハギし、詭弁を重ね、体面を取り繕うんじゃなくて、一度、取り下げてから、一から考えてみようじゃないの。
 たった6回、たった半年、それも門外漢の学者だらけの懇談会で出た「提言」なんかじゃなくて、きちんと「これからどうあるべきか」ということを、国家百年の大計として考えてみようではないか。
 それをするために、あなた方は官僚になったんじゃないの。

 私は知っている。官僚になる人々は、本来、みな理想が高いのだ。
 少なくとも、私の同窓生はそうだった。コイツはすごいなー、理想が高いなー、かなわないなー、という連中が、国家公務員一種試験を通って、○○省庁の役人になった。皮肉でも何でもなく、これは確かなことだ。
 マスメディアあたりが何を言おうと、アホな議員が何を言おうと、「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」の思いで、日々の批判に耐え、理想に邁進する、それこそが、あなた方のやりたかったことじゃないか。
 その行き着く先は「理想」だったはずじゃないか。
 だったら、頼むよ。
 日本の道路行政の理想を考えてくれよ。

 私は言わない。
「法案、取り下げたよ(または改変したよ)、ざまみろ」なんてことは口が裂けても言わない。心の底から、言わない。
 むしろ、警察庁エラい! と言うだろう。やっぱり日本の警察は国民のための官庁だった! と言うだろう。これは本気で言っているのだ。
 私だって、より良き日本の交通行政のために、と思っている。
 それについては(たぶん)警察庁だって同じ筈じゃないか。

 よりスムーズな交通のため、環境のため、弱者優先をどうするかを考え、事故を少なくするためにどうするかを熟慮し、交通教育を徹底し……、と、そういったことを、ひとつひとつ、真面目に考えようよ、と思うのだ。
 現在の世界的潮流の中、交通行政のキーワードの一つは、間違いなく「自転車」である。
 ならば、その自転車について、一発、真面目に考えてみようじゃないのよ。
 担当者は、ちゃんと自転車に乗ってみて、その上で、日本の道路行政はいかにあるべきかを真摯に考えようよ。

 本気の話、それだけが、私の思いなのだ。
 警察庁は、そのあたりを汲み取っていただけないだろうか。
 パブコメもたくさん届いたはずだ。みな、真面目に考え、真面目に公共の福祉のため、日本のため、と思って、わざわざパブコメを寄せているのだ。

 今、これをリアルタイムで読んでる、警察官僚の方々、いるでしょ? いないとは言わせない。
 私の考え方は間違っているだろうか。あなた方の今回の法案は正しいだろうか。
 ちゃんと考えてみていただきたい。あなた方にはそれができるはずだ。それどころではない溢れる知力をお持ちの筈だ。

 一度、ドイツやオランダやデンマークの状況を見てきてはいかがか。もっと遅れたフランスやイギリスでもいっこうに構わない。日本がいかに歪でおかしな道路行政をやっているかを、知っていただきたい。
 というより、現在、既にして、本当はあなた方も知ってるはずだ。それが「日本という特殊事情」などでは誤魔化せないことなど、ホントはとうにご承知の筈だ。

 ヒキタ、心よりのお願いであります。
 是非、考え直していただきたい。

(*脚注1)
 現在、警察庁は、これと同様のことを、新聞各紙の編集委員レベルに語っているという。こう言っちゃ何だが「火消し」に躍起だ。
 話の内容を聞いてみると、まったく……、自転車を知らないと思って、好きに吹いてるもんだ、と私などは思う。
 今回の「自転車通行禁止の措置」に関してだって、あくまで「例外的な措置」なんだと。
 例外措置、例外措置、と言いながら、70年と78年の道交法改正以降、どうなったか。
 いつぞやの号の繰り返しになるが、

【自転車の歩道走行認可は、あくまで例外措置】

 ↑これが、70年、78年。

【自転車の車道通行制限は、あくまで例外措置】

 ↑これが今回なのだ。

 どう信じればいいというのか。
 ゴマかしもいい加減にしていただきたい。

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

 今回もお休み。
 現在発売中の「BiCYCLE CLUB」誌(1/20発売)は、この法案に関して、10ページの大特集を組んでいます。是非ご覧下さい。

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「トランペットのハイトーンを出すには、力を抜くことが大切」by原朋直

2007年01月22日 23時06分50秒 | 原朋直トランペットレッスン講義ノート
●原朋直講義録です。月に一度ヤマハ銀座アネックスのジャズトランペットのコースに通っています。その講義録を不定期掲載中!

