或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

The Queen's Gallery

2011-06-28 05:51:29 | 860 英国紀行
英国旅行6日目の唯一の美術館巡りは、バッキンガム宮殿の傍にあるクイーンズ・ギャラリー(The Queen's Gallery)。お目当てはひとつの作品のみ。それが写真のフェルメール「音楽の稽古(The Music Lesson)」(1663年)。入口で厳重な持ち物チェックが。さすがに王立だけのことはあるなと。それで案内書にいたおじさんにすかさず質問。「フェルメールは何処ですか?」と。

すると何とも残念そうな顔をして「今は展示していません。それと夏の数ヶ月だけ、ここじゃなくてバッキンガム宮殿の中に展示されますよ」との返事が。「ええーっ、そりゃないよ」と自分にダメだしをしたけど全て後の祭り。後で調べると、エリザベス女王が避暑に出かける7月末から9月末の3ヶ月にバッキンガム宮殿が一般公開されるらしい。ということでガックリきたかな。

思い出したのが、旅行の初日にナショナル・ギャラリーで見た2作品。「ヴァージナルの前に立つ女」 と「ヴァージナルの前に座る女」。晩年の1670年から1673年に描かれた、小ぶりながら有名な”フェルメールブルー”が存分に味わえる作品。一方で「音楽の稽古」は初期の作品で、雰囲気が異なることから、是非とも実物に出会いたかった。それで仕方なく館内見学へ。

絵画には興味を引くものが少なかったものの、驚いたのがロイヤルコレクションと呼ばれる装飾品の数々。ダイヤの王冠やネックレス等のジュエリーものが特に凄い。目がくらむという言葉の意味が初めて理解できた。もう絢爛豪華そのもの。以前にウィンザー城でも同じような展示を見たことがあったけど、こちらの方が格段にゴージャス。厳重な警備の理由がよく分かった。

話しは変わるけど、今回この記事を書くにあたってネットで調べている途中に見つけたのがフェルメール専門サイト。2011年設立ということで、公開されたのはごく最近。これには彼の全作品と所蔵元が記載されていて、フェルメール愛好家にはたまならい。現存する作品数が少ないだけに、全作品を制覇したいと思うのは自分だけ?またうずうずしてきたような。


ウェストミンスター寺院

2011-06-26 09:53:46 | 860 英国紀行
だいぶ間が空いたけど、今日から昨年の英国旅行におけるロンドン観光の後半。具体的には6日目からの話。アイラ島から帰ってきた翌日。今回の旅行では美術館巡りに加えて、パリに引き続き”オスカー・ワイルドの足跡を訪ねる”という大きな目的があったのだけど、途中に観光名所も沢山あったので、まとめて面倒みようと欲張りな気持ちがあったのも確か。

最初のターゲットは、とりあえず美術館巡りの一環としてのクイーンズ・ギャラリー。それで普通なら地下鉄のセント・ジェームス・パークで降りるところを、あえて次ぎのウェストミンスターで降りたあたりにミーハーな気持ちが表れていた。出口を上がるとテムズ川沿いに観光客がごった返し状態。眼前に飛び込んできたのがビック・ベン。とりあえず観光しちゃおうかなと。

その後がウェストミンスター寺院。ここは強く記憶に残っていた。というのも前回1998年1月に訪問した時に、門の前に信じられないくらい沢山の献花が飾られていたから。調べると、ダイアナ妃が亡くなったのが1997年8月。翌9月に彼女の国民葬が行われたのがこの寺院。今思えばそれから4ヶ月後なのにあの献花の数。余程英国の人々に慕われていたんだなと、改めて感じたけど。だから自分の中ではウェストミンスター寺院と聞けば、彼女のイメージしか湧いてこなかった。

最近驚いたのは、彼女の息子のウィリアム王子と妻のケイトさんの結婚式が、今年の4月29日にこの寺院で行われたこと。おいおい、それはないんじゃないのと。確かに歴代の英国の君主の戴冠式やエリザベス女王の結婚式等はここ。一方でチャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚式はセント・ポール寺院。噂では、ウィリアム王子に、母親と同じセント・ポール寺院での結婚は縁起が悪く、逆にウェストミンスター寺院で亡き母に結婚式を見てもらいたいという気持ちがあったのだとか。

