或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

広島ドリミネーション

2013-11-30 07:08:11 | 890 広島
先週の日曜日の夜は、久しぶりに広島市街の夜を堪能。というのもこの時期恒例である広島ドリミネーションが開催されていたから。いわゆるライトアップの祭典。調べると1988年から始まっているので、もう20年以上も続いているのか。飲み屋街である流川で飲んだ後、タクシーで帰宅する途中に見かけるぐらいで、実際に会場へ行ったのは、これで確か2度目のはず。

それで、どうせ楽しむなら趣向をこらしたいなと。いろいろ調べていると、会場である平和大通りに面している広島オリエンタルホテルに格好の部屋があることを発見。”コーナーダブル”がそれで、建物の最も南側に位置していて、会場が高層から見渡せる。さらにはビューバスと呼ばれる窓際に設置されたお風呂に入りながら楽しむこともできる。なんだか嬉しくなってきて。

ホテルのHPには間取りが掲載されていて、同じ”コーナーダブルでも”、西側の部屋からだと、窓から会場がより広範囲に楽しめることを発見。予約後に電話して「できれば西側でお願いします」とリクエストを。すると「確約はできかねますが、ご要望として承ります」との返事が。それで当日遅い昼食を済ませてチェックインすると、ラッキーにも希望の部屋が用意されていた。

部屋に入ると、想像よりも広めでお洒落な雰囲気。期待していた窓からの眺めも最高で、あとは夜になるのを待つだけ。買ってきた赤ワインを飲んでいると、いつの間にか辺りが暗くなっていて、いよいよ高層からの広島ドリミネーション見学。さすがに16階からだと小さくしか見えなかったけど、大通りの灯りと相まって、スノッブな都会の夜景が楽しめた。

最後は実際に歩いて鑑賞しようとホテルから出ようとすると、ちょうどタイミング良く馬車が通りかかって。なんだか急にお祭りモードに入ったりして。それからいろんなオブジェを見て周ったのだけど、小さい子供を連れた親子やカップルでいっぱい。その夜は、たまたま暖かくて、ワインで少し酔いもまわっていて心地よく、気分は最高。しばしの素敵な夜の散歩だったかな。


カミナリイカ

2013-11-27 05:27:35 | 400 釣り
先週の土曜日にいつもの遊魚船で、これまたいつもの友人達と釣りへ。天気は最高で、海もとても穏やか。この2、3ヶ月は、出航する度に台風や雨の影響が心配されて、いつも不安な思いをしてきたのだけど、ようやく釣り日和と呼べる日が来て。いや久しぶり。船底がいつもの自分の居場所なのだけど、いつになく振動が少なくて、海が穏やかなことがよく分かった。

それで当日の狙いはアオリイカとウマヅラハゲ。魚場である水無瀬に着いて、まずはアオリイカの仕掛けを投入。数分経って自分にアタリが。独特の引きを楽しみながら上げると、胴長25cmの良型が水面に。これは今日は期待できるかなと興奮してきたものの、その後は冴えなくて。船中でもポツリポツリといったレベル。そのまま2時間ぐらいが経過。皆が暗かったなあ。

そのうち隣にいた友人の竿先が大きく曲がったので、かなりの大物の予感が。上がったその大きさにビックリ。船長から「カミナリだよ、カミナリ」との声が。噂には聞いていたけど、これがカミナリイカ(モンゴウイカ)かと。横幅と厚みがスゴイ。胴のキスマークのような模様が特徴。横目で羨ましがりながら、底スレスレに棚を変えると自分にも強いアタリが。これがやけに重くて。

上がってきたのが友人と同じぐらいのサイズのカミナリイカ。こんなのいるんだと興奮しながら、なんか嬉しいというよりも笑えてきて。だけどサプライズはその後。今日はもうこれだけでいいやと満足した後、しばらくして再び同じようなアタリが。さっきよりも重かったので、これはまたかと期待したら、さらにサイズアップ。それが写真で、胴長がなんと30cmもあった。

その日の夜に自宅で調理したのだけど、体格的に釣ったアオリの4倍ぐらいの感触で、さばくというより格闘したって感じかなあ。墨の量もハンパなくて、台所の辺り一面が真っ黒に染まって。取り出した身の大きいこと。厚さが1cm以上あって。とりあえず一部を刺身にして食べたけど、やはりアオリより大味なのは否めない。お次はステーキにでもしてみようかな。

