或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

ブルガリ

2006-09-29 06:23:38 | 500 ファッション
先週カミさんと買物へ行った時に、久しぶりに新しいオーデコロンを購入。イッセイ・ミヤケのロードイッセイプールオムを長年使っていて、気に入っているので、別に替えたいとは思ってなかったけど。セールをやっていて目に止まったので。写真のブルガリ(BVLGARI)のソワール(SOIR)。2006年の新作。だから見たことがなかったんだ。

まず気に入ったのはボトル。形そのものは、これまでと同じ。だけどモスグリーンの色づけが渋い。オトナの雰囲気。香りをサンプルでテストしたら好みの感じ。ちなみにコピーは、“ブルガリのプールオムコレクションの中でも、最もリッチで、魅惑的で官能的な香り”。成分は、トップ:ダージリンティ、ベルガモット、ミドル:パピルスウッド、ラスト:アンバー、ムスク。

ここ数日つけているけど、確かにセクシー系かなあ。おそらくラストのムスクが効いているでしょうね。自分の中では、昔使っていた、初代プールオムのおとなしい印象が強かったから、ちょっと意外だったけど。まあブランド展開の一環なのかも。

それでブルガリで思い出した話をひとつ。ここの香水の歴史は確かそんなに古くなかったと調べると、始めたのが1990年の前半。まだ日本で有名になっていない頃、ロスに出張した時に現地の駐在員から、「こっちで流行り始めたから、日本もすぐですよ、女の子は喜びますよ」、なんて煽られまとめ買い。これが1994年に発売されたプールファム。ベージュの箱が、今や定番中の定番。

会社の机の引き出しが、ある時期倉庫みたいになったけど、機会を見ては配ったかなあ。でも、確かに喜ばれはしたけど、目に見えるような成果はなかったような気がします。はい。(笑)

華麗なる賭け

2006-09-27 06:42:34 | 350 映画
今日は昔懐かしい映画の話。と言いながら観るのは初めて。スティーブ・マックイーン主演のミステリーコメディ、「華麗なる賭け(The Thomas Crown Affair)」(1968年)。きっかけは、ミシェル・ルグラン作曲の主題曲「風のささやき(Windmills of Your Mind)」が聴きたくなって。面白いのは、題と曲の日本語訳。ちょっと飛躍しすぎなんじゃないかと思うけど、なかなか洒落ている。

映画は、古き良き時代の雰囲気がムンムン。そんな中で男と女のやりとりがイカしてる。なんともゴージャズでオ・ト・ナ。英語題の“affair”って言葉がピッタリ。特にチェスのシーンはぐっときます。改めて感心したのは、フェイ・ダナウェイの魅力。スリムなのに色気がたっぷり。スーツが似合って、ガンガン攻めてくるタイプ。男としてはM感覚を楽しめる。日本だと誰だろう、ぱっと浮かぶのは萬田久子。若手だと、滝沢沙織って感じかなあ。

それでお目当ての主題曲だけど、これがもう素晴らしいの一言。主人公が、黄色いグライダーで大空を飛ぶシーン。この曲を流すためにわざわざ設定されたのじゃないかと思わせる。ルグランの曲は勿論だけど、バーグマン夫妻のやや哲学的な詩が素晴らしい。“大きな輪や小さな輪のように円を描き、無限に廻り続ける輪、・・・・・、静かに廻る心の風車を見つけた・・・・・”。

実はビデオを観る前からよく聴いていたのが、オランダの女性ヴォーカル、ローラ・フィジィ(Laura Fygi)のアルバム、「Watch What Happens」(1997年)。全曲ルグランの曲で、しかもアレンジを彼が担当。なんと中にはローラとのデュエットも。彼のアルバムはいろいろ聴いてきたけど、音楽の完成度という点で群を抜いている。そのセンス溢れる音楽性が存分に発揮されていてオススメです。

