或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

長崎ちゃんぽん

2008-04-30 08:03:17 | 600 グルメ
今月の26日からGWが始まりましたね。それに合わせて27日から昨日までの3日間で小旅行を。 先月末に予定していた長崎釣行が悪天候でキャンセルになったため、その仕切り直しというかリベンジというか。終わってみれば、前回は土日の2日で組んだ強行日程のためかなり無理があったけど、今回は連休中なので日程的にも気持ち的にも余裕があったので良かった。

広島から長崎までは高速道路を使って車で約5時間。友人と3人だったので運転も交替できたし、心配した渋滞もなくスイスイと進み、昼過ぎには長崎に到着。チェックインを済ませ、まずは腹ごしらえ。行き先はグラバー園のすぐ下にある中華料理の四海楼(しかいろう)。ここはちゃんぽん発祥の店として有名。店に着くと、その大きく近代的な建物に圧倒された。

店の前にあった30分待ちの看板に、現地に住んでいる友人は気が短くて別の店にしようかと言い始め、いやここでいいよと説得し始めた矢先、チャイナドレスに身を包んだ若い女性が近づいてきて「メニューはランチコースだけになりますけど、グループのお客様なら3Fがすぐにご利用できます」との誘いが。この店は自分がわざわざ指名していただけに、これには助かった。

ビールと紹興酒を飲みながら待っていると、スープ、餃子、酢豚、ちゃんぽん、皿うどんの順に料理が運ばれてきて。どれも素朴さが漂う飾り気のないシンプルな味付けで、特にちゃんぽんのクリーミーなスープと皿うどんの固麺のしゃきしゃきとした歯応えが印象に残った。これで1500円は安い。皆も元祖の味を十分に堪能したので、観光の前準備としては完璧だった。

食事の後で館内にある「ちゃんぽんミュージアム」を見学したけど、写真と共に店の歴史が紹介されていて。創業が明治32年で、ちゃんぽんは中国の福建省出身であるこの店の初代が考案したメニューで、最初は従業員のまかない料理として始まったらしい。ちゃんぽんの語源と考えられているのが中国の福建語である吃飯(シャポン)なんだとか。いや、勉強になりました。

ちゃんぽん皿うどん

社労士勉強進捗[4月度]

2008-04-25 07:14:10 | 150 社会保険労務士
今年の社労士の試験概要が発表に。試験日は8月24日(日)。てっきり31日かと思っていたけど1週間早かった。これに先立ち資格各校の模擬試験日程も発表になっている。自分の今年の受験戦略は、とにかく模擬試験の数をこなすこと。以前参加していた勉強会で聞いたアドバイスの中で、受けられる模擬試験は全て受けて自信をつけたというのが頭に残っていて。

いろいろ考えて決めたのが、TACとLECで計6回。理由として、まずは自宅じゃなくて会場受験にしたいから。やはり本番に近い雰囲気に慣れるというのが重要かなと。自分は独学だから、通学組と比較するとどうしても答練とか実戦に縁遠いから。次が受験料。内容は置いといて受験料はピンからキリまであり、1回千円から5千円ぐらいの幅がある。最も安いのがなんとTACとLEC。これは都合が良いかなと。両校共に3回パック割り引きがあるので、とにかく安く済ませたいという自分にはピッタリ。

これら全体をまとめたのが上の画像。模試を2回受けては2週間かけて復習というパターンを2ヶ月続けて、最後の1ヶ月はまとめに集中するというスケジュール。けっこうタイト。でもこれだけ模試をこなせばさすがに自信がつくような気はする。

勉強は順調です。エクセルで作成している横断整理表は70ページ近くにもなり充実している。過去の本試験問題も平成11年度から平成19年度までの9年分を領域別と年度別に各1回計2回おさらいした。つまりインプット作業はほぼ完了。後はそれらを完全に憶え込み、確実に正解を取り出すアウトプット作業のステージ。記憶力が衰えた年寄りにはこれがけっこう難しい。

話は変わるけど、後期高齢者医療制度が新聞やTVで盛り上がっていますね。ネーミングや保険料の負担、年金からの特別徴収ばかりが話題になっているけど、なんと扶養世代の自分達まで保険料がアップする気配。団塊世代の引退の影響もあるけど、どさくさに紛れて国は負担していた政府管掌保険の赤字補填を健康保険組合に肩代わりさせようとするし。でも今はまだいい。20年後には医療費総額が現状の30兆円の倍ぐらいまで膨れ上がるだろうから。いやはや想像するだけで空恐ろしい。