まとめてみるならこちらをクリック!


今回のテーマはトランペット吹き永遠のテーマ、高音。
なんと「トランペットのハイトーンを出すには、力を抜くことが大切」という逆説的なテーゼが披露された驚きと共にお送りします。

原朋直氏談

トランペットという楽器は高い音を出そうとすると顔に力が入ります。顔に力が入るとどうなるかというと、アパチュア、口が小さくなる。それはあまり良くない。
→ちなみに穴が小さくなる奏法もあります。スーパー・チョップスといいます。ビックリするほど高い音がでる。でも僕はあまり好きじゃない。

オーソドックスなのは、アパチュアが同じで高い音を出すこと。これが大切。
→近年は舌を使う合理的なメソッドも開発されつつある。(口述)

穴の大きさ(アパチュア)が変わらないということは、振動体の柔らかさが変わらない。振動体=唇が、低い音と同じ柔らかいままであれば、実は高音はとても簡単に出るはずなんです。つい力むと、口に力を入れることで振動体(唇)が堅くなり、高い音が出ないという悪循環が生まれる。
ハイトーンはリラックスしている方が出るわけです!

自分がアパチュアを変えようとしていたら、無意識に、自動的に唇のセットアップを変えようとしていたら、それは意識的にならないようにする。
アパチュアを替えないようにすること。もう、これはメンタルな問題です。どうしたらいいのか。上の音を出すときに、意識的にメンタルの面で唇の力を抜くことを考える。
音が荒れてもいいので、アパチュアを変えず、柔らかい唇で吹くことが大切です。

アパチュアを変えないためには力を抜くのが大切。下顎の力を抜く。
舌でサポートするメソッド。オ・ア・エ・イ・ヒ・チ・キ。O A E I HI TI KI。
この舌の使い方で音の高さをサポートするというメソッドが提唱されている。
ただ、舌は単にサポートに過ぎないです。アパチュアを同じにするのが大切。
これも賛否両論ですが。

早いリップスラーは舌でやります。オイオイオイってやります。

(冒頭の写真は、ハイトーン専門のクラシック用トランペットでピッコロトランペットといいます。エリック宮城さんはこれをクラシックでも使用してます!)


エビデンス・フォー・マイ・ミュージック
原朋直(tp), 緑川英徳(as), 吉田桂一(p), 上村信(b), 井川晃(ds)
キングレコード

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憂鬱と官能を教えた学校

河出書房新社

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改訂版 ポピュラー音楽に役立つ知識

シンコーミュージック

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ジャズスタディ 渡辺貞夫

エー・ティ・エヌ

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やっぱり桜台丸長のつけめんは最高、今回はたまごつけ麺の辛めでどーだ

2007年01月20日 00時34分05秒 | 一食入魂&つけ麺ジャンキーズ
桜台に住んでいた頃は今思え幸せであった。最寄りのラーメン屋が丸長だったわけですから。そのころは毎週食べていたつけ麺も、いまは時々しか行けないが、つけ麺ジャンキーとしては、極私的に世界最強のつけ麺を、自分を確認するかのように時々食べていくのです。

というわけで、ちょっと前ですが行ってきました。今回はいままでしょうかいしたことのない、たまごの「辛め」。この「辛め」というオプションが使えるようになるまで、何年かかっただろうか。もちろん初めてでも言えるわけですが(知っていれば)、かなりおばちゃんに顔を覚えてもらってからでないといいにくい空気がある。

さて、辛めですが、写真を見て懸命なる読者はおわかりのように、唐辛子がかなりふられます。たまごの場合、たまごじたいが持つ甘さが汁にあるので、それを和らげつつアジに深みを出すというアプローチで、なんつーか、ただ辛いという感もある。でもハフハフいいながら食べるとこれまたうまい。

太めの麺との相性も抜群。しかしここまで太くて白い麺は他では巡り会えないものだ。うどんに近いね、見た目は。稲庭うどんよりは確実に太い。

ああ、書いているうちに居ても立っても居られなくなるほど食べたくなったが、次に食べられるのがいつかはわかりません、ああ、悔しい。早く丸長をこえるつけ麺を見つけて、つけ麺ジャンキーズを卒業したいものですが。なかなか見つけることは出来ません......................................。


