ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
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コンテンポラリーなギタリストかどうかは、ディレイあるいはルーパーをどの程度使いこなしているかによると思う。

2018年04月24日 17時50分35秒 | CD&コンサートレビュー



最近のいろんなライブを見て思うのは、コンテンポラリーなギタリストかどうかは、ディレイあるいはルーパーをどの程度使いこなしているかによると思う。例えば非常に素晴らしいギタリストであっても、ベテラン、ありいはご同輩ぐらいのギタリストの場合、ディレイはあくまでリバーブ的な使い方をしている。

しかし、例えば加藤一平さん、市野元彦さん、ビル・フリッセルや最近注目しているアメリカの女性ギタリストMary Halvorson、あるいは音響系のロックギタリストなどのコンテンポラリーなギタリストは有名無名に方はかかわらず、ディレイなどを非常に上手に、かつ面白い使い方をしながら本質的な意味で自分の演奏に取り入れている。

考えてみれば、ディレイと言うエフェクターはコーラスやディストーションのように自分の演奏している音に効果を付加するタイプのエフェクターとは実は違うのだ。ディレイとは、自分がした演奏をリピートする効果であるが、実際はもう一つの発音体であり、もう一つの楽器だ。

自分の演奏とは時間的にずらしたり、あるいは音程的にずらしたりしながらもう一つの発音体として扱うことで、もう1人の自分のような演奏を繰り広げることができるのだ。これは単なる室外リバーブやエコーとは全く違う発想の演奏である。

先般の岸本賢治さんのライブで見たギターの演奏は、ギターソロの時、気づかないうちに伴奏に自分のコードワークをルーパーで使っていた。後で思えばソロの冒頭かトランペットのアカンパニメントの時にワンコーラスサンプリングしたのだろうが、すべてが流れるように音楽的だったのでどこでサンプリングをしてたのかわからなかったし、ギターソロのときバッキングでギターが聞こえてきた時は、だれか別のギタリストがいるのかと周りを見回してしまったぐらい自然に使いこなしていた。素晴らしいルーパーの使いこなしだった。


岸本賢治さん

 


さらに、これはギタリストだけに限らない。

エレクトリックバイオリンやベーシストたちの中には、ギタリスト視点では、エフェクターの使いこなしが心もとないというか足元が危ないように見える方もいらっしゃるが、最近はボーカルあるいはマルチインストロメンタリストの人たちが、ディレイやルーパーを使って実に上手で現代的なパフォーマンスを見せてくれることが多い。

先般ホンブログで記事を書いたヘッドホンライブでの霧島さんのパフォーマンスもそうだった。コーラスは自分で多重録音し、そしてそれをバックに演奏をする。音楽に詳しい友人に教えてもらった天才マルチ・ミュージシャン、ジェイコブ・コリアーなどは、もともと1人でマルチの楽器を演奏して歌を歌い目の前で曲を作り上げていくいわゆるルーパーのマスターのとしてのパフォーマンスを行っているようだ。これも実に新しい一人バンドのスタイルだ。

いずれにしても、事例やルーパーの使いこなしが、これからのコンテンポラリーのミュージシャンの1つの試金石であり、大きな武器となるに違いないと感じている。

というわけでライン6のディレイも買わなくてはならない。長い言い訳だ。


エマーソン北村 鬼頭哲 小林真理子 菅沼雄太

2018年03月18日 13時14分23秒 | CD&コンサートレビュー

いいメロディと、いいリズム、あとはリラックスできるスペース(音数が少ない空間的なアプローチ)があればそれでいい、

とレゲエのビートに乗って教わった気がする。

鬼頭さんのバリトンサックス、コマリのベースも素敵だった。

菅沼雄太さんのドラムには大変感銘を受けた。

音のバランス、リムショットの抜け、リラックスした豊饒なタイム感。実に素晴らしかった。

エマーソン北村さんの音楽は、メロディをとても大切にした素敵なアンサンブルで

その日参加していた鬼頭さんのバンドCHIZUに似たものも感じたのだった。

CHIZUもまた聴きたい。



12/7 下北沢アポロ Around trio! ニランダシカ(tp)栗田妙子(pf)細井徳太郎(gt)

2017年12月16日 00時33分12秒 | CD&コンサートレビュー

今日、12/7は下北沢アポロでAround trio!20:00〜 21:30〜
ニランダシカ(tp)栗田妙子(pf)細井徳太郎(gt)