ゴールデンスランバー

2008-04-23 06:26:48 | 010 書籍
久しぶりに読んだ伊坂幸太郎は、書き下ろし長編小説「ゴールデンスランバー(Golden Slumbers)」(2007年)。前回はいつだったかなと調べると「終末のフール」(2006年)で約1年半前。すっかり彼のことを忘れていた。気づいたのは今年初めに見た広告。早速図書館で予約したけど、いつもの如く3ヶ月待たされて。これも気にならなくなった、というか今回は早かったかな。

待っている間に2008年の本屋大賞受賞を知ったりして、かなり期待していたのは確か。世評も彼の最高傑作とかと絶賛しているものが多かったし。それで結果はどうだったかと言うと、自分的にはイマイチで、なんか違うだろって感じ。彼らしいギャグとかネタは満載なのだけど、物語全体を通して流れる空気にいつもの彼らしさ、つまり軽妙な斜め目線と余裕が感じられない。

内容は首相暗殺の濡れ衣を着せられた男の逃亡劇。全体は5部構成で、第1部はいつもの彼の雰囲気。それが第2部、第3部の固い語り口に少々違和感が出てきて。第4部の本編は、どうもテンポがせっかちだし逆に細かい部分がくどくて長い。主人公の青柳に絡むキルオこと通り魔の三浦や、他の登場人部のキャラも薄いし、あげくの果てに結末がよく分からない。

なんというか伊坂の真摯な姿勢はヒシヒシと伝わってくるのだけど、マジになればなる程逆に彼のキャラが遠のいていくって感じ。整形手術をした影武者なんかも出てくるけど、これって推理小説の禁じ手だったような。どうもね、全体の骨格が弱い。「ラッシュライフ」とか「死神の精度」と比べると差は歴然。まあ好みの問題だけど、こんな感想私だけ?古いか、この表現。

引用されている音楽はビートルズの「アビー・ロード(Abbey Road)」(1969年)のみ。ついでだから小声で言っておくと、ビートルズって特定の数曲を除いて基本的にそんなに好きじゃないんですよ。ブリティッシュ系がどうも・・・。それであんなこんなで思いついたギャグが、横山やすし口調で”怒るで、スランプ野郎”、”お!こーるでん、スランパー”。分かります?スランバー(Slumber)じゃなくてスランパー(Slumper)。なんて茶化しつつも、ホントのスランプでなきゃいいけど。

ゴールデンスランバーゴールデンスランバー

無理な恋愛

2008-04-21 06:24:05 | 370 テレビ
いよいよ今年の第2四半期のドラマが始まりましたね。前のクールで「あしたの喜多善男」の出来がすこぶる良くて、いまだにその余韻に浸っているのだけど、今回のクールで興味をそそられたのが火曜日の夜10時に初回が放映されたフジTV系列の「無理な恋愛」。そうか、両方共に関西テレビ。視聴率を度外視してオトナ向けを作るという風土があるのかも。

ドラマのテーマは”年の差カップル”。堺正章が演じる60歳のレコード会社の重役が、夏川結衣が演じる35歳の売れない役者に恋をする。ただし観ていてその年の差が少々キツイ、金が目当てならアリだけど。20歳の差ぐらいがギリギリでしょ、経験的に。まあこの番組は団塊世代がターゲットらしいから、彼らの妄想に焦点を当てるという意味で仕方がなかったとも思うけど。

それで今回嬉しいのが娘と共通の話題ができたこと。見たい番組というのはたいがい違うのだけど今回は珍しく一致。理由は二人の別々のお目当てが出演しているから。娘がチュートリアルのイケメン徳井で、自分が夏川と鈴木砂羽。そんな自分にとっては初回からドキドキするようなシーンのてんこ盛り。というのも彼女達は再現シーン専門の役者という設定なのだけど、一人で何役もこなすから、その都度OLからスケバンまでいろんなコスチュームを見せてくれる。いわゆるコスプレ大作戦。

なんて感じで次回以降がますます楽しみだけど、おいおいと思ったのは、古めかしい主題歌を堺自身が歌っていること。まあかつてのグループサウンズのスターという設定で、実の本人そのままという絡みもあるのだろうけど、やはりコレだけはトレンディな売れ線系にして欲しかったな。なんかベタ過ぎて。そうでなくてもジジババ向けの臭いがプンプンしているのだから。