マイケル・ブレッカーを悼んでCD『ニアネス・オブ・ユー』をご紹介

2007年01月18日 18時07分02秒 | CD&コンサートレビュー
『ニアネス・オブ・ユー:ザ・バラード・ブック』
マイケル・ブレッカー
ユニバーサルクラシック
UCCV-1018

史上最大のジャズサックスプレイヤーといえば、
おそらくジョン・コルトレーンですが、
マイケル・ブレッカーは、コルトレーン以降最も影響力のあった
サックスプレイヤーといっても過言ではないでしょう。
数年前に血液ガンの一種にかかったことを発表して、
以降演奏活動を中止し闘病生活をしている、と聞いていたのですが、
残念なことに1月13日、
マイケル・ブレッカーはこの世を去ってしまいました。享年57歳。
ジャズプレイヤーとしてはこれから渋みを増し、
円熟期を迎えるところでの逝去は、
一人の音楽ファンとして、本当に哀しみに耐えません。

マイケル・ブレッカーはオーソドックスなジャズでも、
そして先鋭的なジャズのフィールドでも活躍しました。
またそれだけでなくポール・サイモン、ジョニ・ミッチェルなどのロックや
ポピュラーのフィールドでも素晴らしい演奏を残しています。
日本のアーティストではSMAP、吉田美和の録音にも参加。
以前僕が見たテレビ番組では、森山良子がジャズスタンダードを
ニューヨークの老舗ライブハウスで歌うという企画があって、
そこでゲストプレイヤーとして吹きまくっていました。
本当に多彩なジャンルのアーティストに尊敬され、愛された、
偉大なサックスプレイヤーだったと思います。
個人的な思い出としては、もうずいぶん前ですがサントリーホールで
ハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(d)
とマイケル・ブレッカーが共演したライブを見に行きました。
あれは終わった後でまるで夢かと思うほど、素晴らしかったですね。
あの音色とフレーズをもう生では聴けない、と思うと
本当に寂しい限りです。

ただ、ミュージシャンはこの世を去っても
レコードやCDを残してくれますから、
僕たちはそのCDを聴けばいつでも彼らを思い出すことができます。
マイケル・ブレッカーはグラミー賞を11回も受賞しており、
共演アルバムも含めて素晴らしいアルバムを山のように残していますが、
今日は2001年にリリースされたソロアルバムの、
バラード集をご紹介したいと思います
ギターには、当代一のパット・メセニー。(ああ、彼は悲しんでいるだろうな)
そしてピアノにハービー・ハンコック、ベースにチャーリー・ヘイデン、
ドラムにジャック・ディジョネット、さらに、スペシャル・ゲストとして、
ボーカルにジェイムス・テイラーが2曲参加しているという、
凄いメンバーのアルバムです。もちろんどの曲も素晴らしいですが、
今となってはジェイムス・テイラーが歌うタイトルチューンの
「ザ・ニアネス・オブ・ユー」が特に心に染みて、泣けてしまいます。
というのも、この曲は「あなたが、すぐそばにいる、それが何より嬉しいよ」
ということを歌った曲だからです。この曲のサックスソロは、
とても柔らかくて優しいです。マイケル、いい演奏をありがとう。
僕が好きな曲の中に、あなたがいなければ生まれなかったであろうものが
たくさん、たくさんあります。今頃天国で、憧れていたコルトレーンと
思う存分サックスでセッションをしていればいいのですが。

『ニアネス・オブ・ユー:ザ・バラード・ブック』の情報は
以下のページにあります。試聴も行えます。
http://mmag.yamaha.co.jp/link/trace_mail.j?key=163811-1-2

「おとなを、休む日」の「おとなのこだわりCD」では
マイケル・ブレッカーが参加したアルバム、マイケル・フランクスの
『スリーピング・ジプシー』をご紹介しています。このアルバムも
名曲「アントニオの歌」などが収録された大変素晴らしい名盤。
そちらもぜひお聴きください。
こちらです

<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=ikeyashinbun-22&o=9&p=13&l=ur1&category=music&banner=0E4MEXDHKA20CQQX1RR2&f=ifr" width="468" height="60" scrolling="no" border="0" marginwidth="0" style="border:none;" frameborder="0">

