或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

清盛神社

2010-11-29 05:52:06 | 890 広島
2週間前にゴルフ場へ向かうために中国自動車道を走っていると、山々がきれいに色づいているのに気づいて、カミさんを誘ってみたものの、ギックリ腰ぎみということで却下されて。今思えばおそらくその時がベストだったと思う。結局具合が良くなった1週間後の先週に紅葉狩りに出かけることに。行き先はこのところ毎年恒例となっている日本三景のひとつ、安芸の宮島。

家から電停まで歩いて5分、それから電車で約15分と観光地にしては近いのが魅力。加えてこの時期がグルメにはたまらない。名物の”あなご飯”と、これからが旬の”牡蠣”。フェリーに乗って島に着き、商店街を抜けてお目当てのあなご専門店である和田に着いたのが13時頃。ところが店の前に「本日のあなごは終了しました」との張り紙が。おいおい、もう終了かよと。

そういえば日曜日だし、人気店だし、なんとなく予感があっただけにちょっぴり落胆したかな。それからが苦行の始まり。歩けど歩けど雰囲気の良さそうな店が見つからない。というか、そういう店には長蛇の列が。結局街外れにある工事中の水族館の周辺にも足を延ばしてみたけど昼食は14時までという店が多くて。まあ、その間に十二分に紅葉を楽しんだのだけど。

半ば諦め気分で海岸づたいに厳島神社の方へ戻る途中に見つけたのが「清盛茶屋」。清盛神社のすぐ裏手。たまたま屋外の一等席が空いていて。まずはおでんをつまみにビールを。天気も良く、昼下がりの海風が実に心地よかった。それから日本酒の熱燗。シメに「清盛セット」を一人前だけ注文。うどんとお茶碗に盛られた穴子のひつまぶし。これが意外に美味しくて。

なんか、雨降って地固まるというか、和田のワンパターンから抜け出して新たなスポットの開拓ができて良かったというか。お洒落な雰囲気は微塵もないけど、メニューが豊富だし、海を眺めながら酒をチビチビやるには最高。商店街から離れていて混雑がないという点でも、まさに穴場。ということで、晩秋の瀬戸内海を存分に楽しんで大満足で帰路についたかな。


ひるがお

2010-11-26 06:00:46 | 600 グルメ
先週の出張の時の話だけど、幕張メッセで開催されていたイベントを見学するため、とりあえず東京駅周辺でカバンと四輪キャリーを一時的にどこかで保管しておく必要があった。もちろんそれはコインロッカーしかないのだけど、八重洲近辺が工事中で、かなり利用が制限されていて。中央口にあるのはあったのだけど、容量の少ない小型タイプのみ。これには困った。

結局北口に行ってみても小型タイプのみ。半ばあきらめムードの中、折り返して南口へ行くと、ようやく中型と大型が見つかって。もしあそこになかったらと思うとゾッとするけど。とりあえず保管場所が見つかったので一安心。それじゃ昼食をと地下街に入ると目に止まったのが東京ラーメンストリートの案内。「こんな所にラーメン横丁か、こりゃ食べるしかないな」と即時直行。

人が並んでいるので直ぐに分かったけど、問題はどの店に入るか。こんな場合、伝統的な老舗に入るのを常としているので、行列が最も長かった塩ラーメン専門店の「ひるがお」に決定。なんて決めておいて、いつ頃から塩ラーメンを食べるようになったのか自分自身で疑問を持ったりしたかな。学生時代によく食べた”サッポロ一番”も塩じゃなくて味噌だったし。

広島では豚骨醤油の広島ラーメンと豚骨の博多ラーメンの2つが中心で、味噌ラーメンも少数派、塩ラーメンなんてほとんどメニューになかった。それがポツポツと塩ラーメンを売りにする店が出始めて。特に女性にはヘルシーなイメージが好評で、自分の娘も最近よく食べているらしい。そんな状況の中で有名店の塩ラーメンを一度食べてみたかったという思いがあって。

混んだ店内で待っていると出てきたのが写真の塩玉ラーメン。まずはスープ。なかなか奥深い。鶏や魚介系が複雑に入り混じっているのだけど、その中ではホタテの風味がやや強いかなといった印象。全体としてはとても優しい品格のあるテイスト。なるほどねと納得。なんでも「せたが屋」という店の系列で、都内に姉妹店がいくつかあるとか。ニューヨークにも「せたが屋」の支店が2店舗あって、イーストビレッジ店の塩ラーメンが人気で、地元紙のベストオブニューヨークに選ばれたとのこと。


