このところエロティシズムがらみで哲学関係の書籍ばかり読んでいたら頭が疲れてきて、気分転換にと読んだのが村上春樹の初期の短編集「カンガルー日和」(1983年)。だいぶ癒されたかな。小説というのはヘンな理屈がないからいい。なかでも彼らしい淡いロマンが感じられ印象に残ったのが”バート・バカラックはお好き?”。なんたってパクったタイトルが洒落ている。
ペン習字の添削指導のバイトをしている独身の男と、その生徒で夫婦間が冷め切っている女が、男が都合でバイトをやめるにあたり、最後に女の家で初めて会って彼女の作ったハンバーグを食べるという何気ない話なのだけど、なんかフツーにありそうだし、あったらいいなと思わせる。この時二人で聴くのがバート・バカラックのレコード。そうか、バカラックかと懐かしくて。
というのも最近何度か新聞で彼の来日コンサートの広告を目にしていたから。その時の正直な気持ちは行きたいような行きたくないようなビミョウな感じ。もちろん彼の曲で”Alfie"や”Look of love”等等、記事でも紹介したし今も変わらず好きなのがたくさんあるのだけど、どうも老いた姿を見ると、なんか昔書いたラブレターを今になって子供に見られる?ような、かゆいというか恥ずかしいというか、そんな感じがしてきて。広島ならまだしも大阪までわざわざ観に行く程の気合いが入らなかった。
でも彼が20世紀を代表する作曲家の一人なのは間違いないところ。ビートルズ程じゃないにしても絶えずカバーが出ているし。彼の作る曲の特徴は、変拍子や変則小節を採り入れた自由な構成とモダンな転調。それとメジャーセブンスやマイナーナインス等のジャズコードの使い方。ポップスにしてはとても新鮮だった。そしてこれらの曲の底辺に共通して流れているのが粋で軽めなアメリカンテイスト。1970年代というのはそういう時代だったかなあと。久しぶりにCDを聴いてそう思った。
今回11年ぶりで4度目の来日という彼は今年80歳。いや素晴らしい。この歳になっても世界を渡り歩いてコンサートを開けるなんて。さすがに昔のオリジナルは音源として古くてつらいけど、DVDでも出たら買って家族の留守を見計らって昔の想い出に浸ろうかな。
カンガルー日和
The Best of Burt Bacharach![The Best of Burt Bacharach](http://images-jp.amazon.com/images/P/B000006SMG.09.TZZZZZZZ.jpg)
ペン習字の添削指導のバイトをしている独身の男と、その生徒で夫婦間が冷め切っている女が、男が都合でバイトをやめるにあたり、最後に女の家で初めて会って彼女の作ったハンバーグを食べるという何気ない話なのだけど、なんかフツーにありそうだし、あったらいいなと思わせる。この時二人で聴くのがバート・バカラックのレコード。そうか、バカラックかと懐かしくて。
というのも最近何度か新聞で彼の来日コンサートの広告を目にしていたから。その時の正直な気持ちは行きたいような行きたくないようなビミョウな感じ。もちろん彼の曲で”Alfie"や”Look of love”等等、記事でも紹介したし今も変わらず好きなのがたくさんあるのだけど、どうも老いた姿を見ると、なんか昔書いたラブレターを今になって子供に見られる?ような、かゆいというか恥ずかしいというか、そんな感じがしてきて。広島ならまだしも大阪までわざわざ観に行く程の気合いが入らなかった。
でも彼が20世紀を代表する作曲家の一人なのは間違いないところ。ビートルズ程じゃないにしても絶えずカバーが出ているし。彼の作る曲の特徴は、変拍子や変則小節を採り入れた自由な構成とモダンな転調。それとメジャーセブンスやマイナーナインス等のジャズコードの使い方。ポップスにしてはとても新鮮だった。そしてこれらの曲の底辺に共通して流れているのが粋で軽めなアメリカンテイスト。1970年代というのはそういう時代だったかなあと。久しぶりにCDを聴いてそう思った。
今回11年ぶりで4度目の来日という彼は今年80歳。いや素晴らしい。この歳になっても世界を渡り歩いてコンサートを開けるなんて。さすがに昔のオリジナルは音源として古くてつらいけど、DVDでも出たら買って家族の留守を見計らって昔の想い出に浸ろうかな。
カンガルー日和
![カンガルー日和](http://ecx.images-amazon.com/images/I/21DJB17BGRL.jpg)
![The Best of Burt Bacharach](http://images-jp.amazon.com/images/P/B000006SMG.09.TZZZZZZZ.jpg)