餃子王ことパラダイスさんの著書『餃子のスゝメ』のススメ

2007年01月18日 09時58分02秒 | レバレッジリーディング

『餃子のスゝメ』(マガジンハウス)
著者:パラダイス山元
ISBN:978-4-8387-1683-8

読者の皆様、あけましておめでとうございます。
本年も、「おとなを、休む日」をよろしくお願いします。

さて、今年最初のメルマガ版「おとなを、休む日」では、
以前「おとなを、休む日」のインタビューコンテンツ、
「あの人の、休日」にもご登場いただいたパラダイス山元さんの
近著『餃子のスゝメ』をご紹介しましょう。

僕も餃子は大好きですが、周りを見回しても
餃子好きはいても、餃子嫌いという人は見あたりません。
確かにカリっと焼かれて中がジューシーな餃子は、
ビールによし、ご飯やチャーハンによし、さらに餃子だけ食べても
主食としていける。美味しくも不思議な食べ物です。
この本は、芸能界の餃子王と呼ばれ、荻窪にある完全会員制の
餃子店「蔓餃苑」の苑主でもあるパラダイス山元さんが
ご自身の餃子作りのノウハウをとても親切でわかりやすく公開した一冊。
美しい写真も多用されており、
ページをめくっているだけで、お腹が空いてきます。

僕は幸運にも「おとなを、休む日」の取材の折、
スタッフとともにパラダイス山元さんが焼いてくださった
餃子を蔓餃苑で振る舞っていただいたのですが、
それはもう、今まで食べたことのない程の美味しさ。
パラダイス山元さんの餃子への探求の奥深さと、
餃子に注がれた愛情の巨大さに驚きました。
チーズを使った餃子のデザートすらあるのです
(これがまた、絶品というほかありません!)。
これらの餃子のレシピはすべてこの本に載っています。
また、冷凍餃子やファミレスの餃子の食べ比べとそのコメント、
さらに全国から選りすぐった餃子の美味しい店の紹介など、
まさに、餃子づくしの一冊。
この本を読んで食べに出かけるのもよし、
レシピを見ながら作って食べるもよし、
週末に友達をたくさん呼んでワーワー言いながら餃子を作って
ホットプレートで焼いて食べる餃子パーティも楽しそうです。
ぜひ、お手にとってご覧いただきたい一冊です。

『餃子のスゝメ』の情報は以下のサイトに掲載されています。
http://book.magazine.co.jp/action/detail.do?seizoBumonCd=SS&seizoGosu=1683

パラダイス山元さんにご登場いただいている
「あの人の、休日」のコンテンツはこちらです。
作詞・作曲家、ラテンパーカッショニスト、マン盆栽創始者・家元、
カーデザイナー、グリーンランド国際サンタクロース協会公認サンタクロースと
八面六臂の活躍をなさっている、
その秘訣の一端が語られています。ぜひご覧ください。
http://www.holiday.yamaha.co.jp/interview/025/index.html


下が、なんと餃子のデザートモツアン餃子ですが、本当に美味ですよ。
レシピが載ってますのでぜひ挑戦してみてください。



以下のページにはなんと、会員の声としてワタクシ、イケヤの名前とコメントがあります。あ、写真入りの有名人のほうじゃないですよ、下の一般人のところです。ちょっと自慢ですが。

コンビニのつけ麺もあつもりの時代

2007年01月17日 10時12分41秒 | 一食入魂&つけ麺ジャンキーズ
つけ麺の追求とその普及に明け暮れるつけ麺ジャンキーズ家元の俺であるが故、日々活動に余念がないといいたいところではあるが、忙しい。コンビニ弁当で糊口を凌ぐ今日この頃である。しかし、日頃の活動が着実に実っているという充実感はある。たとえば、コンビニにつけ麺があるということ。
これは以前も書いたが2年ぐらい前から出ていて、長年に亘る労苦も報われたと感涙したものであるが、すでに現在に至ってはただ、つけ麺があるでだけでは驚かない。しかし今回驚いたのは、「あつもり」だからである。
ああ、「あつもり」が、コンビニにできたのか。しばし感涙にむせぶ深夜残業午前三時であった。

