或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

成羽町美術館

2005-02-26 09:15:30 | 300 絵画
これまで大原美術館を含めて3回ほど児島虎次朗の話をしてきましたが、今回でひとまず終了です。最後が彼の故郷の美術館の話だなんて、なんか自然にうまくつながりました。(笑)

この美術館は虎次郎の故郷である岡山県川上郡成羽(なりわ)町にあります。町制施行50周年を記念して昭和28年(1953年)に町立美術館として開館しました。

位置的には岡山県と広島県の県境にあります。岡山市からも福山市からも40km以上あるため車で1時間以上かかり、近郊に他の観光名所もないため、訪問するには少々気合いがいりますね。(笑)

ただ実際に行ってみると正直なところ、「こんな田舎にどうしてこれだけ素敵な美術館があるんだろう?」と思うぐらい素晴らしく、建物も飛びぬけてモダン。それもそのはず、有名な建築家の安藤忠雄の設計によるもので、1994年に新たに建設されたそうです。

館内に入ると、明るいコンクリート壁の展示室の中に彼の作品が約100点展示してあり、ここでも”虎次郎ワールド”を満喫できます。

写真は、東京美術学校(現東京芸大)の研究科の卒業制作として明治39年(1906年)年に描かれた「登校」で、初期の代表作の一つ。道を歩く姉妹の微妙な表情が、光の明暗の中に映し出され、穏やかな情感が良く出ています。

この美術館から広島への帰り道に、新緑の山あいを、虎次郎を思い浮かべながらドライブし、気分がリフレッシュしたのを思い出しました。

 児島虎次郎

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