ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その84
海外滞在が長く、外国語にもご堪能な方ですが、
一週間程度で物凄い量のものを見る、読む、聴く。 とにかく私もビックリ。
私も見習いたいと思っております。
読者の皆様、感想等ございましたら
私が責任を持ってお伝えしますので ぜひコメント欄にお願いします。
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◇2月23日は皇太子徳仁親王さま(52歳)、中島みゆきさん(還暦60歳)、
野口五郎さん(56)の誕生日でしたが、山梨県河口湖町では2002年から、
静岡県では2年前から 【富士山の日】(2.23の数字の語呂合わせ)とする
条例を制定しています。山梨・静岡の両県は、世界文化遺産登録に向け、
ユネスコに対して強くアピールする考えのようですが、「世界文化遺産」に
登録することが、本当に良いことなのかどうか、ただ観光客が押し寄せて
ゴミが増え環境や自然に悪い影響がないのか、改めて検証が必要です。
http://www.waseda.jp/dcc/3rd/breakfast1.html
◇昨年のちょうど今ごろ“駿河シャモ”のフルコースを食べたレストランで、
その店の「S社長を囲む会」がありました。 県庁勤務の I さんの誕生日と
彼のお嬢さんの大学合格をお祝いする会も兼ね、夫婦で飛び入り参加。
今月初めにそこで披露宴パーティーをされた、清水エスパルスのGK碓井
(うすい)選手ご夫妻(大阪出身の美人の奥様!)も出席して、突き出し、
オードブル、魚(サワラ)、肉(豚肉の肩ロース)、デザート(ミルフィーユ)、
特製誕生日ケーキとどれも美味しく、さすが I さん人脈の食事会でした。
http://www.sunmario.com/restaurant/
◇週末は京都でした。 京都東インターで下り、久しぶりに比叡山延暦寺
を訪問。 国宝の根本中堂を中心に、東塔エリアを散策しました。 お昼は
祇園の萬屋で九条ネギとショウガだけでダシがきいたねぎうどんを食べ、
徒歩数分の「祇園きなな」で“きななハポン”という名の特製パフェ(きなこ
アイス+白玉+あん+わらび餅+栗)がいかにも京風の味。 食後はすぐ
近くの「何必館(かひつかん)京都現代美術館」で開催中だったロベール・
ドアノーの写真展と、北大路魯山人の陶芸を見て、京都の冬を満喫です。
http://www.kyo-kinana.com/gionkinana/parfe.htm
◇京都からの帰り道、新名神を経由して伊勢自動車道に入ったところで、
事故渋滞に遭遇。 一般的に高速道路上では、前方不注意による「追突」
が多いんですが、今回車が衝突した相手は80kg位ある“大きなイノシシ”
でした。 車の前面バンパーが大きくへこみ、即死した猪が側道にゴロリ。
深夜の山道ならまだしも、午前10時ごろの高速道路で、猪とぶつかると
いうのは、運が悪いというかほとんど想定外というか、運転手にとっては
“とんだ災難”ですね。 あのあと“猪鍋”になったのか気になるところ(笑)
【映画】
■ものすごくうるさくて、ありえないほど近い <原題 Extremely Loud &
Incredibly Close>(★★★★) 「9.11」で父親を亡くした少年が、遺品の
壺に隠された鍵から、父の残したメッセージにたどり着こうとする話。 父
(トム・ハンクス)と母(サンドラ・ブロック)と息子(トーマス・ホーン)の3人
の描写が素晴らしく、鍵の入っていた封筒に書かれた文字(Black)から、
ニューヨーク中のブラック氏を訪ねようと計画します。通りを隔てた建物に
住む祖母と言語障害をもつ老人が彼を暖かく見守り、父の死を克服して、
彼がいかに再生していくかが見所でひととの出会いを通して成長します。
公式HP ⇒ http://html5.warnerbros.com/jp/elic/
■タイム <原題 IN TIME> (★★★)
「Time is Money」を具象化したSFアクション。「時間=金」を支配していて
長命を得た富裕層と、25歳から余命1年の貧困層との間での格差闘争。