ルグランは印象に残っている曲が多いので、また別の形で紹介したいと思います。

Watch What HappensWatch What Happens

デスクトップPC

2006-09-25 06:50:20 | 540 モノ
やっと念願かなってデスクトップPCを買い替えました。VAIOノートを買ったら、その性能の良さにビックリ。新しいデスクトップが欲しくて欲しくて。メーカーはいろいろ検討したけど、結局デル(DELL)に。ヘンなアプリケーションが入っていないのと、価格の安さが魅力。早速使っているけど、サクサク動いてホントいい感じ。技術の進化を肌で感じています。主要な仕様は以下の通り。

■機種: Dimension 9200  ■OS: Windows XP Media Center Edition
■CPU: インテル Core2 Duo プロセッサー E6400  ■キャッシュメモリ: 1Gバイト
■ハードディスク: 250Gバイト ■ドライブ: 2ドライブ DVD-ROM + DVD+/-RW
■その他: フロッピーディスクドライブ+13メディアカードリーダー、TVチューナー内蔵
■ディスプレイ: 三菱 19インチ RDT197S  ■スピーカー: BOSE MEDIAMATEⅡ

まずはCPUやハードディスク等のハードスペックを、そこそこのグレードに設定。このスペックで数社に絞り込んだけど、決め手はディスプレイとキーボード。ディスプレイは外観がシンプルな19インチでグレア仕様(鏡面仕上げ)、しかもスピーカーなしを探したけど、ハイエンドの三菱製が気に入って。デルだと、これがオプション選択とセット購入の特別値引きが利用可能。

一番の決め手はキーボード。今まで使っていたVAIOや、会社で使っているIBMは、キーボードに純正のハンドレストが付いていて、これがとても使い易い。でも最近では、市販のものが主流になり、純正は見なくなって。どうもしっくりくるのがないなあと思っていたところに出てきたのが、今流行りのフレームレス。これだとハンドレストがなくても打ち易い。

それと、どうしても欲しかったのが、BOSEのPC用スピーカー。これがねえ、やっぱりBOSEはBOSE。国産とは音が違う。やや雑で乾いた音作りがジャズにピッタリ。気に入ってます。

赤外線通信

2006-09-22 06:26:14 | 900 その他
今日は夏の終りのちょっとしたハプニングの話。今週終了した診断士の実務補習で、親睦を兼ねて飲み会を開催。場所は、補習会場のすぐ近くにある、写真のオープンカフェ「京橋リバーウィン(R-WIN)」。前々から一度寄ってみたいと思っていて。やはり屋外は気分が違います。開放感でいっぱい。季節的にも、暑くもなく寒くもなく。川風がひんやりと心地良かったなあ。

7時ぐらいから始めて、ジンギスカンをたらふく食べて、ビールに日本酒。打ち上げという浮いた気分も手伝って酒量が増えて。9時頃にお開きで解散。それから店を出て稲荷大橋を渡っていると、今までいたオープンカフェの写真を撮っているギャル2人組みを発見。自分もさっきブログ用に撮ったばかりだったので、酔った勢いもあって、つい声をかけちゃって。

だいたいこういう場合、シローイ目で見られるのが普通。だけどそんな雰囲気は意外になくて。調子に乗って撮った写真を見せると、妙に受けたりして。これで意気投合。「何処まで帰るの?」「広島駅まで」「なーんだ、一緒じゃん」、なんて会話をしながら3人で歩き始めて。野球観戦の帰りなんだとか。聞くと2人とも20歳。それから約10分ぐらい、とりとめのない話を。

それで駅に着いて、「良かったらメルアド教えてよ」と軽いノリで言ってみたら、「えーっ」なんて表情で彼女達が顔を見合わせて。でもすぐに「いいですよー」との返事。未知の世界はここから。ケータイを取り出して、どうやって教えてもらおうか悩んでいたら、「赤外線しますか?」との言葉。結局ケータイをもう一人の子に渡してやってもらうことに。初めて見たなあ、赤外線通信を。

JRに乗った後、半信半疑でケータイをチェックしたら、ちゃんと電話番号とメルアドが入っている。すかさず絵文字入りメールを送ったら、すぐに今度誘って下さいねという返事が返ってきて。いやあ、なんか楽しかったなあ。これからどうするか、目下思案中です。(笑)