もちろん懸命な読者はすでにご存じだと拝察するが、敢えて書かせていただければ「あつもり」とはつけ麺における麺を温かくすることである。

通常つけ麺の麺は、大鍋の熱湯で踊らされるように茹で上げられると、ラーメンならそのまま丼に入れられてスープで泳ぐことになるところ、ざるそばよろしく冷流水で洗って締められる。通常はその状態で出てくるので麺は冷たい。これがノーマルである。
ただ一部の好事家達が、つけだれ(通常温かいスープ)に冷たい麺が入ること急激に冷めるのを嫌い、再度麺を温めるように求めた、という言う故事が歴史的には司馬遷の史記に記されているところである。

私は基本的にノーマルを支持するが、あつもり派の気持ちも分からなくはない。魚介系の出汁を使ったスープの場合、冷えると事実だ。ただし、牛丼つゆだく、のような本質を見失った一次的なブームにも思える。

しかしそれがコンビニに出てくる、というところに、あつもりの賛否はさておき、その普及と啓蒙の成果に感動落涙を禁じ得ないところであります。

つけ麺マップ東京・埼玉・神奈川 1 (1)
井上 勝也
幹書房

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東池袋・大勝軒のオヤジさんが書いたこれが俺の味
山岸 一雄
あさ出版

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有名店の職人直伝!自分でつくるプロのラーメン―材料の準備から仕込みまでポイントを徹底解説!

成美堂出版

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新宿くいしんぼブック―新宿~吉祥寺各駅停車の99店 with荻窪ラーメン地図

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箱根駅伝のポスター(ロゴ)の完成度の高さには恐れ入る

2007年01月15日 14時10分14秒 | 広告・コピー論・批評
昨年の箱根駅伝のロゴは素晴らしかった。と昨年書いたが、ことしはやはりほぼ流用できた。当然だろうな。このロゴの完成度は凄まじい。しばらくこのロゴを超えるデザインは出せないだろう。誰が作ったかは知らないけど(多分調べれば直ぐ分かるだろうが)自分でこのデザインを超えるロゴを作らねばならないのは、つらいね、優秀なデザイナーが直面する問題だろう。満塁ホームランを超えるヒットはないからな。

駅伝は見ませんでしたが。(毎年見てないですねぇ。)

【例の法案】押せ!押せ!の288号

2007年01月13日 01時18分17秒 | 自転車のはなし
自転車を愛する諸氏へ。

自転車ツーキニスト。つまり自転車通勤の言葉の生みの親でもあり、リーダーでもある疋田さんのメルマガを転載します。

自転車は道交法上軽車両であり、車道を通るのが本分ですが自転車を車道から閉め出そうとする法案が通りつつあり、疋田さんはメルマガを通じてそれに対する反対運動をなさっています。私はそれに強く共感する者です。自転車を車道から閉め出す悪法、かなり進んでしまっているようです。

ところで自転車を愛する我々にも、できることがあることがわかりました。法案に対するパブリックコメントを書くことです。転載したこのブログの末尾に載せてありますので、ぜひ。

ちなみに送り先はここです。

電子メールkoutsukyoku@npa.go.jp
※件名にパブリックコメントと必ず御記入ください
〒100-8974
郵送東京都千代田区霞が関2-1-2 意見提出先
警察庁交通局交通企画課法令係
パブリックコメント担当
FAX 03-3593-2375
※1枚目にパブリックコメントと必ず御記入ください
平成18年12月29日(金)から意見提出期間
平成19年1月28日(日)までの間(必着)

以下が疋田さんのメルマガの転載です。ぜひご覧ください。


  ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
┃ ┗┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳┛ ┃
┗━━┛                          ┗━━┛
       【例の法案】押せ!押せ!の288号

■新年は(遅ればせながら)メディアで明ける!

 一部に絶大なる反響を呼んだ朝日新聞全国版「私の視点・歩行者にツケ回す法改正」(昨年末30日掲載)が、英字紙"The Herald Asahi "に、翻訳されて掲載されることになりましてな。ありがたいことだ。
 ちなみに外国人スタッフからは大受けだったそうな。きっと前々から日本のシステムはおかしいと感じていたのだろうね。
 さあ、日本の恥を世界にさらすぞ。

