味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

何事にも、ゆとりを残し『菜根譚』

2011-12-30 10:40:28 | ブログ

タイトル----何事にも、ゆとりを残し『菜根譚』。第1098号 23.12.30(金)

 『菜根譚』 20

〈事々、個の有余不尽の意思を留むれば、便(すなわ)ち造物も我を忌むこと能わず、鬼神も我を損すること能わず。若し業は必ず満を求め、功は必ず盈を求むれば、内変を生ぜざれば、必ず外憂を招かん。〉

〔訳文〕 何事にも、ゆとりを残し控えめにする気持ちというものを持っておれば、造物者もその人を忌み嫌うこともないし、神霊もその人に害を加えることもない。しかしもし、事業にも功名にも必ず十二分に満ち足りることを求めたならば、(造物者や鬼神に忌み憎まれて)、内部から変事が起るか、さもなければ、必ず外部から心配ごとを招く結果になるであろう。

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〔コメント〕 このくだりを読んで普通の方々はどう思うでしょう。そうだよ、本当だよ、と相槌を打って共鳴するでしょうか。私は天風師の書を20年前から録音し、今も聞いています。まさしく、『菜根譚』が示唆するとおりだと思います。

 そのことを過去、空手の指導の度に門弟に話してきました。今は師範となっている木場弟師範が、そういうことがあるものか、と楯突いたものでした。その彼も、天風師の本を全て購入し、連日読むと同時に、人生に活用しているのです。

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 昨日は、福岡在住の檪尾夫妻がやってきました。これから空手道稽古を再開したいと言いましたので、それなら岩坪範士に挨拶し、教えを請いなさい、と言いました。範士様、よろしくお願い致します。とても実直な方です。だから彼の結婚式には大坪師範と二人出席して上げたのでした。

 友人に公務員になった人がいますが、人間の中身が違うと私は観ています。人間には、至誠、謙虚さがなければならないのですが、もう一人のお方にはそれが見えないのです。

 一番強いのは、『南洲翁遺訓』の訓戒を順守することと、今日の『菜根譚』の教えも、同様に順守することただと思います。

 今、政治の世界では断固としてやる、と言っているリーダーがいますが、『菜根譚』の教えと逆行しているような気がするのです。金がないのにバマキをすれば、財政は逼迫するし、人心は荒廃するのです。ただし、困っている人を救うのは理の当然です。