初めて読んだ恩田陸の記事がキッカケで彼女の作品をいろいろ紹介してもらって、なんとなくその体系が理解できたのは良かったけど、さすがに社労士の本試験が近づいてきたので長編を読むのはちょっと無理。それで手をつけたのが彼女の最初の短編小説集「図書室の海」(2002年)。1995年から2001年にかけて書いた作品全10編をデビュー10周年としてまとめたもの。
最初の「春よ、こい」を読んでいたら、装丁マチガイかと思うぐらい同じパラグラフが出てきて混乱。ちょっとつらくなったけど、次の「茶色の小壜」でいい雰囲気に。津原泰水監修「血の12幻想」という企画のための作品。こういう女の恐ろしさ、女の性が垣間見えるのって痛い目に遭っている分好きかも。余談だけど、“小壜(こびん)”という漢字が読めないのが情けなかった。
次の「睡蓮」の主人公は理瀬。「そうかあ、これが三月シリーズの主人公か」、なんて感じで。これかなあ、いわゆるひとつの恩田ワールドってやつは。夢幻の世界。そうこうするうちに「ピクニックの準備」が出てきて。なんか少女チックな雰囲気。有名な「夜のピクニック」のプロローグらしい。最後に、恩田が自分の原点っぽいとコメントしている「ノスタルジア」。不連続系“時をかける少女”風ばなし。よくこれだけ場面を次から次へ飛ばせるなあとあきれながら読んだけど、これはこれで面白かった。
特別に興味を持ったのが「図書館の海」と「ノスタルジア」の両方に出てくる”筆圧”の記述。 実は自分は筆圧が弱くて。最近はキーボード作業になって鉛筆を持つことが少なくなっているから忘れていたけど、学生の頃に筆圧の強い人へ憧れたのを思い出す。
なんだかんだ言いながら読み終えて思ったけど、恩田陸という人は多彩ですね。「朝日のようにさわやかに」のあとがきで彼女曰く、「ホラーでもミステリでもなく、より虚実入り混じったドキュメンタリータッチの奇妙な話、というのに興味がある」。それはそのまま自分の好みなので、これからも現実と非現実の中間地帯をさまようような雰囲気の作品を探して読みたいなあ。
図書室の海![図書室の海](http://ec1.images-amazon.com/images/I/21W4GXYCCCL.jpg)
最初の「春よ、こい」を読んでいたら、装丁マチガイかと思うぐらい同じパラグラフが出てきて混乱。ちょっとつらくなったけど、次の「茶色の小壜」でいい雰囲気に。津原泰水監修「血の12幻想」という企画のための作品。こういう女の恐ろしさ、女の性が垣間見えるのって痛い目に遭っている分好きかも。余談だけど、“小壜(こびん)”という漢字が読めないのが情けなかった。
次の「睡蓮」の主人公は理瀬。「そうかあ、これが三月シリーズの主人公か」、なんて感じで。これかなあ、いわゆるひとつの恩田ワールドってやつは。夢幻の世界。そうこうするうちに「ピクニックの準備」が出てきて。なんか少女チックな雰囲気。有名な「夜のピクニック」のプロローグらしい。最後に、恩田が自分の原点っぽいとコメントしている「ノスタルジア」。不連続系“時をかける少女”風ばなし。よくこれだけ場面を次から次へ飛ばせるなあとあきれながら読んだけど、これはこれで面白かった。
特別に興味を持ったのが「図書館の海」と「ノスタルジア」の両方に出てくる”筆圧”の記述。 実は自分は筆圧が弱くて。最近はキーボード作業になって鉛筆を持つことが少なくなっているから忘れていたけど、学生の頃に筆圧の強い人へ憧れたのを思い出す。
なんだかんだ言いながら読み終えて思ったけど、恩田陸という人は多彩ですね。「朝日のようにさわやかに」のあとがきで彼女曰く、「ホラーでもミステリでもなく、より虚実入り混じったドキュメンタリータッチの奇妙な話、というのに興味がある」。それはそのまま自分の好みなので、これからも現実と非現実の中間地帯をさまようような雰囲気の作品を探して読みたいなあ。
図書室の海
![図書室の海](http://ec1.images-amazon.com/images/I/21W4GXYCCCL.jpg)