 ということで、今月から来月のアタマにかけて、本法案はメディアラッシュにさらされることになった。
 本法案を取り上げるのは、現在までに、地上波テレビが2局、衛星デジタル波が1局、大手全国紙が2紙(もしかしたら3紙)、メジャー雑誌が2誌、と、いずれも本法案(まだ試案)に関して、反対、もしくは、疑義あり、の立場だ。
 うふふふふ、私は嬉しいぞ。ようやくメディア側も「これちょっと変じゃない?」と気づき始めたのだ。

 最近、私のところに問い合わせがよく来るのが次のような質問だ。
「それで、ヒキタさんね、『反対派』の識者はたくさんいて問題ないんですが、『この法案に賛成だ』という人のインタビューも撮りたいんですけど、誰かご存じの方はいらっしゃいますか?」。
 やはりメディアとしては両論併記でいきたいからね。そりゃ私としてもよく分かる。

 だが、そこでハタと気づいたのだ。
 法案に賛成の人? それも識者?
 ……。
 いないのですよ。まったくいない。

 だからして、私は記者さんに言う。
「うーん、個人的には知りませんし、そういえばいませんねぇ。そうそう、懇談会の委員に一人一人当たってみたらいかがですか?」と。
 ところが記者さんたちはこう言うのだ。
「委員の先生方は、ほとんど取材拒否なんですよ」
 ……。
 なーるほどね。
 そりゃそうだ。彼らだって分かってるのだよ。
 今回掻き集められた委員の先生方は、2名を除くと、自転車なんて門外漢の人ばかり。それが警察庁に引きずられるような格好で、たった6回の会合で「法案をまとめた」という体裁を作っただけなんだから。

 そりゃ取材拒否にもなるさ。
 こんなに矛盾と過誤と論理破綻だらけの試案および提言を、それでも「正しいのだー」なんて強弁するならば、自らの学者としてのインテリジェンスが問われかねない。
 賛成の立場でインタビューを受けたら、いわば、その場でバカの烙印を押されてオシマイ、というヤツなのだ。
 彼らには、そこまでのリスクを冒して、この法案に殉じる気持ちは毛頭ない。当たり前だね。

 伝え聞くところによると、それでも、委員の一人は「あくまで一時的な暫定措置なんだから」と言ったという。このセリフ自体が、法案が間違っていることを暗に認めてるような、腰が引けてるようなモノだと思われるのだが……。
 うーん、なんだかね、一時的な? そういえば、どこかで聞いたことがあるような……、はい、30年前に、確かに聞きましたね。

●「指定歩道を自転車通行可にするというのは、一時的な暫定措置」

 ↑これが1978年で、

●「指定車道を自転車通行禁止にするというのは、一時的な暫定措置」

 ↑これが2007年だ(笑)。

 もう笑うしかない。
 バカを言っちゃいけないのだ。78年の法改悪の結果、この日本の交通社会に何が起きたか。
 国民の誰もがご承知だ。何が「一時的」だったものか。
 もう我々は騙されない。
 騙されてはならない。

■押せ!押せ!押せ!

 朝○も、毎○も、日○××も、NH○も、TB○も、文○も(まだ未掲載なんで、ちょっとだけ匿名にしてみました)、その他その他も、そして、自転車雑誌各誌も、みんなもう騙されていない。
 歩道を堂々と走って恥じない白チャリを見るにつけ、それも、併走が当たり前の白チャリを見るにつけ、警察による自転車管理は、完全にアウトである。
 信じるに足りない。
 信じろということ自体が、もはや不可能事に近い。

 現在、警察庁は、あらゆる取材に対し「パブリックコメントが出揃い、法案がまとまる2月の中旬まで、取材は受け付けない」としている。
 だがね。
 来月の初旬にかけて、市民とメディアは動き始めたのだ。
 密室に籠もっているのは、次第に不可能になってくるだろう。

 パブコメをここぞとばかりに浴びせよう。

 国会議員作戦も、少しずつ実を結びつつある。
「歩道走行の条件緩和はどうしたっておかしい」という議員が少なからず出始めた。必ずしも野党側ではない。そういう議員たちが、これから警察庁に説明を求めるという。
 その中の一人が、官僚を呼ぶとき、私は同席させてもらうことになっている。
「どうせ議員サンは自転車のことなんて深くは考えてないさ」と、タカを括って、議員会館のドアを開けたら、その席に不意に、黒メガネのハゲ野郎がいる、という寸法だ。
 誰が来るかな? 課長補佐レベルかな? それより上かな?
 質問をしまくってきますからね。その上で、言質をとりまくってくる。ふふふ、お楽しみに。