トランペットのニランさんが帰国するということで
トランペット吹きとしては、帰国前に一度間近で見たておきたいとうことで、
アポロにでかけました。
別の仕事があったので、見れたのは残念ながら二部のみ。
 
フリーなインプロビゼイションの時間と、
端正込められて書かれが音楽の時間が、
美しく柔らかに交錯する時間。
 
栗田さんのピアノは端正で,時に大胆でありながら
甘さが控えられたストイックなロマンチックさを感じる。
 
細井さんのギターも、いい意味でギター小僧的でなく、
ギターという楽器を自由に使っている感じがした。
 
トランペッターとして興味があったニランダシカさんのトランペットは
石川さんが褒めるだけあって、実に素晴らしい演奏だった。
丁寧で繊細な音、フレージングのオリジナリティも素晴らしかった。
テクニカルにいっても、あまり使わないような低音も、
演奏に困難が伴うような高音も、演奏上の事情を一切感じさせない技量と
その技量があるからこそ描けるトランペットの自由な境地。
 
そしてもう一つ印象的だったのは、エフェクターの使い方。
楽器に取り付けるコンタクトマイクではなく普通のマイクで、
エフェクトもディレイとリバーブなのだが、マイクへの距離感で
エフェクト感を調整していた。
自然でありながら効果的なエフェクトワークで、素晴らしい音色を出していた。
 
トランペットでエフェクトというと、ついエレクトリックマイルスの連想から、
ワウやディストーションなど、エフェクトのウェット音100%の派手な効果を狙ってしまいがちだが、
考えみれば、ニランさんのような自然なアプローチに気づかずにいた。
エフェクターたくさんもっているのに。
 
マイク、エフェクターをどう効果的に使うかは、
まだまだ突き詰めてく余地がたくさんある、と自分に言いたい。
 
 (写真は今回のライブの物ではありません、写真が撮れませんでした)

細井 徳太郎さんの写真


マイクという楽器 東京湾ホエールズ 太華 ファンティル 定村史朗 石原岳

2017年12月11日 17時50分44秒 | CD&コンサートレビュー

東京湾ホエールズ ( 2017-12-01 )
with 太華 ファンティル 定村史朗 石原岳 -

東京湾ホエールズ ( 2017-12-01 )
 - with 太華 ファンティル 定村史朗 石原岳 -
を見た。

太華さんというヒューマンビートボックスの方の演奏をライブで初めて見てぶっとんだ。
アカペラなんかでよくみるリズムボックスを人間が、口でやるというヤツではあるが、
そのレベルの高さが驚きで、リズムボックスそっくりというレベルではない。
生で見ると音圧も高いし、リズムの揺れも出せるし、ベース音まで出していて、
ひとつの完成度の高い楽器の演奏として充分力を持っていると思ったのだった。

 


ヒューマンビートボックスのカギは、発音原である声、ボイスであって、それが重要なのはもちろんなのだが、
それを可能にしているのが、マイクだろう。とくにバスドラムの低音感と怒濤のアタック感は、マイクの近接効果を肉体化するレベルで使いこなしているからだろうし、マイクを胸まで降ろしたり頭の方の頭蓋で拾ったりするのは、DJがよくやるフィルターを閉めて音を籠もらせたりするものをリアルにシュミレートしているが、このあたりもマイクを使いこなし、マイクからPAに出る出音をよくよく把握しているからこそできることだろう。

実はステージ上でマイクを使う楽器はたくさんあって、というかシンセサイザーなどラインでPAに送る楽器以外はほぼすべての楽器がマイクを使っているわけだが、ここまでマイクが肉体化している楽器奏者はいないだろう。


あるとすればギタリストのエフェクターの肉体化が近い。
この日の石原岳さん、そしてファンテイルさんは、もろにエフェクターを肉体化していた。
だからギターとエフェクターをひとつの楽器としてアンプから出る音を熟知している。

 



そういったギタリストを外して考えれば、ほとんどの楽器奏者はマイクを透明な、トランスペアレントな拡声装置の一部だと思っているが、それどころではない可能性を秘めていることを、まざまざと見せつけられた思いだ。

私の場合は主にエレキギターとトランペットだが、トランペットのマイクの使い方はまだまだ。というかまったく未開拓だ。
先週下北沢のアポロで見たトランペッター、ニラン・ダシカさん(後述します)のエフェクターとマイクの使い方を参考に、ちょっとトライしてみようと思います。どうせ私、キャリアとしては圧倒的にギタリストなのでエフェクターいっぱいもってるし。

