味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

西郷隆盛作、漢詩「白鳥山---」石碑の場所。

2011-12-28 18:29:17 | ブログ

タイトル---西郷隆盛作、漢詩「白鳥山--」石碑の場所。第1096号 23.12.28(水)

 

 西郷隆盛作、漢詩「白鳥山温泉寓居雑詠」の石碑がある場所は次のところです。

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 当該場所には、上湯、下湯とあります。石碑は上湯・展望台の処にあるそうです。

 住所は、えびの市大字末永1470番地

 とのことです。年末の多忙な時にえびの市役所、観光商工課 中村様が教えてくださいました。中村様、有り難う存じました。

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 漢詩  白鳥山温泉寓居雑詠

 

 白鳥山三頭涼しき処に眠り、

 起き来って神爽やかにして渓泉(けいせん)を煮る

 瀑声松籟(ばくせいしょうらい)塵耳(じんじ)を洗ひ、

 占断す茅廬(ぼうろ)一洞(いっとう)の天。

〔解説〕 白鳥山の上の涼しい処に眠り、目が覚めて、さっぱりした気持ちで起き上がり、渓(たに)の泉の水を汲んで来て茶の湯を沸かして居ると、瀑(たき)の声松風の音が、浮世の塵に汚れた耳を洗って、身も心もすがすがしくなり、茅のいほりと、四方山に囲まれて洞穴の恰好に見える此の場所から仰ぎ見られる限の天とを、自分一人で占領する事は、誠に大きな楽しみである。(大木俊九郎著)

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 韓国岳(からくにだけ)登山のため駐車するえびの駐車場のすぐ近くなのですが、登山のみちみち下界を眺むれば、西郷さんの漢詩を詠んだ心境が、分かるような気が致します。荘内にある鳥海山同様、迚も素晴らしい景観が望めます。

 

 


世を蓋うの功労も『菜根譚』

2011-12-28 10:52:52 | ブログ

タイトル---世を蓋うの功労も『菜根譚』。第1094号 23.12.28(水)

『菜根譚』 18

〈世を蓋(おお)うの功労も、一個の矜の字に当たり得ず。天に弥(わた)るの罪過も、一個の悔の字に当たり得ず〉

〔訳文〕 一世をおおうほどの大きな功労も、(それを自慢する心がすこしでも生じたら全く値打ちがなくなるので)「矜」というひとことに相当することができない。(反対に)、天下に満ちわたるほどの大きな罪過も、(それを後悔する心がほんとうに生じたらすっかり消滅してしまうので)「悔」というひとことに相当することができない。

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〔コメント〕 こうしてご紹介しながら自分の勉強・戒めになります。「矜」とは、おごりたかぶるという意味があります。史記に「力は山を抜き気は世を蓋う」(項羽本紀)とあります。

 私の場合、空手道場に集う子供たちのために一所懸命やっています。それも一つの功労・骨折りですが、ただ、子供たちのためにどうして役立とうか、どうしたら健全に、勤勉性を培う人間にそだってくれるかを考え、日々に挑戦しているのです。

 そして後半の「罪過」については、子供よりか先人である大人は自ら漢籍等々を学び、後輩の青少年に善い影響を与えるようにしなければならないと思います。たまたま空手道場建設と同時に『南洲翁遺訓』と出会った私は果報者であったと思います。

 鹿児島に出てくる以前の職場では、思い出したくない唯物主義、そしてエロチシズムの充満した職場でした。それも怠惰主義に陥った一人の指導者の影響大なるものがあったのです。先輩の後ろ姿というものは大変大事であります。そういった諸々を体験したからこそ、円心会に集う子供たちには、意義ある人生を歩いて欲しいのです。

 『南洲翁遺訓』を読みましょう。漢籍を繙きましょう。それが「人間学」へとつながるのです。