佐伯三貴

2010-11-23 05:55:31 | 450 スポーツ
今年の5月に長年休止していたゴルフを再開してからというもの、ドライバーとフェアウェイウッドを新調したり、ゴルフボールを新たに購入したり、はたまた最近流行のウエアを揃えたりと、いろいろ忙しかったのだけど、自分がプレーするとなると、TVのゴルフ中継に目がいくようになってきて。なかでも遼クンについては、あまりのスーパースターぶりに圧倒されっ放し。

ただし持つクラブとか、自分のプレーには全く参考にならないし、ルックス的な意味合いもあって、どうしても目がいくのは女子プロのTV中継。まあオジさんだからしょうがないか。それで久しぶりに手に汗を握ったのが、先々週に開催された女子プロの伊藤園レディスゴルフトーナメント。優勝したのは若手プレーヤーの佐伯三貴。地元広島出身ということで注目してきた。

最近はJGAやJPGAも外国人パワーに押されぎみ。特に女子プロはその傾向が強くて、トップテンの半数以上を韓国や中国の若手が占めることもざら。まあイ・ナリのようにカワイイ子もいて、それはそれで楽しめるのだけど、やはり日本人に頑張って欲しいなと。そんな中で久しぶりに最終日に日本人がトップで、しかもそれが佐伯三貴ということで、かなり力が入ったかな。

このところ調子が良さそうだったので、ぶっち切りで優勝かなと思いきや、プレッシャーからなのか思った以上にスコアが伸びず、逆に下からの追い上げで予断を許さない状況。17番だったかボギーをたたき最終ホールのスタート時点では1打差に。まあTV中継的には美味しい場面なのだろうけど、自分としてはマジで応援していただけにハラハラドキドキだったなあ。

圧巻は最終ホールでの最終パット。数年前に同じようなシチュエーションでセカンドを池ポチャし優勝を逃しているとのアナウンサーの話に嫌な予感がしたのは確か。今回それはなかったけど、最後にグリーン上で実に嫌な距離が残って。本人のかなり緊張している様子が画面からアリアリ。強めに打ったパットがカップに吸い込まれ、彼女が感極まって顔を両手で覆った瞬間に、こっちも「ヨッシャー」と大声を出してしまった。いや、嬉しい。おめでとう。これからも頑張ってね、マダム。

N700系

2010-11-21 07:46:56 | 900 その他
転職してから半年が過ぎようとしているのだけど、変化として大きいのは出張が増えていること。自分の場合は広島空港から自宅が遠いし、逆にJRなら最寄の駅まで歩いて10分強なので、おのずと交通機関としては飛行機ではなく新幹線ということになる。主要都市への所要時間も、東京まで4時間半、大阪まで1時間半と、昔よりだいぶ短縮されているのも大きい。

極めつけは電源設備の充実。最近では2007年に登場したN700系が主流となっていて、全ての車両の窓側の席にコンセントが備えつけられている。これはありがたい。移動時間にPCで存分に仕事がこなせるから。予備のバッテリーを2本も帯同していたのだけど、これが重くて。それとハンディタイプのハードディスクに入れた映画を楽しむようになってから、さらに快適に。

切符を予約する時はE席を必ず指定するようにしている。窓側の席は3列側がA席で、2列側がE席。トイレとか行くのにも2列の方が断然便利。それでこの間の東京出張の時の話。広島駅でエスカレータを登る時に確認すると車両は16号車。おいおい、やけに遠いなと。ホームに上がり四輪キャリーを引っ張っていくと、なんと最前列の車両。16両編成だと初めて知って。

サプライズはその後。新幹線がホームに入ってきて車両に乗り込んで座席を確認すると、なんと最前列だった。これが15番E席。車両や座席について無知だったことをやや反省したりして。さらに驚いたのは、座席の前に備えられていたテーブル。これが広い。おそらくN700系だからだろうなと。スペースも十分確保されていて、とにかくビジネス空間として十分な広さ。

なんて話はどうでもよくて、乗っている間じゅう脳裏をめぐったのが、子供の頃に遊園地で乗った電車のこと。最前列というのは特等席だったなあと。皆がそこに座りたいからたいてい奪い合いに。この年になって初めてそこに座れたような気がする。


