タイトル----人から受ける恩恵は控えめに『菜根譚』。第1091号 23.12.25(日)
『菜根譚』 16
〈寵利(ちょうり)は人前(じんぜん)に居ることなかれ。徳業は人後に落つることなかれ。受享(じゅきょう)は分外に踰ゆることなかれ、修為(しゅうい)は分中に減ずるなかれ。
〔訳文〕 人から受ける恩恵は控えめにして、他人より先に取ろうとしてはならない。しかし人のためになる徳業は進んで行ない、他人に遅れを取ってはならない。また、人から受け取る物は、もらうべきであっても分相応を超えてはならない。しかし自分のなすべき行為は、分相応をへらすことなく、より以上に努力しなければならない。
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〔コメント〕 素晴らしい人の道の教えだと思います。私は道場にきてくれる子供たちのために、精一杯何時も行っています。
今回、昇級通知を上げた子供から、大して上達もしていないのにと、お母さんが言った、そして帯をもらうのは恥ずかしい、というようなことを子供が言いました。そこで子供たちにお話しました。貰った帯に恥ずかしくないように頑張りなさい、と。
その檄に子供が叱咤され、奮励努力するのです。幼少の頃は、追いついたり、離されたりといろいろあります。でも、どういう素質の子供が伸びるか、その時点では分からないのです。言えることは、物事を諦めないことなのです。私は決してあきらめない性格です。これが勝利の秘訣であろうと思い、老骨に鞭打っています。
昨日は、今年の稽古おさめをしました。『南洲翁遺訓』の発表、そして「一本の杭」の合唱とそれは賑やかでした。ただ、黒帯を贈呈した子供が来なかったのは残念でした。少々寒いからと言って、子供がグズッテも母親は厳しく追い出すべきです。東北の方々の寒さに比べたらなんのことはないのです。それが子供をつよくするコツなのです。