診断士実務補習第3期終了

2006-09-21 06:08:52 | 100 中小企業診断士
先々週の金曜日から始まった中小企業診断士の実務補習第3期が一昨日終了。今回も、前回に引き続いて新制度による日程で、変則12日間。一度経験済みで、だいたいのペースが分かっていたから、気分的には楽だった。

広島地区の参加者は、前回と同じく全部で5名。全員がサラリーマンで、昨年の2次試験合格者。広島市4名と愛媛県松山市1名。自分が3回目で、他の4人は2回目。2人は前回から一緒で、残りの2人とは初顔合わせ。彼らは、前回は福岡と大阪への参加者。やはり会社の都合があるので、仕事との日程調整に苦労しているみたい。

さて企業診断だけど、今回も各メンバーの専門分野がうまく散らばっていてバランスの取れたチーム構成。“広島テンプレート”とも呼ぶべき、シンプルな報告書のフォーマットが定着して、作業も実にスムーズ。自慢は報告書のカバーの紙ファイル。粘着シールにプリンタでダイレクトに表紙と背表紙を印刷。糊とかを使わず短時間でスマートに製作ができるので好評でした。

これで診断士の実務補習は全て終了。後は中小企業庁へ申請するだけ。今から申請すると、11月の資格交付になりそうだとか。いよいよ待ちに待ったものが。振り返ると足掛け3年、いろんなことがあった。一番嬉しかったのは、昨年の12月に、2次筆記試験の合格メールを友人から受け取った時。ちょうど一人京都にいて、嵐山線の駅のホームで。あれからもう1年近くかあ。

ということで、これで今年の主要イベントも全て終了。3回の診断士の実務補習と社労士試験。なんだかあっという間だったなあ。これで思う存分、ゆっくり休息が取れる。何処か温泉にでも行って、のんびりしようかと考えています。

すべてがFになる

2006-09-18 06:43:31 | 010 書籍
最近ようやく読了したのが、森博嗣(もり ひろし)の「すべてがFになる」(1996年)。学科は違うけど、自分と同じ大学、学部の出身で、最近まで、そこの現役助教授だったということで、親近感がありました。それでとりあえず処女作でも読んでみようかと。でも定職を持ちながら、長編小説をバンバン書き続けるなんて、凄い才能と根性だなあ。上には上があるってことですね。

この作品は第1回メフィスト賞を受賞。といってもこの賞を知らなかったので調べると、出版社への“持ち込み”を制度化したもの。創設には“持ち込み”によってデビューした京極夏彦の存在が大きく、裏では彼を第0回?受賞者とすることがあり、森博嗣を衝撃的にデビューさせるために設けた賞とも言われてるんだとか。そうか、二人はここでつながっているのか。

それで読み終わった感想は、これは凄いの一言。京極の「姑獲鳥の夏」と、ある意味似た印象。どちらも長編で、けっこうくどい。でも構成がしっかりしていて、トリックも本格的。京極を“伝統的陰湿陵辱SM系”と形容したけど、森は“未来的空想数学PC系”とでも言っときましょう。でもね、この作品も京極と同じく後味が悪い。どうも空想系は苦手。それと登場してくる西之園萌絵と真賀田四季。なんか名前がタカラズカみたいで、キャラも少女漫画の主人公のイメージがぬぐえないなあ。

面白かったのは、「すべてがFになる」というタイトルの意味。彼の作品は”理系ミステリー”と呼ばれているらしいけど、自分も理系出身。だから中で出てくる業界用語は馴染みがあって理解できる。その意味でタイトルとトリックのつながりは面白かった。でもコンピュータに詳しくない人には分かりにくいだろうなあ。ということで、一応上の写真で説明しておきます。ネタバレ注意だけど。

