味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

君子の心事は『菜根譚』

2011-12-07 10:23:26 | ブログ

タイトル----君子の心事は『菜根譚』。第1074号 23.12.07(水)

 『菜根譚』 第3章

〈君子の心事は、天青く日白く、人をして知らざらしむべからず。君子の才華は、玉韞(つつ)み珠蔵(たまかく)し、人をして知り易からしむべからず。〉

〔訳文〕 君子の心ばえは、青天白日のように公明正大にして、常に人にわからないところがないようにさせねばならぬ。然し才智の方は、珠玉のように大切に包みかくして、常に人にわかりやすいようにしてはならない。(その心事が明白でないと陰険だと思われ、その才華を表しすぎると、衒うと思われるから。心事が本で、才華は末である。)

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〔コメント〕 大変よい訓戒だと思います。知っていても誇らず、尋ねられたら教え、謙虚でありながらも信念は貫く度量が欲しいものです。心事とは、心に思っている事柄ということであり、才華とは、華やかに外に表れた才知ということですが、そこに謙虚な姿勢というものがなければならないでしょう。そのためには『南洲翁遺訓』を座右に置き、日々繙くことが肝要であると思います。

 今朝のテレビ朝日で、一川防衛大臣の言動についての報道がなされました。大臣が発言したことについて沖縄県民が怒っており、辞任すべきだ云々と。

 それについてコメンテータの東ちづる氏が、「本人が決めることではなく、他者が決めることだ」と断定するような発言がありました。聞いていて、「何を言うのですか、それは本人が決断することなのです」と私は独り言をいいました。知ったかぶりもいい加減にして欲しいと思った次第です。

 ある人の著書を拝見したら、人をかき分けて自分が先頭にたたなければ気がすまないというような事が書かれていました。こういうことについて『南洲翁遺訓』は、未熟な人間のすることだ、と戒めています。同感です。

 特に政治家は自らが学び、国民に真意を説明し、自ら決断をしなければならないのです。ただ勲章欲しさと、金欲しさに汲々としてはならないのです。

 そのために漢籍を学び『南洲翁遺訓』を学ぶ必要があるのです。治乱興亡を繰り返してきた歴史が、人間のあるべき姿を教えていると思われるからです。