通貨は存在せず、左腕に刻まれた時計の時間で物品の売買やアパート
の家賃、公共機関の運賃が支払われ、労働報酬として一定時刻が加算
されるシステム。時間を取り締まる警察や管理する側の運営がズサンで
そこに主人公(J・ティンバーレイク)が付け入る隙を見つけて抵抗します。
終盤“Bonnie and Clyde”のような「時間強盗」になるのはご愛嬌ですね。
公式HP ⇒ http://www.foxmovies.jp/time/
【Book】
■上杉隆 「新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか」(PHP新書、
12/02/29 ★★★★) 昨年末、ジャーナリストの休業宣言を行った著者
が、日本のマスメディアの現状と震災報道のウソを検証。 具体的に記者
の取材メモの流れ(記者⇒デスク⇒編集局長/編集委員⇒官邸中枢⇒
霞ヶ関/雑誌社/テレビ局)を図で示し、官報複合体の癒着構造を指摘。
震災については、当初の「メルトダウンはしていません」から「事故原因の
報告書」まで、政府も東京電力もそれを伝えるメディアも“誰も責任を取ら
ない”談合体質を非難。「ネットメディア」が情報の信頼性を高めると主張。
http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-80282-4
■榎本博明 「上から目線の構造」(日経プレミア、11/10/11 ★★★☆)
本人の中に「上-下」「勝ち-負け」の“スキーマ:ものごとを見る枠組み・
図式”が強く根付いていると、相手の態度や言葉が「上から目線」に感じ
られ、逆にその種の意識を持たないひとは、「上から目線」が気にならず、
過剰に反応することはない・・・という考えればごく当たり前の結論です。
後半は、「便所食」(対人不安)、「占い」、「キャラ変え」など、空気を読む
現代若者気質に触れ、子ども時代に集団で遊ばずに、人間関係を経験
することがないまま成人になっていく、今の遊び環境の激変に納得です。
http://www.nikkeibook.com/book_detail/26139/
■松原耕二 「勝者もなく、敗者もなく」(幻冬舎文庫、11/11/10 ★★★★)
TBSキャスターが12年前発表したノンフィクション作品の文庫化。自らの
名前の由来(長男なのに耕二)、1985年8月社会部記者としてジャンボ
機墜落事故の遺族と過ごした日々、ソロチェリストから為替トレーダーに
転職したひととの再会、佐渡裕(指揮者)など、9つのエピソードを収録。
特に印象的だったのは、在日韓国人三世として佐賀県に生まれ育った
孫正義と、女性柔道界で田村亮子の常に二番手だった長井淳子の話。
文庫あとがきで、11年後の登場人物の姿を紹介している点が良いです。
http://www.gentosha.co.jp/search/book.php?ID=202668
【オマケ、今週の気になった言葉】
■流れていく時間の中でふと立ち止まり、わずかばかりでもその時間を
切り取って表現してみたくなる。それは「ほんとうの人間関係ができ上が
る前に風のごとく退散してきてしまう」自分の仕事ぶりへの懺悔(ざんげ)
にも似た気持ちでもあり、悲しみを和らげたいというささやかな防衛本能
でもあるのかもしれない。 (by 松原耕二、上記掲載本 あとがきより)
記者の仕事が好きで、報道現場の情熱ある仲間たちとの仕事は自分に
とりかけがえのないもの、と考える松原氏のあとがきに、「ピート・ハミル」
や「ボブ・グリーン」という、アメリカのコラムニストの名前を久しぶりに見て
懐かしいです。 「ニューヨーク・スケッチブック」(The Invisible City,1980)、
「十七歳 春・秋」(Be true to your school: a Diary of 1964, 1987)など、
彼らが書いたコラムや日記は、当時日本でも翻訳され読まれていました。
何気ない日常の断片を取材して描写する、まさにスケッチのようなコラム
で、松原氏が取材で目指す方向と重なる部分があります。突然でしたが、
来月初め、久しぶりに家族と離れ単身赴任で勤務地に就かれるM記者。
当地の勤務お疲れ様でした。新天地でさらなるご活躍を期待しています。