 だいたい思い出してもいただきたい。
 一昨年の春、最初の「自転車締め出し騒動」が起きたとき、「BiCYCLE CLUB」誌と私が出した公開質問状に対し、警察庁はこう答えたのだ。

「お聞き及びの情報は、事実に基づたものになっていない」

 うそつき。

 我々は舐められまくっていたのだ。
 しょせんは自転車マニアが言ってるだけのこと、とタカを括られていたのだ。
 しかし、私は最後の最後の大逆転を狙っている。

 本来、パブコメなんて、明らかなイチャモンに関しては無視されてしかるべきモノなんだろう。そういう人々は確かにいる。これだけたくさんの人が住んでいる国なのだもの。それを否定はしない。

 だが、我々の今回のこれは、明らかな正論である。
 環境、人命、都市システム、弱者保護の観点、世界情勢、その他その他、どこからどう見ても、紛う事なき正論だ。
 それは、ほぼすべての懇談会委員が取材を頑なに拒否することで証明されていると言える。

 繰り返すが、今だ。「正論のパブコメ」を叩き付けよう。浴びせよう。浴びせ倒しだ。富士桜だ。

 視覚障害者の団体も動き始めたそうだ。
 我々はもしかして、本法案を追い詰め始めているのではないか。
 淡い期待ではあるものの、私は最近、少しだけそんなことを考え始めている。

■第二東京弁護士会のシンポジウム

 あ、そうそう。
 動き出したと言えば、第二東京弁護士会も、本法案に疑義あり、の立場で、シンポジウムを開きます。入場無料。是非どうぞ。

シンポジウム「道路は誰のためにあるのか」~歩行者や自転車にやさしい道路のために~道路交通法改正問題を考える

日 時 2007年1月20日(土)13時~17時(12時45分開場)

会 場 東京千代田区霞ヶ関 弁護士会館10階 1003号室 入場無料
最寄り駅:霞ヶ関駅(丸の内線、日比谷線)出口B1番都市交通シンポジウム

主 催 第二東京弁護士会公害対策・環境保全委員会(電話03-3581-2257)

申込み 不要

■パブコメ案みたび

 ヒキタ式のパブコメ案は、次のごとくであります。
 まだ出していない人は、どうぞご参考に♪

■■ヒキタ式パブコメ案■■

「道路交通法改正試案」に対するパブリックコメント

氏名  (*法人又は団体の場合は、その名称及び代表者の氏名)
連絡先 (*住所、電話番号又は電子メールアドレス)

*パブコメ応募要項には「ただし、氏名及び連絡先の記載は任意です」とされる。だが、私ヒキタとしては記載した方が好ましいと思う。

【本文】

 道路交通法改正試案(以下、本試案とする)の中、「3 自転車利用者対策の推進(1)通行区分の明確化」の全面削除を求めます。

 当該の項目については、一見、自転車の車道通行の原則維持、無秩序な歩道通行の是正などが強調されてはいますが、これらは現行法の維持に過ぎず、法改正の名に値しません。
 よって、当該項目の内容骨子は次の通りであると認定できます。
「自転車の歩道通行の条件を拡大し、その要件を法律で定めること」

 これは国民の福祉および日本の国益に明らかに反するものであり、全面的な削除を求めるものです。
 その理由は次の各項目にあげるとおりです。

●現在、自転車対歩行者の事故が急増している(10年で4.6倍)のにも関わらず、その解決法を、自転車の歩道通行の条件緩和に求めるのは、まったく矛盾しています。

●現状でも「無秩序な」自転車の歩道使用状況なのにも関わらず、その要件を緩和するならば、無秩序はさらに助長され、混沌状況を生み出すことは容易に推測可能です。加えて、現実として警察官の乗車する自転車が、無秩序に歩道を走る現状を鑑みると「警察官等が危険だと判断した場合には、歩道から下りなくてはならない(指示に違反した場合には、処罰の対象となります)」等の措置の実効性には、期待をもつこと自体が甚だしく困難です。

●高齢化が進む今、歩道の高齢者が今後ますます増えることが予想されます。その歩道に自転車を上げる条件を緩和することは、事故を誘発することになり、国民の福祉を大いに損ねます。