Port Charllote Hotel

2010-11-14 07:52:04 | 860 英国紀行
ブナハーヴンとカリラという島の北東端に位置する蒸留所を訪問した後は、島を一気に縦断する形で北東から南西へ。目的地は南西端にあるポートナヘイブン(Portnahaven)という町。出発前にネットで検索したら、ここではアザラシに会えると書いてあった。しかもロブスターで有名な漁師町とか。それで思いついたのが、ここで昼食をしてシーフードランチでも楽しもうと。

車を走らせていると、ボウモアを経てポート・シャーロットを過ぎた頃から周囲が急に閑散としてきて。海岸線に沿って羊の放牧地が続く。それにしても、なんて壮大な景色なんだろう。青い海と緑の草原とのコントラストがそれは美しい。途中には車1台ようやく通れるような場所もいくつか。路肩で待ちながら対向車と離合したけど、そんなシチュエーションも楽しかった。

長時間のドライブを経て、昼前にようやくポートナヘイブンに到着。さっそくレストランを捜してみたけど、それらしき建物が見当たらない。人の気配もほとんどなし。仕方なくアザラシを探してぐるぐる周ってみたものもの、動物の気配もなし。結局灯台の写真を何枚か撮って、この町から退散。ちゃんと詳細に調べておけば良かったと後悔したけど後の祭り。まあ、しょうがない。

かなりお腹が減ってきたので、来た道を急いで引き返して辿り着いたのがポート・シャーロット・ホテル(Port Charllote Hotel)。ここは幹線沿いにあるからすぐに分かった。ここでまたまた前菜にカキを注文。結局今回の旅行では3ヶ所で計18個のカキを食べたことになる。味的には他の2つと比べて鮮度が悪い分やや落ちたかな。だけど十分に美味しかった。

ここはボウモアのハーバー・インと双璧をなす、この島ではハイクラスのホテル。前に紹介したロックサイドホテルで知り合ったイングランドから来た金持ち風の夫婦もここに宿泊していた。想像よりは島内にレストランが少なかったような気がする。




Caol Ila

2010-11-10 05:15:28 | 860 英国紀行
アイラ島の2日目に2番手として訪問した蒸留所がカリラ(Caol Ila)。ブナハーブンの蒸留所から近いので海岸伝いに行こうかと思ったけどそんな便利な道はなくて、結局基幹道路まで引き返して、これまた専用の側道を通って海岸沿いの蒸留所へ。

第1印象は、ブナハーブンとほぼ同じ地形でありながらとてもモダンな感じがした。敷地に入り駐車場に車を止めるとゲストルームがすぐ正面にあったので入ろうと近づくと、そのすぐ後ろに巨大なポットスティルが窓ガラス越しに見えたのには驚いた。

ゲストルームが、これまた小奇麗な感じで、若いキレイ系のお姉さんでもいれば良かったのだけど、受付にはオバさんがひとり。お土産を探していると、「テイスティングでもどうですか?」と話しかけてきて。とりたててここでボトルを買うつもりはなかったけど、他に買いたいものが見つからなかったので、誘いに乗って3種類を試飲。いずれもオフィシャルボトルで、12年、18年及び12年カスクストレングス。さすがにカスクストレングスは香りが強くインパクトがあった。やや食指が動いたりして。

その時オバさんが、「このカスクストレングスはここでしか売ってませんよ」と絶妙のタイミングで語り始めたもんだから、つい「それじゃ、これを」と衝動買いをしてしまった。この旅行でまだ2本目だし、どうせならそういうレアものを手に入れたかったのでいいかと。帰国してネットで調べたけど、確かにこのラベルは何処にも載っていなかった。その意味では正解だったかな。

それで悪乗りして「写真を撮ってもいいですか?」と尋ねたら、「OKよ」との返事があったので記念撮影を。別にキレイ系でもなんでもなくフツーのオバさんだったけど、「眼鏡を外すわね」とニコニコし始めて。さらにそこまでしなくてもいいのにポーズを取ってくれたりして。ちょっと乗せすぎたと後悔したかな。幻滅しちゃいけないのでその時の写真は載せていないけど。

帰りに側道から基幹道路に入ったら、アイラ島に来る時にフェリーが着いたポート・アスカイグの港がすぐ近くだった。だからあれだけジュラ島が近くに見えたのかと納得。それにしてもジュラ島というのは何ともいえない迫力と存在感があるなと。


Bunnahabhain

2010-11-08 05:56:20 | 860 英国紀行
ようやく今年の猛暑の後遺症が薄らいでくると、記事にしておかねばと義務感が芽生えてきたのがGWの英国旅行。振り返ると6月で投稿を中座。なるほどね、ちょうど暑くなり始めた頃かもしれない。ということで記憶が消えないうちに続編をと。