自分的には「結婚できない男」ぐらいまでが現実としての許容範囲かなあ。

奥田元宋・小由女美術館

2008-04-18 06:19:43 | 300 絵画
先週の土曜日に広島県三次市へドライブに行った主目的が奥田元宋・小由女美術館の訪問。実はこの二人の地元アーチストの存在を知らなかった。ちょうど2年前のオープン時に地元のTVが取り上げていたので気づいたという次第。ちょうど企画展「フランス近代絵画のながれ~バルビゾンから印象派へ」を開催していてタイミングが良かった。

着いてまず驚いたのがその外観の風格。よくある一流美術館の雰囲気。館内に入ってまず企画展を見たけどさらにビックリ。ミレーに始まりルノアール、ゴッホ、モネまで約100点弱。代表的な作品じゃないにせよ、フロアを含めた雰囲気は広島市にある美術館に引けを取らなかった。元宋と小由女夫妻の作品展示に毛の生えたレベルと思っていたけど、これほど立派とは。

興奮冷めやらぬままその二人のフロアへ。最初は2003年に死去した日本画家の元宋(げんそう)。当初は児玉希望に弟子入りして腕を磨いたらしい。昨年末に同じ広島県出身の日本画家である平山郁夫の作品展に行ったので両者を比較しながら見て回ったのだけど、画家としての技量にはかなり差がある。しかも元宋の場合は作品による出来不出来のバラつきが大きい。にしても彼の特徴である赤を基調とした数点の風景画には、平山にはないダイナミズムと迫力が楽しめた。

次が人形作家の小由女(さゆめ)。人形の鑑賞というのは初めて。自分の好みの領域ではないけれど上質の芸術性が作品から感じられた。マイセンとかと同じ雰囲気。こういうのって好きな人は好きなんだろうなあ。造形もそうだけど色使いがとても上手い。

見終わって感じたのが、すぐ傍には三次ワイナリーがあり市の一大観光スポットになっているのは間違いないけど、今はハコモノ行政への風当たりが厳しい時代。作品は全て小由女さんから寄贈されたものらしいから費用はかからないとしても、建物は鉄筋コンクリート3階建てで総事業費は約30億円。文化の育成という意味では大事だろうけど、経営は大変だろうなあ。


胸中山水―画文集胸中山水―画文集 山燃ゆる―奥田元宋自伝山燃ゆる―奥田元宋自伝

Ana Caram

2008-04-16 06:35:45 | 220 POPS
春になるととフツーは軽めのフュージョンが聴きたくなるのだけど、どうも今年は冬場のホットなモードジャズからソフト系をすっ飛ばしていきなりラテン系にシフトしたみたい。このところよく聴いているのがブラジルのサン・パウロ生まれの美人シンガー&ギタリスト、アナ・カラン。最近ヤフオクで彼女の最も新しいアルバム「Hollywood Rio」(2004年)を手に入れたりしている。

音楽的には往年のスタンダード曲をシンセ等をふんだんに使った今風のアレンジで唄っていて、ラテン色は弱いけどオシャレ。MPBのネイティブな信奉者だと拒否感がでるだろうけどジャズ好きの自分にはしっくり。ベタ過ぎる選曲がたまにキズぐらい。

きっかけはいわゆるジャケ買いで、モノクロっぽい色合いに眼が止まった。この手でピーンと来たものはアタリが多くて。届いたCDを見て感心したのは裏ジャケとCDのラベル。群青色でトーナリティが取れ、なかなか凝っている。しげしげと眺めながら思ったのは、美人であることは昔から変わらないけど、若い頃に比べると随分痩せたなあと。彼女は1958年生まれだから今年50歳。

1988年にメジャーデビューして、これまでリリースしたアルバムが10枚程度。ジャケには彼女自身の写真が使われていることが多いのだけど、興味深いのがその変化。髪型や化粧を含めて雰囲気が大きく違っていて、まるで別人。順に見ていくと人生を感じるなあ。女優さんとかでもよくあるけど。最新のアルバムが一番イイ顔をしているところが素晴らしい。

話が逸れたけど、よく聴くアルバムは前にイヴァン・リンス特集で紹介した「Blue Bossa」(2001年)。おそらく出来的にはベスト。続いてやや荒いけどコアなファンには好まれそうな「Rio after dark」(1989年)と「The Other Side of Jobim」(1992年)、それにポップでカフェとかにフィットしそうな「Bossa Nova」(1995年)。音程がイマイチなところを割り引いても十分に楽しめます。

Rio After Dark (1989)Rio After Dark (1989) The Other Side of Jobim (1992)The Other Side of Jobim

Maracana (1993)Maracana    Bossa Nova (1995)Bossa Nova

Blue Bossa (2001)Blue Bossa Hollywood Rio (2004)Hollywood Rio (2004)