なんて話を今知った訳だけど、当時は将来そんな事が起きるとは予想だにせず、セント・ジェームス公園を抜けてお決まりのバッキンガム宮殿へ移動。そこで大規模なパレードが開催されていた。周囲に咲き乱れるチューリップが綺麗だったなあ。


バーテンダー

2011-06-17 05:49:43 | 370 テレビ
最近ではTVドラマを観ることがほとんどなくなっている。理由はいろいろあるけど、忙しくて時間がないというのが本音かな。なんか情けない話だけど現実だからしようがない。恐ろしいのは、以前なら録画しておいて後でという気持ちぐらいはまだ持っていたけど、このところそれもなくなってしまっていて。いけませんねえ、ゆとりがない証拠。ということで今日は少し前の話。

今年に入って唯一と言っていいと思うけど、自分で録画して最初から最後まで見終えたのが深夜ドラマの「バーテンダー」。放映は今年2月から4月までで、毎週金曜日の夜23:15から。ヨーロッパで活躍していた天才バーテンダー佐々倉が日本に帰ってきて、バー「ラパン(LAPIN)」で働く日々を描いたもの。このバーテンダーを演じるのが、今が旬である嵐の相葉雅紀。

とりたてて有名な映画に出演したとか、そういう派手さはないものの、彼固有の温和な雰囲気が好きで、自分的には嵐の中では彼が一番のお気に入り。このドラマに興味を持ったのも、彼が主演だったから。それ以上にバーが舞台というのがあるけど。第3話だったかな、客のひとりが佐々倉見せた父の形見だという時計から、その客の正体がバレていくというストーリー。

受けたのが、その時計の話。彼が見せたのはクォーツ式。それを佐々倉が、お父さんの時代にはまだ機械式しかなかったはず、だからあなたの話はウソだと。それからしばし佐々倉の腕時計の歴史についてのウンチクが披露されて。うんうん、そうだよなと、うなづいたのが自分。ただしバーテンダーとはいえ、こんな若者が機械式について詳しいのはオカしいと思ったりして。

気づけばバーはとんとご無沙汰。昨年までは宴会の帰りにシングルモルトをひっかけに月に一度は広島の市街地のバーへ通っていたのに。どうも往年の覇気がなくなっている。これはいけませんね。外の世界に興味がなくなっていくというのはまぎれもなく老化。家で好きなCDを聴きながらひとり飲むもの悪くはないけど。なんてことを考えさせるドラマだったかなあ。

バーテンダー DVD-BOXバーテンダー DVD-BOX

Denise Donatelli

2011-06-14 05:50:35 | 200 ジャズ
中古でEsotericの高級CDプレーヤーを購入してからというもの、家の中のありとあらゆるCDを聴き直している。この時期になるとイヴァン・リンスを中心としたブラジルものがメインになってくるのだけど、今年しっかり聴いているのは何故か女性ジャズヴォーカル。おそらくオーディオの視聴用として聴き込んだ影響で、なんとなくその延長線上になっているのかなとも。

ここ1ヶ月で10枚程度は買い込んだかな。なにせこのところ音楽業界に疎くなっていて、最近どんなアルバムがリリースされているのか全く知らない状態。だけどAmazonをサーチしていると、”この商品を買った人はこんな商品も買っています”というPOPが出てくるので、それを芋づる式にたぐっていくことにより、なんとか好みのアルバムに辿り着いているって感じ。

その中からお気に入りを紹介していこうと思うのだけど、そのトップバッターがデニース・ドナテッリ(Denise Donatelli)。彼女のHPがあるのでプロフィールを調べてみた。生まれはペンシルヴァニア州で、幼い頃からピアノに親しんでいて、歌い始めたのは自分の息子に手がかからなくなってからとか。いわゆるシングルマザー。つまり遅咲きということか、年齢不詳だし。