すべてがFになるすべてがFになる

愛のコリーダ

2006-09-15 06:19:45 | 200 ジャズ
帰省している息子とTSUTAYAへ行ったら、彼が借りたCDの中に、クインシー・ジョーンズの「The Dude」(1980年)が。モデルの山田優が出ているジンジャーエールのCMに、アルバムの最初の曲、“愛のコリーダ”が使われているからとか。家に帰って聴いたけど、懐かしかったなあ。どれもいい曲揃い。古さなんて微塵もない。改めて凄いと感じたのが彼のプロデュース能力。彦麻呂風に言えば、さしずめ“ビッグネームの幕の内弁当やー“ってところかも。

古い話だけど、彼のアルバムを最初に買ったのは、1961年のニューポート・ジャズフェスティバルにおけるビックバンドのライブ盤。特徴である洗練された音作りがアレンジの中にたっぷり。テンションが多いけど音数が少ないから、すっきり爽やか。3曲目のバラード、”Evening in Paris”での若き日のフィル・ウッズによるアルトサックスソロが、鮮明に脳裏へ焼きついている。

その後シンセサイザーを取り入れ、よりカラフルで多彩に。そしてこの「The Dude」で一気にブレイクしたって感じ。思い出すのは“愛のコリーダ”を聴きながらディスコでよく踊ったこと。クラブじゃなくて昔はディスコ。まさに酒池肉林。楽しかったなあ。勿論息子には、そんな話はしてませんけど。

今回得意げに見せたのが、ボックスセットのCD4枚組み。タワーレコードで衝動買いをしたもの。時代順に代表的な演奏がピックアップされており、まさにクインシーの歴史の総ざらい。解説の冊子も充実していて、マニアにはたまらない。

だけど息子に一番受けたのが、久石譲の話。彼のこのペンネームは、クインシーの名前からつけられたことを説明。分かります?久(ク)石(イシー)譲(ジョー)。でもパクったにしては、渋くていい名前だなあ。話のついでに、“愛のコリーダ”という曲名は、大島渚監督の有名なハードコア映画からパクったという話をしようかと思いましたが、内容が内容だけに、やめときました。(笑)

クインシー・ジョーンズ・アット・ニューポート’61+1クインシー・ジョーンズ・アット・ニューポート’61+1

The DudeThe Dude

The Musical Biography of Quincy JonesThe Musical Biography of Quincy Jones

葉唐辛子

2006-09-13 06:50:25 | 600 グルメ
この間、名古屋名物の味噌煮込みうどんの話をしましたが、今日はお土産の続編。年を取ると、あっさりした食事を取る回数が増えます、特に夏は。それで締めは、やはりお茶漬けが一番。そのお供と言えば、漬物か佃煮。漬物は、その季節で旬のもの楽しんでいますが、年中食べているのが、葉唐辛子の佃煮。これがウマイ。

写真は、お土産の中の一つで、貝新ブランドのもの。名古屋に行くとよく買ってきます。というか、葉唐辛子の佃煮は、何処でも売っているという代物じゃないので、見つけたら必ず買いますね。ちょっと前にも、広島そごうの地下の惣菜売場でたまたま見つけて。特に有名なブランドじゃなかったけど、切らしていたので即購入。家で食べると、予想外に美味しかった。

これをカミさんに言ったら、なんか怒っちゃって。名古屋に帰った時に、いつもわざわざ買いに行っているのに、そんなこと言うなら、もう買って来ないって。さすがに慌てて、やっぱり貝新に限ると弁解しておきましたが、冷や汗かいたなあ。

でもねえ、葉唐辛子って昆布もそうだけど、なんか見栄えが悪い。ジジババ臭いって感じ。それで面白い話を一つ。昔米国に出張した時、夜ホテルで持参した葉唐辛子をおかずにお茶漬けを食べていたら、たまたま部屋に入ってきた米人の友人が、「何処か体の調子でも悪いのか?」なんて言い出して。黒い枯葉?をちびちび食べている姿に、かなり違和感があったみたい。

確かにあっちで言えば、干からびたピクルスをおかずにパン食ってるイメージだから。東洋医学の食事療法に見えたのかも。そう考えると日本人って、なんかジミーな人種かも知れませんね。