 


三上寛さんのライブ、あるいは「正しいエレキギターの弾き方」について

2017年11月27日 23時27分54秒 | CD&コンサートレビュー

私はメンタリティー的にはフォーク出身といっても過言ではないんだが、

三上寛さんのライブを見たのは先日の八丁堀のWISE OWL HOSTELS TOKYOで開催されている

東京湾ホエールズが初めてであった。

(加川良さんも、高田渡も見てるんだが)。

で、てっきりアコースティックギターを掻き鳴らすのだと思っていたら

なんとカッコいいことにグレッチのフルアコ(カントリージェントルマンだろうか?)で

これをケーブル一本でジャズコーラスの50Wのアンプに直結していた。

奏法はアコースティックギターのフォークの弾き方とほとんど変わらない。

時たま曲が終わるときのコードのロングトーンにアームを効かせる。

 

なんつーか、これがかっこいいのよ。

考えてみればエレキだからって、歪ませたり、単音でソロをやったりってのは後の話であって、

エレキが生まれたときは、単に生ギターでは音が小さくて聞こえないというシチュエーションがあるから

電気で拡声したのがはじまりで、演奏の仕方は生ギターそのものを想定していたはずだ。

 ああやってアコースティックギターに弾くことを想定して設計されていたはずなのだ、

テレキャスターだって。

だから三上寛さんのギターの弾き方を見るて「これが正しいエレキの弾き方なんだな」と

深く深く思わされる。

一人でステージをぐいぐいとハンドリングし、

日本語が一言もわからない外人軍団をもわしづかみにするという、三上さんの歌、MC、ステージング、パフォーマンス。

何から何まで、さすがでした。

 

それにしてもギターはいい音だった。

 

 

 


南博(P) 加藤一平(G) 水谷浩章(B) 中野Sweet Rain

2017年11月18日 16時06分53秒 | CD&コンサートレビュー

中野Sweet Rain
11月14日(火)20:00〜
南 博(P)
加藤 一平(G)
水谷 浩章(B)

この三人がいっしょにやるなら、絶対見なくてはと思って中野スイートレインに出かけました。
スタンダードやオリジナルを題材に、自由自在に音を操る三人。
南さんの色彩感豊かなピアノ。加藤一平さんの縦横無尽のエフェクトが肉体化したギター。
すべてを包括して支えながらしかも煽る水谷さんのウッドベース。

最終的には題材の曲をはるかに超えた音の会話で、
アンサンブルの極地を見せてもらった気がします。
行ってよかった。

また見たいと思います。

 

 


加藤一平『 鳴らした場合 』@東京湾ホエールズ WISE OWL HOSTELS TOKYO

2017年11月13日 05時23分54秒 | CD&コンサートレビュー

加藤一平バンド『 鳴らした場合 』@" 東京湾ホエールズ “八丁堀 WISE OWL HOSTELS TOKYO

日野皓正バンド、渋さ知らズ、テーブルトップギターズなどで活躍中のギタリスト加藤一平のリーダーバンド、「鳴らした場合」を 東京湾ホエールズ 八丁堀 WISE OWL HOSTELS TOKYOで見た。

バンドはターンテーブルの村田直哉( turntable) ラップトップの金子由布樹( electronics、tape、toys、edit )の三人編成。ベースだ、ドラムだという発想がない点が素晴らしいい。

加藤一平のリーダーバンドは以前アポロで違う構成のバンドを見ていた。たぶん三年ぐらい前。その時の印象があったので、始まるまではワンセット一曲のフリーインプロビゼイションではないか予想していたのだが、意外にも譜面にメロディが書かれている曲を演奏したのであった。

 面白かったのは、日野バンドをはじめ、加藤一平は「カゲキ」「前衛」「フリーキー」な役割を負っていることが多いが、自分のリーダーバンド、しかも相方がターンテーブルとラップトップということもあってか、加藤一平自身のギターがいわゆる「テーマ」的な部分を担っていたという点だ。これはあまり他で見たことがない状況だった。しかも加藤一平が作ったテーマは、非常に優しくて愛らしく、童謡のような、唱歌のような、良質なフォークソングのイントロのような透明感のあるフレーズだった。もっと凶悪で奇矯なテーマを書くのかと思っていたが、これは新鮮な驚きだ。

CDも制作中とのことで、それもとても楽しみです。


2017年9月19日 新宿ピットイン テーブルトップギターズ

2017年11月06日 18時34分25秒 | CD&コンサートレビュー

 