最初に購入したのが「When Lights Are Low」(2010年)。ピアノがジェフ・キーザー(Geoffrey Keezer)で全体をプロデュース。彼の音楽性が色濃く反映されている。昔ブルーノートで聴いたことがあり、なかなか知的なプレイをすると感心したのを思い出した。どの曲もハーモナイズに工夫が施されていて、かなり先進的なアルバムに仕上がっている。特に選曲が印象的だった。

ヴォーカリストとして声量はないものの、ディクションやアーティキュレーションに品があって、なによりピッチが良い。声のかすれ具合に色気もある。次に購入したのがデビュー作の「In the Company of Friends」(2005年)。こちらはよりオーソドックスで落ち着いたアレンジ。サプライズはラストチューンの”When Summer Turns To Snow”。デイブ・グルーシンが作曲してオリジナルはセルジオ・メンデスの「Fool on the hill」(1968年)。おいおい、なんて趣味なんだよと感心することしきり。いや、素晴らしい。

When Lights Are LowWhen Lights Are Low        In the Company of FriendsIn the Company of Friends

バイクタクシー

2011-06-09 05:38:35 | 800 観光
タイ出張時に利用して面白かったのがバイクタクシー。街のいたるところにマラソンでよく見かけるようなオレンジ色のゼッケンをつけた集団がそれ。駐在員からバイクタクシーだと聞いて、近くの日本料理屋へ行く時に利用してみた。ヘルメットもかぶらず後部座席に座って10分ぐらい乗ると目的地へ到着。料金は確か20バーツだったような。日本円で約60円。こりゃ安い。

料金はともかく、渋滞している車の横をスイスイと抜けていくのが気持ち良くて。それで今回も早速利用。タイが初めてという連れの2人への観光サービスという意味合いもあったかな。これに気を良くして夕食を取った後に歓楽街へ。運転手達がたむろっている所へ行って、「ナナ、ナナ」と言うと、その中の一人が「ナナ、ナナ」と返してきたので、これで指示はOKと思った。

我々ひとりずつを乗せた3台のオートバイは、裏道を通ってゴーゴーバーのあるナナのある方角へ。蒸し暑い中で、通り抜ける風がとても心地よい。勿論バンコクに詳しい訳がないので、どの辺りを走っているのか全く検討がつかなかったけど、何処か見たような交差点付近でバイクは停止。すぐ後で連れのひとりも到着。それからしばし、残りのひとりを待つことに。

ところがいつまで経ってもバイクが来ない。こりゃ逸れたのかなと諦めて、目的地であるビルを目指したものの、どうも周囲の景色がナナと違うような。そのうち連れが「あのネオンはスゴイですね」と通り向かいを指差した。その中心には”Soi Cowboy"と書かれた大きな看板が。「おいおい、ここはナナじゃなくてソイカーボーイなのかよ」と、ようやく置かれた状況に気づいて。

後で分かった話だけど、残りはひとりはちゃんとナナに連れて行かれていた。つまり自分を乗せた運転手が場所を完全に間違えていたということ。しかしナナと自分で言っておきながら間違うとは、とんだシロウトに出くわしたもんだとあきれ果てて。結局その日は別々に行動し、翌晩にようやく3人揃ってゴーゴーバーへ。ある意味でとても良い勉強になったとは思ったけど。


スワンナプーム国際空港

2011-06-06 05:41:01 | 800 観光
先週はタイへ出張。例年5月頃から雨季に入るという話で、事前に天気予報をチェックするとずっと雨の予報。こりゃいやな毎日になるのかなと心配したけど、現地で駐在員に聞くと、雨季といっても1日のうち1~2時間ぐらいがどしゃ降りで、その時以外は晴れているとのこと。今思えばその通りで、雨が降ったのは最後の日の早朝だけで、あとはカンカン照りだった。

