味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

勢利紛華は『菜根譚』

2011-12-08 10:28:14 | ブログ

タイトル----勢利紛華は『菜根譚』。第1075号 23.12.08(木)

 『菜根譚』 第4章

〈勢利紛華は、近づかざる者を潔(いさぎよ)しとなし、これに近づきて而(しか)も染まざる者を尤も潔しとなす。智械機巧は、知らざる者を高しとなし、これを知りて而も用いざる者を尤も高しとなす。〉

〔訳文〕 権勢名利や豪奢華美のたぐいに、近づかないように心掛ける者は潔白な人である。然しそれらに近づいても、その悪習に感染しない者こそ、最も潔白な人物である。権謀術数のたぐいを、全く知らない者は高尚な人である。然しそれを知っていても、自分では用いない者こそ、最も高尚な人物である。

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〔コメント〕 拙著『礼節のすすめ』、人物論「皇刀軒流斬試道・岩坪清美四代宗家」の冒頭にこの言葉を紹介しました。岩坪師範は、この解説にあるとおりの人物であるため、敢えて紹介したのです。

 今の日本の国に該当する人が存在するであろうか。

 今朝の新聞に「礼なくして権威はない」という論文が掲載されています。

 骨子のみ紹介します。曰く、

〈与野党の対決の「質」が落ちている気がしてならない。----ヤジも、相手の発言を邪魔するような品性の低いものではなかった。

 今は議論の内容もヤジの品性もどうにかならないかと思わせる。国会が国民に信頼される基本である「権威」を欠くからだ。----礼なくして権威も信頼もない。〉

 「礼」とは、「国家・社会の秩序を維持する組織やおきて」(『漢語林』大修館書店)と解説されています。

 私はこの記事を読み、40年前のことを思い出しているのです。国会議員で建設大臣であった秘書の口座に、数十億の金が振り込まれていたというのです。その建設大臣が死去して後、この論文を書いた人が何らかの方法で没収したと専らの噂でした。本人は時も経過しているし、誰も知らない、と思っているでしょうが、天は観ているのです。

 天網恢恢疎にしてもらさず、という言葉もあります。