スタインウェイ

2013-11-25 05:11:06 | 200 ジャズ
先週の日曜日は、自身のソロコンサート。場所は広島では最もメジャーな、旧厚生年金会館[現広島文化学園HBGホール(広島市文化交流会館)]。2千人も収容できるこんな広い場所でジャズのソロピアノを企画するなんて、プロモーターもどうかしてると思いながら、熱望されたのでやむなく引き受けた。キース・ジャレット以来ということなので、その方が緊張したけど。」

なんてコメントを一度で良いからしてみたいなと思いつつ、全て妄想の話。だけど写真は合成じゃありません、ホンモノ、それと場所も。種あかしをすれば、半月ぐらい前、朝起きて新聞を読んでいると、ある記事に目が止まって。この会館の自主事業で”コンサートホールでピアノを弾こう”という企画が紹介されていた。一般市民にホールとピアノを時間貸しするというもの。

なんかピンと体に衝動が走り、その日のうちに事務局へ電話して即予約。広島市民だと1時間2千円で、それ以外だと2千5百円。これは安い。ただしひとり1時間まで。それからあれこれ考えて決めたのが、せっかくのチャンスだから撮影会も兼ねてやろうと。ということで娘夫婦に頼み込み、娘にはデジカメで、娘婿にはビデオレコーダーを渡してカメラマンになってもらって。

当日会場へ行きロビーで待っていると、前の人の演奏が壁越しに聴こえてきて。おそらく音大生か何かで何曲かクラシックの独奏曲を通しで練習していた。それが終わりいよいよ自分の番。ステージには2台のピアノが置かれていて、スタインウェイのD-274とヤマハのCFX。まずはD-274で、おもむろに自分のオハコのバラードである”Meaning of the blues"を。

驚いたのは音量。よく響くこと。フツーに弾くだけでホールの隅々まで伝わっていくって感じ。D-274はスタインウェイのフルコンサートグランドとしては最高峰の楽器で、価格は約2千万円。上品でおとなしいCFXと比較すると、とにかくよく鳴り、同時にタッチによる音の表情の変化が付けやすい。いや素晴らしかった。久しぶりにミュージシャン魂が昂ぶったなあ。

陽気

2013-11-19 05:31:03 | 600 グルメ
先週の土曜日に中小企業診断士の理論政策更新研修を受講のため広島市街へ。診断士の資格は5年更新で、更新のための要件のひとつとしてこの研修を5回受ける必要がある。年に2回開催されているので半分受講すれば良いのだけど、いつも都合がつくという訳でもなく、可能な日であればとにかく受講して、早く要件を満足させておきたいところ。

単に出かけるだけでは面白くないなと、昼食を食べるのに何処かラーメンでも美味しいところはないかなとネットで探していると、乗り継ぎで降りるJR横川駅の近くに、広島では誰もが知っている有名店である「陽気」の支店があることを発見。かつて本店へ行ったことがあったけど、おそらく数十年前。これは良い機会だなと少し早く家を出て、駅を降り歩いて5分程度で店へ到着。

まず感心したのが暖簾。真っ赤で、清潔で、しかも店の名前がどっしりと書かれている。これはまさに名店の雰囲気だなと。12時ちょっと過ぎだったけど、店内は既に満席。唯一残っていた合席に座って600円の中華そばと150円のおにぎりを注文。といっても食べ物はこの二つだけなのだけど。余談だけど、隣にいた若いお兄さんが2杯食べていたのには驚いた。

タイミングが悪かったのか、10分ぐらいしてもまだ出てこない。そのうち店外に行列が出来始めて。15分ぐらい待ってようやく出てきた時にはホッとした。外観はまさに広島ならではの豚骨醤油系。個人的には麺にやや腰が足りないと思ったけど、後は完璧。特にスープが美味しかった。独特の甘さがあり喉越しもなめらか、普段全部は飲まないのに気がつけばなくなっていた。

ゆっくり余韻に浸ることもできず店を出て、時間がなかったのでタクシーで会場であるJA広島ビルへ移動。タクシー代が千円以上かかったけど、美味しかったので許せたかな。研修はいつもの通りで、退屈極まりないと感じていたら、最後のセッションだけは実際の診断事例の紹介があり有益だった。来年もう1回受講すれば要件を満たすので、あともう一歩ってところ。