尾関山公園

2008-04-14 06:22:46 | 800 観光
先週の土曜日は天気が良かったのでカミさんと二人で久しぶりのドライブへ。目的はいくつかあって、その中のひとつが桜見物。広島市ではちょうど1週間前が桜の満開で、自分は土曜日にしっかり見たのだけど、カミさんは東京へ行っていたので見ずじまい。息子と一緒に中目黒界隈を歩いたら、東京は開花が早くてもうほとんど散っていたらしい。

山間部ならちょうど満開じゃないかなと狙いを定めた目的地は広島県三次(みよし)市。山陽と中国の両自動車道を乗り継いで車で約1時間のところにある地方都市。ここの尾関山公園というのが桜の名所だとネットで知って。小高い山の頂上にある展望台に登ると見晴らしが良く三次市内が見渡せた。山の南側は散り始めていたけど、他はほぼ満開だったので予想通り。

桃色に染まった景色を堪能はしたけど、およそ30分ぐらいで終わらせ足早に車へ。何故かって?それは花粉症が恐ろしいから。自分はそうでもないけどカミさんと娘は重度の花粉症。2月から4月というのが最盛期で、この時期になると彼女達は例年マスク、眼鏡、点眼薬、内服薬といった重装備をしている。それが今年は自分もかなりキビしい状態に陥ってしまって。

ハッキリ自覚したのは数週間前に干していた洗濯物を部屋の中に入れたとき。しっかり花粉を落とすように言われていたので、しっかり衣服を振ったまでは良かったけど、その直ぐ後から猛烈なクシャミが襲ってきて。それから1時間ぐらいはそれが止まらない。後で聞くと必ずマスクをしないといけないとか。いや甘くみていた、涙は出るわ、鼻水は出るわでパニックだったから。

それ以来どうもダメで、この間船釣りへ行った後なんか最悪。一日中海の上だったから花粉を吸い放題。釣っている時はなんともなかったけど、帰宅後に症状が出てきて。夜中はキツかった、ほとんど熟睡できなかったから。そんなこんなで今年は完全に花粉症の仲間入り。屋外に出るのを極力避けるようになっている。カミさんはやっと分かってくれたかと喜んでいるけど。


にごり酒

2008-04-11 06:28:01 | 650 酒
いつ頃からかよく憶えていないけど、暖かくなると飲み始めるのが白濁酒。いわゆる”にごり酒”って奴。ざっくり言えば、アルコール度の高い甘酒かな。ガラスの徳利に入れて冷蔵庫で冷やしておいて、週末とか休日にTVでも見ながらちびちびやる時によく合う。日本酒と同様に”和”の雰囲気だから音楽を聴きながらというのはあまりやらないけど。これはイメージの問題か。

というのも”にごり酒”で思い浮かべるのは時代劇。特に印象に残っているのが萩原健一が主人公を演じた「八つ墓村」(1977年)。戦に敗れた落武者が辿り着いた山間の村で生活を始める。ところが村の人間にとっては迷惑そのもの。そこで毒入りの酒を飲ませて殺してしまうという、おそらく皆さんよくご存知のストーリー。この時に振舞われたのがおそらく”どぶろく”。

”どぶろく”と”にごり酒”は何処が違うのかという質問には正確に答えられないけど、酒を造る過程の中で醪(もろみ)ができて、この醪そのままが"どぶろく"、醪を搾り濾過したのが”にごり酒”。さらに濾過して白色の部分である滓(おり)を完全に取り除いたのが清酒らしい。その意味では”どぶろく”は日本酒界におけるシングルモルトのカスクストレングスってところか。

実は最近コンサルの教育セミナー用として作成した資料の中で出てきたのが"どぶろく”。つながりは小泉構造改革。平成13年から18年にかけての在任5年間にいろんな施策を打ち出したけど、大きな柱が規制緩和。その中の目玉がいわゆる”構造改革特区”。簡単に言えば法律を緩和してビジネスチャンスを拡大するというもの。”どぶろく特区”もそのひとつ。これは制約がある酒の製造を一定の条件下で許可しようというもの。調べると、これがきっかけで生まれた商品が結構出回っている。

でもまだ飲んだことはありません。700ml瓶で2千円ぐらいするからけっこう高価。でも”にごり酒”だと甘くて口アタリが良いからついつい飲みすぎるけど、”どぶろく”ならそれがなくなるかも。記事にしたからには、まずは試しに飲んでみなくては。