2017年9月19日 新宿ピットイン テーブルトップギターズ

 才能あふれるギタリスト加藤一平氏が参加しているテーブルトップギターズは以前から興味を持っていた。
 よく江古田でライブをやっているようだったが、なかなか行けずに残念に思っていたのだった。
2017/09/20に昼間のピットインでのライブがあると知り、行ってみた。

 

 


いつものピットインのステージでの演奏ではなく、 客席の真ん中にテーブルを置いてギターを寝かせ、四人でテーブルに置いたままのギターを鳴らすスタイルだった。ギターを抱えて弾く通常の演奏スタイルを放棄してテーブルにギターを置いた時点で演奏技術は効力を失う。重要なのはエフェクターの習熟度、いや肉体との親密度。そしてなにより音響的なデザインセンスとアンサンブルのセンスだけ

ノイズによるアンサンブルは、あるときは硬度の高いフリージャズにきこえるが、あるときはテクノにも、ミュージックコンクレートにも、そしてある時は単にノイズの集積にもきこえるのだが、ギターとエフェクターが生み出す轟音の中に、非常に大きな、波のようなセクシャルさ、官能が感じられる瞬間があった。また聞きに行きたいと思う。

 




ピットイン昼の部 寺井雄一グループで石川広行のTPを聴く。

2017年10月21日 13時21分24秒 | CD&コンサートレビュー

 

1ヶ月ほど前の話だが昼のピットインにいった。

ベースの落合さんの演奏は大好きだし、

何よりトランペットの石川広行さんが聴きたかったから。

ギタリストの岸本さんとのデュオで聴いたときに、音色、フレーズが素晴らしかったからだ。

自分がトランペットをやっているのから辛いのかもしれないが、

ジャズフィールドで「この人はすごいな」というトランペットはなかなかいない。

特に音色の好みが僕の場合は非常に狭いし、

しかもいわゆる「トランペット的」な明るくて派手な音色は好みではない。

 

仕事の関係でセカンドセットの後半からしか聴けなかったから、

時間的には短かったが、好きなトランペットの音を生で聴けてよかった。

特に最後から二曲目のシンプルで美しいテーマを持つ

石川さんのオリジナル曲が本当に素晴らしかった。

 

昼のピットインは夜家を空けなくて済むので助かるが、

客層があまりにおたっしゃくらぶで厳しいな。

 

でもまた行こうと思う。


VocCOLOURS LIVE Review/ What is REAL improvisation?

2017年10月19日 18時02分54秒 | CD&コンサートレビュー

VocCOLOURS LIVE

/Norbert Zajac(voice) Brigitte Kupper(voice) Gala Hummel(voice) Iouri Grankin(voice) with 北陽一郎(tp,laptop) 野々ユキノ(dance)

 

ボイスによるフリーインプロビゼイションの四人組みユニットというものが存在すること自体、不勉強で知らなかった。ドイツの東京湾ホエールズの北陽一郎+鈴木常吉ライブに飛び入りした4人組みコーラスVocColourを見て衝撃を受け、なってるハウスでのライブを観に行った。

声によるまったくのフリーインプロビゼイション。そこには非常に多くの示唆があった。

フリーインプロビゼイションだけに限らないが、アドリブ、インプロビゼイションをやったことをある人ならわかると思うが、自動書記のように、本人は無意識だが吹いているうちに楽器自体が鳴っていくというような気がしないだろうか。悪く言えば指が勝手に弾く、ピストンを押さえている状態。

アンコンシャスネス、無意識下にあるものが演奏させていると思えば、それはそれで悪くないのかも知れないが、有り体に言えば手癖だったり、惰性だったり、ただ吹いているだけ、という境地になりがちであって、それがフリーなインプロビゼイションになると、私の場合それが特に顕著になる。つまり「歌う」ことをしていないのだ。

でも、これが楽器を使わない「歌」の場合はどうだろう。勝手に歌うというとはあり得ない。全てが自分の意志であるし、音域には限界はあるだろうが、キーによる演奏性の制約や、楽器特有の演奏状の制約はないだろう。(トランペットのリップスラーなど)。声で苦手なことがあるとすれば、ピアノのような分散和音のアルベジオなどはかなりスキルが必要になるだろうが、単旋律の「歌う」ものであれば、管楽器よりもはるかに自由だ。