アイラ島の2日目、最初に訪問した蒸留所がブナハーブン(Bunnahabhain)。他の蒸留所のような個性的な味ではないので、普段あまり飲まないかな。だから正直なところ興味がなかった。島の最北端に位置していて、他の蒸留所と同様に海岸沿いにある。

この蒸留所には幹線から山を越えて行くのだけど、その途中で数多く咲いていたのが黄色いゴース(Gorse)の花。日本名はハリエニシダ。日本ではほとんど見かけないけど、英国や地中海沿岸の山岳地帯、牧草地帯ではポピュラーらしい。アイラ島でもいたるところで咲いていて、特にこの山には多かった。圧巻だったのが下の写真。ポツンとある農家の辺り周辺がゴースに完全に包まれていた。その山を越えたあたりからとジュラ島が対岸に見え始め、行き着いた先がブナハーブンの蒸留所。

駐車場に車を止めて構内を歩いたのだけど、倉庫の外壁等がかなり傷んでいて歴史を感じさせた。というより寂れた町工場の雰囲気。敷地の中央になにやらゲストルームが。だけど受付に係員の姿が見当たらない。外に出るとちょうど10名くらいのツアー客が戻ってくるところだった。それを見送ってからお土産を買いにショップへ。これが受付のある建物とは別で、もろに工場の中。この辺りの媚びない雰囲気には好感が持てたけど。狭かったけど、ショップには様々なグッズが並べられていた。

自分の気をひいたのがポットスティルの形をした水差し。蒸留所のお土産としては最高だったかな。後で調べると、ブナハーブンのシングルモルトは意外に売れているとのこと、特に米国で。その理由というのが、ラベルに描かれている水夫と「westering home(西の故郷へ)」という言葉。船乗りを題材にしたスコットランド民謡から引用したもので、元西部劇の俳優だったレーガン元大統領の”西”に引っ掛けて、ホワイトハウスで催されるパーティーでよく使われたとか。なんか関係ない気もするけど。

帰り際に海岸沿いに道があるのかを尋ねると、ないとの返事。ここまで20分程度車で走ってきた道はこの蒸留所への専用道だったのかとその時に気がついた。


Bilhete

2010-11-01 05:50:48 | 220 POPS
一昨日ゴルフへ行った時に、スポーツドリンクをステンレスボトルへ入れて持ってくるのを忘れたことにラウンドをしながら気がついて。ついこの間まであれだけ喉が渇いたのに。そう言えば来週からはもう11月。それにしても今年の夏は暑かったという話になって。とにかく10月中旬まで、もう勘弁してくれよとお願いしたくなるくらいだったよな。それで思い出したのが音楽。

その暑い間のヘビロテが何はさておきイヴァン・リンス。そのやるせなさが夏にピッタリ。暑さのためにあれこれ考える思考能力が低下している中で、生理的欲求から中毒になるくらい聴いていた感あり。それで過去の彼に関する記事を振り返ると、お気に入りの曲をいくつか紹介していた。それで忘れていたことに気づいたのが”Bilhete”。日本語訳は"Message"。歌詞は恋人との別れを綴ったもので、最後に彼女に対して”boa sort, adeus”、 英訳でGood luck and goodbye”というところが切ない。

これも他の曲と同じバラード。初期のアルバムである「Juntos」(1984年)の中での歌と演奏が最もピュアな雰囲気かな。本人も気に入っているのか、その後の数々のアルバムでセルフカヴァーしていて。それで今年に入って購入したのが「Cantando Historias」(2004年)で、デビュー33周年を記念してのスペシャルライブ盤。シモーネ等のゲストも豪華で聴き応えがある。ソースにはDVDとCDの両方があって、自分はHMVでDVDを購入。Amazonでは下のCDしか取り扱っていなかった。

その中にも"Bilhete"[YouTube]が。ブラジル出身の女性ヴォーカリスト、ジジ・ポッシ(Zizi Possi)とのデュエット。イヴァンのピアノ伴奏だけによるもの。これがしみじみと聴かせてくれる。なんて素敵な曲なんだろうと。歌はイマイチだけど官能的なジジのルックスもあってこれはこれでよし。

なんか確信するのだけど、おそらく20年経っても夏にはイヴァンばかり聴いているだろうなと。

Cantando Historias (CD)Cantando Historias (CD)