アルフィー

2006-09-11 06:09:49 | 350 映画
最近観たのが、映画「アルフィー(Alfie)」(2004年)のDVD。1966年にヒットした同名映画のリメイク。バート・バカラックの名曲がテーマ曲ということで興味を持っていました。内容は、NYへやって来た英国の若者が、様々な女性遍歴を重ねていくというラブストーリー。主演は上の写真のジュード・ロウ。可愛いくて、なかなかのイケメン。プレイボーイの役どころにピッタリ。

これに絡む女優陣が、シエナ・ミラーからスーザン・サランドンまで、幅広い年齢層。キャッチコピーは、「誰かを本気で愛したこと、ありますか?」。たぶん普通の人には、「身を焦がすような真の恋愛をしてみませんか?」という誘いに聞こえるけど、この主人公には、「アンタ遊び以外で女とつきあったことあんの?」と、ちょっとキツーイ戒めに聞こえるんだろうなあ。

最初は、よくある女性遍歴ひらかし系のコメディ映画かと思っていたけど、途中からは、そのしっぺ返しが、ツケで廻ってきて孤独につながっていくという、心の寂しさを描いたヒューマン映画へ。でも、前に観た「Autumn in NewYork」程は白々しくなくて良かった。

全編を流れる音楽を、あのミック・ジャガーが担当。これはこれで映画にフィット。でもぐっときたのは、やはりエンドロールの途中から挿入されるテーマ曲。“ジャニスの再来”と形容される英国の白人シンガー、ジョス・ストーン(Joss Stone)が熱唱。ハモンドオルガンのバックも渋くて、ソウルフルでなかなかいい感じ。歌詞がこの映画にピッタリだったなあ。

それで面白かったのがウンチク。ほとんどが対女性に対する心得。中でも受けたのが、“どんな美人にも彼女に飽きた男がいることを忘れるな”という言葉。これは主人公の信条で、なんと彼の父親がくれた、たった一つのアドバイスなんだとか。うーん、やるなあ。なかなかクール。自分も、そろそろ息子にこんなアドバイスをしてやらなくちゃいけませんね。(笑)

アルフィーアルフィー

小出楢重(1)

2006-09-08 07:02:30 | 300 絵画
今日から画家を紹介する新しいシリーズを始めます。既に小説フォーライフの中で何度か登場させてますが、大阪出身の小出楢重(こいで ならしげ)。明治20年(1887年)生まれ。前回の佐伯祐三より11歳年上。当事、“東の劉生、西の楢重”と呼ばれたそうですが、その岸田劉生よりも4つ年上。年代的には、藤田嗣治より1つ年下なので、彼と同世代と言えます。

絵の特徴は、そのまったり感とファンキーさ。佐伯の絵は、直情的かつルーズな性格が生み出した荒いタッチが、今の時代にはカッコ良さやスマートさを醸し出し、まさにアーチストを連想させるのに対し、小出の絵は、その飄々とした性格を映し出すように、絵のタッチはまろやか。それと特徴的なのが漫画チックともいえるデフォルメ。ある意味対極的かも。

最初に見たのは、確か倉敷の大原美術館。でもその時は、なんか暗い変わった絵だなあと思った程度。印象に残り始めたは、ひろしま美術館にある「地球儀のある静物」(1925年)を見た時。それ以来だんだんと魅了されていくみたい。マティスに通じる安らぎを感じているのかもしれません。

彼は書き物も残していて、有名なのが絶版となっている「随筆集」。シリーズの中でも今後紹介していくつもりですが、佐伯がミュージシャンだとすれば、彼はバンドマン。その斜め目線に、なんか久保田二郎や自分に通じる価値観を感じます。

彼の作品が愛知県の小牧市にあるメナード美術館にたくさん所蔵されているのを最近知って。でもカミさんの妹に聞くと、この美術館は地元じゃ有名じゃないらしいけど。10月に用事で行くので、そのついでに見てくるつもり。晩年を過ごした芦屋にも立ち寄りたいし。なんかこういうついでがあると、だんだん旅行気分になってきて、行くのをすごく楽しみにしています。