●楽器による自動書記、あるいは手癖がない状況
●楽器の演奏スキルから解き放たれた状況

ここで何ができるかを考えると、これこそがインプロビゼイションの本質に思える。今までアドリブは楽器ありきで考えていたし、私は歌も歌うが、スキャットは楽器演奏のアドリブを歌でひゅげんする、と考えてきたので、楽器から解き放たれた状態でのインプロビゼイションということをを考えてきたことがなかった。これは新鮮であった。

もうひとつ重要な示唆は「音/声/言葉」の問題だ。楽器の音のインプロビゼイションでは、はほぼ「言葉」は出てこない。しかし声のインプロビゼイションとなると「言葉」は容易に飛び出してくる。また「言葉に似たもの」も。これは音楽の成り立ちにも関連する深い問題であって、音/声/言葉とは、楽音の意味と言葉の意味のせめぎ合いでもあり、相互作用でもある。

これについては、あまりにもテーマが大きく深遠すぎて簡単に書き進めることはできないが、とても大きな手がかりをもらったという気がしている。




2017.9.19 鈴木常吉&北陽一郎@東京湾ホエールズ

2017年09月29日 02時29分52秒 | CD&コンサートレビュー

 

 2017.9.19 鈴木常吉&北陽一郎@東京湾ホエールズ

 

渋さ知らズのTPの北さんと鈴木常吉さんは、

もちろん旧知の仲であるが、なんと初共演だったそうだ。

SINGER SONGERの常吉さんの歌にかぶる北さんのトランペットは、

まるで言葉を話しているようにきこえた。

ボーカルとトランペットがお互いに語りあって1つの音楽を作ってる。

とても面白かった。

あと、北さんの新しいトランペットの音がとても素敵だった。

北さんのトランペットはいつも勉強になる。

 

私もスタッフとして関わっていますが

毎週火曜日に八丁堀のホステルの地下のバーHOWLでやっている

東京湾ホエールズは、ぜひお勧め。

ドリンク込みで1000円と格安です。

https://www.facebook.com/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E6%B9%BE%E3%83%9B%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA-909913275805441/


まゆたまレコ初ライブ2017/09/22@原宿ストロボカフェ

2017年09月25日 02時02分59秒 | CD&コンサートレビュー

 

9/22(金) 原宿ストロボカフェ19:00 Open / 19:30 Startwith Special Guest!!〜津上 研太(Sax)・加藤 一平(Guitar)・カイドーユタカ(Bass) 

 

ポップス生まれで、ロック育ち、現住所はジャズその他という私にとって
「たまいけ」の相方であるジャズピアニストの森田珠美さん、
そして大好きなジャズドラマーの坪井洋さん、そしてボーカルの繭子さんの
3人組み「まゆたま」のポップスは、ものすごく気持ちがいいポップスです。

今回見に行ったライブはまゆたまのニューアルバム「マーブル」のレコ発ツアーのファイナルで、
レコーディングメンバーである加藤一平さん、カイドウユタカさん、そして津上研太さんが参加するということで
取材仕事終わりでアタマが欠けつつも駆けつけました。

やっぱ素晴らしかったし、前に見たまゆたまよりも数段パワーアップしてた。
珠美ちゃん、楽しそうに弾いていて素晴らしかったな。
坪井さんのドラムは、繊細で音が美しくて包容力があってとてもよかった。
だいたいにおいて9割方、ポップスやロックのドラムは音ができすぎるのではないか、といつも思う。
坪井さんのドラムはボリューム、バランスともに繊細で絶品です。
繭子さんの歌も伸びやかで優しく、しかも前よりぐっと説得力が増していてこれまた良かった。
ツアーも頻繁にやっているし、3人のコンビネーションはとても素晴らしかった。

レコーディングに参加したゲスト陣もこれまた、さすがの仕事であって、
加藤一平のノイズがガリガリのったギターが、これまたポップスに映える。
ああいうノイズをコントロールして出すスキルと、音のデザインのセンスには舌を巻く。
カイドウさんはウッドベースでポップスを弾いても、やはり抜群の安定感とセンスがさすがだし、
大御所、サックスの研太さんの音は、太くて美しくて、これまた絶品です。

良かったばっかりですが、本当に良かったので仕方ない。
まゆたま、これからも応援したいと思います。


まゆたまOfficial Website – Jam Popバンド”まゆたま”公式ホームページ

http://mayutama.official.jp/

 


リマタンゴを見に行った

2017年04月03日 17時57分00秒 | CD&コンサートレビュー

リマタンゴを見に行った

 

3月24日(金)20:00~

『Lima Tango』

廣澤哲(sax) 山口コーイチ(p) 清水良憲(cb) 