●現時点でも、障害者(中でも視覚障害者)にとって、歩道を走る自転車は多大な脅威になっています。それを助長することは断じて許されません。

●環境問題という観点から見ると、自転車はスピーディに移動する権利を有し、クルマの機能の一部を代替する交通手段となり得なくてはなりません。危険な道路であるのなら、危険でない道路にするべきです。その点、本試案が「踏まえ」ることとする「提言」中の<第4-2-4「自転車が車道を通行することが特に危険な場合は、当該道路の自転車通行を禁止することなどの措置を講ずること」>は、恣意的に「特に危険な場合」が決められてしまう可能性を孕み、自転車の走行を大いに阻害し、結果として、さらなる環境悪化を呼ぶことが懸念されます。これは世界の潮流にあからさまに逆行するもので、環境に対する悪影響だけでなく、国際社会においての日本の国益を大いに損ねるものです。

●本試案は、道路シェアの再構築という喫緊の問題にまったく言及されておらず、道路行政のさらなる混乱を招くものであるのみならず、過度のクルマ依存社会をさらに助長するものとなっています。

●本試案にある「自転車の原則、車道通行」「自転車の歩道通行が言わば無秩序になされている状況」などについての是正措置は、現行法で十分対応可能であり、法を改正する意味がまったく認められません。

●本試案が「踏まえ」ることとしている「自転車の安全利用の促進に関する提言」は、わずか6ヶ月、わずか6回の会合で提出されたものでしかなく、交通行政、中でも自転車行政に対しての深い思索、真摯な取り組みに、明らかに欠けていると言わざるを得ません。

●およそ30年間続いた実質上の自転車歩道政策により、我が国においては、車道を児童、高齢者などが自転車通行するのが困難になりました。ですが、そのことは今後、欧米諸国のように、自転車レーンの整備などで補完するべき事柄であり、本来的な歩道通行の緩和の要件にはなり得ません。
 いずれにせよ、今法改正の当該箇所「3 自転車利用者対策の推進(1)通行区分の明確化」は、浅慮に基づくものであり、自転車問題をより悪化させるものと断じざるを得ず、法案とするに値しません。少なくとも、本試案の該当部分を削除し、現行法を維持する中、我が国の交通のより良き未来を作るべく、新たな法整備、インフラ整備への相応の努力をすることこそが急務であると考えます。

 以上。

 送り先は次の通り。

koutsukyoku@npa.go.jp
※件名にパブリックコメントと必ず記入すること。

〒100-8974
郵送東京都千代田区霞が関2-1-2 意見提出先 警察庁交通局交通企画課法令係 パブリックコメント担当
FAX 03-3593-2375
※1枚目にパブリックコメントと必ず記入すること。

平成18年12月29日(金)から意見提出期間
平成19年1月28日(日)までの間(必着)

 なお、このパブコメ疋田案に関しては、どこでどう紹介引用されても構わないと思っています。文章を改編せずに、ということを条件に、できるだけたくさんの人の目に触れるようにしていただけないでしょうか。ヒキタ伏してお願いいたします。

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

 宣伝です。
 次号「BiCYCLE CLUB」誌(1/20発売)は、この法案に関して、10ページの大特集を組みます。分かりにくい部分を、すべてQ&A形式にし、素人(自転車に関してね)でも分かるような作りになっていると思います。
 さらに、来たるべき「最悪の」未来も、ぬいぐるみを使ったシミュレーションとして、分かりやすく描いています。バイクラ編集部、渾身の大特集と言えましょう。
 ぜひご参考に。
 一部に、チョー有名、チョー人気の、謎の人妻"ドロンジョーヌ"女史も、本法案に関して、大活躍でありますゾ。

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「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
*昨年12月発売の最新刊。今回はなぜか「奈良・暗峠」「秩父・八丁峠」「北海道・日高峠」と、峠モノが満載。

「疋田智の自転車生活スターティングブック」ロコモーションパブリッシング
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
「大人の自転車ライフ」光文社知恵の森文庫
「自転車ツーキニストの憂鬱」ロコモーション・パブリッシング
「日本史の旅は自転車に限る!」木世(えい)出版社
 いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
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【自転車通勤で行こう】
http://japgun.infoseek.ne.jp
バックナンバーはこちら。
http://www.melma.com/mag/03/m00016703/
 
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