タイトル----疾風怒雨には『菜根譚』。第1077号 23.12.11(日)
『菜根譚』 第6章
〈疾風怒雨には、禽鳥も寂々たり。霽日(せいじつ)光風には、草木も欣々たり。見るべし。天地は一日も和気なかるべからず、人心は一日も喜神なかるべからず。〉
〔訳文〕 暴風豪雨の日には、非情の小鳥までも憂え恐れて悲しげである。(これに反して)、天気晴朗で穏やかな風の日には、草木も生き生きとして喜んでいるようである。してみると、天地には一日たりとも和気がなければならない。(これと同じく)、人の心にも一日たりとも喜び楽しむ気持ちがなければならない。
.
〔コメント〕 「訳文」にある「和気と喜ぶ気持ち」は、個人個人の心の持ちようでいかようにもなると思います。雨の日には自宅で読書をする、よいお天気の時には散歩をする、運動をする、と心掛け次第で人生は楽しめるのです。
先週の週刊誌によると、70歳以上は病院に行くな、というような激しく厳しい記事の広告がありましたが、私も含め高齢者は自分も大事だが、若い人も大事にしなければならないと思います。日々を謳歌していれば、潔く旅つ心境にもなれるであろうと思うのです。
かねて努力もしないで、要求だけをするのは、これは天がよしとしないでしょう。私の詩吟道の師匠は、喜んでと思われるくらいの心境で旅たったのでした。早く往きたいと何回も私には話したものです。漢詩を250首詠み、満足した心境のようでした。