大山 にごり酒   どぶろく特区 ほろよい小町

からみ合い

2008-04-09 06:29:10 | 350 映画
カミさんも呆れる程いよいよ深く岸恵子にハマってしまっている自分に気づく今日この頃。嬉しいのは広島駅にあるレンタルビデオ屋にTSUTAYAとか他の店では絶対にないチョー古いビデオがどっさり置いてあること。この中から彼女のベストを探すというのがこのところの関心事。そのためにまずは出演している映画のリストを作ったりして。妙に楽しいんだな、これが。

自分的には前回の「黒い十人の女」(1961年)みたく男を惑わすセレブ系悪女役の彼女が好きなので、女として脂の乗った20代後半から40代前半までの作品に狙いをつけてリストを眺めていたら、ふと気づいたのが30代の作品が異常に少ないこと。調べると1956年の合作映画への出演がきっかけでフランス人映画監督のイヴ・シャンピと結婚しパリに移住。30代というのがちょうど娘を出産し離婚するまでに重なっていた。おそらく子育てに専念していたのでしょうね、もったいない気がするけど。

中でも強く魅かれたのが「からみ合い」(1962年)。レンタル屋の棚で見つけた時は飛び上がるぐらい嬉しかった。彼女が30歳の頃の作品で時代小説家として知られる南條範夫のミステリーが原作。ガンで死期が近い大企業の社長の莫大な財産の相続を巡って周囲の様々な人間の欲望と策略が”からみ合う”というストーリー。社長の秘書役で、いつしか関係を持ち物語の中心になっていくのだけど、いや素晴らしい、彼女の気品と匂うような色気が。役どころも自分のイメージにピッタリ。

この映画には他に渡辺美佐子や芳村真理も出演していて楽しめるのだけど、意外にも一番驚いたのは武満徹の音楽。当時のジャズ喫茶のシーンなんかもあったりして、全編を通して流れるのがモード系モダンジャズ。今聴いてもクールで全く古さを感じさせない。マイルスの「Kind of blue」が1959年だから、そのすぐ後。日本で本格化したのは1960年代の後半。それを考えると、この映画の音楽がいかに斬新だったか分かるというもの。いやあ、これにはぶっ飛んだなあ。

ということで、これからは武満の映画音楽にも注目してみようと思っています。

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山桜

2008-04-07 06:24:23 | 400 釣り
先週の土曜日は友人と釣りへ。なにせ長崎釣行という大イベントが大荒れの海のために延期になったので、とりあえず落ち込んだ気持ちを盛り上げるためにと。これは設定としては正解だった・・・と思う、いや思いたい。好天に恵まれ絶好の釣り日和。おそらく年間を通してベストではと思うぐらい風がなく海も穏やかだった。ところが得てしてこういうのが危なかったりする。

釣り場に着いていざ仕掛けを投入したけど、まるでアタリなし。30分も経ったころに友人が「まさかこのままなんてことはないよね・・・」とニヤニヤ笑いながら話しかけてきたので、「これからだよ、これから・・・」と微笑み返したぐらいまでは良かった。この状態が納竿まで続くとはね、トホホ。船長の席に行って魚探をみると魚はウヨウヨいるのだけど肝心の喰い気がまるでなし。

釣れない時はどうしても船の移動が多くなる。そのうち二人共開き直ってきて。「今日は天気も良いし、クルージングでお花見に来たと思えばいいじゃん」との友人の言葉に、「そりゃそうだ」と相づちを。この辺りは長年釣りをやっていて一年中釣行しているベテランの強み。“釣れる時も釣り、釣れない時も釣り”って感じで、風景を楽しむうちに自然と気持ちも和んできて。

瀬戸内海沿岸はちょうど山桜の満開の時期。バラつきはあるものの、どの島の山々にも桃色の花が咲き乱れている。春の薄霞に包まれてなんとものどかな雰囲気。まあ釣りという格闘がないのだから自然に気持ちも穏やかになるし。周りのどの船も同じように釣れていなかったけど、釣客の顔は花見を満喫してほころんでいるように見えたかなあ。気のせいか。

それで釣果なんだけど、これが10cmのメバル1匹と15cmのカサゴの2匹。もちろんメバルはリリースしてカサゴは友人へプレゼント。ということで準ボウズ状態。確かにボウズは年に1、2度ぐらいはあるけど、こんな良い天気でしかも対象魚がメバルでとはねえ。フツーなら完全に落ち込みモードに入るところだけど、山桜のお陰でなんとか持ち直したからまあ良しとしておこう。