LIBERO

2013-11-17 07:39:23 | 600 グルメ
先週の金曜日の夜は、友人と二人で食事へ。場所は広島市街の中心で、少し裏通りにあるこじんまりとした高級イタリアンレストラン「リベロ」。もちろん相手は女性。男と二人でこんな店に行く訳もなく、最近知り合ったばかりだし、それなりの店で”おもてなし"しようとネットでいろいろと探していて見つけたもの。いつものことだけど、初めて行く店というのは緊張するなと。

それで三越で待ち合わせて歩くこと5分ぐらい。外観は色もくすみ、やや古びた感じで、通りを歩いていてもなかなか気がつかないぐらいの地味な印象。だけど中に入ると、想像した以上に狭い中にも、清潔で落ち着いた雰囲気だった。カウンターが10席と、テーブル席が3、4つぐらいだったかな。名前を告げると、店の一番奥にあるやや広めの半個室のテーブル席へ案内されて。

とてもいい感じで、間違いなく店の中でベストな席だなと直感。彼女も喜んでくれて、つかみはOKといったところ。予約した時に”シェフのおまかせコース”を頼んでおいたので、あれこれ迷う必要もなく、後はワインを選ぶだけ。自分はワインは詳しくないので相談すると、席に案内してくれたシェフの奥様らしい方がソムリエで、彼女がフルボディの中から選んでくれた。

それから前菜、リゾット、パスタ、メインの肉料理、デザート等々、コース料理が運ばれてきたのだけど、どれもが美味しくて。最近分かってきたのは、小さな店というのは、調理時間とか、出すまでの時間とかが、各々の客に対して個別に設定されているので、口に入れた時の食感というか、そういうものが大きな店とは違うこと。そしてそれが結構味の差となっていること。

食べ終わって気づいたのだけど、予約した時に各コースメニューの量の質問をしていて、少なめが希望ということに気づいてもらったのか、どの料理も量が適度に抑えられていた。ワインで酔いがしっかり回っていたせいもあったと思うけど、彼女も自分も大満足。店を出ると、シェフと奥様の二人が我々を見送ってくださって。とても良い気分で帰路についたかな。


シャガール展

2013-11-15 05:43:24 | 300 絵画
先週の日曜日の午後に、広島県立美術館で開催されているシャガール展へ。彼の作品は、それこそいたるところにあり、ほとんどの美術館が数枚程度は保有しているような気がする。それらを観るたびに洒落ていて素晴らしいと感じながらも、魂を揺さぶられるとか、そこまでの感動を味わったことはなかった。重厚な作品の合間に、デザートでも味わう感じとでも言えるかな。

なので今回彼の作品が200点以上展示してあると知って、これはデザートとしてではなくメインディッシュとして楽しめるかなと期待していた。おそらく女性に大人気だろうから、ゴッホ展の時と同様に近隣の駐車場が満杯になるだろうとの予想の元、少し離れた場所に止めて歩いて会場へ向かったのだけど、意外に空いていて。館内に入っても混雑している様子はまるでなし。

展示室に入ると、そこそこ客はいたけどゴッホ展の2~3割程度ぐらいだったかな。とりあえず彼の経歴をチェック。これまで全く知らなかったけど、彼はロシア系ユダヤ人で、美術学校を卒業して1910年にパリへ出て、その後ユダヤの迫害を逃れるために1941年に米国へ亡命。その後再びパリに戻り、晩年は南仏のニースに程近いヴァンスで暮らし、1985年に亡くなっている。

展示は油彩、版画、グワッシュ、水彩、陶芸等々、様々な様式がちりばめられていて、まさにシャガールワールド。その幅の広さはピカソに似ているなと。パリのオペラ座やランスの大聖堂のステンドグラスが彼の作品だとは知らなかった。会場ではそれを模擬した部屋も設置されていて、それなりに実物の雰囲気を味わうことができ、企画として凝っていて素晴らしいと感じた。

それで最も印象に残ったのが上の画像の「サン=ポールの上の恋人たち(Couple au-dessus de Saint-Paul-de-Vence)」(1970-1971年)。作品の下半分を彩る赤がとても印象的で、その上に隠れるように描かれたカップルの幸せそうな表情を浮き立たせている。見終えて、とても和んでいる自分に気がついて。とても幸せな気分で帰路についたっけ。