チャージ¥2000 

@なってるハウス

台東区松が谷4-1-8 

03-3847-2113 

 

 念願だったリマタンゴ。なってるはうすの店長であり、渋さ知らズのメンバーであり、朋友金子鉄心の友人であるがわかったテナーサクソフォン奏者、リマさんが率いる、巨漢たちのタンゴ。

なんで、タンゴをやってるのですか、と、以前リマさんに以前聞いたことがあった。小田急相模原で夜霧を見たときだと思う。

その時リマさんがいったのはガトー・バビリエリをやろうとすると、どうしてもタンゴを避けて通れなかった。それではじめた。と言う話だった。でも今はタンゴでなくてもいいのだ、ともいっていた。

 

ピアノ山口コーイチ、コントラバス清水良憲、サックス広沢哲という、正直行ってむさ苦しい男たちが奏でるタンゴは、ごつい男の世界であった。しかし男の世界とは、ゴツイだけではなく、強面の向こう側には、ほとんど子どものような無邪気さと優しさと、女性ではありえないほどのロマンティシズムがあるように思える。

 

ジャズの現場で見るリマさんやコーイチさんとは違って、リマタンゴでは、たとえばアバンギャルドなアプローチやフリーキーなカオスはなかった(少なくとも先日のライブでは)。その代わりにあるのは、三人のメンバーがメロディを軸にしながら、自在にテンポをうごかしたりアンティシペーションをしたり、ある意味で複数の時間軸があるように聞こえつつ、しかもしれがしっかりリンクしているという、タイムによるスリリングなやりとりが、ゾクゾクするぐらいに気持ちがいい。和声ではなく、メロディとタイム。コーイチさんのソロもほとんど和声を使っていなかったように思った。清水さんのベースは、弓弾き(アルコ)の比率が高かったが、これはタンゴなのだからだろうか、ソロのアルコがとても素敵だった。

 


conTRIO 本田祥康(gt)千葉広樹(b)池澤龍作(dr) @ベルベットサン  2017/2/8

2017年02月17日 00時03分27秒 | CD&コンサートレビュー

conTRIO【本田祥康(gt)千葉広樹(b)池澤龍作(dr)】ベルベットサン  2017/2/8

Wednesday, February 8, 2017
20:00 22:30
【出演】conTRIO【本田祥康(gt)千葉広樹(b)池澤龍作(dr)】
【開場】19:30
【開演】20:00
【料金】2,500円(1ドリンク付き)

 

conTRIO
本田祥康(gt)千葉広樹(b)池澤龍作(dr)

本田さんは以前AOSABAとの対バンのバンドでギターを弾かれていた方。下北沢のアポロのセッションでもお会いしたり、
正月のピットインのAASオールスターズでお見かけしたりしていたのだが、
その本田さんのリーダーライブがベルベットサンにあると聴いて出かけた。
本田さんが自分のリーダーでどんな音楽を奏でるのかに興味があったからだ。
トリオのあとふたりの千葉広樹(b)池澤龍作(dr)も
若手の実力派だし、これは楽しみだと思っていたら、
フリーがあり、美しい曲があり、スリリングな展開がありととても面白かった。

本田さんが使っているギターはデュオソニック? ミュージックマスターかな?
フェンダーの古いスチューデントモデルのギター。これをジャズで使う人は非常に珍しいんですが、
その音が実に美しく、しかも他のジャズではあまり聴けない音なので、聞き惚れました、

本田さんのギターはプレイもコンテンポラリーでありながら、音数はわりと押さえられていて、一音一音を吟味して弾いているように見えた。
またエフェクターの使い方もシンプルながらツボを押さえたもので、凄く勉強になったなぁ。
また、耐えて耐えて、でもここ一発でディストーションをガスっと踏むのは、
やっぱりロック出身なんだろうか、聴いている私も本籍はロックなので、血湧き肉躍って気持ちがよかったのだった。

本田さんのオリジナルと池澤さんのオリジナルが演奏されたが、
どちらのオリジナルもコンテンポラリーで、でもどこか優しさや色気があって、自然で素敵だった。
ギター、ベース、ドラムの抑制が効いた美しい響きのアコースティックなサウンドと、
ハッタリやペダンディズムとは無縁の、オーガニックでフリーなコンテンポラリージャズが堪能できた夜だった。

楽しかったです。
こんなライブハウスに自転車で行ける距離に住んでいる幸福を噛みしめています。