今回バンコク市内のホテルまではタクシーを使う必要があったのだけど、事前に調べると、スワンナプーム国際空港には数ヶ所の乗り場があり、各々でシステムと料金が異なるらしい。安い乗り方がいろいろとあったみたいだけど、3人でしかも全員が旅行用スーツケースを持っていたので無理をせず1Fへ。ゲートが数ヶ所あったので、その中のひとつへ。

すると無愛想な若い現地人女性から「450バーツ」との声が。通常は200バーツぐらいで、ボラれると400~500バーツというのがネットから掴んでいた情報。一旦引き揚げかけたけど、まあ3人だしいいかとバンに乗り込んだ。確かに普通車では無理だったかも。市街地がやや渋滞していたせいもあり、高速道路を利用してホテルへ着いたのが40分後。そこからが面白かった。

会社で清算してもらうためには領収書が必要。勿論タイ語は話せないし、運転手のおじさんは全く英語が分からないようだったので、得意の単語集を引っ張り出して”領収書を下さい。”という単語を指差した。するとおじさんは車のグローブポケットから領収書を取り出してきて。なんと既に500バーツと印刷されていた。これには笑えてきて。おいおい、やってくれるよなと。

こっちのやることは全てお見通しだったということ。しかし450バーツじゃなくて500バーツとはね。領収書代が50バーツかよと。まんまとボラれた情けない日本人がそこにいたということ。500バーツといっても日本円で1400円程度だから、日本基準だと取り立てて高いとは思わないけど、タイの物価を考えると日本の10倍ぐらい。次回はなんとか対策を考えないと。

ESOTERIC X-30

2011-06-04 07:30:35 | 530 オーディオ
最近熱を上げているオーディオ話の第3弾。ハマってますねえ。使っていたDENON製CDプレーヤーの低音の締りがどうも悪くて、25年前ぐらいに購入して最近ではお蔵入りしていたソニーのCDP-333ESDが復活。記事にもしたけど、この製品の宿命らしいトレイの開閉できず不具合の対策のために、新品のゴムベルトをヤフオクで購入。不具合は解消されたかに見えた。

ところが日が経つにつれて再発し始めて。前程ではないにしても、トレイが出てこないことが多い。トレイを少し指で持ち上げてはボタンを押す毎日。徐々にイライラが積もり始めて。それからかな、本気で買い替えを検討し始めたのは。最初候補の上がったのが、同じソニー製のXA55ES。ソニーとして最後のCD専用プレーヤー。中古の値段も手頃でかなり気持ちは傾いた。

だけど、再考させられたのが、「オーディオで買い替えてその差をハッキリ実感しようと思ったら、元の製品の価格の最低2倍以上出さないと無理」という、とあるネットのユーザーコメント。JBL4429との釣り合いを考えたら、やはり定価20~30万円ぐらいのを買っておかないと、すぐに後悔するような気がして。次に目をつけたのがTEAC。評判が良かったのがVRDS-25XS。

それからこの製品に搭載されてる独自メカであるVRDSに興味を持って。そうこうしているうちに見つけたのがエソテリックのX-25とX-30。これのブランドの最後のCDプレーヤー。つまりこれより後の製品は全てSACDも再生できる複合プレーヤーになった。だけど同じ値段ならCD専用の方が性能は良いはずだろうなと思って。結局通販でX-30の中古を16万円で購入。

つい先日届いたのだけど、早速手持ちのCDを聴いたら嬉しくなってきて。こりゃ本物だわ、音の締りが全然違う。奥行きも十分に感じられて。メカも良いのだろうけど、23kgというアンプやスピーカー並みの重量も効いているだろうなと。ブルーのイルミネーションがとても上品。ブルーと言えば、そうですねマッキントッシュ。実は新宿のオーディオショップで機種は違うけど、ESOTERICのCDプレーヤー+マッキントッシュのプリメイン+JBL4429の組み合わせを聴いたばかり。マッキンをつないだ時の女性ヴォーカルの色気は鳥肌モノだった。ということで次なるターゲットは中古のMA6900かMA7000あたり。来年あたりに是非。