国境の南、太陽の西

2013-11-06 05:28:13 | 010 書籍
およそ1年半振りの読書ネタ。これはいけませんね、本を読まないというのは。なんだか最近自分が完全にネット人間になっているような気がして。というか完全になっているけど。どうも日常生活に忙殺されて、読書する雰囲気に自分を持っていくことができないでいる。たまたま今回は、ゴルフのせいか風邪ぎみになり、家で夜の早い時間から横になり、暇ができたから。

書斎に入り、積んである書籍を隅から隅まで眺めていて目に止まったのが、村上春樹の「国境の南、太陽の西」(1992年)。なんだかとても懐かしくて。かつて彼の小説をむさぼり読んだなと。この小説は、なんかタイトルが冒険小説っぽくて、長編で読むのに時間がかかりそうということで避けていたような。だけど、あまり期待しないで読んだ割には、なかなか面白かった。

物語は現実的でもあり、非現実的でもある、まさに村上のいつもの世界。主人公が、うだつのあがらないサラリーマンを8年やり、30歳でジャズバーの経営者に転身して成功するという辺りからぐっと気持ちが引き寄せられて。BMWに乗り、青山のマンションに住み、妻と二人の娘と幸せに過ごしていながら、どこかその幸せに浸りきれないでいる。同じ世代の匂いを強く感じて。

絡んでくる2人の女。イズミと島本さん。彼女達のプロフィールを全て明かさないところが、物語全体を霧に包まれたようなミステリアスな世界に導いてくれている。ラスト近くでは、少し哲学的な世界に変化していく。そして最後に出てくる主人公の言葉。いや、素晴らしい。久しぶりに自分自身を振り返る、そしてこれからの人生を改めてみつめ直すトリガーを与えてもらったなと。

「僕はこれまでの人生で、いつもなんとか別な人間になろうとしていたような気がする。僕はいつもどこか新しい場所に行って、新しい生活を手に入れて、そこで新しい人格を身に付けようとしていたように思う。...僕は違う自分になることによって、それまでの自分が抱えていた何かから解放されたいと思っていたんだ。...でも結局のところ、僕はどこにもたどり着けなかったんだと思う。僕はどこまでいっても僕でしかなかった。僕が抱えていた欠落は、どこまでいってもあいかわらず同じ欠落でしかなかった。...その欠落そのものが僕自身だからだよ。」

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

グリーン車

2013-11-04 05:37:39 | 900 その他
先週は火曜日から金曜日まで出張だったけど、金曜日の東京から帰りの新幹線に空きがなかった。といっても全くではなく、自分の希望する狙いの時間帯の列車で、E席もしくはD席に空きなかったということ。金曜日の夜はいつも混んでいるので仕方がないのだけど、かといって窮屈なB席とかにするつもりはないしで悩んでいた時にひらめいたのがグリーン車の利用。

というのも現在利用しているJ-WESTカードのエクスプレス予約の特典としてポイントがたまるシステムがあって、それをグリーン車に利用できることを思い出したから。確認すると月に1、2回は出張しているから東京、広島間で必要なポイントは十分にたまっていた。早速予約画面でD席を条件で検索すると、すんなり空席が見つかったので即予約。渡りに船とはこのこと。

正直なところグリーン車に乗るのは初めてだったと思う。大昔に結婚式の後で東京へ移動した時に使ったかもしれないけど、今となっては全く記憶がないし。少し前には、娘夫婦にプレゼントしていた。その意味ではようやく自分もって感じ。それで当日の夕方、いよいよその時が来て。今回の出張がハードだっただけに、いつも以上にリラックスできることを期待して。

9号車に乗り込み、ふかふかの柔らかい床を歩きながら自分の席へ。とりあえずPCをセットしようとコンセントを足元付近で探したけど見つからない。キョロキョロしていると手すりの前にあることが発見。というかグリーン車は全席個別装着だと分かって。シートは普通車より少し広めぐらいかな。道中たまたま隣りに客が来なかったので2座席を占有でき実に快適だった。

帰って調べて知ったのは、東京から広島までのグリーン席片道料金が、なんと約7千円もすること。特急料金とほぼ同じ。おいおい、あれでこの料金は高すぎじゃないのと。サービス的には使い捨てのおしぼりが2度出てくるだけ。それと雑誌が2冊置いてあるぐらいだから。ということは席料がほとんどということ。これは自腹を切ってまで利用するもんじゃないなと。